連合への疑問、怒り。「残業代ゼロ法案」を連合は容認へ方針転換という。

 「残業代ゼロ法案」を連合が容認。
 私自身は労働現場を離れた身ではあるが、どうしてこんなことが許されるのか。
 現状認識の問題であり、「苦渋の選択」とでも言いたいのか。
 「3.11」は、単に原発問題だけを問うたのでなない。 すべての「現状認識」を告発したはずであるのに。


 朝日新聞は2017年7月11日、何が起きているのかについて、次のように報じた。


(1)連合は、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、政府に修正を求める方針を固めた。近く神津里季生(こうづりきお)会長が安倍晋三首相と会談し、要請が認められれば同制度の導入を容認する構えだ。ただ、こうした執行部の方針に連合の組織内で強い反発が出ている。
(2)政府は同制度の導入を盛り込んだ労働基準法改正案を国会に提出済みだ。3月にまとまった「働き方改革実行計画」は、改正案の早期成立を目指すと明記。政府は今秋の臨時国会で審議する予定だ。改正案は、為替ディーラーなど年収が1075万円以上の専門職を対象に、年104日以上の休日取得▽労働時間の上限設定▽終業から始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」の導入――から何らかの対策を講じることを条件に、残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が一切払われなくなるという内容だ。


 つまり、連合は、政府に修正を求めるとはしているが、残業代ゼロ制度である「高度プロフェッショナル制度」の導入を受け入れるというのだ。
 当然のことであるが、朝日新聞はこの連合執行部の策動の意味について、「野党は『残業代ゼロ法案』などと批判しており、2015年4月に国会に提出されてから審議はされていない。連合も『長時間労働を助長する』などとして法案の取り下げを求めてきたが、これまでの主張を事実上転換する。」、と押さえる。
 また、連合内部の様子を次のように伝える。


(1)連合は、同制度の健康確保措置を手厚くするよう政府に要請する。具体的には、年104日以上の休日取得を企業に義務づけるとともに、労働時間の上限設定▽勤務間インターバル制度▽2週間連続の休日取得▽心身の状況に応じて臨時の健康診断の実施――などから複数の対策の実施を求める。
(2)こうした方針は今月8日に、連合の事務局から傘下の主要産別の幹部に伝えられた。突然の方針転換に、組織内から異論が噴出している。主要産別の幹部は「ずっと反対してきたのに、組織内の議論を経ずに突然方針を変えますと言われても困る。組合員は納得してくれない」と戸惑いを隠さない。


 もしかしたら、連合は自分を守るために、、安倍晋三政権に寄り添うことを最善策と判断しているのかもしれない。
 しかし、大きな過ちである。
 安倍晋三政権の偽りの「成長戦略」に身を委ねることは、労働者の首を自ら絞めることでしかない。
 例えば、毎日新聞記者の東海林智は、2017年7月10日と11日のFBで、このことを痛烈に批判した。
 東海林智はまず最初に、「今は。新潟の地におり、最前線で取材していないが、これは、一体どういうことなんだ。昨年10月に異動するまで、この件で方針を変更するつもりはないかと記者会見で毎回尋ね、同じ事ばかり聞くな(とは言わないが)というように「変わらない」と言ってたのにね。毎回聞いたのは、連合を信じていないからだけどさ、毎回最後はきれいに労働者を裏切って『頑張りました』『これが精一杯』と言い訳するからだ。」、と嘆く。
 そして、「クソだ。」、とその心情を吐露する。
 この上で、次のように分析する。


①この記事を読む限り、方針転換は幅広い議論がなされた様子はうかがえないが、重要な方針転換を何の議論もなしに決める組織なのか?この制度に反対して一所懸命やっていた連合内の組織だってあった。そんなんでいいの?
②都議選の惨敗で安倍政権が青息吐息の状態で、残業代ゼロ制度は労働側のがんばりでつぶせるかも知れない展望が出てきた中で、なぜこんな妥協をはかるのか。敵に塩を送るどころでない。連合は残業代ゼロ制度を求めていたということか。潰れそうなゼロ制度に手をさしのべるのは労働者に対して犯罪的な行為だ
③長時間労働を本気で撲滅したいと考える過労死家族の会はこの制度に強く反対している。連合の集会にも彼女ら彼らを呼び、連帯の挨拶まで受けていた。連合は彼女ら彼らに対して、この制度に反対することを約束していた。過労死家族にウソをつくのか、そして、連合は本気で長時間労働の是正は考えていないということなんだな


 東海林智は、「あきれてモノも言えないとはこのことだ。あなた方は、本当に働く者からの信頼をなくすからな。言いたいことは山ほどあるが、少し冷静になるため、これ以上はやめるけど。涙が出るほど腹立たしい。次に連合会長になるという人の首相・安倍への手土産か?恥ずかしい。労働者の命を土産にすんのか?」、と吠える。
また、東海林智は翌11日、「連合転向の背景は・・・」、と次のように記す。


 政府の提案する残業代ゼロ制度を巡り、連合は反対から制度容認に〝転向〟した。昨晩から今朝にかけて、連合幹部や関係者に電話して背景を探った。多くが、「法案を裸のまま通す訳にはいかない」「労働者を守る実を取らなければならない」と大組織としての〝大人〟の判断であることを強調していた。そんなの2年以上反対してきた制度を容認する理由にならない。なぜ、今なんだ。昨日も書いたが、都議選で惨敗し、法案断念へ持ち込める展望が開けた中で、なぜ、認める?
 労働者の命を守る根本の制度である時間規制に1点でも穴を空けたら、そこから制度は決壊すると言っていたのはどこの誰だ。連合傘下の組合で、その言葉を信じて、熱心に反対運動を展開してきた仲間に恥ずかしくないのか。
 神津会長からして共同通信の取材に「そもそも制度は必要だとは思っていない」と言っているではないか。それでも、認めるんだね。必要ないものを「健康管理が今の仕組み(政府案)では犠牲を生じかねない」という理由で、健康確保措置の強化を言って、認めるんだ。あなた方は派遣法もそうやって認めてきた。派遣法は今、どうなっている?残業代ゼロ制度を容認して、一点突破で派遣法のように対象が拡大されて、日本の労働者から残業という概念が奪われるだろうね。もちろん、私の時間も。
 連合の責任は重大だ。ある幹部は「私たちは東海林さんのように反対だけ言っていれば良いわけじゃないから。具体的に労働者を守らなければならない」と言った。労働時間規制という労働者の命を守る規制を守り切れなかった組織が何を言うのか。本当に労働者の命を守りたいなら、考え直せ。心ある連合の仲間は不服従で闘うべきだ。


 またぞろ囁かれる現実的対応。
 今回は、「具体的に労働者を守らなければならない」、と。
「戦争法」、「共謀罪」法が施行されている状況下での裏切り行為は、日本国憲法を裏切る。
 いや、日本国憲法改悪に舵を切ることになる。
 最後に、日本弁護士連合会2015年8月7日の「『日本再興戦略』改訂2015」における労働規制緩和に反対する会長声明の一部をもう一度を確認する。
 そこには、「高度プロフェッショナル制度」について次のように指摘されている。


 改訂戦略が働き過ぎ防止のための取組強化を提言していることは首肯できる。「高度プロフェッショナル制度」は、この「働き過ぎ防止」の方向性と矛盾する。長時間労働の蔓延、過労死及び過労自殺が後を絶たない深刻な現状においてこの制度を導入すれば、適用対象者における長時間労働を抑制する法律上の歯止めがなくなる等、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた際限のない長時間労働が助長され、労働者の心身の健康悪化や、過労死・過労自殺の増加を助長することにもなりかねない。


 そうなのだ。すべての者が、不服従で闘う時がきている。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-15 06:04 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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