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社説、論説から。~琉球新報20171004~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 何が日本で起こっているのか。
 実は、安倍晋三政権が強面に振りかざしてきた「沖縄の負担軽減」の施策が、実際は、逆行する事態を作り出し、沖縄県民をさらに苦しめているということなのである。
 沖縄タイムスは2017年10月4日、その実態を次のように伝えている。
①「防衛局によると高江の牛道集落では、2012年度の騒音回数が567回から16年度には6887回と増えた。夜間(午後7時~翌午前7時)では、102回から1664回と16倍超になっている。特に14年度の1474回から15年度は4216回と大幅に増加。これには15年2月に運用が開始された、集落に最も近いN4地区ヘリパッドでの訓練が関係しているとみられる。」
②「民間地上空でのつり下げ訓練が繰り返される宜野座村城原区では、14年度から16年度にかけて約1・5倍増加。カラオケ店内に相当する90デシベル以上の夜間の騒音回数は、45回から169回と3・7倍に増えた。」
③「名護市も辺野古、許田などは近隣区含めて増加傾向で、ほぼ同じ騒音回数で推移している。」
④「北部訓練場の過半返還や普天間飛行場の名護市辺野古への移設で「県内の基地負担軽減につながる」と繰り返す政府だが、すでにヘリパッドが建設された東村高江を始め、北部地域全体で騒音が増えている。」
⑤「7月には新たに完成した高江ヘリパッドN1、H地区でオスプレイの離着陸が始まった。さらに100機のオスプレイが駐機可能とされる辺野古新基地が建設されれば伊江島、高江、宜野座村城原を結ぶ三角形のエリアを中心に騒音被害の増加、拡大が懸念される。」
 なお、この実態は、沖縄防衛局の調べでわかったことである。
このことについて考える。

 琉球新報は2017年10月4日、「米軍機騒音4割増 政府は米国追従やめよ」、と社説で主張した。
 琉球新報は、「米軍の自由な訓練を認め、止めようともしない政府は猛省すべきである。国民に対して果たすべき役割を考え、着実に実行すべきだ。」、「米軍機が騒音をまき散らす地域には住民が生活し、学校で学ぶ子どもたちがいる。静かな環境で暮らし、学ぶ権利が踏みにじられ続ける状況を放置する日米両政府に強く抗議し、早急な是正を求める。」
、と主張する。
 また、次の実態を突きつける。


(1)「米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)のある名護市久志、宜野座村城原、東村高江、伊江村西崎で60デシベル以上の騒音回数の合計が、2016年度は1万8934回に上ったことが沖縄防衛局と名護市の調査で分かった。
 住民によると、米軍機は昼夜関係なく訓練している。60デシベルは走行中の自動車内に相当し、自然状態が静かな夜間は昼間に比べてうるさく感じるとされる。それが14年度よりも約4割、5296回も増えているのだ。本島北部と伊江島での米軍機訓練が激化していることの何よりの証しだ。断じて容認できない。」
(2)「米軍は宜野座、東、伊江の3村を結んだ三角形を中心に訓練を頻繁に実施している。最も騒音回数の多かった4地点の測定データを分析した結果、宜野座村城原では90デシベル以上の騒音が14年度の103回から16年度は316回と約3倍になった。
 伊江村西崎では90デシベル以上の騒音が13年度157回、15年度234回だった。16年度は148回に減少した。だが、減ればいいというものでは決してない。」
(3)「90デシベルは騒々しい工場内のうるささに相当する。米軍機さえ飛ばなければ、住民が工場内にいるような状況に置かれることはまずないのである。」
(4)高江小学校のある東村高江区牛道は、より騒音の増加が激しい。13年度の918回から16年度には6887回と約7・5倍に激増している。


 さらに、琉球新報は、こうした実態に加えて、「15年1月、高江集落に近い米軍北部訓練場のN4地区のヘリパッド運用が始まった。騒音激増はその影響をもろに受けたとみて間違いない。今年7月にはN1、H地区の運用が始まっており、さらなる騒音増加が懸念される。」、と追求する。

 だからこそ、琉球新報は、次のように断ずるのである。


「16年12月の北部訓練場過半の返還を記念した式典で、菅義偉官房長官は『今回の返還は本土復帰後最大の返還であり、沖縄の米軍施設の約2割が返還され、沖縄の負担軽減に大きく寄与する』と強調した。事実に反する。発言を撤回すべきである。
 政府が取り組んでいるのは米軍基地の機能強化であり、沖縄の負担軽減などでは断じてない。米軍機騒音の増加からもそれは明らかである。政府は沖縄の負担増に直結する米国追従を改めるべきだ。
 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸機MV22オスプレイをはじめとする米軍機は、県内全域を飛び回って訓練している。騒音被害は県内全域に広がっているのである。このような異常な状況を放置することは許されない。」


 確かに、「縄の負担軽減に大きく寄与する」と言い放った菅義偉官房長官の言葉は、腐臭をそこらじゅうに蔓延させている。




by asyagi-df-2014 | 2017-10-11 05:43 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人