社説、論説から。~新潟日報20171201~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 朝日新聞は2017年11月30日、「水俣病の症状があるのに患者と認めなかった新潟市の判断は不当だとして、新潟市内の男女9人(うち1人は故人)が市に認定を求めた訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。河野清孝裁判長は、原告のうち2人を患者と認めなかった一審・新潟地裁判決を取り消し、9人全員を患者と認めるよう市に命じた。」
 と報じた。
このことについて、新潟日報は2017年12月1日、「水俣病高裁判決 認定基準見直しが急務だ」と社説で論評した。
新潟日報は、この判決の意味を「新潟水俣病は公式確認から半世紀以上が経過したが、いまだに裁判が続く。被害者の高齢化は著しい。一刻も早い対応を望む。」、とした。
 まず、新潟日報は、この判決を次のように押さえる。


(1)「水俣病特有の症状がありながら新潟市に認定申請を棄却されたとして、男女9人が市に認定義務付けを求めた行政訴訟の控訴審判決があった。新潟水俣病関連では初の高裁判決だ。」
(2)「東京高裁は一審の新潟地裁判決が認めなかった2人を含め、9人全員を水俣病と認めるよう新潟市に命じた。」
(3)「裁判の焦点は、一審で敗訴した2人を水俣病と認めるかどうかだった。一審で勝訴した7人には同居家族に公害健康被害補償法に基づく認定患者がいたが、敗訴の2人にはいなかった。同種訴訟では、この『家族要件』が認定の線引きとみられた。」
(4)「判決は、2人の同居家族には水俣病被害者救済特別措置法(特措法)の一時金受給者がいると指摘し、感覚障害の原因はメチル水銀であるとした。従来の認定患者から特措法の対象者へ、家族要件を緩和した形である。」
(5)「最高裁は2013年、『複数症状の組み合わせ』を原則とする国の認定基準を事実上否定し、『感覚障害だけの水俣病』を認めた。国は最高裁判決を受けて新たな認定基準の運用指針をまとめた。この際に『家族歴』が盛り込まれ、被害者団体は『認定がさらに厳しくなった』と批判してきた。」
(6)「特措法は、水俣病患者の認定基準に当てはまらない被害者を幅広く救済する目的で09年に施行された。本県の認定患者は705人だが、特措法の一時金該当者は約1800人だ。今回の判決が確定すれば、その家族も患者として認定される可能性がある。」
(7)「新潟市の篠田昭市長は控訴時、水銀摂取から長期間経過後に症状が顕在化する『遅発性水俣病』を論点に挙げた。市側は控訴審で『遅発性は医学的根拠が弱い』と主張したが、判決は『長期間経過後に症状が悪化した例もある』と、一審とほぼ同じ判断を示した。」


 新潟日報は、今回の判決に関して、次のように主張する。


(1)「従来より救済範囲を広げた判決の意義は重いといえる。可能な限り多くの被害者を救済する契機にしなければならない。」
(2)「新潟市は、国の法定受託事務として、水俣病の認定審査を行っている。一方で、公害の被害者となった市民を救うことが、新潟市長にとって重要な責務であることは言うまでもない。篠田市長は判決とともに、原告の長年にわたる苦しみを重く受け止め、今後の対応を判断してもらいたい。」
(3)「高裁は、13年の最高裁に続いて行政に厳しい姿勢を示した。国は、基準の緩和を本格的に検討する必要があろう。」
(4)「差別や偏見を恐れて名乗り出ることができない被害者も少なくない。被害の全容を明らかにするためには、さらに広範な健康調査も求められよう。」


 確かに、早急に必要なことは、「差別や偏見を恐れて名乗り出ることができない被害者も少なくない。被害の全容を明らかにするためには、さらに広範な健康調査」である。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-12 08:34 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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