「共謀罪」を考える。(47)-全国保険医団体連合会声明2017年6月15日より-

 全国保険医団体連合会は2017年6月15日、「『共謀罪』法案の委員会採決省略による参議院強行採決に抗議する」との抗議声明を安倍総理、金田法相、マスコミ各社に送付しました。
この声明で、問題点を次のように指摘した。


(1)加計学園疑惑の追及による支持率低下と東京都議選挙への影響を恐れ、会期末を延長せず参議院法務委員会の採決を省略する「中間報告」とし、参議院本会議での採決におよんだことは、委員会審議の原則(国会法)を逸脱し、議会制民主主議を破壊する暴挙である。
(2)国会法では、委員会審議し採決することが原則としている。与党が委員長であるにも関わらず、委員会採決省略による参議院本会議の採決を強行したことは、「緊急を要する場合」に限られた「中間報告」(国会法第56条の3第1項~同3項)」の規定の乱用であり、異例中の異例である。世論調査でも賛成が反対を上回り、「説明不十分」が7割、「今国会で成立させる必要がない」が5割を越えており「緊急を要する場合」とは到底言えない。

(3)同法案は審議すればするほど疑問点が生じ、提案者からテロ対策や国際組織犯罪防止条約に加盟するためとした立法趣旨すらまともに説明できていない。
(4)そもそも「共謀罪」法案は、実行行為を処罰する刑法の大原則を覆し、犯罪の計画段階で処罰を可能とする法律であり捜査機関の判断で、犯罪者と見なし捜査活動可能となるが、対象犯罪も277と幅広くテロとは無縁な罪状が多く含まれており、広く市民が対象となり得る。
(5)「共謀罪」法の成立で、一般市民への日常的な監視、盗聴や内偵活動などの捜査機関の権限が際限なく拡大され、市民団体の不当勾留や冤罪事件の発生など、プライバシー権、表現の自由を侵害する可能性が高いため、ジョセフ・ケナタッチ国連特別報告者からも「共謀罪」法案は「プライバシー権侵害の懸念」と指摘された。日本政府は国連人権理事国に加盟する際、国連特別報告官からの指摘を真に対応すると誓約していた。にもかかわらず、ケナタッチ氏の指摘にまともに回答せず、法律修正など真摯な検討を行わず、結論ありきで抗議したことは、国連人権理事会の理事国として恥ずべき態度である。
(6)参議院審議でも、担当大臣らの答弁も曖昧で質問者にまともに答弁せず、審議時間が空費された。「一般人を捜査対象としない」との衆議院答弁を一転させ、一般人も捜査対象となること、自然保護団体や人権団体について「団体の性格が一変した場合、捜査対象となる」と答弁した。政府に物申す団体や市民を「被疑者」とし、話し合いや合意だけで捜査を行い、逮捕・勾留することで活動を萎縮させることをNGOや市民団体が強く懸念している。


 この抗議声明で、全国保険医団体連合会は、「参議院採決に断固抗議するとともに、採決を撤回し、無効とすること、審議を参議院法務委員会に差し戻すことを要求する。」、とするとともに、「私たち医師・歯科医師が取り組んでいる医療費窓口負担軽減や診療報酬増額を求める運動を萎縮せず、市民の表現の自由、内心の自由、プライバシー権を侵害する、『共謀罪』法の廃止に向けて全力を尽くす所存である。」、と決意表明を行った。


 確かに、今回の「共謀罪」法の成立で、一般市民への日常的な監視、盗聴や内偵活動などの捜査機関の権限が際限なく拡大され、市民団体の不当勾留や冤罪事件の発生など、プライバシー権、表現の自由が侵害される危険性が現実のものとなる。
 つまり、この「共謀罪」法は廃案にするしかない。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-29 06:26 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る