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社説、論説から。~沖縄タイムス20171112~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 沖縄タイムスは2017年11月12日、「[嘉手納爆音禍]住民の悲鳴が聞こえる」、とその社説で論評した。
 どういうことなのか。
 例えば、 2017年11月8日の琉球新報と沖縄タイムスは、「琉球新報-米軍9度目降下訓練 津堅沖 地元抗議を無視」、「琉球新報-爆音のない空、県民に 飛行差し止め要求 嘉手納第3次控訴審初弁論」、「琉球新報-知事『不満で残念』 日米の『辺野古推進』を批判」、「沖縄タイムス-『電車通過時の線路脇』の騒音、授業中断も 米軍F35A訓練開始、沖縄の反発必至」、との沖縄の悲惨な状況記事を掲載した。
このようななか、沖縄タイムスは12日の社悦で、沖縄の基地被害を次のように示し、「爆音禍は放置できない現実だ。同盟関係を優先するあまり、もがき苦しむ住民に手をさしのべることができなければ、もはやまともな政府とはいえない。」、と日本政府に異論を突きつける。


(1)「嘉手納基地に暫定配備された米空軍のステルス戦闘機F35Aの訓練が、7日から始まった。」
(2)「嘉手納高校では7日早朝から下校時まで、『まき散らす』と形容するしかないような激しい爆音にさらされ、ほとんどのクラスの授業が断続的な中断を余儀なくされた。」
(3)「北谷町砂辺では113・5デシベルの騒音を記録。嘉手納町、沖縄市でも100デシベルを超える騒音が何度も測定された。」
(4)「3市町には7日から8日にかけ、『会話ができない』『なんとかしてくれ』」などの苦情や訴えが相次いだ。沖縄市池原の夢の園保育園では『子どもたちが飛行機を怖がり、室内で遊ぶ時間に変更した』という。」
(5)「F35だけでなく、岩国基地所属のFA18戦闘攻撃機や嘉手納基地所属のF15戦闘機も訓練を繰り返している。北朝鮮情勢の緊迫化で飛行訓練が目に見えて激しくなった。」
(6)「内臓を突きあげるようなゴーッという重低音と、鋭く突き刺すような金属音。爆音が断続的に発生することによって生じるイライラと苦痛、睡眠妨害…。2月に言い渡された第3次嘉手納爆音訴訟の一審判決は、健康上のリスクが増大している-と現状の違法性を認めるとともに、『住民への違法な被害が漫然と放置されている』と指摘し、政府の不作為を厳しく批判したばかり。」


 また、2017年11月6日の日米首脳会談で、両首脳が名護市辺野古の新基地建設工事を推進することを改めて確認したことにかかわっても、沖縄の押しつけられた現実-沖縄の基地負担の軽減の欺瞞性-を基に、次のように指摘する。


(1)「政府はこれまで事あるごとに『同盟強化』を主張し、米軍を沖縄に引き留めるためにあらゆる手を尽くしてきた。だが、同盟関係の『強固さ』だけを強調し、それを支える沖縄がどれほど過重な基地負担にあえいでいるかを語らないのは、あまりにも恣意的で、一方的である。」
(2)「住宅地に近い嘉手納基地の旧駐機場は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)で『主要滑走路の反対側に移転する』ことが決まり、政府予算で1月に移転した。しかし、在韓米軍基地所属のU2偵察機部隊が飛来して旧飛行場を使うなど、SACO合意が崩れ始めている。」
(3)「パラシュート降下訓練は、伊江島補助飛行場に集約することがSACOで合意された。2007年に『例外的な場合』に限って嘉手納での訓練が認められるようになり、『例外的な場合』の拡大解釈によってSACO合意の形骸化が進んでいる。」


 沖縄タイムスは、この日の社説を、沖縄からの決意-発信-として、次のように結ぶ。


「北朝鮮の核・ミサイル開発は、沖縄にとっても大きな脅威だ。国連決議に基づく制裁と圧力なしに非核化を実現することはできない。だが、対話のない『圧力のための圧力』は暴発を招くリスクが高い。軍事力が行使されれば沖縄は甚大な影響をまぬがれないだろう。
戦中・戦後の体験を踏まえ、愚直に『対話による平和』を主張し続ける以外に、沖縄が進むべき道はない。嘉手納基地の爆音禍の解消と北朝鮮の『対話による解決』は、譲れない一対の主張である。」





by asyagi-df-2014 | 2017-11-22 07:48 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人