沖縄タイムス米国特約記者・平安名純代を読む。-20171205-

 沖縄タイムスは2017年12月5日、米国特約記者・平安名純代(以下、平安名)の「基地維持に『沖縄差別』を利用する米国 日本人の沈黙が支える過重負担」との記事を掲載した。
 「米国での取材が長くなるにつれ、沖縄から米軍基地がなくならないのは、日米による沖縄差別が根底を支えているからではないかとの思いを深めるようになった。」、と始まる文章は、次のように「沖縄問題」の核心を突く。


(1)「作家の百田尚樹氏が10月27日、名護市内での講演で沖縄や中国や韓国を差別する発言を繰り返した末に、取材に来た本紙記者を名指し、『娘さんは慰み者になる』などと語った。」
(2)「沖縄差別をなくすには、差別する側の責任を問う必要がある。そのためには日本でこそ沖縄差別を巡る言論の場をつくらねばならないが、百田発言を巡る日本メディアの反応は鈍い。疑問に思い、全国紙に勤める友人らに聞くと『沖縄の問題だから』との反応が返ってきた。」
(3)「『それは日本の問題だ』を決まり文句にする米政府官僚や軍幹部の中には、こうした日本人の沖縄差別を理解する者は少なくない。」
(4)「米海兵隊は、2014年に作成した内部文書『自然資源・文化資源統合管理計画』の中で、日本は第2次世界大戦で本土防衛のために琉球に日本軍の飛行場を建設したが、米軍占領後は日本本土攻撃拠点となり、米軍基地に造り替えられていったなどと沖縄の米軍基地を巡る歴史を記し、『抗議は各基地であらゆる機会に起きる。沖縄の反基地感情は決してなくならない」と現場を分析する。その行間からは、沖縄が抗議するのは、日本人が望まない基地が過剰集中しているからだと理解しながらも、『オキナワ』という米国の利益を維持するために沖縄差別を利用する構造が浮かび上がってくる。」
(5)「日米両政府が在沖米軍基地を維持し、新基地建設の強行を可能にする根底にあるのは、安全保障のために米軍基地は必要だが、自分の庭には望まないと現状を黙認する日本人の『沈黙』だ。」
(6)「米国の黒人差別と闘ったマーティン・ルーサー・キング牧師は『われわれが最後に覚えているものは、敵の言葉ではなく、友人の沈黙だ』と語った。沖縄差別に対する日本の沈黙が続く限り、沖縄が重過ぎる基地負担を強いられる構図は変わらない。」


 これまでも、「沖縄問題」を「構造的沖縄差別」として把握してきたのであるが、平安名の指摘は、改めて、日米両政府による「沖縄差別」の相互作用が「沖縄問題」を規定するというを示す。
 まさしく、「構造的沖縄差別」は、一方では、平安名の指摘する「米国政府・米軍が、米国の利益を維持するために沖縄差別を利用する構造」ということであった。
 もちろん、「構造的沖縄差別」のもう一方の主体は、『沖縄の問題だから』という「沈黙」-それは、「安全保障のために米軍基地は必要だが、自分の庭には望まないと現状を黙認する日本人の「沈黙」だ。」(平安名)-を利用する日本政府と日本政府が示す「虚構」に寄りかかる日本人ということになる。


 平安名は、日本人のこうした「沈黙」に対して、「米国の黒人差別と闘ったマーティン・ルーサー・キング牧師は『われわれが最後に覚えているものは、敵の言葉ではなく、友人の沈黙だ』と語った。」、と対峙させる。
 また、「沖縄差別に対する日本の沈黙が続く限り、沖縄が重過ぎる基地負担を強いられる構図は変わらない。」、と断ずる。


 さて、今が、「構造的沖縄差別」を超える時なのではないか。
 目の前で展開されているできごとは、例えば、辺野古新基地建設は、日米両政府の欺瞞を暴露するものでしかないのではないか。
 与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島・沖縄本島に、新配備、増強される自衛隊は、安倍晋三政権の「戦争をする国」としての自衛隊の拡大強化そのものではないのか。
少なくとも、日本国憲法の改悪に疑問を持ち、平和運動に日頃から関心を持っている人たちは、「友人の沈黙」から脱却する道を、まずは考える時ではないか。




by asyagi-df-2014 | 2017-12-08 07:06 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る