沖縄タイムス20171114~【核心評論】

 沖縄タイムスは2017年11月14日、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の植木千可子さん(以下、植木)による「トランプ大統領の歴訪:不明だらけのアジア戦略 対北朝鮮、青写真描け【核心評論】」、との記事を掲載した。
 これについて、考える。
植木は、この歴訪の意味を次のように分析する。


(1)「トランプ米大統領のアジア歴訪において最大の焦点だった北朝鮮問題は、大統領が各国で見せた言動に微妙なニュアンスの違いが見られた。日韓では米軍基地を訪れ、軍事的な選択肢の存在を強く示唆した。一方、韓国と中国では対話に理解を示す場面もあった。しかし、北朝鮮が具体的に何をすれば対話へと局面転換を図り、何が『譲れない一線』なのか、北朝鮮へのメッセージは相変わらず曖昧なままに終わった。当面は国連制裁で圧力を強め、中国の追加的な動きに期待するシナリオなのだろう。トランプ氏は実際、中国で北朝鮮を『文明に対する脅威』と表現し、米中連携の必要性に触れた。」
(2)「だが、今この時点でも刻一刻、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発が進んでおり、時間がそうないことを忘れてはならない。そうした意味で、日米は圧力強化で一枚岩であることを顕示したものの、平和解決のための具体的道筋を提示できなかった。どのような条件で軍事力行使があり得るのか、逆にいかなる状況で対話が可能か、また核放棄した場合はどんなプラスの対価が用意されているのか。この点を米国と詰め、北朝鮮に明確に示す役割が日本に本来期待されているのではないか。」
(3)「韓国は中国が反発した高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題の収束に当たり、『日米韓安保協力は軍事同盟に発展しない』と中国に約束した。民族統一の長期的な希望を抱く韓国は、統一には中国との協力が必要で、日米との連携強化だけでは不十分だと認識している現実もある。対話と圧力は問題解決に不可欠な車の両輪だ。核放棄を確約すれば見返りがあるという『安心供与』も重要な鍵で、圧力強化の米国と対話重視の中国の間で、日本が外交的に動ける余地はあるし、そのニーズは高い。」
(4)「今回の歴訪を踏まえ、日米韓など関係国が、将来の半島統一に向けた『青写真』を説得力ある形で描いていくことも視野に入れるべきではないか。この作業抜きで本質的な問題解決はない。」
(5)「トランプ氏がアジア太平洋の将来的な秩序づくりをどう構想しているかも、注目点だった。だが残念なことに、不明な部分があまりに多い。トランプ氏は今回、各国が国益を追求して活発に経済活動を行うべきだと主張し、『公正・互恵』を強調し続けた。安倍晋三首相の唱える『自由で開かれたインド太平洋戦略』にも同調したが、『公正・互恵』をどうルール化し、その履行を担保していくのか、全く見えてこない。またこの戦略の全貌も分からない。米国は、他国に頼られることによって影響力を維持してきた。トランプ氏が掲げる一国主義的価値観は、逆に米国の力を弱め、地域を不安定にする可能性がある。」


 確かに、①「日米は圧力強化で一枚岩であることを顕示したものの、平和解決のための具体的道筋を提示できなかった。」、②「対話と圧力は問題解決に不可欠な車の両輪だ。核放棄を確約すれば見返りがあるという『安心供与』も重要な鍵で、圧力強化の米国と対話重視の中国の間で、日本が外交的に動ける余地はあるし、そのニーズは高い。」、との二つの分析は非常に重要である。
 また、「今回の歴訪を踏まえ、日米韓など関係国が、将来の半島統一に向けた『青写真』を説得力ある形で描いていくことも視野に入れるべきではないか。この作業抜きで本質的な問題解決はない。」、との提起も重い。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-23 10:55 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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