沖縄タイムスの『沖縄・基地白書』を読む。(10)

 沖縄タイムスは、「国内の米軍専用施設面積の70・4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。国防や外交の視点ではなく、住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。」、と『沖縄・基地白書』の連載を始めた。
 今回は、第9回-「沖縄・基地白書(9)自宅上空を見上げ『ここが海兵隊の交差点』 低空飛行の恐怖」(2018年3月13日)から。


 今回の話は、第1部 被害 名護市久志。
 「ここが海兵隊の交差点」、と言わざるを得ない地区の話。
 それも、「森山さんは『1日平均では少ないように見えるが、訓練は集中する上、昼夜を問わない。低空飛行だと墜落、つり下げ訓練だと落下の恐怖がある』と数字以上の負担を感じる。」、という日常について。
 沖縄タイムスは、次のように伝える。


(1)「米軍キャンプ・シュワブやハンセンに近接する名護市久志の森山憲一さん(75)は、自宅上空を見上げ、『ここが海兵隊の交差点』と苦笑いを浮かべた。」
(2)「シュワブとハンセンに計32カ所のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)があり、海兵隊ヘリが訓練で飛び交う。さらに北部訓練場や伊江島、沖縄本島東側の訓練空域へ移動する際も、久志周辺を通過するからだ。」
(3)「訓練の様子を撮影した動画を保存している。自宅の目の前の海を水面ぎりぎりで低空飛行するHH60救難ヘリが、水しぶきを上げながら急上昇。集落を越え、山裾のヘリパッドに着陸していく。『これは敵地での航空機事故などを想定した訓練。レーダーに捕捉されない低さで侵入し、事故機の乗員らを救助する』。森山さんは淡々と解説する。」
(4)「オスプレイが着陸した瞬間には、土煙が舞い、辺りを包み込んだ。『2015年5月ハワイでのオスプレイ墜落は、着陸時に巻き上げた砂でエンジン出力を喪失したのが原因と言われる。砂漠など厳しい環境への対策だろう』」
(5)「自宅屋上で撮った映像では、オスプレイが旋回し、国立沖縄高専の校舎裏側で離着陸を繰り返した。『わざわざ学校周辺でやらなくても、という理屈は通じない。この辺で一番高い高専の校舎は、都合の良い障害物でしかない』。名護市はオスプレイが普天間飛行場に配備された12年から市内7カ所で騒音を測定。久志では63デシベル以上の騒音が年1200〜1500回発生している。」
(6)「森山さんは『1日平均では少ないように見えるが、訓練は集中する上、昼夜を問わない。低空飛行だと墜落、つり下げ訓練だと落下の恐怖がある』と数字以上の負担を感じる。」
(7)「政府は名護市辺野古の新基地建設の意義を『周辺に民家はなく、住宅防音工事助成事業の対象は普天間飛行場周辺の1万世帯から辺野古ではゼロになる』と強調する。森山さんは『それは滑走路での離着陸の話。訓練による被害は今でも起きているが、考慮されていない』と憤る。」
(8)「16年の名護市安部でのオスプレイ墜落で名護市議会の抗議活動に通訳で同行した。『危険な訓練を止めるべきだ』と訴えた市議に海兵隊大佐はこう言い放った。『危険だからこそやらなければならない』。軍の論理がまかり通る。森山さんは『住民が人間扱いされない。そんな地域がどこにあるか』と吐き捨てた。」
(「沖縄・基地白書」取材班・福元大輔)
(9)[メモ]基地外の活動 根拠あいまい:「米軍が提供施設・区域の外で訓練する根拠は明確に規定されず、あいまいだ。日米安保条約では、日本が施設と区域を提供し、米軍の使用を認める。日米地位協定では施設・区域の間や日本の港、飛行場との間の移動を認めるが、施設・区域の外での訓練について明記していない。ところが政府は2013年の答弁書で『安保条約はその目的達成のため、米軍が軍隊の機能に属する諸活動を当然の前提としている』と説明。米軍機が国民の頭上で旋回、低空飛行し、物資をつり下げるのも『当然の前提』と見なしたといえる。」


 基地被害は、「政府は名護市辺野古の新基地建設の意義を『周辺に民家はなく、住宅防音工事助成事業の対象は普天間飛行場周辺の1万世帯から辺野古ではゼロになる』と強調する。森山さんは『それは滑走路での離着陸の話。訓練による被害は今でも起きているが、考慮されていない』と憤る。」ということにあるということに気づかされる。
政府のやり方の欺瞞性に気づきながら、本当の実態を正確につかめていないことがよくわかる。
改めて、確認する。
 米軍基地被害は、「『危険だからこそやらなければならない』。軍の論理がまかり通る。森山さんは『住民が人間扱いされない。そんな地域がどこにあるか』と吐き捨てた。」、という構図にある。




by asyagi-df-2014 | 2018-03-17 18:44 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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