日本という国の姿。辺野古新基地建設の背後にあるもの。

 辺野古新基地建設の背後にあるもの。
まさしくそれは、安倍晋三政権の『沖縄の軍事要塞化』の強い意志である。
 このことに関して、琉球新報(以下、「新報」)は「石垣陸自駐屯地着工 アセス踏みにじる蛮行だ」、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は同日に「[石垣陸自基地着手]住民理解にはほど遠い」、と2019年3月3日の社説で論評した。
この両者の社説を見てみる。


「新報」は、「あまりに乱暴」な安倍晋三政権の民意を無視した「強権手法」に徹したこれまでの経過について次のように指摘する。


(1)防衛省が1日、石垣市で陸上自衛隊駐屯地の建設工事に着手した。住民の理解が得られていない中での着工は、あまりに乱暴だ。
(2)防衛省が建設着手に急ぐのには理由がある。県が昨年改正した県環境影響評価(アセスメント)条例の適用を回避するためだ。アセス対象事業について、これまでゴルフ場や飛行場など特定事業に限定していたが「土地造成を伴う事業」は全て対象となった。このため基地施設の整備もアセスの対象に含まれたのだ。
(3)駐屯地の建設予定地は平得大俣地区の約46ヘクタールで、さらに土地造成も実施する予定だ。明確に改正アセス条例の適用事業となる。しかし条例では経過措置として本年度内の工事は対象から除外している。
(3)防衛省はこの経過措置の除外に目を付けたようだ。今回、沖縄防衛局が県に通知した工事計画の面積は全体の約46ヘクタールのうち、わずか0・5ヘクタールだ。本年度中にほんの一部でも工事に着手すれば、アセスの手続きを踏まなくて済むことになる。


 この上で、「新報」は、次のように批判を加える。


(1)防衛省関係者は「アセスは回避できたと考えている」と述べている。最短でも3年程度が必要なアセスの手続きを省くことで、工事を加速させたいのだろう。
(2)国が定めた環境影響評価法1条にはこう記されている。「土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者がその事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要である」。政府が自ら法で定めたアセスの重要性を踏みにじり、県条例のアセス逃れのために駆け込み工事をする。これが果たして法治国家のすることだろうか。
(3)駐屯地配備予定周辺の於茂登、開南、川原、嵩田の4区は反対を表明している。工事直前の2月27日に初めて開催された4区住民と防衛省との面談では、周辺の地下水汚染や国指定特別天然記念物のカンムリワシなどの営巣への影響に懸念が示された。アセス実施を求める声が相次いだが、防衛省側はアセス実施を否定している。
(4)石垣市の文化財課の報告書ではカンムリワシのほか、国指定天然記念物のリュウキュウキンバトとカラスバトが騒音、振動により巣を放棄する可能性があると指摘している。このため同課は営巣時期の11月から春先までの工事は避ける必要があるとの指摘を沖縄防衛局に伝えている。
(5)配備の賛否を問う住民投票の条例は、住民の直接請求によって提案され市議会で否決されたが、議員提案で再び議会に諮られる予定がある。配備予定地の半分を占める市有地売却の審議もこれからだ。


 だから、「新報」は、「あまりにも住民不在のまま基地建設を進めている。『島しょ防衛』という配備目的の中に、地元住民は含まれていないとしか思えない。アセスの手続きを踏まない拙速な工事はただちに中止すべきだ。」、と断じるのである。


 同様に、「タイムス」は、「住民へ丁寧に説明することなく、環境影響評価(アセスメント)を求める声も顧みない。合意形成にはほど遠い強行だ。」、と批判する。


(1)石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備に向け、沖縄防衛局は1日、駐屯地の工事に着手した。予定地内に土のうを置く作業などを進めた後、早ければ週明け以降、本格的な造成工事に入る。
(2)防衛省は南西地域の防衛態勢の充実を図るとし、石垣島に500~600人規模の警備部隊やミサイル部隊を配備する方針である。駐屯地には隊庁舎のほか車両整備場、倉庫、弾薬庫などの建設が計画されている。
(3)全46ヘクタールのうち、今回、造成工事を行うのは土地取得済みの旧ゴルフ場13ヘクタールの一部で、進入路部分に当たる0・5ヘクタール。現時点で予定地の約半分を占める市有地は未取得だ。

 
 また、「タイムス」は、「このタイミングで、なぜ工事着手なのか。」、と指摘する。


(1)指摘されるのは、調査などで工事が遅れるのを嫌っての「アセス逃れ」である。年度内に着工すれば、20ヘクタール以上の土地造成を伴う事業が対象となる県の改正アセス条例の適用外となるからだ。
(2)予定地は島民が飲み水や農業用水として使う水源の宮良川にほど近い。大雨が降ると雨水は川に流れ込み下流へと運ばれる。
(3県内では米軍基地周辺の河川から何度も高濃度の有機フッ素化合物が検出されており、予定されている車両整備場や弾薬庫から流れ出る水の安全が心配されている。


 「タイムス」は、まず、「住民の不安を拭い去るためにも、工事より先にアセス手続きを進めるべきだ。」、と主張する。


 また、「タイムス」は、石垣市に対しても次のように指摘する。


(1)自衛隊配備計画に対し於茂登、開南、川原、嵩田の近隣4地区は反対を決議している。先月末、「話し合いの第一歩」とし防衛省の担当者と面談したが、カンムリワシなど希少動植物や水源への影響、合意形成の在り方などについて納得のいく答えは得られなかった。
(2)そして住民らが再度話し合いを求めた直後の工事着手である。時間をかけた対応が必要だというのに、合意形成作業をすっ飛ばすという乱暴なやり方だ。
(3)石垣市の中山義隆市長は「国防や安全保障は国の専権事項」として配備を容認している。自治体には市民の生命や健康、安全を守る責務があるというのに、「国の専権事項」だからと思考停止に陥るのは一種の逃げである。本来なら「アセス逃れ」とも受け取れる国の姿勢をただしていくのが首長の役割ではないか。


 結局、「タイムス」もまた、「辺野古新基地建設を巡る県民投票で、投票者の7割超が「反対」の意思を示したにもかかわらず、政府は工事を止めることなく、県が求める新たな協議の場の設置にも耳を貸そうとしない。『説明責任』と『合意形成』という最低限のルールさえ守られず、沖縄の北では米軍基地、南では自衛隊駐屯地工事が強行されている。米軍と自衛隊の一体化が急速に進む中での基地建設は、南西諸島の『軍事要塞化』というほかない。」、と断じるのである。


 確かに、法治国家が行う行為ではない。
 安倍晋三政権の「強権手法」は、環境影響評価法1条-「土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者がその事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要である」。-に違反しているのは、明らかである。
こうした一連の動きは、戦争をする国家作りのための日本という国の軍事要塞化でしかない。




by asyagi-df-2014 | 2019-03-13 07:08 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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