「保証人がいないことは正当な理由に当たらない」との確認を。~山陽新聞20180604~

 山陽新聞(以下、「山陽」。)は、2018年6月4日の社説で、「保証人ない高齢者 施設入所できる仕組みを」、と論評した。
「山陽」の主張の基本は、「保証人を求めること自体は問題ないが、いないことを理由に入所を断ることは認められない。厚労省の特養などの運営基準は、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないとしており、保証人がいないことは正当な理由に当たらないとされる。」、ということにある。
 このことは、非常に重要な問題であるにもかかわらず、意外と取りあげられることが少ないのではないだろうか。
 「1人暮らしの高齢者が増え、家族関係の希薄化も指摘される中、懸念される結果と言える。」、とする「山陽」の見解を見る。
 最初に、全国の実態について。


(1)「高齢者が入所する際、身元保証人がいないと受け入れを拒否する介護施設が約3割に上ることが、厚生労働省の委託調査で分かった。1人暮らしの高齢者が増え、家族関係の希薄化も指摘される中、懸念される結果と言える。」
(2)「調査は昨年12月、全国の特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設などに行い、半数弱の2387施設が回答した。95・9%が入所時の契約書に身元保証人や引受人など本人以外の署名を求め、うち30・7%は『署名がないと受け入れない』と答えた。」
(3)「このほかは、成年後見制度の申請など「条件付きで受け入れる」が33・7%で、署名がなくても受け入れる施設は13・4%だけだった。」
(4)「保証人を求めることは介護保険が始まった2000年以降、施設入所が行政の措置から利用者と施設の契約に変わったのを機に広まり、保証人のいない際に入所を拒む施設も増えたとされる。13年に民間団体が行った調査でも、回答した約500施設の9割超が保証人などを求め、うち3割は保証人がいない場合は入所を認めないとしていた。」
(5)「厚労省は16年、こうしたことがないよう自治体を通じて施設の指導を強化した。身元保証を肩代わりしていた公益財団法人『日本ライフ協会』で、巨額の預託金流用が発覚したことを受けた措置で、事業拡大の背景に保証人を入所の要件とする慣行があったとされたためである。」
(6)「しかし、今回の調査結果を見ると、指導の効果は出ていないと言わざるを得ない。」
(7)「1人暮らしの高齢者は少子化や未婚の増加などで今後、さらに増えるとみられる。国立社会保障・人口問題研究所が1月に発表した将来推計によると、15年の625万世帯から40年には896万世帯に増え、世帯主が65歳以上の世帯の4割を占める。」


 こうした実態について、「山陽」は次のように見解を示す。


(1)「保証人を求めること自体は問題ないが、いないことを理由に入所を断ることは認められない。厚労省の特養などの運営基準は、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないとしており、保証人がいないことは正当な理由に当たらないとされる。」
(2)「1人暮らしの高齢者は少子化や未婚の増加などで今後、さらに増えるとみられる。国立社会保障・人口問題研究所が1月に発表した将来推計によると、15年の625万世帯から40年には896万世帯に増え、世帯主が65歳以上の世帯の4割を占める。」
(3)「こうした保証人を得にくい人が介護を要するようになったとき、行き場をなくさないよう厚労省や自治体は改めて指導を徹底するべきだ。」
(4)ただ、費用の支払いや死亡時などの不安が施設側に強いことも理解はできる。調査によると、保証人に求める役割は緊急時の連絡先や遺体、遺品の引き取り、入院時の手続き、利用料の支払いと滞納時の保証などが多かった。」
(5)「委託調査で尋ねた今後の在り方としては、市町村が保証人の役割を果たすほか、成年後見人に広い権限を与えるよう求める意見が目立った。後見人は死後の対応が難しいためで、厚労省は権限の拡大などを検討している。1人暮らしや身寄りのない人を支える仕組みを整えてもらいたい。」



 「1人暮らしや身寄りのない人」が増え続ける状況は、増えることはあっても減ずることはないのが、厳然とした日本の姿である。
 とすれば、劣悪な看護現場の実態からすると、民間にすべてを丸投げするのではなく、公的機関が「1人暮らしや身寄りのない人」をを支える仕組みを作り上げていくしかない。
考えてみればわかること。
 「1人暮らしや身寄りのない人」に優しい社会は、すべての人を包むことができる社会ではないか。





by asyagi-df-2014 | 2018-06-10 08:51 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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