元米国防長官ウィリアム・ペリー氏がインタビュ-で、「抑止力は、日本全体の複数の場所で満たされる。単に普天間を移設することだけで言えば、必ずしも沖縄でなくてもいい。しかし・・・」、と回答。

 来県中の元米国防長官ウィリアム・ペリー氏(89)がインタビューに応じた。
 さて、このことを、どのように考えるのか。
 沖縄タイムスは2017年9月14日、「【普天間】返還が実現しない理由、沖縄への基地集中…ペリー氏一問一答」、と報じた。琉球新報は2017年9月15日、「元米国防長官証言 『辺野古唯一』虚構を証明」、と社説で論評した。
沖縄タイムスのインタビュ-記事と、琉球新報社説で、このインタビュ-での発言を考える。

 第一に、「移設を決めた当事者として、辺野古が唯一の解決策と思っているか。」という質問に対して、ウィリアム・ペリー氏は「在日米軍は日本に何らかの攻撃が加えられたとき、信頼関係を満たす存在であることを証明する任務がある。それを遂行するために別の場所を模索することが可能かということだが、私は必ずしも沖縄である必要はないと思っている。(移設先については)安全保障や軍事の観点ではなく、日本政府の政治的判断が大きく関わっている。米国は最終決定には関われない。ただ私としては、SACO合意が実現されていたら、沖縄の人たちによりよい結果をもたらしただろうと考えている」、と答えている。
第二に、「必ずしも沖縄の基地が必要ではないというが、同飛行場の移設先は沖縄でなくてもよいのか。」については、「「抑止力は、日本全体の複数の場所で満たされる。単に普天間を移設することだけで言えば、必ずしも沖縄でなくてもいい。しかし実際に軍がどう機能しているかというと、海兵隊が単独で行動するのではなく、海軍、空軍などのほかの部隊にも関わる。その機能と同等のものが引き出せるかと考えて出た結果が、SACO合意だった」、と答えている。
第三に、「県民の反対の声が強い中、辺野古に基地を完成させることは可能か。」について、「私たちは代替案も考えたが、どれも最良の選択肢ではないと結論づけた。SACOの話し合いで私は、大田昌秀知事(当時)の考えをなるべくテーブルに出すよう努力をしたが、大田知事が納得できるような結論は出なかった。しかし、合意はベストではなくてもベターなものだった。合意がベストではなかったことには謝罪しない。しかし合意が実現されていないことに対しては謝罪したい。今回、普天間を見た。住宅地が広がり、毎年状況は悪くなっていると思うからだ」、と答えている。

 特に、琉球新報は安倍政権の唱える「辺野古移設が唯一の解決策」について、ウィリアム・ペリー氏の発言から疑問を投げかける。
琉球新報は、「辺野古移設が唯一の解決策」が沖縄差別政策にほかならないのではないかと、次のように説明する。

「沖縄に過重な負担を押し付ける安倍政権の「辺野古唯一」論は、どう取り繕おうと虚構である。そのことが改めて証明された。
 元米国防長官ペリー氏が米軍普天間飛行場の移設先の決定要因は「安全保障上の観点でも、軍事上の理由でもない。政治的な背景が原因だった」「米国がここに移設しなさいと決定する権利はない。(移設先の決定には)日本政府の政治的な判断が大きく関わっている」と述べた。
 「政治的な背景」や「政治的な判断」とは何か。
 米軍基地問題の沖縄以外への波及を避けることに主眼を置き、沖縄に過重な米軍基地負担を負わせることを躊躇(ちゅうちょ)なく選択した政府の姿勢のことである。それは沖縄差別政策にほかならない。」

 また、琉球新報は、「米政府関係者の証言は以前からある。元駐日米大使のモンデール氏は2004年、米国務省外郭団体のインタビューで1995年の米兵による少女乱暴事件に関して『(事件から)数日のうちに米軍は沖縄から撤退すべきか、最低でも駐留を大幅に減らすかといった議論に発展した』が、『彼ら(日本側)はわれわれが沖縄を追い出されることを望んでいなかった』と振り返っている。ペリー氏は移設先を『沖縄本島東海岸沖』と決定した96年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告を承認した当時の米国防長官である。モンデール氏は96年4月に橋本龍太郎首相との共同記者会見で普天間飛行場の返還合意を表明した人物である。両氏の証言に、日本政府は反論できまい。」、と続ける。
さらに、「日本の関係者の話などからも辺野古を移設先とした理由が明確になっている。普天間飛行場返還合意時の官房長官だった梶山静六氏は98年、移設先が沖縄以外だと『必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす』と辺野古を移設先とする理由を記していた。森本敏氏は防衛相当時の2012年、『軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ』と述べた。森本氏も軍事的、地政学的な理由ではなく、政治的状況を優先して辺野古に決定したことを認めていた。」、と指摘を加える。
 結局、琉球新報は、「安倍政権の唱える『辺野古移設が唯一の解決策』は沖縄県民のためではなく、県民以外の国民にとっていい解決策ということでしかない。数々の証言や文書が示している。全ての国民は『法の下に平等』と明記した憲法14条に、政府の辺野古への新基地建設計画は明らかに反する。直ちに断念すべきだ。」、と結論づけるのである。

 どうやら、はっきりしたことは、次のことである。

Ⅰ.「辺野古移設が唯一の解決策」について、その場所が、必ずしも沖縄である必要はないということ
Ⅱ.(移設先については)、米国は最終決定には関われないことから、それの判断は、米国の安全保障や軍事の観点ではなく、日本政府の政治的判断が大きく関わっていること。
Ⅲ.「辺野古移設が唯一の解決策」とは、沖縄県民以外の国民にとっての解決策であることを日本政府が自ら選択したこと。故に、この行為は、「法の下に平等」と明記した憲法14条に違反していること。



by asyagi-df-2014 | 2017-09-20 07:11 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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