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沖縄-辺野古・高江から-2016年12月21日

 「いい正月になる」と自信ありげに笑った仲井真弘多前知事。
 「こういう形で年末を迎えるのは残念だ」と翁長雄志現知事。
 はっきりしているのは、安倍晋三政権下で基本的人権がないがしろにされているなかで、市民の大多数は困窮化に向かわされている以上、どこに立たなければならないかは、おのずから決まってしまう。
 「吹っ切れたような表情で初めて参加を表明した」(沖縄タイムス)、としたその姿は、人間の思いの大切さを未来に伝える。


 2016年12月21日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-知事「踏ん張りどころ」 最高裁の沖縄県敗訴 岩礁破砕で再び法廷闘争も-2016年12月21日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古の埋め立てを巡る裁判で最高裁が20日、沖縄県敗訴の判決を出した。判決により、翁長雄志知事による辺野古の埋め立て承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決は仲井真弘多前知事による埋め立て承認は妥当性を欠いたものではなく、『不合理な点はうかがえない』と結論付けた。翁長知事は『辺野古新基地は造らせない公約実現に向け、全力で取り組む』考えで、今後のかじ取りが注目される。」
②「『最高裁の判決は出たが、この闘いというか新辺野古基地は造らせない、オスプレイの配備撤回というのは、今まさに新しいスタートに立ったと思う。これからが私たち県民の踏ん張りどころ、力の出しどころだ』。県敗訴を受けて20日夜に開いた記者会見で翁長知事は、今後も辺野古新基地建設阻止に向けた行動を続けると表明した。知事は『米軍統治時代、苛烈(かれつ)を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強く闘った県民は、日米両政府が辺野古新基地建設を断念するまで闘い抜くと信じている。私も県民と公約実現に向けて全力で取り組む』と読み上げ、“県民運動”として建設阻止に臨む考えを示した。」
③「知事自身、自らの行政権限行使だけでは今後厳しい流れが待ち受けることが予想される判決だった。県弁護団の松永和宏弁護士は、最高裁が一度も口頭弁論を開かずに判決を出した点を指摘。『判決に政策的なことは書いていないが、非常に政策的な判決だ。本当に判断を示すなら2カ月ではできない』と、中断している新基地建設工事を早期に再開したい政府に配慮したスピード判決ではないかと、不信感をあらわにした。」
④「原審の福岡高裁那覇支部の判決は、沖縄の『地理的優位性』などに触れ、軍事的にも『辺野古が唯一の解決策』とする政府の主張までも認めていた。だが最高裁は判決で、高裁判決のこの部分は内容を書き換えた。司法が判例として『辺野古唯一』を認定することを懸念し、判決文の内容も気にしていた県は、『司法の良識というよりも常識が示された。高裁判決は行政法の専門家からも批判を集めていたから』(幹部)と高裁判決を皮肉った。
ただ政府側の受け止めは『全面勝訴』に近い。最高裁は判決で、前知事による埋め立て承認について、環境保全や防災対策に特段不合理な点はなかったと判断した。防衛省関係者はこの点に着目する。『知事は今後も権限を使い工事を止めようとするだろう。だが最高裁が環境対策も防災対策も不合理はないと判断した。県が今後権限行使をする際は、裁判で主張したもの以外の理由を探すはずだが、ろくな理屈はもう探せないはずだ』。
⑤「県と政府が次の綱引きとして想定するのは、来年3月に期限切れを迎える岩礁破砕許可の更新申請だ。県はこの更新を認めない場合、政府は再び工事を中断した上で県と法廷闘争する必要がある。ただ、この最高裁判例で、国側は環境対策などの論点で『司法のお墨付き』(防衛省関係者)を得たことで、政府は今後もスピード判決の連続で県の権限を次々に奪えるとの期待をにじませる。」
①「敗訴を受け、県は26日にも埋め立て承認取り消しを取り消す。ことし3月から中断してきた工事は再び動き出す。」


(2)琉球新報-年内に工事再開へ 辺野古訴訟で沖縄敗訴 最高裁、「唯一の解決策」は認めず 県は26日にも「取り消し」-2016年12月21日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、県の上告を棄却した。承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の県敗訴の判決が確定した。最高裁は県の上告受理申し立てを受理した各争点の高裁那覇支部の判断について『結論において是認することができる』として踏襲した。高裁判決が安全保障や『地理的優位性』の観点からも辺野古新基地建設が普天間飛行場の危険性除去の唯一の解決策だと断定した点は、一切触れなかった。県は敗訴を受け、26日にも承認取り消しを取り消す。沖縄防衛局は埋め立て承認の効力が戻り次第、早ければ同日に埋め立て本体工事を再開する。」
②「防衛局はまず工事区域への浮具(フロート)設置を進める予定。年明けから本格的な工事を始める。」
③「判決は裁判官4人全員の一致で、個別意見はなかった。仲井真弘多前知事の埋め立て承認に違法や不当がない場合は『承認取り消しは違法となる』と結論付けた。その上で埋め立ての必要性・合理性の判断では、新基地は普天間飛行場の面積から縮小し、米軍機が住宅地上空の飛行が回避されるなどとの前知事の判断について『事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くものであるという事情は認められない』とした。環境保全策などへの十分な配慮についても、『(前知事の)判断過程および判断内容に特段不合理な点があるとはうかがわれない』と判断した。」
④「承認取り消しを取り消すよう国が県に求めた『是正の指示』については、承認取り消しが違法であるため、要件を満たしており適法だとした。是正の指示に従わなかったことは『違法な』不作為ではないとする県の主張に対しては、是正の指示が出された1週間後には、是正の指示に従う『相当の期間が経過している』との見解を示した。県・国双方に協議を求めた国地方係争処理委員会の決定を受けて県が協議を申し入れたことについても『結論を左右しない』とした。」


(3)沖縄タイムス-オスプレイのエンジン回収 米軍、主な部分はすべて撤去-2016年12月21日 16:52


 沖縄タイムスは、「MV22オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸では21日、浅瀬に取り残されたままだったエンジン部分を米軍がサルベージ船で回収した。これで、オスプレイの残骸の主な部分はすべて回収された。午後2時25分ごろから、浮具が付けられたエンジン部分をサルベージ船が回収。午後4時までに撤去し終えた。作業の間、米軍関係者がドローンを使って墜落現場付近や作業の様子を撮影する姿も見られた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-募る憂慮、闘う決意 辺野古訴訟で最高裁判決 翁長知事の対決姿勢鮮明に-2016年12月21日 12:15


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『こういう形で年末を迎えるのは残念だ』。最高裁判決を受けた20日の記者会見。翁長雄志知事は判決に加え、1週間前に相次いで起きたオスプレイ墜落や胴体着陸事故、2日後に迫った米軍北部訓練場一部返還式典など、難題が重なる年の瀬を嘆いた。3年前、辺野古埋め立て承認を前に「いい正月になる」と笑った仲井真弘多前知事とは対照的な師走の会見となった。」
②「『法の番人として充実した審理を経た上の判断を期待したが、あたかも前知事の埋め立て承認が全てであるかのような判断を示し、問題点の多い高裁判決を容認した。深く失望し、憂慮している』」と批判。県民に対する差別や民意を無視する政府を追認した最高裁に対し、『民主主義の問題として禍根を残す』。わずかに下唇をかみ、悔しさをにじませた。」
③「22日のオスプレイ墜落に抗議する名護市での県民集会への対応を問われると、『一つの区切りがついた』と顔を上げた。『私も出席して県民の心が大きく一つになれるよう、資することを考えている』。吹っ切れたような表情で初めて参加を表明した。」
④「北部訓練場の返還式典に対しては『いかにいびつな形で返されるかを米国、日本国民に見てもらいたい』と、県庁職員の欠席を明言。質問がオスプレイの飛行再開に及ぶと、やや早口になり『辺野古に新基地は造らせない。オスプレイ配備撤回をしっかりやる。あらゆる手法を尽くす』と、国との対決姿勢を改めて鮮明にした。」
⑤「県側代理人の松永和宏弁護士が『判決は、都道府県知事の権限を非常に広く認めた。今後、知事が権限を行使した場合、国はその判断を尊重しなければならないということ』と説明すると、知事は口を横で真一文字に結び、正面を見つめたまま何度もうなずいた。」


(5)沖縄タイムス-米軍、オスプレイ飛行再開前にも最重大事故 嘉手納基地で哨戒機が胴体破損-2016年12月21日 12:21


 沖縄タイムスは、「米軍嘉手納基地内で19日午前6時ごろ、同基地所属で米海軍のP8対潜哨戒機が胴体下部と前輪を破損する重大事故を起こしていたことが21日、分かった。米海軍によると、事故の規模は4段階で最も重大な『クラスA』。13日に墜落したオスプレイが19日に飛行再開する直前に、重大な事故を起こしたことになる。」、と報じた。
 また、「沖縄防衛局は嘉手納町に20日夕、『P8がけん引を伴う通常整備を実施中に前輪と胴体下部に小さな破損が生じる事案があった』『負傷者はおらず、現在、この軽微な事案に対する調査が行われている』と連絡した。嘉手納基地では21日正午ごろ、P8対潜哨戒機6機が並び、うち1機の胴体の下に米軍関係者が集まり、作業をしているのが確認された。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-オスプレイ墜落:名護市議会が米軍に抗議 配備撤回と辺野古新基地の中止を要求-2016年12月21日 13:07


 沖縄タイムスは、「オスプレイの墜落事故を受けて、名護市議会(屋比久稔議長)は21日午前、米軍キャンプ・フォスターを訪れ、オスプレイの配備撤回と辺野古新基地建設の中止・撤回を求めた。屋比久議長らは空中給油の訓練中止なども求めたが、対応した米海兵隊のスコット・コンウェイ大佐は『リスクを負ってでもやらないといけない必要な訓練。グレードを落とせない』と答えたという。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-「不当判決に負けない」 オール沖縄会議、集会で怒り-2016年12月21日 13:22


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設に反対する政党、経済界、市民団体などでつくる「オール沖縄会議」は21日、『辺野古違法確認訴訟』で県の敗訴が確定した最高裁判決に抗議する集会を福岡高裁那覇支部前の城岳公園で開いた。700人(主催者発表)が参加し、十分な審理がないままの判決に怒りの声を上げた。」
②「共同代表の稲嶺進名護市長は『ウチナーンチュは満身創痍で流す血がないくらい、国に裏切られ司法にまで見放された。不当判決に屈せず、今日から新しい闘いに入ろう』と新基地建設の阻止に向けた団結を呼び掛けた。」
③「オール沖縄会議は22日午後6時半にも名護21世紀の森で米軍のオスプレイ墜落事故に対する抗議集会を開く。翁長雄志知事も出席を予定し、2千人以上の参加を目指す。」


(8)琉球新報-菅氏、翁長知事に不快感 北部訓練場返還の式典欠席-2016年12月21日 13:57


 琉球新報は、「菅義偉官房長官は21日の記者会見で、沖縄県の翁長雄志知事が政府による22日の米軍北部訓練場の部分返還式典を欠席する一方で、オスプレイ不時着事故の抗議集会に出席する対応に不快感を示した。菅氏が10月に同訓練場の年内返還方針を伝えた際、翁長氏が『歓迎したい』と述べ、数日後に発言を修正した経緯にも触れ『そんなに軽い話ではない』と批判した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、翁長氏が今後も抵抗を続ける方針を示していることには『訴訟が確定したらその趣旨に従って誠実に対応するということに尽きる』とけん制した。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-700人が最高裁判決に抗議 沖縄敗訴 「不当判決に屈しない」-2016年12月21日 14:13


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で、県敗訴とした最高裁判所の判決に抗議する『最高裁不当判決糾弾! 審理のやり直しを求める緊急抗議集会』が21日、那覇市の城岳公園で開かれた。『辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議』主催。登壇者たちは『不当判決に屈することなく、新基地は絶対に造らせないという決意で、新しい闘争に入ろう』などと訴えた。」
②「主催者発表で700人が参加した。共同代表の稲嶺進名護市長は『沖縄の事情を全く無視し、全国的に許される範囲という旨の判決になった。いつになったら、沖縄は平和憲法の中で日本国民として守られるのだろう』と訴えた。同じく共同代表の玉城愛さんも『不当判決が出て、日本の三権分立がいかに後退しているのか分かった。ウチナーンチュとして、学生として、1人の市民として、皆さんと一緒に頑張っていきたい』と呼び掛けた。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。








(1)琉球新報-知事「踏ん張りどころ」 最高裁の沖縄県敗訴 岩礁破砕で再び法廷闘争も-2016年12月21日 06:30


 米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古の埋め立てを巡る裁判で最高裁が20日、沖縄県敗訴の判決を出した。判決により、翁長雄志知事による辺野古の埋め立て承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決は仲井真弘多前知事による埋め立て承認は妥当性を欠いたものではなく、「不合理な点はうかがえない」と結論付けた。翁長知事は「辺野古新基地は造らせない公約実現に向け、全力で取り組む」考えで、今後のかじ取りが注目される。

 「最高裁の判決は出たが、この闘いというか新辺野古基地は造らせない、オスプレイの配備撤回というのは、今まさに新しいスタートに立ったと思う。これからが私たち県民の踏ん張りどころ、力の出しどころだ」

 県敗訴を受けて20日夜に開いた記者会見で翁長知事は、今後も辺野古新基地建設阻止に向けた行動を続けると表明した。知事は「米軍統治時代、苛烈(かれつ)を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強く闘った県民は、日米両政府が辺野古新基地建設を断念するまで闘い抜くと信じている。私も県民と公約実現に向けて全力で取り組む」と読み上げ、“県民運動”として建設阻止に臨む考えを示した。

 知事自身、自らの行政権限行使だけでは今後厳しい流れが待ち受けることが予想される判決だった。県弁護団の松永和宏弁護士は、最高裁が一度も口頭弁論を開かずに判決を出した点を指摘。「判決に政策的なことは書いていないが、非常に政策的な判決だ。本当に判断を示すなら2カ月ではできない」と、中断している新基地建設工事を早期に再開したい政府に配慮したスピード判決ではないかと、不信感をあらわにした。

 原審の福岡高裁那覇支部の判決は、沖縄の「地理的優位性」などに触れ、軍事的にも「辺野古が唯一の解決策」とする政府の主張までも認めていた。だが最高裁は判決で、高裁判決のこの部分は内容を書き換えた。

 司法が判例として「辺野古唯一」を認定することを懸念し、判決文の内容も気にしていた県は、「司法の良識というよりも常識が示された。高裁判決は行政法の専門家からも批判を集めていたから」(幹部)と高裁判決を皮肉った。

 ただ政府側の受け止めは「全面勝訴」に近い。最高裁は判決で、前知事による埋め立て承認について、環境保全や防災対策に特段不合理な点はなかったと判断した。防衛省関係者はこの点に着目する。「知事は今後も権限を使い工事を止めようとするだろう。だが最高裁が環境対策も防災対策も不合理はないと判断した。県が今後権限行使をする際は、裁判で主張したもの以外の理由を探すはずだが、ろくな理屈はもう探せないはずだ」。

 県と政府が次の綱引きとして想定するのは、来年3月に期限切れを迎える岩礁破砕許可の更新申請だ。県はこの更新を認めない場合、政府は再び工事を中断した上で県と法廷闘争する必要がある。ただ、この最高裁判例で、国側は環境対策などの論点で「司法のお墨付き」(防衛省関係者)を得たことで、政府は今後もスピード判決の連続で県の権限を次々に奪えるとの期待をにじませる。

 敗訴を受け、県は26日にも埋め立て承認取り消しを取り消す。ことし3月から中断してきた工事は再び動き出す。

 わずか1週間前には、米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが普天間の移設先の名護市で墜落事故を起こした。翁長知事はこれまで繰り返してきた「あらゆる手法」という言い回しに加え、「新たな手法」や「新たな展開」という表現を使い、建設阻止の決意を示した。(島袋良太)



(2)琉球新報-年内に工事再開へ 辺野古訴訟で沖縄敗訴 最高裁、「唯一の解決策」は認めず 県は26日にも「取り消し」-2016年12月21日 06:30


 沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、県の上告を棄却した。承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の県敗訴の判決が確定した。最高裁は県の上告受理申し立てを受理した各争点の高裁那覇支部の判断について「結論において是認することができる」として踏襲した。高裁判決が安全保障や「地理的優位性」の観点からも辺野古新基地建設が普天間飛行場の危険性除去の唯一の解決策だと断定した点は、一切触れなかった。県は敗訴を受け、26日にも承認取り消しを取り消す。沖縄防衛局は埋め立て承認の効力が戻り次第、早ければ同日に埋め立て本体工事を再開する。

 防衛局はまず工事区域への浮具(フロート)設置を進める予定。年明けから本格的な工事を始める。

 判決は裁判官4人全員の一致で、個別意見はなかった。仲井真弘多前知事の埋め立て承認に違法や不当がない場合は「承認取り消しは違法となる」と結論付けた。その上で埋め立ての必要性・合理性の判断では、新基地は普天間飛行場の面積から縮小し、米軍機が住宅地上空の飛行が回避されるなどとの前知事の判断について「事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くものであるという事情は認められない」とした。

 環境保全策などへの十分な配慮についても、「(前知事の)判断過程および判断内容に特段不合理な点があるとはうかがわれない」と判断した。

 承認取り消しを取り消すよう国が県に求めた「是正の指示」については、承認取り消しが違法であるため、要件を満たしており適法だとした。是正の指示に従わなかったことは「違法な」不作為ではないとする県の主張に対しては、是正の指示が出された1週間後には、是正の指示に従う「相当の期間が経過している」との見解を示した。県・国双方に協議を求めた国地方係争処理委員会の決定を受けて県が協議を申し入れたことについても「結論を左右しない」とした。


(3)沖縄タイムス-オスプレイのエンジン回収 米軍、主な部分はすべて撤去-2016年12月21日 16:52


 MV22オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸では21日、浅瀬に取り残されたままだったエンジン部分を米軍がサルベージ船で回収した。これで、オスプレイの残骸の主な部分はすべて回収された。

 午後2時25分ごろから、浮具が付けられたエンジン部分をサルベージ船が回収。午後4時までに撤去し終えた。作業の間、米軍関係者がドローンを使って墜落現場付近や作業の様子を撮影する姿も見られた。


(4)沖縄タイムス-募る憂慮、闘う決意 辺野古訴訟で最高裁判決 翁長知事の対決姿勢鮮明に-2016年12月21日 12:15


 「こういう形で年末を迎えるのは残念だ」。最高裁判決を受けた20日の記者会見。翁長雄志知事は判決に加え、1週間前に相次いで起きたオスプレイ墜落や胴体着陸事故、2日後に迫った米軍北部訓練場一部返還式典など、難題が重なる年の瀬を嘆いた。3年前、辺野古埋め立て承認を前に「いい正月になる」と笑った仲井真弘多前知事とは対照的な師走の会見となった。

 「法の番人として充実した審理を経た上の判断を期待したが、あたかも前知事の埋め立て承認が全てであるかのような判断を示し、問題点の多い高裁判決を容認した。深く失望し、憂慮している」と批判。県民に対する差別や民意を無視する政府を追認した最高裁に対し、「民主主義の問題として禍根を残す」。わずかに下唇をかみ、悔しさをにじませた。

 22日のオスプレイ墜落に抗議する名護市での県民集会への対応を問われると、「一つの区切りがついた」と顔を上げた。「私も出席して県民の心が大きく一つになれるよう、資することを考えている」。吹っ切れたような表情で初めて参加を表明した。

 北部訓練場の返還式典に対しては「いかにいびつな形で返されるかを米国、日本国民に見てもらいたい」と、県庁職員の欠席を明言。質問がオスプレイの飛行再開に及ぶと、やや早口になり「辺野古に新基地は造らせない。オスプレイ配備撤回をしっかりやる。あらゆる手法を尽くす」と、国との対決姿勢を改めて鮮明にした。

 県側代理人の松永和宏弁護士が「判決は、都道府県知事の権限を非常に広く認めた。今後、知事が権限を行使した場合、国はその判断を尊重しなければならないということ」と説明すると、知事は口を横で真一文字に結び、正面を見つめたまま何度もうなずいた。


(5)沖縄タイムス-米軍、オスプレイ飛行再開前にも最重大事故 嘉手納基地で哨戒機が胴体破損-2016年12月21日 12:21


 【嘉手納】米軍嘉手納基地内で19日午前6時ごろ、同基地所属で米海軍のP8対潜哨戒機が胴体下部と前輪を破損する重大事故を起こしていたことが21日、分かった。米海軍によると、事故の規模は4段階で最も重大な「クラスA」。13日に墜落したオスプレイが19日に飛行再開する直前に、重大な事故を起こしたことになる。

 沖縄防衛局は嘉手納町に20日夕、「P8がけん引を伴う通常整備を実施中に前輪と胴体下部に小さな破損が生じる事案があった」「負傷者はおらず、現在、この軽微な事案に対する調査が行われている」と連絡した。

 嘉手納基地では21日正午ごろ、P8対潜哨戒機6機が並び、うち1機の胴体の下に米軍関係者が集まり、作業をしているのが確認された。


(6)沖縄タイムス-オスプレイ墜落:名護市議会が米軍に抗議 配備撤回と辺野古新基地の中止を要求-2016年12月21日 13:07


 【北中城】オスプレイの墜落事故を受けて、名護市議会(屋比久稔議長)は21日午前、米軍キャンプ・フォスターを訪れ、オスプレイの配備撤回と辺野古新基地建設の中止・撤回を求めた。

 屋比久議長らは空中給油の訓練中止なども求めたが、対応した米海兵隊のスコット・コンウェイ大佐は「リスクを負ってでもやらないといけない必要な訓練。グレードを落とせない」と答えたという。


(7)沖縄タイムス-「不当判決に負けない」 オール沖縄会議、集会で怒り-2016年12月21日 13:22


 名護市辺野古の新基地建設に反対する政党、経済界、市民団体などでつくる「オール沖縄会議」は21日、「辺野古違法確認訴訟」で県の敗訴が確定した最高裁判決に抗議する集会を福岡高裁那覇支部前の城岳公園で開いた。700人(主催者発表)が参加し、十分な審理がないままの判決に怒りの声を上げた。

 共同代表の稲嶺進名護市長は「ウチナーンチュは満身創痍で流す血がないくらい、国に裏切られ司法にまで見放された。不当判決に屈せず、今日から新しい闘いに入ろう」と新基地建設の阻止に向けた団結を呼び掛けた。

 オール沖縄会議は22日午後6時半にも名護21世紀の森で米軍のオスプレイ墜落事故に対する抗議集会を開く。翁長雄志知事も出席を予定し、2千人以上の参加を目指す。


(8)琉球新報-菅氏、翁長知事に不快感 北部訓練場返還の式典欠席-2016年12月21日 13:57


 菅義偉官房長官は21日の記者会見で、沖縄県の翁長雄志知事が政府による22日の米軍北部訓練場の部分返還式典を欠席する一方で、オスプレイ不時着事故の抗議集会に出席する対応に不快感を示した。菅氏が10月に同訓練場の年内返還方針を伝えた際、翁長氏が「歓迎したい」と述べ、数日後に発言を修正した経緯にも触れ「そんなに軽い話ではない」と批判した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、翁長氏が今後も抵抗を続ける方針を示していることには「訴訟が確定したらその趣旨に従って誠実に対応するということに尽きる」とけん制した。(共同)


(9)沖縄タイムス-700人が最高裁判決に抗議 沖縄敗訴 「不当判決に屈しない」-2016年12月21日 14:13


 翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で、県敗訴とした最高裁判所の判決に抗議する「最高裁不当判決糾弾! 審理のやり直しを求める緊急抗議集会」が21日、那覇市の城岳公園で開かれた。「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」主催。登壇者たちは「不当判決に屈することなく、新基地は絶対に造らせないという決意で、新しい闘争に入ろう」などと訴えた。

 主催者発表で700人が参加した。共同代表の稲嶺進名護市長は「沖縄の事情を全く無視し、全国的に許される範囲という旨の判決になった。いつになったら、沖縄は平和憲法の中で日本国民として守られるのだろう」と訴えた。同じく共同代表の玉城愛さんも「不当判決が出て、日本の三権分立がいかに後退しているのか分かった。ウチナーンチュとして、学生として、1人の市民として、皆さんと一緒に頑張っていきたい」と呼び掛けた。
【琉球新報電子版】


by asyagi-df-2014 | 2016-12-21 18:11 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人