「もんじゅ」、30年に及ぶ廃炉作業にはいる。

 表題について、朝日新聞(以下、「朝日」)は2018年8月30日、次のように報じた。


(1)「廃炉が決まった高速増殖原型炉『もんじゅ』(福井県敦賀市)で30日、炉内外にある核燃料を取り出す作業が始まった。準備段階で機器のトラブルが相次ぎ、当初の7月開始予定から1カ月遅れで、30年に及ぶ本格的な廃炉作業に入った。」
(2)「作業開始前、運営主体の日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長が職員らに訓示し、『安全、着実に進めることが信頼につながることを常に意識し、気を引き締めて取り組んでほしい』と呼びかけた。」
(3)「作業は午前10時半に始まった。原子力規制委員会が認可した廃炉計画では、2022年度までに原子炉と貯蔵槽で冷却材のナトリウムに漬かっている計530体の核燃料を洗浄し、水の入ったプールに移す。取り出した燃料の処分方法は決まっていない。全ての廃炉作業が完了するのは47年度末になる予定だ。」
(八百板一平)


 また、「朝日」は2018年8月31日、「もんじゅ廃炉 長く険しい道を着実に」、と社説で論評した。
この文殊廃炉をどのように捉えるのか。
「朝日」の社説で考える。
「朝日」の指摘は次のものである。


(1)「日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅで、核燃料の取り出しが始まった。これから30年にわたる廃炉作業の本格的な一歩である。長く険しい道のりを、着実に進んでいかねばならない。」

(2)廃炉の作業は、燃料を取り出しつつナトリウムを抜き、機器類を撤去した後、建物を解体するという流れで進む。高速炉の廃炉は海外でも米英仏などで10例ほどしかない。慎重に作業を進めてもらいたい。」
(3)「プルトニウムは原爆の材料にもなる。核拡散の面で不要な懸念をもたれぬよう、燃料の取り出しに当たっては、国際原子力機関(IAEA)との情報共有を心がけることが大切だ。」
(4)「計画では22年度までに、炉心と炉外貯蔵槽に残る530体の燃料をナトリウムの中から取り出して洗浄し、水を張ったプールに移すことになっている。ナトリウムは不透明で、取り出す際、中の燃料を目視することはできない。もんじゅでプールまで移した燃料は過去に2体だけで、作業の経験者は10人ほどだという。8年前の試験運転では、燃料交換装置が炉内に落下するトラブルがあった。今回も各種の装置の不具合が相次ぎ、7月下旬の予定だった作業開始が1カ月も遅れた。今後も念には念を入れた点検が欠かせない。」
(5)「燃料の取り出し以外も気を抜けない。ナトリウムは水や空気に触れると激しく反応する性質があり、95年のナトリウム漏れの際には火災が起きた。放射能を帯びたナトリウムは、特に慎重に扱う必要がある。」
(6)「原子力機構は過去にさまざまなトラブルを起こし、安全意識の低さや気の緩みが批判されてきた。もんじゅと同時に東海再処理施設の廃止作業も70年かけて進める。長い期間、緊張感と士気を保たねばならない。」
(7)「もんじゅにはすでに1兆1千億円が投入され、廃炉には少なくとも3750億円がかかる。これらの大部分は税金だ。トラブルやミスで廃炉費用が大きく膨らむようでは困る。」
(8)「普通の原発の廃炉と同様の難問が待ち受けていることも忘れてはならない。取り出した燃料やナトリウム、解体で出てくる各種の放射性廃棄物の処分法はまだと決まっていない。政府は問題を先送りにせず、解決に取り組むべきである。」


 確かに、「もんじゅ」の廃炉作業には、次の問題が横たわっている。


Ⅰ.日本原子力研究開発機構がこれから30年にわたる廃炉作業(燃料の取り出しや放射能を帯びたナトリウムの処理など)を果たして担えるという疑問が拭えない。したがって、このことをきちっと確認する国側の監視システムが必要であること。
Ⅱ.現場の材料になるプルトニウムの管理について、国際原子力機関(IAEA)との情報共有が必要であること。
Ⅲ.取り出した燃料やナトリウム及び各種の放射性廃棄物の処分方法が決定されていない中での作業開始であり、大きな難題を未解決のままであること。
Ⅳ.廃炉費用は国民の税金で賄われること。このため、廃炉費用が膨らまないように、日本原子力研究開発機構と国の責任を明確にすること。




by asyagi-df-2014 | 2018-09-09 15:10 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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