「共謀罪」を考える。(34)-朝日新聞20170523より-

 朝日新聞はは2017年5月238日、「「共謀罪」に地方議会の反対相次ぐ 57自治体が意見書」を次のように掲載しました。
 


(1)「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案をめぐり、全国の地方議会で反対や慎重な審議を求める意見書が相次いで可決されている。朝日新聞の22日のまとめでは、国に意見書を送ったのは沖縄県の2町村など全国の計57自治体。法案は23日に衆院本会議で採決される見通しだ。
(2)意見書は4月上旬、衆院事務局のまとめで36件だった。今回は内閣官房への聞き取りや独自取材なども含めて集計した。
(3)沖縄県中城村議会は今月9日、廃案を求める意見書を賛成多数で可決した。米軍基地への抗議行動への影響を懸念し、「沖縄県民の正当な反基地、平和運動が真っ先に『テロ等準備罪』の標的となり、激しい弾圧の対象となるのは火を見るより明らか」とした。
意見書案を提出した新垣徳正議員は、米軍普天間飛行場の辺野古移設への抗議行動に加わっている。「国策に反発している沖縄の市民運動は『共謀罪』の影響を最も受けやすい。危機感をもってできることをやった」と話した。
(4)保守系の議員が意見書に賛成した自治体もある。愛知県岩倉市議会は今月9日、「共謀罪」法案について、国に慎重な審議を求める意見書を全会一致で可決した。テロ対策の重要性を認めつつも、一般市民が取り締まりの対象になる可能性や捜査機関による監視範囲の拡大などへの懸念を指摘。「十分に時間をかけて議論し、幅広い観点から慎重に審議することを強く要望する」とした。大野慎治議員は保守系で「基本的には賛成」としながらも、「娘がいる父親として、(性犯罪の厳罰化を盛り込んだ)刑法改正案の成立を優先すべきで、順番が逆ではないのか」と疑問を投げかける。
(5)法案は19日に衆院法務委員会で可決されたが、同じく保守系の黒川武議長は「解明されなかった疑問が、今後の論争で明らかになることを期待したい。国の問題であっても、市民の安全安心に関わることには地方議会からも発言していくことが大事だ」と指摘した。同市議会は2015年にも、安保法制に関して慎重審議を求める意見書を可決している。
(6)一方、同じ愛知県内の長久手市議会は今月18日、反対の意見書案を審議したが、否決した。2014年には、保守系議員の一部が賛成に回って、「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に反対する意見書」が可決されたが、今回は賛成6、反対11となった。
(7)京都府向日市議会も3月、「共謀罪」の創設を行わないことを求める意見書を可決した。「人が集まって話しているだけで容疑者とされる恐れがある」などと懸念を表明した。
(8)こうした地方議会の意見書はどう扱われるのか。
 衆院事務局によると、受理した意見書は国会の動きを伝える「公報」に掲載する。閲覧できる状態で院内のシステムに保存しているが、22日現在、議員からの問い合わせはないという。首相あての意見書を受け取る内閣官房の担当者は「首相官邸に原本を届けるが、その後の詳細は把握していない」と話した。
(9)《地方議会に詳しい江藤俊昭・山梨学院大教授(地方自治)の話》: 意見書の運用の問題点は、出しっぱなしになっていること。受け取った国が何の反応も示さないのは地方議会に失礼だ。地方が意見書の質を高める一方、国が重要な提言として受け止めることで、意味のある運用がなされなくてはならない。ただ、意見書は本来、地域の課題を国に伝えるもので、国政の課題にはなじまない面もある。扱うならば、地域住民にどう関係があるかきちんと説明することが必要だ。


 安部晋三政権は、少なくとも、「十分に時間をかけて議論し、幅広い観点から慎重に審議することを強く要望する」との地方の声に真摯に耳を傾けるべきではないか。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-04 06:00 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る