「共謀罪」を考える。(25)-毎日新聞20170512より-

 毎日新聞は2017年5月12日、標題について次のように報じた。


(1)安倍晋三首相は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年を「新しい憲法が施行される年にしたい」として憲法改正の目標期限と位置づけた。ただ、国際オリンピック委員会(IOC)は「スポーツと平和の祭典」の政治利用を禁じている。五輪をてこにした憲法改正は、五輪の精神にかなうのか。【佐藤丈一、曽根田和久】
(2)「20年に向けてさまざまな目標を立てている。日本が新たなスタートを切る年にしたい」。首相は9日の参院予算委員会で五輪と憲法改正について語った。これまでも五輪に関連する形で政策課題に言及してきた。13年9月、ブエノスアイレスのIOC総会で「(福島第1原発の)状況はコントロールされている」と発言。汚染水対策をアピールし、招致の実現につながった。その後はたびたび「復興五輪」に言及。「野球・ソフトボール」の一部の福島開催は首相官邸の意向が働いたとされる。だが汚染水はIOC総会の前月、約300トンが海に流れ出ていた。現時点で溶け落ちた核燃料の正確な状況すら分かっていない。福島県浪江町から避難し、福島市の災害公営住宅に暮らす元原発作業員の今野寿美雄さん(53)は「廃炉の見通しは立っていない。2週間の五輪に何兆円も使うのに、自主避難者の支援は打ち切られた」と復興施策に疑問を投げかける。
(3)「共謀罪」の成立要件を改める組織犯罪処罰法改正案を巡っては、首相は今年1月の衆院の代表質問で、成立しなければ「五輪をできないと言っても過言ではない」と語った。この問題に詳しい山下幸夫弁護士は「首相はもともと治安の良さをアピールしていた。五輪と結びつけるのは飛躍だ」と語る。
(4)これまでも五輪は政治に翻弄(ほんろう)されてきた。1936年のベルリン五輪はナチス・ドイツの国威発揚に利用され、80年のモスクワ五輪ではソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して日米など各国政府がボイコットを決めた。「スポーツと選手を政治的または商業的に不適切に利用することに反対する」。五輪憲章はこう規定しており、東京都とIOCの開催都市契約にも「本大会をオリンピック・ムーブメントの利益以外の目的で使用しない」と盛り込まれた。 首相は16年8月、リオデジャネイロ五輪の閉会式に「マリオ」に扮(ふん)して登場し、東京開催をアピールした。五輪憲章は国家元首ですら開会式や閉会式で宣言する言葉を定め、政治色を排除している。大会組織委員会の森喜朗会長は近著「遺書」で自ら首相を起用したことを明かしたが、スポーツ評論家の玉木正之さんは「計画した組織委も、それを許可したIOCも憲章違反と言わざるを得ない」と語る。(5)果たして五輪と政治の関係はどうあるべきか。玉木さんは「アスリートを応援するのは当然で、五輪には反対しにくい。五輪に絡めて憲法改正を持ち出すのは巧妙だ」と指摘。「五輪はスポーツの祭典として独立しているべきだという感覚が全くない。政治はスポーツをサポートする役割に徹するべきだ」と語った。





by asyagi-df-2014 | 2017-05-21 06:18 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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