大阪地裁は、「国の不指定とした処分を取り消す」、と判決を出す。(2)-朝日新聞社説より-

 朝日新聞は2017年7月28日、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。「国の不指定とした処分を取り消す」。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。」、と報じた。
 この判決について、朝日新聞は2017年7月30日、「朝鮮学校判決 国は速やかに支給を。」、と評した。
 朝日新聞の要約は、次のとおり。


Ⅰ.判決の内容


(1)国が主張したのは、朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連とつながりをもち、「『不当な支配』を受け、適正な学校運営がされない懸念がある」という点だった。
(2)判決は、朝鮮高級学校で北朝鮮を賛美する内容の教育があり、総連の一定の関与があることは認めた。ただ、補助教材を活用するなどし、教育内容が一方的ではなく、さまざまな見方を教えているとも指摘、「教育の自主性を失っているとまでは認められない」と述べた。
(3)国は「支援金が授業料にあてられない懸念がある」としたが、判決は、裏付けの事実がないとして認めなかった。実態を十分に調べず、こうした主張をする姿勢が、学校への偏見を広めたことを国は反省すべきだ。
(4)朝鮮学校の無償化問題では、広島地裁が19日、学校と総連との関係が強かったとして「不支給は適法」との判決を出しており、地裁で判断が分かれた。国の言い分の追認に終始した広島の審理に対し、大阪地裁は卒業生や元教員らの証人尋問をし、学校側から提出された保護者へのアンケートまで証拠として検討した。朝鮮学校の実情を把握するため、より丁寧な裁判で導いた結論といえる。


Ⅱ.判決の主旨


(1)経済的事情で勉学を断念することがないよう、国の負担で教育の機会均等を確保する。判決が判断の軸にしたのは、高校無償化法にあるこの目的だ。
(2)無償化は民主党政権が2010年に始めたが、朝鮮半島情勢を理由に適用を見送った。第2次安倍内閣では下村博文・文科相が拉致問題などを理由に「国民の理解が得られない」とし、13年2月、不支給を決めた。
(3)大阪地裁はこうした国の対応を「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づき、法の趣旨を逸脱し、違法で無効だ」と結論づけた。
(4)教育制度を政治・外交課題と同一線上で論じ、混同することを、厳しく戒めたといえる。


Ⅲ.朝日新聞の主張


(1)日本で学ぶ全ての生徒に公平に教育の機会を与える、という制度の原点に立った判決だ。
(2)国は司法の判断を重く受けとめ、速やかに支給すべきだ。
(3)いま、朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。


 確かに、「朝鮮学校に通う生徒は日本で生まれ育った在日コリアン4世が中心だ。民族の言葉や文化を大切にしながら、日本で生きていきたいと学んでいる。多様なルーツや教育の自主性を尊重するのか。問われているのは、社会のあり方だ。」、という朝日新聞の指摘は、重要だ。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-05 05:29 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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