沖縄タイムスの『沖縄・基地白書』を読む。(16)

 沖縄タイムスは、「国内の米軍専用施設面積の70・4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。国防や外交の視点ではなく、住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。」、と『沖縄・基地白書』の連載を始めた。
 今回は、第15回-「沖縄・基地白書(15)「中国や北朝鮮より、毎日の演習がよっぽど怖い」 落下事故相次ぐ島」(2018年4月10日)から。
 今回の話は第1部 被害 伊江村(上)。
伊江村の名嘉良雄さん(69)と初美さん(67)夫妻の鮮明に記編まれたある事件の話。


(1)「伊江村の名嘉良雄さん(69)と初美さん(67)夫妻は、15年以上前の出来事を鮮明に覚えている。」
(2)「2002年10月25日夕。初美さんは薄暗い中、約50メートル先で聞こえた大きな物音に驚いて振り向いた。その場所に向かうと、上空の米軍機から民間地に落下したポリタンクや、開かないまま落ちたパラシュートだった。それ以来、不安から米軍機が飛ぶたびに上空を見上げるようになった。」


 どういうことなのかについて。


(1)「1996年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、読谷補助飛行場で実施していたパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転が盛り込まれた。本土復帰以降、同飛行場では兵士や物資を含めたフェンス外落下(提供区域内含む)が39件。そのうちSACO合意後に32件発生している。」
(2)「良雄さんは『当たれば即死だった』と憤る。米軍がポリタンクを回収したが、良雄さんは『全部持って行かれたら、落下自体がなかったことになる』と、証拠としてパラシュートを一時自宅に持ち帰った。」
(3)「名嘉さん夫妻は補助飛行場に隣接する西崎区に住んでいる。自宅は輸送機の飛行ルートになっていると言い、『屋根に棒を立てたら届くんじゃないかと思うほどの低さ』(初美さん)で飛んでくる。タッチ・アンド・ゴー訓練は午後11時ごろまで続けられる時もあり、『眠れないほど騒音がひどい』と訴える。」
(4)「自宅上空の低空飛行は輸送機にとどまらない。3月初旬にはオスプレイ3機が日中、延々と旋回を繰り返した。良雄さんは、県内で米軍機の事故が相次いでいることから『僕らからすれば、中国や北朝鮮より、毎日の演習の方がよっぽど怖い』と不安を口にした。」
(5)「補助飛行場に隣接する真謝区の平安山良尚区長も、米軍機事故が続発する異常さと、伊江島でも昼夜を問わず民間地を飛び回る状況に『県民の命を何と思っているのか』と批判する。2月末も午後11時を過ぎても輸送機からの物資投下訓練があったという。『いつ自分たちの家に落ちてくるか』と不安は尽きない。
(6)「名嘉さん夫妻や平安山区長が『最近は夜間の訓練が多い』と指摘するように、沖縄防衛局が設置した騒音測定器では、2017年4月から18年1月の午後10時〜翌朝7時の測定回数(60デシベル以上)は真謝区で251回と、これまで最多だった16年度(81回)の3倍に。西崎区は569回で最多だった14年度(206回)の約2・8倍となっている。」
(「沖縄・基地白書」取材班・伊集竜太郎)


[メモ]訓練中止要求 米聞き入れず

「日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、読谷補助飛行場でのパラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転は合意された。一方、同訓練では、日米合同委員会で「例外的な場合に限る」と確認されている嘉手納基地では2017年に相次いで実施され、地元の反発が高まった。」
「SACOとは異なるが、うるま市津堅島沖の訓練水域でも市などが中止を求める中、同訓練が何度も強行されている。同水域は常時立ち入りが禁止されておらず、訓練時間帯でも民間船舶が航行しており、地元は危険性を訴えている。」


 確かに、この言葉を肝に銘じなければならない。


『屋根に棒を立てたら届くんじゃないかと思うほどの低さ』
『当たれば即死だった』
『僕らからすれば、中国や北朝鮮より、毎日の演習の方がよっぽど怖い』
『県民の命を何と思っているのか』
『いつ自分たちの家に落ちてくるか』
『最近は夜間の訓練が多い』




by asyagi-df-2014 | 2018-04-21 18:10 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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