日本政府は、今こそ主権者としての役目を果たす時。-沖縄タイムス日本政府・琉球新報社悦20180210から-

沖縄タイムスと琉球新報は、2018年2月10日付けの社説で、沖縄タイムスは「[オスプレイ部品落下]普天間の運用停止急げ」、琉球新報は「オスプレイ機体一部落下 全機種飛行停止求める」、と論評した。
 どういうことが起こったのか。
 琉球新報は2018年2月10日、「沖縄県うるま市伊計島の大泊ビーチで9日午前9時ごろ、普天間飛行場所属MV22オスプレイのエンジンの空気取り入れ口が流れ着いているのが見つかった。在沖海兵隊は8日に海上飛行中、機体の一部を落下させたことを認めた。海兵隊は9日、防衛局からの問い合わせを受けて初めて機体の一部落下があったことを明らかにした。けが人はいない。伊計島では昨年1月と今年1月にも米軍ヘリの不時着があり、相次ぐ事故に住民の不安と怒りが高まっている。県は9日夕、在沖米海兵隊に事故原因究明と実効性ある再発防止策を執るまでの間、オスプレイの飛行停止を求めた。翁長雄志知事は『いつしか人命に関わる重大な事故につながりかねない』と指摘した。機体の一部は、縦約70センチ、横約100センチ、重さ約13キロの半円形。ビーチの従業員が海岸を清掃中、浅瀬に浮いていた機体の一部を発見し、砂浜に引き上げた。同日中に、沖縄防衛局の職員が現場から機体の一部を撤去し、米海兵隊に引き渡した。米海兵隊は、沖縄防衛局の問い合わせに対しオスプレイの右側エンジンの空気取り入れ口であることを認めた。」、と報じている。
 このことについて、沖縄の二紙は、このように主張する。


Ⅰ.主張


(沖縄タイムス)
(1)「米軍ヘリやオスプレイによる事故の発生頻度は、『またか』というレベルをとうに超えている。人身事故の発生を未然に防ぐためには、最低限、次のことを海兵隊に実行させることが必要だ。すべての航空機の飛行を全面的に停止し、機体を総点検すること、管理体制や整備体制など組織上の問題についても全面的に洗い直すこと。その結果を県に報告するとともに、住宅地上空の飛行禁止を徹底し、飛行訓練の県外・国外移転に直ちに着手すること、である。」
(2)「重大事故を含む事故やトラブルが頻繁に繰り返されるのは、航空機の運用に関し、予算や人員、訓練頻度、機体老朽化などの面で深刻な問題を抱えているからではないのか。」
(3)「相次ぐ不時着について米海兵隊のネラー総司令官は、事故を未然に防ぐための予防的着陸であり、『素直に言って良かった』と語った。戦後、世界各地で戦争を繰り返してきた国の、これが『軍隊の論理』である。政府がこれまでの『属国的対応』を改め、主権国家として米軍に強く当たらなければ事故を防ぐことはできない。県議会は1日、『政府が約束した2019年2月末日を待たず、直ちに普天間の運用を停止』することを全会一致で決議した。その実現に向けて具体的に動き出す時だ。」


(琉球新報)

(1)今度は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの機体の一部を落とした。2カ月前に、CH53E大型輸送ヘリコプターの窓が普天間第二小学校の運動場に落下したばかりだ。米軍に安全管理、再発防止ができない以上、オスプレイを含む在沖米軍基地の全機種の即時飛行停止と訓練の中止を強く求める。」
(2)「石井啓一国交相は1月30日、衆院予算委員会で米軍機に自由度の高い飛行を認めている航空特例法を改正し、航空法第6章を米軍にも適用するよう求められ『日米地位協定に基づいて活動が認められている』などと繰り返し、拒否する姿勢を示した。これで主権国家と言えるだろうか。米軍が大規模に駐留するドイツやイタリアでは米国との協定で、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保し、その国の法律を米軍の活動に適用するなど、自国の主権を担保する仕組みがある。日本はなぜできないのか。政府は、県民の生命と財産を守るために、米国と主体的に交渉すべきだ。」
(3)「事故が起きるたびに県などの訓練中止要請などに米軍は耳を貸さず、事故を起こし(た同型機を含めた訓練を続け、事故を繰り返す。狭い沖縄の上空で訓練を続ける限り事故はなくならない。県民の安全を脅かす海兵隊は撤退するしかない。」


Ⅱ.疑問、問題点等

(沖縄タイムス)

(1)「幸い船舶への被害はなかったが、伊計島周辺はヘリやオスプレイの飛行ルートになっており、事故発生の懸念は消えない。実際、昨年1月20日、AH1攻撃ヘリが農道に不時着、今年1月6日にはUH1多用途ヘリが海岸に不時着したばかりである。伊計自治会は1月21日、抗議集会を開き、飛行ルートの変更などを決議したが、もはや通り一遍の申し入れだけでは不十分である。」
(2)「なぜ、重さ13キロもある大きな部品がオスプレイから落下したのか。普天間第二小の校庭にCH53ヘリの窓(重さ約7・7キロ)が落下したのは昨年12月13日のことである。落ちてはならないものがなぜ、こうも立て続けに落ちるのか。」
(3)「小野寺五典防衛相によると、8日に発生した事故であるにもかかわらず、米軍からは何の報告もなく、日本側の問い合わせによって明らかになったという。落下した部品は、飛行から戻って機体を点検すれば、落下したかどうかがすぐに分かる代物だ。8日の時点で部品落下を認識していたとすれば、なぜ報告が遅れたのか。」


(琉球新報)

(1)「沖縄防衛局は、部品を落下させた機体が8日午前に米軍普天間飛行場へ着陸したのを確認している。米軍は落下を1日以上、沖縄防衛局に連絡していなかった。その理由を明らかにすべきだ。発見場所はビーチの近くであり、夏のシーズン中なら重大事故につながりかねない。米軍は伊計島では今年1月、普天間所属のUH1多用途ヘリが島の東側海岸に不時着したばかりだ。」
(2)「航空法第6章は、飛行記録装置の設置、夜間の灯火、物の投下の禁止などを定めているが、米軍は航空特例法で第6章が原則として適用されない。命にかかわる問題なのにもかかわらず、二重基準が存在するのはおかしい。」
(3)「県基地対策課のまとめによると、県内で米軍機による部品落下、不時着などの事故の件数は2017年中で29件に上った。事故はほとんどの機種で発生している。オスプレイをはじめAH1Z攻撃ヘリ、CH53大型輸送ヘリ、E3空中早期警戒機、F15戦闘機、F35ステルス戦闘機、KC135空中給油機、P3C哨戒機、U2偵察機、MC130特殊作戦機だ。枚挙にいとまがない。全機種の飛行停止を求めるのは当然だ。」



 確かに、はっきりしていることが二つある。
一つには、米軍が、「重大事故を含む事故やトラブルが頻繁に繰り返されるのは、航空機の運用に関し、予算や人員、訓練頻度、機体老朽化などの面で深刻な問題を抱えている」、という事実である。
 二つ目には、「米軍ヘリやオスプレイによる事故の発生頻度は、『またか』というレベルをとうに超えている。」(沖縄タイムス)、ということである。
 この二つのことは、翁長雄志知事の『いつしか人命に関わる重大な事故につながりかねない』との指摘が杞憂に終わるレベルではないところまで実はすでに到達してしまっていることを示している。

 であるとしたら、何が必要なのか。
 それは、日本国政府が主権者として、即刻、国民の生命と財産を守るために、米国と主体的に交渉を始めることだ。
 同時に、まずは、オスプレイを含む在沖米軍基地の全機種の即時飛行停止と訓練の中止をしなけねばならない。




by asyagi-df-2014 | 2018-02-18 06:42 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
通知を受け取る