日本の労働法制は労働者の命を守れない。違法適用の裁量労働の社員が、過労自殺。

 毎日新聞は2018年3月5日、表題について次のように報じた。


(1)「裁量労働制を違法に適用したとして厚生労働省東京労働局から特別指導を受けた不動産大手「野村不動産」(東京)の50代の男性社員が過労自殺し、労災認定されていたことが関係者への取材で明らかになった。男性も裁量労働制を違法適用されていたという。」
(2)「政府は今国会に提出を予定する働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除し、来年以降に提出を先送りする考えだが、現行の制度でも過労死が防げていない実態が判明した。」


 また、この男性社員の労災認定について次のように報じた。


(1)「関係者によると、男性は東京本社に勤務し、個人が所有する住宅を賃貸する業務を担当していたが、2016年9月に自殺した。顧客などへの対応に追われて長時間労働が続いており、残業が月180時間を超えることもあったという。遺族が労災申請し、昨年12月に労災と認定された。」
(2)「野村不動産は当時、会社の中枢で企画立案をする人に限り適用できる企画業務型裁量労働制を、社員約1900人のうち約600人に適用し、男性もその一人だった。東京労働局は昨年12月、裁量労働制を適用した社員に営業など対象外の業務をさせたとして、同社の宮嶋誠一社長に是正を求める特別指導をしたと発表した。ただ、社員の労災認定は明らかにしていない。」
(3)「野村不動産は今年4月から裁量労働制を廃止する方針。安倍晋三首相や加藤勝信厚労相は今国会での答弁で、同社への特別指導を裁量労働制の違法適用を取り締まった事例として挙げている。」


 さらに、この事例に合わせて、「『高プロ』も乱用の懸念」、と続けた。

(1)「裁量労働制は実際の労働時間ではなく、あらかじめ決めた『みなし労働時間』に基づいて残業代込みの賃金が支払われる。このため労働時間管理が甘くなり、過労死遺族から『長時間労働につながる恐れがある』という声が上がっていた。野村不動産のケースのように、違法適用されても外部からのチェックが難しい面もあるとされる。」
(2)「こうした懸念は、政府が働き方改革関連法案に盛り込む予定の『高度プロフェッショナル制度』(高プロ)にも共通している。高プロは年収が1075万円以上の一部専門職を労働時間規制の対象から外す制度で残業代が支払われなくなる。年104日の休日を取得させるなど健康確保措置も企業に義務付けられるが、他の日は長時間労働をさせても違法ではない。制度が乱用される懸念は残る。」
(3)「安倍晋三首相は今国会の答弁で、『時間ではなく成果で評価される働き方を労働者が自ら選択できる』と高プロを創設する意義を強調している。一方、野党は『高プロは【スーパー裁量労働制】。根っこは一緒だ』と批判を強めており、政府に法案から高プロを外すよう求めている。」
【古関俊樹】




by asyagi-df-2014 | 2018-03-05 12:33 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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