名護市安部の海岸に墜落したMV22オスプレイの事故調査報告書は、「困難な気象条件下で空中給油訓練を行った際の操縦士のミス」と公表。

 沖縄タイムスは2017年9月11日、「防衛省は11日、昨年12月13日に名護市安部の海岸に墜落した米軍普天間飛行場所属MV22オスプレイの事故調査報告書の概要を公表した。『困難な気象条件下で空中給油訓練を行った際のパイロットのミス』と結論づけ、機体の不具合は否定した。」、と報じた。
このことについて、琉球新報と沖縄タイムスの社説で考える。
両紙は、琉球新報が「オスプレイ報告書 不安はますます高まった」、沖縄タイムスが
「[オスプレイ墜落報告書]本当に操縦ミスなのか」、と深刻な疑問を呈した。なお、この日に、この問題に触れた新聞はなかった。
両紙の主張と報告書からの疑問をまとめると、次のようになる。


Ⅰ.主張
(琉球新報)
(1)米軍は2015年にも空中給油機の給油口に接触した事故を米国内で起こしていた。日本政府は安部の墜落後、空中給油再開を容認した際に「空中給油でこのような接触が発生したのは初めて」と説明したが、覆された。事故原因も曖昧で、再発防止につながらない報告書で事故に幕引きをするのは許されない。
(2)安部の墜落は危険性が指摘されていた空中給油中に発生した、バランスの取りづらいオスプレイ特有の事故だったことが裏付けられた。しかし、報告書は機体の安全性を強調する内容に終始している。これでは県民の不安解消には程遠い。オスプレイが危険な機体であることを直視し、住民地域に近い県内への配備を撤回すべきだ。
(沖縄タイムス)
(1)米軍は機体の欠陥ではなく、操縦ミスが原因とするが、それは本当なのか。米軍が言うように操縦ミスが原因ならば多発する背景に何があるかを究明すべきだ。

 米軍は機体の欠陥ではなく、操縦ミスが原因とするが、それは本当なのか。米軍が言うように操縦ミスが原因ならば多発する背景に何があるかを究明すべきだ。

(2)オスプレイは海兵隊の特殊作戦に投入される。夜間の空中給油をはじめ、物資つり下げ、パラシュート降下、低空飛行など訓練は危険性の高いものにならざるを得ない。今後も同じ事故が起こる可能性が高いのである。米軍は再発防止策として、空中給油の専門家が暗視ゴーグルを装着しての空中給油、低高度飛行、空母などへの着艦、狭小な区域への着陸などの教育を行ったという。パイロットの軍事的能力維持を目的とした対策と県民の安全確保とは相いれず、これらを再発防止策と呼ぶことはとてもできない。


Ⅱ.報告書からの疑問
(琉球新報)
(1)乗員らは当日の飛行全体のリスクは低いと評価した。風速10~15メートルとやや強い程度。操縦士らに疲労やストレスの兆候は見られず、任務遂行能力や専門技術に対する懸念が全くない、有効な資格を有していた-と記す。
(2)事故について、空中給油訓練でオスプレイがMC130の給油口への接続を試みた際、パイロットが出力を上げ過ぎ、MC130と近づき過ぎて給油口がオスプレイの右プロペラに接触し、バランスを崩したと説明する。当時、回転翼を垂直にする固定翼モードで飛行していたが、機体が不安定になってヘリモードに変更できず、「制御された緊急着水を行った」という。
(3)機体が不安定になった際に着陸用のヘリモードに変更できなかったことなど、操縦の難しさが浮かび上がる。能力や技術力に問題のない操縦士でも事故を起こす可能性がある。
(4)しかし再発防止策としては訓練や教育の再確認を挙げるにとどめる。
(5)さらにオスプレイは構造的な欠陥も指摘されている。国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は、オスプレイが回転翼を垂直にした固定翼モードでしか空中給油が受けられないことを挙げ、「ヘリモードで補給ができないという事実は、予期されなかった欠陥」と指摘している。
(6)オスプレイは安部の墜落以降も、今年6月に伊江島や奄美で不時着し、8月にはオーストラリア沖で墜落して3人が死亡した。伊江島で不時着した機体は大分空港に緊急着陸した。
(沖縄タイムス)
(1)墜落事故は午後9時半ごろに発生。雲が確認されるなど秒速10~15メートルの風が吹く気象条件だった。MC130空中給油機の給油ホースが揺れ、空中給油は何度か失敗。事故は最後の給油を試みた際に起きた。パイロットがオスプレイのエンジン出力を上げ近づきすぎたため、右のプロペラに給油ホースが接触。機体が大きく振動し「安全な飛行を継続することが困難となった」
(2)報告書でパイロットについて「飛行訓練や空中給油活動を行う有効な資格を有していた」と強調する。在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官も墜落直後「民間地を避けたパイロットの判断が乗組員や沖縄県民の命を救った」とたたえた。このような「優秀な」パイロットが操縦ミスを引き起こしたのである。
(3)新たに、2015年に米カリフォルニア州の基地所属のオスプレイが日本国外で同じ事故を起こしていることが明らかになった。オスプレイの操縦の難しさを示すものだ。
(3)報告書は「機体の不具合または整備不良の兆候はなかった」と言っている。そもそも機体自体に問題はないのか。名護市安部の墜落事故後も、オーストラリア沖での墜落事故や緊急着陸が連続して発生しているからだ。
(4)オスプレイはヘリコプターの垂直離着陸と固定翼の両方の機能を備えている。構造の複雑さは、開発段階から多数の死者を出していることからもわかる。15年に米ハワイ州で着陸に失敗し炎上、2人が死亡した事故で、米海兵隊は原因を「ローターによる下降気流により、埃(ほこり)や砂を吸い込んだ結果、エンジンのタービン翼に物質が固着し、それが揚力を失わせ、着陸失敗に至った」と発表している。今回の安部の事故でも後方乱気流が事故の一因だったことが明らかになっている。オスプレイの構造的欠陥である。


 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.報告書では、「墜落事故は午後9時半ごろに発生。雲が確認されるなど秒速10~15メートルの風が吹く気象条件だった。MC130空中給油機の給油ホースが揺れ、空中給油は何度か失敗。事故は最後の給油を試みた際に起きた。パイロットがオスプレイのエンジン出力を上げ近づきすぎたため、右のプロペラに給油ホースが接触。機体が大きく振動し『安全な飛行を継続することが困難となった』との状況下で、「優秀な」パイロットが操縦ミスを引き起こした、ことが明確になった。
Ⅱ.また、報告書では、「機体の不具合または整備不良の兆候はなかった」とされている。。
Ⅲ.であるならば、「機体自体に問題はないのか。」「オスプレイの構造的欠陥が原因ではないのか。」、ということが検証されなければならない。何故なら、名護市安部の墜落事故後も、オーストラリア沖での墜落事故や緊急着陸が連続して発生しているから
Ⅳ.米軍が言うように操縦ミスが原因ならば多発する背景に何があるかを検証しなければならない。それは、人智では及ばない操縦ミスが多発するというオスプレイの構造的欠陥に原因があるのかもしれないから。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-17 08:05 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る