オスプレイ緊急着陸。もはやオスプレイの飛行は許されない。

 「米軍の新型輸送機オスプレイ1機が、大分空港に緊急着陸した。エンジントラブルによる事故を回避する「予防着陸」だと米軍は説明している。大分空港は民間専用空港で、米軍機の突然の着陸自体、異例の出来事といえる。一時、機体から煙と炎のようなものが上がり、消防車が出動するなど、地元は緊張と不安に包まれた。オスプレイは過去、不具合が続出し、海外では死亡事故が起きている。先月5日にもオーストラリア沖で墜落し、乗員3人が死亡したばかりだ。」、と神戸新聞は伝える。
また、琉球新報は、「それにしても、オスプレイの事故の多さは異常である。2012年の普天間飛行場配備以降、確認できているだけでも12件もの事故、不具合が発生している。24機のうち2機が墜落し、所属機に占める墜落事故率は8・3%にも上る。これで『安全」とは到底言い切れるはずがない。」、と指摘した上で、「事故多発の原因の一つは、日米当局が『墜落』を『不時着水』、『緊急着陸』を『予防着陸』などと矮小化していることにある。問題を直視してこなかったため、このような事態を招いたのである。米軍の言っていることを何ら検証せずに、追認しているだけの日本政府の責任は極めて重大である。日米のこのような姿勢の延長線上に、豪州沖で乗員3人が犠牲となった普天間飛行場所属オスプレイ墜落事故があることを深く認識すべきだ。」、と警告する。
 さらに、この事故は、沖縄タイムスの「米軍の航空機整備、安全管理は一体全体どうなっているのか。『この次は…』との不安が募る。」、とこれまでの危惧感をまさに恐怖感に変えている。
 そしてこの事故の根本的問題の一端が、「日米両政府はオスプレイの安全性より日米同盟を重視し、運用の既成事実化に躍起に見える。だが、安全が最優先であることを肝に銘じてもらいたい。」、との南日本新聞の主張に見える。


 2017年9月1日、神戸新聞は「オスプレイ着陸/原因究明まで飛行中止を」、南日本新聞は「[オスプレイ] なぜ不安に耳を貸さぬ」、琉球新報は「オスプレイ緊急着陸 日米は危険性直視せよ」、沖縄タイムスは「[オスプレイ緊急着陸]拡大する安全への懸念」、と四紙が社説でこの事故を論評した。
 四紙は、事故の係る問題点を次のように主張する。


Ⅰ.神戸新聞
(1)沖縄県の米軍普天間飛行場に配備された後も、不時着して大破するなどのトラブルを繰り返している。深刻な欠陥があるとみるしかない。それでもオスプレイは、訓練などで沖縄から北海道まで全国各地の空を飛ぶ。「いつ住宅に落ちてもおかしくない」との不安が住民に広がっている。米軍は全ての飛行を差し止め、事故や不調の原因を究明すべきだ。安全を度外視した運用は認められないと、政府は強く申し入れねばならない。
(2)大分に緊急着陸した機体は、その前日にも米軍岩国基地(山口県)で白煙を上げていたことが、市民の監視活動で判明している。6月には沖縄県伊江村でも緊急着陸していた。米軍は問題機を飛ばし続けていたことになる。安全の徹底より軍務を優先したとすれば、批判はさらに高まるだろう。
(3)オーストラリア沖の墜落事故の後も、米軍は「安全宣言」を出して日本国内での飛行を継続していた。昨年12月に名護市の浅瀬にオスプレイが不時着して大破した事故でも、詳細な説明もないまま、発生からわずか6日後に飛行を再開した。そうした米軍の姿勢を、政府は「安全対策が認められた」などとして追認してきた。今回のトラブルで「安全」への疑問が一層深まった以上、安倍政権の対応も問われることになる。
(4)大分県は、九州防衛局に事故原因の説明と安全対策を要請した。沖縄県も原因究明までのオスプレイの飛行中止などを求めている。住民の命と暮らしを守る自治体として当然だ。国民の安全を最優先した、毅然(きぜん)とした対応を、政府にも求めたい。


Ⅱ.南日本新聞


(1)事故やトラブルの度に米軍は機体に欠陥はないと安全宣言し、短期間のうちに飛行再開を繰り返している。日本政府もこれをとがめず、追認するばかりだ。開発段階から事故が相次ぐオスプレイは安全性への懸念が根強い。なぜ全国各地の不安の声に耳を傾けようとしないのか。日本政府はあらためて米側に飛行停止を要請し、詳しい事故原因や再発防止策の説明を尽くすよう求めるべきだ。
(2)あ然とさせられるのは、このオスプレイが6月6日、沖縄県伊江村の米軍伊江島補助飛行場に緊急着陸した機体と同じだったことだ。あまりにもずさんな運用というほかない。緊急着陸は同月10日、奄美空港でもあった。この時は民間空港にもかかわらず事前通告がなく、着陸が重大事故につながる可能性があると指摘された。こうした中、オスプレイが沖縄と同様に、本土上空での飛行を常態化させるのは確実だ。今後、陸上自衛隊が導入するほか、在日米軍基地への追加配備計画もあるためだ。
(3)鹿屋市の海上自衛隊鹿屋基地を使う米軍空中給油機訓練にも参加する。防衛省側からオーストラリア沖の事故について説明を受けた鹿屋市の原口学副市長は、鹿屋基地での米軍訓練を「現段階では受け入れられない」とした。事故やトラブルを起こしても安易に飛行を再開するようでは、飛行地域の理解は到底得られまい。
(4)日米両政府はオスプレイの安全性より日米同盟を重視し、運用の既成事実化に躍起に見える。だが、安全が最優先であることを肝に銘じてもらいたい。
(5)2017年版の防衛白書は、沖縄でのオスプレイの事故を踏まえ「米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう求めていく」と明記している。政府は米軍に厳しく注文すべきだ。


Ⅲ.琉球新報


(1)米軍の「安全宣言」は、何の裏付けもない空手形だったことがはっきりした。
(2)米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが民間専用の大分空港に緊急着陸した。その前日には山口県の岩国基地で白煙を上げ、6月には伊江島補助飛行場に緊急着陸した機体と同一機である。2度もトラブルを起こしたにもかかわらず、不具合を解消できていなかったのである。欠陥機であることがあらためて明らかになった。欠陥がなければ、整備体制などに問題があるということにしかならない。
(3)いずれにせよ、オスプレイの危険性に変わりはない。飛行を直ちに中止すべきだ。
(4)在日米海兵隊は運用規定に従い、最も近い空港に「予防着陸」したと説明。一方で、エンジンの交換が必要とも九州防衛局に伝えている。米軍は「離陸するまでに徹底的な点検を実施する」としていた。点検によってエンジンを交換しなければならないほどの重大なトラブルが見つかったのだろう。
(5)オスプレイの配備撤回を求める県議会の抗議決議を受け取った後に発表した声明で、在沖米海兵隊は「安全ではない航空機を飛ばすことはしない」と明言していた。それが真意ならオスプレイを飛行させるべきではない。声明発表直後に大分空港への緊急着陸は起き、安全性に強い疑問符が付いたが、沖縄での飛行は続けている。行動を伴わない声明に意味はない。
(6)ともあれ、今回の一連のトラブルの詳細な報告を米軍に求める。「安全宣言」に反するトラブルを起こした米軍には説明責任がある。不安を与えた側が速やかに説明するといった当然のルールを守るべきだ。
(8)日米がオスプレイの危険性を直視しなければ、いつか大事故が発生することを強く懸念せざるを得ない。県民が犠牲になる事態は何としても避けねばならない。普天間飛行場からのオスプレイ完全撤去を強く求める。


Ⅳ.沖縄タイムス


(1)またもや緊急着陸である。安全性への懸念は、もはや沖縄だけの問題ではない。
(2)普天間所属のオスプレイは今月5日にも、オーストラリア沖で墜落する大事故を起こしたばかりである。昨年12月、夜間の空中給油訓練に失敗し、名護市安部の海岸に墜落した事故は、県民に大きな衝撃を与えた。名護でオスプレイが大破した時、米軍は6日後に飛行を再開。オーストラリアの事故では、翌々日に飛行を強行した。いずれも詳細な原因究明がなされないまま、「機体の欠陥ではない」とする米軍の説明を、防衛省が「合理性が認められる」「理解できる」と追認したのである。機体に欠陥がないのに事故が相次ぐのはなぜなのか。安全性の根拠が示されていないのに、「安全宣言」とは言葉を失う。
トラブルが続くのは、構造的に見過ごせない欠陥があるからではないか。
(3)航空機事故への不安につながる緊急着陸も頻発している。6月6日、伊江島補助飛行場。4日後の10日、鹿児島県奄美大島の奄美空港。そして今回の大分空港。3カ月足らずのうちに3回も発生している。普天間のオスプレイは、岩国基地や東京の横田基地、神奈川の厚木基地など米軍基地にも飛来し、北海道では日米共同訓練に参加するなど活動範囲を広げている。これら地域でも安全性を危惧する声が出始めており、不安は全国に拡大。相次ぐトラブルに県民は事故への懸念を強めている。
(4)最優先すべきは、国民の安全確保と不安の解消である。しかし米軍は兵士の練度を高める論理を優先させ、政府は米軍の顔色ばかりうかがっている。
(5)県議会は28日、オーストラリア沖で墜落したオスプレイ事故への抗議決議と意見書を可決した。「政府は米側に強い決意のもと、毅然(きぜん)とした対応をとるべきだ」とし、配備撤回などを求めている。政府は普天間飛行場を名護市辺野古に移すことで沖縄の負担軽減を図るというが、新基地にオスプレイが配備され、そこを拠点に活動し続けることが沖縄にとって大きな負担なのである。沖縄の演習場は住民地域に近く、あまりに狭いため海兵隊ヘリの訓練には適さない。オスプレイ配備と運用を見直すべきだ。


 今回の米軍の新型輸送機オスプレイ1機の大分空港への緊急着陸は、次のことを明確にした。


Ⅰ. 今、日本政府に必要なものは、国民の安全を最優先とする毅然(きぜん)とした主権国家としての対応である。
Ⅱ.今回の大分空港への緊急着陸は、エンジンを交換しなければならないほどの重大なトラブルが見つかったということである。
Ⅲ.つまり、オスプレイが欠陥機であることがあらためて明らかになった。欠陥がなければ、整備体制などに問題があるということにしかならない。ということは、オスプレイの危険性に変わりはない。
Ⅳ.したがって、日本政府は、オスプレイの飛行を直ちに中止させなければならない。
Ⅴ.特に、沖縄県の問題として考えた時、「日米がオスプレイの危険性を直視しなければ、いつか大事故が発生することを強く懸念せざるを得ない。県民が犠牲になる事態は何としても避けねばならない。普天間飛行場からのオスプレイ完全撤去」(琉球新報)を、日米両政府は早急に行わなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-07 06:41 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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