人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、国内最悪の内部被曝。

 朝日新聞は、標題について、2017年6月7日の早朝、次のように報じた。


(1)6日午前11時15分ごろ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、作業員5人がウランとプルトニウムが入った保管容器を点検していたところ、放射性物質が漏れて被曝(ひばく)した。このうち3人は、プルトニウムによるとみられる最大24ベクレル(アルファ線)の汚染が鼻腔(びくう)内に確認された。体調不良を訴える作業員はいないが、原子力機構は体内に入った放射性物質から被曝する内部被曝の有無を調べている。放射性物質の外部への影響はなかったという。
(2)原子力機構によると、事故があったのは高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。実験が終わった核燃料は容器に入れ、それをビニールで二重に包んだ後、さらに直径10センチほどの円筒形の金属容器に入れていた。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、ビニールが破れて放射性物質が飛散した。圧力の変化が影響したとみられるという。
(3)5人の防護服や手袋が汚染された。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔内からは汚染が確認された。原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としている。
(4)原子力規制委員会は、地元の保安検査官が立ち入り検査し、現場を確認した。原子力機構は今後、5人が内部被曝をしていないか数週間かけて調べるという。


 当初、原子力機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」としていたが、事故の被害は予想以上に深刻で、「過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は『将来、健康被害が出る可能性があり、長期的に経過を観察しなければならない』としている。」、ということが明らかになった。
 朝日新聞は次のように続けて報じた。


(1)茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、このうちの1人で50代の男性職員の肺から、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。暫定で1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「急性の放射線障害が出るほどではない」としている。
(2)原子力機構によると、残る4人からはプルトニウムは検出されなかったが、この男性を含む3人から最大220ベクレルのアメリシウムも検出された。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤を注射する処置を受け、7日午前に千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。
(3)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散した。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。原子力機構によると、この作業でビニールが破れることを想定していなかったため、作業は密封した状態ではなく、一部が開いた作業用の箱の中で行っていた。
(3)原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある」と問題視した。


 さらに、朝日新聞が次のように報じた。


(1)原子力機構によると、20~40代の3人の肺からも容器内の放射性物質が検出された。残りの40代の1人も内部被曝した可能性が高いという。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤の点滴を受け、7日午前に、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送された。放医研で正確な内部被曝量を測定する。
(2)事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。6日に保管状況を確認するため、保管容器のフタを開けたところ、突然、放射性物質が入ったポリ容器を包んでいたビニール袋が破れ、粉状の放射性物質が飛散した。
(3)原子力機構は、この作業でビニール袋が破れることを想定しておらず、作業は密閉した状態で行われていなかった。口と鼻を覆うフィルター付きの特殊なマスクをして作業していたが、内部被曝した。
(4)保管容器はウランとプルトニウムを封入した1991年以降、年に1回、容器の外観は点検していたが、26年間、内部は一度も点検していなかったという。同じものが入った保管容器が20個残っているといい、原子力機構は今後、容器内の状況を調べるという。
(5)原子力規制委員会の田中俊一委員長は7日の記者会見で「これまで(プルトニウムを扱う作業で)事故がなかったことで、プルトニウムに慣れすぎたのではないか。原子力機構は真剣に反省し、手順を考え直すべきだ」と語った。


 2万2千ベクレルの内部被曝とは、すでに、原子力機構は当事者能力を失っていることを示すものである。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-08 12:19 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人