沖縄タイムスの『沖縄・基地白書』を読む。(23)

 沖縄タイムスは、「国内の米軍専用施設面積の70・4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。国防や外交の視点ではなく、住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。」、と『沖縄・基地白書』の連載を始めた。

 今回は、第22回-「沖縄・基地白書(22)「訓練を県外移転しても、それ以上に外来機が…」 負担集約か、高まる不安」(2018年5月8日)から。
 今回の話は、第1部 被害 嘉手納町(5)。

 「嘉手納基地より南の基地の整理縮小が進む中、『嘉手納周辺では反比例し、負担が集約される』という不安が増幅している。」
 このように、沖縄タイムスは、始める。
 どういうことなのか。


(1)「嘉手納町議会は3月27日、嘉手納所属のF15戦闘機が重さ1・4キロのアンテナを落下させた事故と、米軍機の騒音激化に抗議する決議と意見書をいずれも全会一致で可決した。部品落下や騒音激化は、生活を脅かす。にもかかわらず、米軍には抗議決議ものれんに腕押しの状態で、町議らの怒りは噴出している。」
(2)「2月27日に起きた部品落下事故で、町への通報は8日後だった。志喜屋孝也町議(59)は『隠蔽(いんぺい)に近い』と厳しい表現で米側の責任を追及する。」
(3)「米軍は『海上に落ちた可能性が高い』と回答。事故当日にアンテナ紛失に気付きながら、整備部隊から司令部への報告が遅れ、結果的に地元への通報が8日後になっただけで、日米で取り決めた通報体制は機能したと説明しているという。」
(4)「沖縄の施政権返還後、約46年間で、県内での米軍航空機からの部品落下事故は70件目だ。志喜屋さんは『「落下場所が海か、陸かは関係ない。日常的に住宅地上空を飛ぶ航空機から部品が落ちたことが問題だ』と米軍との認識の違いに不快感を示した。」


 続いて、最近特に問題になっている外来機のことを取りあげる。


(1)「外来機の飛来に関する考え方も地元と米軍では大きく異なる。」
(2)「米軍は昨年11月から米ユタ州ヒル空軍基地所属の最新鋭ステルス戦闘機F35A12機と約300人の要員を嘉手納基地に暫定配備している。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への抑止力強化が目的という。」
(3)「嘉手納町役場への騒音関係の苦情件数をF35Aの暫定配備前後で比べると、昨年4〜10月の7カ月間の176件から、昨年11月〜今年2月の4カ月で705件と4倍以上に増えた。」
(4)「外来機の飛来で騒音発生回数が増え、住民の肌感覚の負担も増えるのは明らかだが、米軍は『本国から派遣される航空機を受け入れており、地元で対処するのは難しい』と飛来自粛に消極的な姿勢を示す。」


 沖縄タイムスは、外来機の問題について、「町議会基地対策特別委員会の當山均委員長(54)は『訓練を県外移転しても、それ以上に外来機がやって来る。悪臭や騒音が減らなければ負担軽減策も絵に描いた餅だ』と訴える。」、と指摘する。
 また、「一方、米空軍は町議会の直接の抗議、要請を昨秋から受け付けていない。徳里直樹議長(52)は『町民の我慢は限界を超えているのに、米軍は耳の痛い話から顔を背ける。このままでは認識の違いを埋めることさえできない』と批判した。」、との米軍の対応のあり方もあわせて批判する。                       (「沖縄・基地白書」取材班・福元大輔)


[メモ]訓練移転しても外来機の被害増
 2006年5月の在日米軍再編ロードマップで、嘉手納、三沢(青森)、岩国(山口)の米軍機訓練の一部を自衛隊施設や国外米軍施設に移転し、各飛行場周辺の騒音などを軽減することになった。費用の4分の3を日本、4分の1を米国が支出。
 15年までの10年間で国内へ43回、グアムなどの国外へ27回の訓練移転が実現し、日本は計160億6400万円を支払った。


 沖縄タイムスは、この回の最後に、「嘉手納からF15戦闘機の訓練を定期的に県外移転するが、外来機の飛来で騒音や悪臭は減らず、住民は負担軽減を実感できない。」、と断じる。


 それにしても、『訓練を県外移転しても、それ以上に外来機がやって来る。悪臭や騒音が減らなければ負担軽減策も絵に描いた餅だ』、との「声」を、私たちは、どのように受けとめることができるだろうか。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-14 05:39 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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