「共謀罪」を考える。(30)-朝日新聞20170520より-

 朝日新聞は2017年5月20日、「共謀罪」法に関連して、「国連特別報告者で、『プライバシー権』担当のジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が、『プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある』として懸念を表明する書簡を安倍晋三首相あてに送った。」、と次のように報じた。


(1)19日に衆院法務委員会で可決された「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正について、特定の国の人権状況などを調査・監視・公表する国連特別報告者で、「プライバシー権」担当のジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」として懸念を表明する書簡を安倍晋三首相あてに送った。18日付。書簡は性がある「法案の成立を急いでいるために十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険」と立法過程の問題にも言及している。
(2)内容については、①法案の「計画」や「準備行為」が抽象的で恣意(しい)的な適用のおそれがある②対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係のものを含んでいる――などと指摘し、「どんな行為が処罰の対象となるのか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある」。「共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることが想定されていない」などと懸念を示した。
(3)「共謀罪NO!実行委員会」が19日開いた記者会見で同会の海渡雄一弁護士は、カナタチ特別報告者の書簡に触れて、「国連で採択された国際組織犯罪防止条約を批准するために必要とされた法案なのに、同じ国連から懸念を示されている」と法案が抱える矛盾点を指摘した。
(編集委員・豊秀一、杉浦幹治)


 確かに、法案成立に向けたの拙速ぶりは、どのように考えてみても、「法案の成立を急いでいるために十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険」、との指摘は免れない。
 また、国連特別報告者の①法案の「計画」や「準備行為」が抽象的で恣意(しい)的な適用のおそれがあること、②対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係のものを含んでいること、との指摘は、誰が見ても気づくことである。
 安部晋三政権は、「どんな行為が処罰の対象となるのか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある」。「共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることが想定されていない」、という懸念に真摯に答えなければならない。





by asyagi-df-2014 | 2017-05-29 05:51 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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