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大分空港に緊急着陸のオスプレイ、11日目の離陸。(2)

 朝日新聞は2017日9月8日、標題について、「大分空港(大分県国東市)に緊急着陸していた米軍輸送機オスプレイが8日、離陸した。防衛省から大分県に入った連絡によると、機体は米軍岩国基地(山口県岩国市)に着陸した。オスプレイは7日、左右のエンジンを交換した後、初めてプロペラを回したところ、左エンジン付近から発煙。8日午前に改めて整備し、同日午前1ログイン前の続き0時半すぎに大分空港を離陸した。緊急着陸後、エンジン交換や整備などを経て、11日目の離陸となった。」、と報じた。


 実は、これまで、各新聞社は、次のように報じていた。
 まず、大分合同新聞は、8月29日のオスプレイノ緊急着陸について、次のように報じていた。


(1)29日午後6時34分、米軍の新型輸送機オスプレイ1機が大分空港に緊急着陸した。機体から煙が出たとの情報があるが、けが人などは確認されていない。28日にも同じ機体から白煙が出たのが米軍岩国基地(山口県岩国市)で目撃されている。オスプレイが大分県に着陸するのは初めて。オスプレイを巡っては、今月5日にオーストラリア沖で墜落し、3人が死亡した。自粛要請が上がる中、米軍は安全性を確認したとの声明を出し、運航を再開したばかり。一連の対応を巡り批判が高まりそうだ。
(2)県などによると、機体は、在沖縄米軍の第1海兵航空団所属で乗員は6人。岩国基地を離陸し米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に向かう途中だったとみられる。着陸の10分前に空港管制に「エンジントラブルのため緊急着陸する」との連絡があり、空港南側の駐機場に着陸した。米軍から九州防衛局に入った情報では、機体検査などのため、少なくとも30日午前までは離陸しない見通し。
(3)国東市消防本部は空港側からの要請を受け、消防車2台を出動させたが放水などはしなかった。国東署は署員17人態勢で現地の警戒や情報収集をしている。
 緊急着陸に伴い、全日空の羽田行き800便が15分、伊丹行き1692便が4分遅れ、計217人に影響が出た。県交通政策課によると、30日以降の民間機の離着陸に支障はないとみられる。
(4)大分空港に米軍機が緊急着陸したのは2014年9月以来。国土交通省は「日米地位協定に基づき、外務省と米軍の互いの合意がない場合、米軍機に関する情報は公開できない」として今回、着陸に至った経緯を明らかにしていない。
(5)オスプレイは、米軍普天間飛行場所属の機体が昨年12月、沖縄本島北部の浅瀬に不時着し大破。今年6月には、沖縄県伊江村の米軍伊江島補助飛行場と、鹿児島県の奄美空港でそれぞれ緊急着陸している。
(6)大分県はオスプレイの緊急着陸を受けて情報収集に追われた。事前連絡はなく、情報を把握したのは着陸して約25分後だった。
 県防災局の梶原正勝危機管理監は「火災やけが人といった被害がなかったので、飛び立つまでの間のトラブル防止に努める」と当面の対応を説明。九州防衛局に対し、原因究明や再発防止を求め、連絡態勢の在り方などについて申し入れをする考えを示した。


 また、毎日新聞は2017年8月30日、「6月トラブルと同一機 機番一致」、と次のように報じた。


(1)大分空港(大分県国東市)に29日に緊急着陸した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機オスプレイは、6月に沖縄県伊江村の米軍伊江島補助飛行場に緊急着陸した機体と同一機だったことが分かった。尾翼の機体番号が一致した。当該機は28日に米軍岩国基地(山口県岩国市)で駐機中に白煙を上げていたことも目撃されており、同一機の度重なるトラブルを受け、オスプレイを巡る批判がまた高まりそうだ。(2)伊江島補助飛行場では6月6日夜、オスプレイ1機が、操縦席の警告灯が点灯したため緊急着陸した。当時、米軍は「予防着陸」と説明し、機体は翌7日午後に離陸した。(3)今回、大分空港に緊急着陸した機体についても、米軍は防衛省に対し「計器に異常を知らせる表示があり、予防着陸した」と説明したという。前日の28日には岩国基地で白煙を上げるトラブルを起こしており、岩国から沖縄県内の米軍基地に向かう途中だった。(4)大分空港の機体は30日午前も離陸せず、空港内にとどまった。米軍が整備点検して、早ければ同日中にも離陸する可能性があるが、現時点では不明。防衛省や大分県は情報収集を急いでいる。
(5)在沖縄米海兵隊第3遠征軍の広報担当者は毎日新聞の取材に対し「機体を徹底的に点検し、安全が確認できた時点で離陸する。現在の点検がどの段階にあるのか、現場から情報が入っていないので分からない」と説明するにとどまった。
(6)今回の緊急着陸を受けて、陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備を打診されている佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は30日、「防衛省に状況を確認するように職員に指示した」と述べた。


 さらに、朝日新聞はこの11日間の様子を次のように報じていた。


 大分空港(大分県国東市)に緊急着陸し、駐機中の米軍輸送機オスプレイは7日も整備を続けた。同日午後2時すぎ、エンジンを動かしたところ、左エンジン付近から白煙が出ているのが確認された。その後、煙はおさまった。発煙の理由は分かっていない。

 同日午前、同空港で米軍と面会した共産党の大分県議によると、機体は同日午後3時ごろ、米軍岩国基地(山口県岩国市)に向けて離陸すると説明していたという。だが、大分県はその後、「米軍は本日の作業を終え、明日も整備作業をする予定」と発表し、機体は離陸しなかった。発煙と離陸していないことの関連は分かっていない。


 今回のオスプレイノ問題について、琉球新報は2017年9月9日、「オスプレイ大分離陸 欠陥機の配備撤回求める」、とその社説で論評した。
結局、琉球新報の結論は、「このまま放置すれば、沖縄だけでなく、全国各地で重大なトラブルを引き起こしかねない。」,ということに尽きる。
琉球新報は、この結論にたどり着く「オスプレイの欠陥」について、次のように押さえる。


(1)今回の緊急着陸は深刻なトラブルだった可能性がある。設計上よりも短期間で交換が必要となるエンジンの欠陥と、機体整備の課題が指摘されているからだ。
(2)沖縄からオスプレイの早期配備撤回を強く求めると当時に、この欠陥機を運用する在沖米海兵隊の全面撤退、欠陥機が使用する辺野古新基地建設断念と北部訓練場に整備された六つのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の使用を禁止すべきだ。
(3)オスプレイは今回、左右両エンジンの全部または一部を交換した。エンジン交換が必要だったことについて、米国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は「エンジンはオスプレイの大きな問題だ。1200時間ごとの交換として設計されたが、現在おそらく100~200時間ごとの交換となっているのではないか」との見方を示している。さらに、オスプレイは当初の設計より頻繁な部品交換が必要で、深刻な機体整備の課題があるとし「時折、飛行中に問題が発生し、緊急着陸を要する状況になる」とも指摘している。
(4)一方、オスプレイの空中給油はプロペラを上に向けた状態の「ヘリモード」では行えず、前方に向けた状態の「固定翼モード」でしか行えない。リボロ氏は「ヘリモードで補給することができないという事実は、予期されなかった航空機の欠陥」と述べ、オスプレイの新たな構造的欠陥であると指摘している。
(5)昨年12月に名護市安部の海岸に墜落した事故は、固定翼モードで夜間給油訓練中に発生した。プロペラが給油口の近くで回転しているため、乱気流や操縦ミスなどの要因で機体の位置がずれると、給油ホースがプロペラに衝突し、プロペラが損傷して重大事故につながる可能性が高いという。


 また、「オスプレイの欠陥」について、「オスプレイの事故が突出していることは数字が示している。米海兵隊がアフガニスタンに配備しているオスプレイの2010~12米会計年度までのクラスA~Dの事故が90・4時間に1件発生している。同国に配備された海兵隊の全航空機による事故の発生は3746・8時間に1件の割合にとどまっており、オスプレイの事故割合は約40倍になる。」、と証明する。


 最後に、琉球新報は、「小野寺五典防衛相は『今回の整備について心配する方も多い。飛行の安全に万全を期すよう、これからも米側に求めていく』と述べた。そうではない。オスプレイが飛行の安全に万全を期せない欠陥機であることを認めるべきだ。」、とオスプレイノ欠欠陥機問題は、次の段階に進む時期にあることを強く示唆する。


 この大分空への緊急着陸については、次のことが明確になった。
 再掲する。


Ⅰ.今、日本政府に必要なものは、国民の安全を最優先とする毅然(きぜん)とした主権国家としての対応である。
Ⅱ.今回の大分空港への緊急着陸は、エンジンを交換しなければならないほどの重大なトラブルが見つかったということである。
Ⅲ.つまり、オスプレイが欠陥機であることがあらためて明らかになった。欠陥がなければ、整備体制などに問題があるということにしかならない。ということは、オスプレイの危険性に変わりはない。
Ⅳ.したがって、日本政府は、オスプレイの飛行を直ちに中止させなければならない。
Ⅴ.特に、沖縄県の問題として考えた時、「日米がオスプレイの危険性を直視しなければ、いつか大事故が発生することを強く懸念せざるを得ない。県民が犠牲になる事態は何としても避けねばならない。普天間飛行場からのオスプレイ完全撤去」(琉球新報)を、日米両政府は早急に行わなければならない。


 確かに、今、オスプレイが「飛行の安全に万全を期せない欠陥機であることを認める」ことから始めなければならい。
 つまりそれは、「もはや、オスプレイの飛行は許されない」、ということだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-10 05:39 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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