社説、論説から。~北海道新聞20171007~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 北海道新聞は2017年10月7日、「非人道的な核兵器の廃絶に向けて今すぐ行動を―。そう呼び掛ける世界への強いメッセージにほかならない。」、と2017年のノーベル平和賞は、国際非政府組織(NGO)の「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に決定したことを評した。
北海道新聞は、その受賞の意味を次のように示す。


(1)今年のノーベル平和賞は、国際非政府組織(NGO)の「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に贈られる。
(2)72年前の8月、広島、長崎に原爆が落とされ、その年だけで21万人が死亡した。命をつないだ人も放射能の恐怖に脅かされてきた。
(3)ICANは被爆者団体と二人三脚で核兵器の非人道性を訴え、核兵器を非合法化する核兵器禁止条約の実現を働きかけてきた。条約は今年7月に国連加盟国の3分の2の賛成で採択され、来年には発効する見通しだ。しかし、米国、ロシアなどの核兵器保有国に加え、日本など米国の「核の傘」の下にある国々は署名しない考えを示している。
(4)ICANは世界100カ国、450以上のNGOの集まりだ。日本の「ピースボート」も主要な運営団体の一つである。被爆者とともに世界中の市民から核廃絶を求める署名を集め、各国へのロビー活動を行ってきた。
(5)被爆者は核兵器がどれほどむごたらしい被害をもたらしてきたか、自らの体験を語ってきた。核兵器禁止条約の前文には被爆者と核実験被害者の「受け入れがたい苦痛と被害に心を留める」と記されている。
(6)ICANの国際ネットワークを生かし、世界に被爆者の声を届けてきた成果といえよう。ノルウェーのノーベル賞委員会は条約制定に向けて「革新的な努力」を尽くしたと高く評価した。
(7)日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の箕牧智之(みまきとしゆき)代表理事=広島県在住=はICANの受賞について「私たちも一緒に受賞したような思いだ」と話す。


 また、北海道新聞はこの受賞の意味について、「抑止依存の再考迫る」、と次のように位置づける。あわせて、核禁止条約の批准は日本の責務である、と日本という国の役割についても言及する。


(1)世界にはいまなお1万5千個の核兵器があり「核なき世界」にはほど遠い。核軍縮どころか、それに逆行する動きも強まっている。
(2)北朝鮮は今年、6回目の核実験を強行した。核兵器を搭載できるミサイル開発も加速させている。これに対し、トランプ米大統領は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」とやゆし、核攻撃すらほのめかす。
(3)ノーベル賞委員会は特に北朝鮮を名指しした上で「多くの国が核開発に取り組む現実の脅威がある」と指摘。同時に、核保有国に対しても核兵器削減に向けて「真剣な交渉」を始めるよう求めた。
(4)核保有国に共通するのは「核兵器は抑止力である」という考え方である。金正恩氏ですら米国の核から自国を守る「抑止力」を核開発の理由に挙げる。しかし、核抑止は「いつか核を使うこともある」という脅しであり、軍拡競争につながる危険性をはらむ。ひとたび核兵器が使われれば、どんな苦難が待っているか、私たちは既によく知っている。
(5)被爆者たちが「自分たちが体験した地獄のような苦しみを二度とほかのだれにも味わわせたくない」と訴え続けてきたことを、忘れるわけにはいかない。
(6)核兵器禁止条約は核兵器の使用だけでなく、保有や実験、使用をちらつかせた脅しなども禁じる内容である。核抑止に頼る外交政策の見直しを迫っていると言える。
(7)日本政府は、核兵器禁止条約は核保有国と非保有国の溝を深めるだけで、核兵器廃絶につながらないと主張。両者の橋渡し役を自任する。しかし、日本が行うのは双方から識者を招いて提言をまとめる「賢人会議」の開催くらいではないか。到底、その役割を果たしているとは思えない。逆に、米国の「核の傘」の下、安倍晋三首相は「北朝鮮対策で完全に米国と一致している」と言うばかりだ。
(8)ICANは唯一の被爆国である日本の役割に期待して、繰り返し条約への関与を求めてきた。
(9)被爆者の平均年齢は81歳を超えた。残された時間は少ない。日本政府のなすべきことは核兵器禁止条約を批准し、核保有国に核兵器を手放させることである。
 「どこの国の総理ですか」。今年8月の長崎原爆の日に、被爆者代表が安倍首相に投げかけた言葉を重く受け止めるべきだ。
(10)米国のオバマ前大統領は2009年、チェコ・プラハで「核なき世界」を訴え、ノーベル平和賞を受賞したが、核軍縮は進まなかった。今度こそ、このメッセージを生かさなければならない。


 確かに、北海道新聞の次の指摘を重く受け止めなければならない。
Ⅰ.「核実験を繰り返す北朝鮮はもちろん、核保有国も核廃絶に踏み出さなければならない。唯一の戦争被爆国である日本にはそれを主導する責務がある。」
Ⅱ.「核兵器禁止条約は核兵器の使用だけでなく、保有や実験、使用をちらつかせた脅しなども禁じる内容である。核抑止に頼る外交政策の見直しを迫っていると言える。」
Ⅲ.「『どこの国の総理ですか』。今年8月の長崎原爆の日に、被爆者代表が安倍首相に投げかけた言葉を重く受け止めるべきだ。」





by asyagi-df-2014 | 2017-10-17 07:26 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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