沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年6月24日

「慰霊の日」が鮮明に描き出したもの。それは、「沖縄県と国、新基地巡り対立鮮明」(琉球新報)ということなのかもしれない。
「戦後73年目の『慰霊の日』、沖縄県の翁長雄志知事は『平和宣言』で、米朝首脳会談で合意された朝鮮半島の完全非核化などに触れ、名護市辺野古の新基地建設計画を再考するよう改めて求めた。安倍晋三首相はあいさつで辺野古新基地建設問題には触れず、その後の記者団の取材には米軍普天間飛行場の辺野古移設こそが『負担軽減』だと強調した。」(琉球新報)。
 平和宣言と基地負担軽減の言葉ををジックり読み比べてみれば、どちらが欺瞞かがよくわかる。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年6月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-沖縄県と国、新基地巡り対立鮮明 知事、東アジアの変化強調 慰霊の日・戦没者追悼式-2018年6月24日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「戦後73年目の『慰霊の日』、沖縄県の翁長雄志知事は『平和宣言』で、米朝首脳会談で合意された朝鮮半島の完全非核化などに触れ、名護市辺野古の新基地建設計画を再考するよう改めて求めた。安倍晋三首相はあいさつで辺野古新基地建設問題には触れず、その後の記者団の取材には米軍普天間飛行場の辺野古移設こそが『負担軽減』だと強調した。政府は8月中旬に埋め立て工事に着手する予定だ。一方の県は22日、沖縄防衛局に工事停止を求める行政指導文を送ったばかり。安倍首相は23日も工事を続ける意向を表明し、県と政府の対立がより鮮明になった『慰霊の日』となった。」
②「県関係者によると、知事が『平和宣言』で特にこだわったのは、朝鮮半島の非核化に向けた動きだ。今月12日の米朝首脳会談以降、北朝鮮が『敵対的』と批判してきた米韓共同訓練を米国が中止し、北朝鮮側に非核化を着実に進めるよう求めるなど、目まぐるしい動きが続く。」
③「知事は平和宣言で、辺野古の工事を進めることは『沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりでなく、アジアの緊張緩和にも逆行している』と批判した。県幹部は『世界はこれほど動いているのに、日本政府はなぜこれほど変わらない姿勢で基地建設を進めるのか。変わらないなら沖縄の負担が続く。知事はそれを発信したかった』と解説する。」
④「追悼式で知事が『辺野古に新基地建設を造らせないという私の決意はみじんも揺らぐことはない』と述べた後、『追悼のことば』で県遺族連合会の宮城篤正会長が『米軍普天間飛行場の早急なる移設を熱望すると同時に、戦争につながる新たな基地建設には遺族として断固反対する』と述べた後には、参加者から拍手が響いた。その多くは遺族たちの席からだった。」
⑤「翁長知事の平和宣言について、県政野党の自民党幹部からは『今回は去年に比べて政治的すぎた。追悼式の場でああいった宣言をすべきではない。週明けの県議会で取り上げる必要がある』などの批判も上がる。一方、県幹部は『辺野古について知事がトーンダウンすることは一切ない。その決意の表れだ』と強調する。」
⑥「知事が政府に辺野古移設計画の再考を強く求めた中、安倍首相は式典後、記者団の取材に『辺野古に移ることで飛行経路が海上に移り、学校はもとより住宅の上空は飛行経路とならない。安全上の観点からも負担軽減に資するものがある』と反論した。首相は他にも西普天間住宅地区の跡地利用が進んでいることや、米軍北部訓練場の過半の返還が、沖縄の本土復帰以来『最大の返還』だとも述べ、政府の負担軽減への努力を強調した。」
⑦「一方で知事は平和宣言で特に力を込めて読んだ文言がある。『戦後73年を経た現在でも日本の国土面積の0.6%にすぎないこの沖縄に在日米軍専用施設の70.3%が存在し続けている』。沖縄への基地集中が変わらない現状を強調し、『負担軽減』を巡る政府との認識の違いは鮮明だった。」
⑧「式終了後、県幹部は『名護市では流弾事故も起きたばかりだ。沖縄では同じことが繰り返されている。首相は【沖縄に寄り添う】と言っていたが、言葉が心に響かなかった』と話した。                                   (島袋良太、吉田健一)


(2)沖縄タイムス-平和の希求、力強く 翁長知事と若者の言葉 胸打つ 沖縄全戦没者追悼式-2018年6月24日 10:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「鎮魂と平和への祈りに包まれた戦後73年の慰霊の日。沖縄県糸満市摩文仁であった沖縄全戦没者追悼式で、膵(すい)がんの摘出手術を受け治療中の翁長雄志知事は、平和宣言で『沖縄のこころ』を何度も訴えた。平和の詩『生きる』を朗読した港川中学校3年の相良(さがら)倫子さんは『命の大切さ』『命を精いっぱい輝かせて』との思いを伝えた。沖縄の人たちに向けた二つのメッセージ。参列した遺族らはその言葉に耳を澄まし、戦争のない世界、基地のない沖縄を誓い合った。」
②「梅雨が明け、気温30度を超える真夏日の中、会場には沖縄戦で家族や友人などを失った高齢の遺族、小さな子を連れた家族連れ、制服姿の中高生ら5100人が参列した。その視線の先にあったのは、翁長知事と相良さんの姿だった。」
③「正午の時報で司会から黙とうを促された時、翁長知事は黒い帽子を静かに取り、目を閉じた。退院からわずか1カ月余り、抗がん剤治療で髪が抜け、やせ細った体。それでも、平和宣言では気持ちを奮い立たすかのように『私たちは、平和を希求する【沖縄のこころ】を大事に今日を生きている』と力を込めた。」
④「追悼式で平和宣言するのは4回目。これまで20万人余の命を奪った沖縄戦、広大な米軍基地から派生する事件・事故の数々、民意を顧みず強行される辺野古新基地建設に触れ、『平和を希求する沖縄のこころ』を強く訴えてきた。今回も、約6分間で3度繰り返した『沖縄のこころ』。『平和で誇りある豊かな沖縄』を築く決意を表明し、参列者一人一人に語り掛けるように『新基地を造らせないという私の決意は県民と共にあり、これからもみじんも揺らぐことはない』と言い切ると、大きな拍手が湧き起こった。」
⑤「相良さんは本番前、関係者席で少し不安そうに詩を軽く声に出して練習していた。壇上に立つと真っすぐ前を向き、『命よ響け。生きゆく未来に』と力強く朗読した。」
⑥「沖縄戦で兄を亡くした沖縄市の牧志好子さん(76)は知事の平和宣言を聞き、『県民が勇気をもらえる宣言だった。知事の覚悟を感じた』。那覇市の古波蔵久男さん(82)は『体調が悪いはずなのに、基地問題をしっかり発信していて心に響いた』とたたえた。」
⑦「相良さんの平和の詩を聞いた、与那原町の真栄平勝さん(76)は『われわれ世代の心にも訴えかけるような内容で、心から感銘した。戦後73年がたったけど、あの時代に戻ってはいけない』。」
⑧「大学のゼミで横浜市から訪れた聖心女子大4年の松澤まどかさん(21)は『詩を聞いて泣いてしまった。詩に込められた思いが本土にも伝わったらいいなと思う』と話した。」


(3)沖縄タイムス-「命輝かせて生きる」 相良さん「平和の詩」朗読 沖縄全戦没者追悼式-2018年6月24日 09:54


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「当たり前に生きられる幸せを感じながら、相良倫子さん(14)は自作の詩『生きる』を朗読した。」
②「〈青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった〉〈優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた〉。愛する美しい島が73年前、『死の島』と化したことを今の情景と対比させて表現。壇上でも、会場入りして目にした摩文仁の輝く海が思い浮かんだ。」
③「94歳の曽祖母が沖縄戦で大切な友人を亡くし、家族と離れ離れになる苦しみを味わった。『戦争は人を鬼に変えてしまうから、絶対にしてはいけない』と、曽祖母の教えが創作の原点。戦力という『愚かな力』で得られる平和などない。〈平和とは、あたり前に生きること。その命を精いっぱい輝かせて生きること〉と力を込めた。」
④「みんなと一緒に、未来に思いをつなぐにはどうしたらいいか。課題も見据える。『同じ世代の人が戦争や平和について学ぼうと思えたり、友達と話ができるようにしたい。誰かに私の思いを伝えることに挑戦していきたい』。一度も原稿を見ることなく、まっすぐに前を見つめて詩を読み上げた。『揺るがずに読めてよかった』。大役を終えると、涙がこぼれた。」


(4)沖縄タイムス-【記者の視点】抑止力で平和は可能か 沖縄全戦没者追悼式 相良さんの言葉に説得力-2018年6月24日 09:51


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「糸満市摩文仁の沖縄全戦没者追悼式で、平和の詩を読み上げる港川中3年の相良倫子さんの声を聞きながら、前日の小野寺五典防衛相の言葉を対比させた。」
②「小野寺氏は22日の会見で沖縄慰霊の日をどのような気持ちで迎えるかと問われ、『二度とあのような戦争を起こさないためにもしっかりとした抑止力を高めていく不戦の誓いを改めてさせていただく』と語った。相良さんは『生きる』という詩で『きっとわかるはずなんだ。戦争の無意味さを。本当の平和を。頭じゃなくてその心で』と呼び掛け、こう続けた。『戦力という愚かな力を持つことで、得られる平和など、本当は無いことを』。」
③「小野寺氏の言う抑止力とは相手が攻撃を思いとどまるような軍事力、攻撃しても圧倒的な差でやり返されると認識するような軍事力を背景とする。戦力、軍事力が戦争につながる「愚かな力」だとすれば、『抑止力を高めることが不戦につながる』と言い切れるだろうか。力で抑えつける状況が、平和と呼べるのだろうか。相良さんの詩は、そんな投げ掛けだったと受け止めた。」
④「太平洋戦争は日本が国際的に孤立し、米国などから経済制裁を受ける中で、ハワイの真珠湾を奇襲攻撃して始まった。そして戦況が悪化し、武器や兵士が不足したにもかかわらず、本土決戦の時間稼ぎで沖縄を『捨て石』にしたのである。沖縄戦を長引かせようと日本軍は少年、少女までを動員した。地上戦に多くの住民が巻き込まれ、県民の4人に1人、12万人以上が亡くなった。」
⑤「国を守る防衛相と平和を願う中学3年生の違いはある。ただ、あの戦争をどうすれば防げたかを考えた時、『抑止力を高める』という発想に行き着くだろうか。あの戦争を学び、そこから得た教訓として、相良さんの言葉の方が説得力を持つように感じた。」  (政経部・福元大輔)



(5)沖縄タイムス-祖先の沖縄戦体験盛り込み選手宣誓 沖縄北農・岸本主将-2018年6月24日 09:38


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「23日にコザしんきんスタジアムで開幕した第100回全国高校野球選手権記念沖縄大会で、北部農林主将の岸本宗太さん(17)が『慰霊の日の沖縄の地から、平和への思いを込めた高校球児の熱い戦いが始まる』と選手宣誓した。」
②「曽祖父、光雄さんの戦争体験を知ったのは新聞記事で。それまで『ひいおじいが言いたくないから言わないのかなと、聞けない自分がいた』と振り返る。だが4月15日付本紙に掲載された連載『語れども語れども』を読み、幼かった曽祖父が命懸けで逃げ回ったことを初めて知り、驚いた。」
③「開会式では『ひ孫として、沖縄の大事な日を伝えないといけない』と宣誓文に盛り込み、力強く読み上げた。今大会は100回の節目。『これからの日本の野球を背負う人も出てくるはず。自分たちの世代で盛り上げていく』と意気込んだ。」         (運動部・我喜屋あかね)


(6)沖縄タイムス-訴える沖縄県知事、反感薄めたい政府 「慰霊の日」に見えたそれぞれの思い-2018年6月24日 06:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「戦後73年目の慰霊の日に開かれた沖縄全戦没者追悼式では、膵(すい)がんの摘出手術を受け治療を続ける翁長雄志知事が『平和宣言』で、朝鮮半島の非核化の動きなど世界情勢の変化を踏まえ、名護市辺野古の新基地建設の見直しをあらためて訴えた。一方で、安倍晋三首相は過去の基地負担軽減策や慰霊の日直前の『流弾』事故への政府としての対応を強調。8月に計画する辺野古への土砂投入を前に、県内世論の米軍基地への反感を薄めたい思いがにじむ。」                             (政経部・銘苅一哲、東京報道部・大城大輔)
②「『平和を求める大きな流れの中で、20年以上も前に合意した辺野古移設が普天間問題の唯一の解決策と言えるのか』。知事が平和宣言の中で過重な基地負担の現状に触れる度に、追悼式の参加者からは賛同の拍手が起きた。知事は今年4月に膵がんの摘出手術を受け、5月の退院後に徐々に公務に復帰。知事周辺の懸念は6月定例会の出席と、追悼式への参加だった。だが、定例会、追悼式ともに知事の強い意向で自らが対応。県幹部は平和宣言を読み上げる声を聞き、『痩せてはいるが、張りがある声に戻ってきた』と安心した表情を浮かべた。」
③「別の幹部は宣言の内容について『どうしても今の基地問題に引きつけざるを得ない。【世界は変わっている、日本はどうだ】という知事の思いをぶつけた』と解説。首相のあいさつに対しては『例年から大きな変化はない。沖縄の声に耳を傾けない姿勢を象徴しているようだった』と厳しい目線で評した。」
④「『普天間基地の1日も早い全面返還を実現するために(辺野古)移設を進める』『射場は当面使用しないことになった』。安倍首相は式後、記者団に辺野古推進を改めて表明すると同時に、地元名護市で起きた『流弾』事故への素早い対応をアピールした。」
⑤「防衛省は事故が発生した21日、県警が『銃弾』とも特定していないにもかからず、同日夜には米軍に照会。翌22日には首相がハガティ駐日米大使に事実確認の協力を申し入れた。対応が後手に回れば8月の辺野古への土砂投入、9月の名護市議選、11月の知事選と続く局面に影響が広がりかねず、少しでも火消しをしておきたかったからだ。」
⑥「必然的に基地問題への感情が高まる『慰霊の日』。政府関係者は『どこまで沖縄の怒りは広がっているのか』と困惑しつつこう語った。「辺野古は進めるしかない」。」


(7)琉球新報-識者「県民感情逆なで」 沖縄戦での反感強く-2018年6月24日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「『慰霊の日』の23日、県内の自衛隊基地を視察した小野寺五典防衛相は自衛隊員を前に訓示し、北朝鮮や中国の動きに触れて自衛隊の必要性を強調した。記者会見では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への理解を求める発言もあった。日本軍が住民を巻き込んで多くの犠牲者を出した沖縄戦。『軍隊は住民を守らない』という教訓が指摘されている。不戦を誓う『慰霊の日』に自衛隊を行脚し、記念撮影では笑顔も見せた防衛相に、県内からは『県民の感情を逆なでする』との批判の声も上がっている。」
②「小野寺氏は糸満市の平和祈念公園を足早に去ると、黒いかりゆしウエアから背広姿になった。海上自衛隊那覇基地のP3C哨戒機用格納庫では、制服姿の海上自衛隊員が整列し敬礼で迎えた。小野寺氏は北朝鮮の船舶による『瀬取り』や中国潜水艦の尖閣諸島周辺の接続水域航行に触れ『諸君らなくして我が国を守ることはできない』と自衛隊の存在意義を強調した。」
③「小野寺氏は那覇基地で開いた会見で『慰霊の日』に部隊を視察したことについて記者に問われ『大戦でつらい思いをした県民に寄り添う形で部隊の任務を運用してほしい。そのような思いで部隊を視察し、訓示した』と説明した。」
④「翁長雄志知事が平和宣言で辺野古移設が米朝会談後の緊張緩和の流れに『逆行する』と発言したことに反論も。『在日米軍基地はこの地域の安全保障上重要な役割を果たしている』とし、辺野古移設に理解を求めた。『北朝鮮は核弾道ミサイルについて何ら具体的な動きは示していない』と警戒の必要性を強調した。」
⑤「沖縄戦では日本軍が住民を虐殺したり壕から追い出したりした。軍隊に対する県民の反感は根強い。沖縄が日本に復帰し、自衛隊が配備されることになった際、県民から強い反発があった経緯もある。」
⑥「石原昌家沖縄国際大名誉教授は『県民は沖縄戦で日本軍によって犠牲を受けたと認識し【自衛隊=日本軍】と反発してきた。追悼式への参加日程を利用して部隊を激励したかのように見え、県民の感情を逆なでする』と批判した。」
⑦「県平和委員会の大久保康裕代表理事は『朝鮮半島が緊張緩和に向かう流れがあるからこそ【北朝鮮や中国の脅威はまだあるんだ】とアピールする意図があったのではないか。脅威がなくなれば、自衛隊の必要性もなくなる』と分析した。」




by asyagi-df-2014 | 2018-06-24 17:51 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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