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東京MXとDHCは、「変えることのできない私の出自を使って沖縄をたたいた。自分がストレートにたたかれるより何倍もこたえた」を真摯に捉えなければならない。-琉球新報20180310~

 2018年3月10日の琉球新報の社説は、「東京MX人権侵害認定 ヘイト拡散見過ごせない」、とこの問題の本質を言い当てる。
 どういうことなのか。
琉球新報は、「BPOの勧告を評価したい。」とした上で、このように指摘する。


(1)「東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の番組『ニュース女子』について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は東京MXに対し、ヘイトスピーチ(憎悪表現)反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉(しんすご)共同代表への人権侵害を認定し、勧告内容の放送や再発防止策を提出することなど求める勧告を出した。」
(2)「BPOの勧告を評価したい。東京MXは再発防止に努めるとのコメントを発表したが、誠実な対応とは言えない。番組内容を訂正し、辛代表らに謝罪した上で、侵害された人権の回復に向けた措置を講ずるべきだ。」
(3)「2017年1月に放送された『ニュース女子』は、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例え、辛さんを『黒幕』のように報じた。放送人権委員会は、番組で報じられた反対運動への『日当』や『黒幕』など真実性の証明がなく、辛さんへの名誉毀損(きそん)に当たるとし、最高裁の判例などを基に判断した。」
(4)「放送倫理上の問題については、辛さんに取材をしていないにもかかわらず、東京MXの考査で問題とされていないことや、反対運動に朝鮮人や中国人がいるなどと特定の国籍や民族的出自を出して、在日韓国人である辛さんと関連づけたことに『人種や民族を取り扱う際に必要な配慮がなされていない』などと指摘した。」
 辛さんは会見で「変えることのできない私の出自を使って沖縄をたたいた。自分がストレートにたたかれるより何倍もこたえた」と語った。心中を察するに余りある。


 あわせて、BPOの限界についても、指摘する。


(1)「一方、BPOの限界もある。『ニュース女子』は化粧品大手ディーエイチシーのグループ会社DHCテレビジョンが取材・制作する「持ち込み番組」だ。BPOは民放連と加盟各社、NHKが設置した第三者機関で、勧告はテレビ局に限られる。DHCのような制作会社は対象外だ。」
(2)「DHC側は、番組批判に対し『誹謗(ひぼう)中傷』と反論し『基地反対派の言い分を聞く必要はない』とまで言い切った。最初から『沖縄ヘイト』を助長する番組を制作する意図があったのではないかと疑わざるを得ない。」


 さらに、琉球新報は、ヘイトクライムに関する日本の現状を告発する。


(1)「辺野古新基地建設などが国内で伝えられる一方で、『沖縄は基地で食べている』『基地反対運動は県外の過激派がやっている』という虚偽が広がり一部で定着しつつあることを危惧する。「ニュース女子」は、基地の過重負担に苦しむ沖縄の実情に背を向け、公共の電波を使って虚偽のレッテル貼りを重ねた。」
(2)「東京MXは同番組の放送を3月末で打ち切るが、DHC側は一部地方局や衛星放送、インターネット媒体で放送を継続すると発表した。」
(3)「事実をねじ曲げた番組がこれ以上拡散するのは見過ごせない。放送倫理の破壊を許してはならない。」


 東京MXやDHCは、まずは、「変えることのできない私の出自を使って沖縄をたたいた。自分がストレートにたたかれるより何倍もこたえた」、辛淑玉さんのこの言葉を身にしみ込まさせる必要がある。




by asyagi-df-2014 | 2018-03-18 07:11 | 人権・自由権 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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