モラルハザードは極まる。

 小泉政権の聖域なき「規制緩和」政策の時も、モラルハザードが叫ばれた。
 現在の安倍晋三政権下では、すでに、モラルハザードと言う段階ではなく、日本という国が壊されたという状況に行き着いてしまった。
 そんな中での東京医科歯科大学の問題である。
 ここでは、あえて、琉球新報と沖縄タイムスの社説で、この問題を押さえてみる。
琉球新報は「東京医大得点操作 女性差別は許されない」、沖縄タイムスは「[東京医大入試]女性差別は許されない」、と2018年8月4日の社説で論評している。
 まずは、その社説を要約する。


Ⅰ.何が問題なのか。


(琉球新報)
(1)「法の下の平等を定める憲法14条は『人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない』と明記し、不合理な差別的取り扱いを禁じている。もとより、東京医科大の募集要項には男女別の定員などは記載されていない。公正な選考を装いながら、秘密裏に女子の受験生だけに高いハードルを課すことは憲法の理念にも反する。」
(2)「チャンスは、男女の別なく平等に与えられなければならない。事前に男子優遇を明示していたとしても、男女共同参画社会の形成に逆行する運営方針として、批判を浴びたに違いない。」
(3)「人の命を救いたいという純粋な思いから医師を目指しても、女性というだけでハンディを背負わされる。その結果、本当なら合格していたはずの女子が不合格となり、不合格だったはずの男子が合格する。このような理不尽が許されていいわけがない。」


(沖縄タイムス)
(1)「いつの時代の話か、と耳を疑ってしまう。」
(2)「募集要項にも男女の定員に関することは一切記載されておらず、説明義務に違反する。仮に記載されていたとしても、性差を理由とした差別であり、男女平等を定めた憲法違反の疑いさえある。」
(3)「医師を目指し必死に勉強していた女子受験生への背信行為であるとともに、国や企業などが進める男女共同参画の取り組みにも逆行する。」
(4)「女性が結婚や出産、育児のために離職や休職が多いことを減点する理由として挙げるのは、本末転倒である。むしろ女性医師がキャリアを積み、常態化している長時間労働を改めて働き続けられるような環境づくりに尽力することこそが重要だ。」
(5)「厚生労働省の調査によると、医師全体に占める女性の割合は約2割にとどまる。経済協力開発機構(OECD)加盟国では女性医師が7割超のエストニアをトップに、5割超が8カ国、4割超は20カ国に上る。日本は下位グループにとどまる。女性医師を支援する仕組みや労働環境の整備が不十分であることの表れだろう。」


Ⅱ.主張


(琉球新報)
(1)「医師不足を解消したいのなら、何をおいても、女性の離職を食い止める方策を実行すべきであり、問題解決の方向性が間違っている。働き方改革こそ急務だ。医療現場で女性の医師が伸び伸びと活躍できる環境を整えたい。」
(2)「文部科学省は得点操作について報告を求める考えだが、『性別による優遇は他の大学でもあるのではないか』との声も出ている。同様の事例がないか、調査すべきだ。」


(沖縄タイムス)
(1)「10年度入試の合格率は女子が男子を上回り、合格者の約4割を占めた。しかし、これを最後に、11年度以降は女子の合格率が男子を上回ったことは一度もない。誰の指示で、いつ始まったのか。医科大は弁護士による内部調査をしているが、全て明らかにする必要がある。」
(2)「公正な入試なら合格していた女子受験生の中には別の道を選択した人もいるだろう。医科大は過去にさかのぼり、不合格となった受験生の救済策を提示してもらいたい。似たようなうわさは他大学医学部でも絶えない。文科省は調査に乗り出すべきだ。」


 確かに、この問題は、憲法14条の『人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない』の規定に違反するものである。
 どうやら、この国が壊されているということは、日本国憲法の改憲の意思が、だから日本国憲法を守らなくてもいいという考え方を醸成してきた結果であることに起因する。
日本政府の責任は重い。




by asyagi-df-2014 | 2018-08-08 07:02 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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