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沖縄-辺野古・高江から-2016年10月19日

 機動隊員が抗議する市民に対し「土人が」、と吐き捨てた。
 確かに、植民者としての意識による発言である。
 背景には、「構造的沖縄差別」が横たわっていることは間違いない。
 ただ、恐らく、日本全体がこの空気感を漂わせているという気がしてどうしようもない。
 一方では、「宜野湾市上大謝名地区では二日とも110デシベル以上の騒音」、「嘉手納で深夜2時半に100デシベル超の騒音」。と言う実態。


 2016年10月19日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報次のように表した。


(1)琉球新報-機動隊員「土人」発言 激しい罵倒 その精神構造から見えるものは-2016年10月19日 06:30


 琉球新報は、機動隊員が抗議する市民に対する「土人」発言について、次のように報じた。


①沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に抗議する市民に対し、現場で警備に当たる機動隊員が18日、『土人』と発言したことに対し、市民や識者からは『沖縄への差別だ』『公務中の侮辱発言はおかしい』などと指摘する声が上がった。『土人』という発言は18日午後、金網越しに抗議行動をする市民らが『基地やめろ』と金網を揺らすなどしたのに対し、機動隊員が『おい、早く、立ち去りなさい』『立ち去れ』などと激しい命令口調で繰り返した。さらに『触るなくそ』『どこつかんどんじゃ、ぼけ』などと罵倒した後、『土人が』と吐き捨てるように発言した。」
これを受け、市民は『おい、ヤクザ』などと反発した。暴言を吐いた同じ機動隊員に蹴られたとの証言も複数市民から上がっている。」
②「発言を動画で撮影していた作家の目取真俊さんは『見下しており、沖縄に対する侮蔑だ。(このような発言をしても)何とも思わないことが時代の風潮になると怖い。このような機動隊に県民の税金を使わせていいのか』と強く批判した。」
③「現場近くのフェンス沿いで抗議に参加した名護市の30代女性は『大阪府警の機動隊だと思うが、巻き舌気味で全て脅しに聞こえた。まるで暴力団のようだった』と語った。」
④「横田達弁護士は『発言が侮辱罪に当たるかどうかは公然性があるかないかによる』と説明した上で『罪になるかどうか以前に、発言をした精神構造に問題がある。抗議市民を個人として見ていない。そもそも公務中の公務員が侮辱的な発言をすること自体がおかしい』と指摘した。」
⑤「精神科医の香山リカ立教大教授は『市民を同じ人間として見ていないのだろう。発言した機動隊員だけの問題ではない。植民地のように扱ってきた沖縄への構造的差別が問題の根源にある』と分析した。」


(2)沖縄タイムス-「どこつかんどんじゃ。土人が」 高江の機動隊員が発言 作家・目取真俊さんに-2016年10月19日 06:44


 沖縄タイムスは、このことについて次のように報じた。


①「沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内のヘリパッド建設で18日、N1地区ゲート前で抗議していた芥川賞作家の目取真俊さんに対し、機動隊員が『触るな。土人(どじん)』と発言したことが分かった。目取真さんは『あまりにもひどい。市民をばかにしている』と憤った。」
②「同日午前9時45分ごろ、目取真さんら市民数人がN1ゲートそばで、沖縄防衛局が市民の出入りを防ぐため設置したフェンス越しに工事用トラックの台数を確認していた。その際、機動隊員3人がフェンスから離れるよう指示した際、1人が『触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が』と発言した。市民側は発言者を大阪府警の機動隊員とみている。機動隊員の発言について、県警は本紙の取材に『現時点で把握していない』としている。」
③「午前11時半ごろには、工事用トラックの進入を防ごうとした目取真さんを、機動隊員4人が地面に押さえ付ける場面もあった。」
④「同日は市民70人がN1ゲート前で抗議活動を展開。工事用トラック36台が同ゲートから訓練場に入り、資材を搬入した。市民5人が北部訓練場内に入り、工事の進捗(しんちょく)を確認した。」
⑤「17日に器物損壊容疑で現行犯逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長の釈放を求め、市民らは名護署前で集会を開いた。」


(3)琉球新報-北部訓練場返還計画、沖縄県が受理 引き渡し最短17年-2016年10月19日 10:41


 琉球新報は、米軍北部訓練場の部分返還を巡り、沖縄防衛局が提出した返還実施計画案を沖縄県が受理したことについて、次のように報じた。


①「米軍北部訓練場の部分返還を巡り、沖縄防衛局は18日、返還実施計画案を県に提出した。返還から地権者への引き渡しまでの土壌汚染などに対する原状回復に向けた防衛局の説明を受けたとして、県は計画案を同日付で受理した。防衛局は返還時期を2016年12月、原状回復期間を『1年~1年半』と設定していることから、早ければ17年12月にも地権者に引き渡される。」
②「一方、県担当者は『支障除去を丁寧にやってもらう必要がある』と十分な原状回復ができたかを重視する考えを示していて、引き渡し時期が防衛局の申告通りになるかは不透明だ。県は計画案に対する知事意見を取りまとめ、提出期限となる11月16日までに防衛局に提出する。防衛局は知事意見を踏まえ、返還実施計画を改めて県に通知する。」
③「計画案で防衛局は原状回復期間について、過去の返還軍用地の見込み2~3年程度から大幅に短縮した。東村と国頭村が返還地をやんばる国立公園に早期に編入することを求めていることなどを理由としている。18日夕に沖縄防衛局職員が県庁を訪れ、県企画部や環境部、知事公室の担当職員が原状回復に向けた防衛局の説明を受けた。」


(4)沖縄タイムス-「土人」発言は沖縄県外の機動隊員か 「県民見下している」と怒りの声-2016年10月19日 07:21


 沖縄タイムスは、標題について、次のように報じた。


①「沖縄県外から派遣されたとみられる機動隊員が、東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に反対する芥川賞作家の目取真俊さんに発した『土人発言』。市民らは『差別的な内容だ』『県外からの機動隊員は、普段から言動が荒い。県民を見下しているのでは』と憤った。」
②「映像を撮影した目取真さんは、これまでも暴言を受けたことがあるといい、『県外の機動隊員のやり方は厳しすぎる』と話した。目取真さんが押さえ付けられている場面を見た60代の女性は『県民を差別している』と憤慨。菅義偉官房長官が北部訓練場の年内の過半返還を明言したことで『機動隊員にもプレッシャーになっているのだろう。警備も過剰になってきている』と指摘した。」
③「毎日抗議活動に参加している宮城勝己さん(63)は『今日が初めてじゃない。毎日ひどい扱いをされている』と訴えた。一方、元裁判官でうるま市島ぐるみ会議の仲宗根勇共同代表は、沖縄平和運動センターの山城博治議長の器物損壊容疑での逮捕に関し、現場を目撃したという沖縄防衛局職員が山城議長を追尾していなかったとして、準現行犯逮捕の要件を満たさず、過去の高裁判例から今回の逮捕は『違法だ』とした。」
④「沖縄近代史家の伊佐眞一さん(65)の話:『土人』という強烈な言葉は、沖縄の歴史や文化を全く知らない本土の機動隊員から発せられたものだろう。権力側の目線に立つ中で、米軍基地問題で国に従わない沖縄へのいら立ちや、本土と沖縄を区別しようという思いが感じられる。言葉の背景には、明治の琉球処分から続く沖縄戦、米軍統治時代、本土復帰を経ても依然としてある本土側の沖縄に対する『植民地』意識がある。」
⑤むぬかちゃー(ライター)の知念ウシさん(50)の話:「『土人』と呼びたければ、呼べばいい。植民地支配を合法化して維持するのが日米地位協定であり、刑事特別法であることは周知の事実だ。しかし、ウチナーンチュはそれを超える倫理観に基づき、行動している。『土人』という言葉は、植民者が被植民者に対して使う言葉だ。まさに、日米両国が沖縄に対して行っている暴挙を如実に表した発言だ。」


(5)琉球新報-2日間で110デシベル超 宜野湾市、外来機飛来に抗議-2016年10月19日 12:12


 琉球新報は、「宜野湾市の松川正則副市長らが19日午前9時過ぎ、嘉手納町の沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、17、18日に米軍普天間飛行場に外来機FA18ホーネット戦闘攻撃機が飛来したことについて抗議した。同市上大謝名地区では両日とも110デシベル以上の騒音が測定され、18日午後4時57分には4月以降最大の116・1デシベルが測定されたことを受け、松川副市長は『市民に全く配慮がない。断じて容認できるものではない』と抗議した。中嶋局長は『騒音を軽減することは重要だ。ジェット戦闘機の飛来は減っていたが、米軍に早急に申し入れたい』」と述べた。」、と報じた。
 また、「市基地政策部に対し、市民から『耳が破けそうなひどい音だった』『大きな音で初めて耳が痛くなった』などとする苦情が2日で18件、寄せられていた。110デシベルは間近での自動車のクラクションの音に相当するという。」、と伝えた。


(6)琉球新報-山城議長逮捕 反対運動萎縮狙いか 国の「対話拒否」鮮明-2016年10月19日 10:53


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事を巡り、抗議運動で同訓練場内に入っていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が17日、フェンスの有刺鉄線を切ったとして器物損壊容疑で逮捕された。政府側には反対運動の“象徴”でもある山城氏の逮捕で市民らを萎縮させる狙いがうかがえる。」
②「米軍基地を巡る一連の抗議運動の場で政府は過去に、山城議長ら反対運動のリーダーとの折衝や交渉も試み、工事やオスプレイ配備などをできるだけ穏便に進めようとする場面もあった。だが今回の逮捕で“対話拒否”にかじを切ったことが鮮明になった。」
③「山城氏が逮捕されたことを受けて、政府の強引な工事手法を批判してきた県は『県が法律を破ってでも抗議しろとは言えない。リーダーなだけに慎重に行動した方が良かったのではないか。残念だ』(幹部)と言葉を選んだ。ただ『リーダーである山城氏の狙い撃ちだったのだろうな』とも続ける。実際、工事を進める政府の“焦点”は山城氏にあった。」
④「北部訓練場内の工事現場では連日、数十人の市民が抗議運動を繰り広げる。これに対し政府は当初、米軍施設への立ち入りを禁じた刑事特別法を理由に逮捕を検討していたが、その場合、数十人を一気に逮捕することによる『混乱』が懸念された。そのため政府は威力業務妨害罪など刑特法以外の法律を適用し、現場にいる市民の中から特定の人物に絞って逮捕する方向で再検討した。その“対象”として浮上していたのが山城氏だった。山城氏の逮捕を受けて防衛省関係者は『これまで相当フェンスを破壊され、提供施設区域内で工事妨害されてきた』と述べ、警察が逮捕に踏み切ったことを“歓迎”する。ただ抗議の『現場』知る沖縄防衛局職員の間では、今回の逮捕に不安も付きまとっている。山城氏はこれまで、平和運動センター議長として現場の仕切り役を担ってきた。市民の先頭で対峙(たいじ)する防衛省職員や機動隊員らに強い言葉を発する一方、現場のもみ合いなどが過熱気味になり、暴力を含む『衝突』に発展しそうになると、市民側に“引く”ことを促すなど、非暴力を抗議運動の柱に据えてきた。沖縄防衛局の関係者は『山城氏はある意味のバランス感覚もあり、われわれにとって【『話ができる人】ではあった。現場にいなくなれば、むしろ反対運動が混乱する事態も考えられる』と漏らす。一方、『だが最近はその山城氏も北部訓練場内に入り、刑特法違反の抗議を率先した。【一線を越えた】んだ』とも述べ、逮捕を正当化した。」
⑤「政府関係者は山城氏の逮捕について、既に得ている米側との合意で『基地内で逮捕できた』と明かす。ただ今回のケースのように『機微に触れる案件』は現場の県警から警察庁に相談があり、「斜面という現場の状況や山城さんということから、反対派がさらに反発する可能性がある」ために基地外での逮捕の判断が取られた。」
⑥「政府は7月にヘリパッド工事を2年ぶりに再開し、県外からの機動隊の大量派遣や自衛隊ヘリによる機材運搬など、強引な手法で工事を進めてきた。当初、抗議の市民らは訓練場内への立ち入りはしていなかった。しかし工事車両を止めるために行った路上の抗議活動で一般通行にも支障が出るといった課題が浮上した結果、抗議の場が訓練場内へと“追い詰められていった”側面もある。『年内完成』を目指して移設工事を強行する政府と、抗議運動の市民の対話打ち切りを象徴するような、山城氏の逮捕劇。現場の混乱がより不透明になってきた。」


(7)琉球新報-「どんな教育しているのか」 「土人」発言に反発 沖縄高江-2016年10月19日 13:18


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で19日午前、市民約220人が北部訓練場メインゲート前で抗議集会を開いた。市民は午前7時ごろからメインゲートへの工事車両の進入を警戒しながら抗議を続けた。同日正午現在、ゲートへの工事車両の進入は確認されていない。集会で登壇したうるま市具志川九条の会共同代表の仲宗根勇さんは18日に機動隊員が、抗議する市民に「土人」と発言したことに触れ『「警察上層部は隊員にどういった教育をしているのか。県公安委員会はこうした状態を放置してはいけない』と警察の姿勢を批判した。また、この日午前9時30分ごろ、県道70号を南下したトラック11台が、北部訓練場N1地区ゲートに入り、土砂を搬入して再び北上した。」、と報じた。


(8)琉球新報-県警、「土人」発言事実認める 大阪府警機動隊員と判明-2016年10月19日 13:54


 琉球新報は、「県警は19日午前、18日に東村高江の米軍北部訓練場周辺で行われていた警備活動中に、大阪府警の機動隊員が、工事に反対する人々に『土人』と発言した事を認め『発言は遺憾であり、今後そのようなことがないよう指導していきたい』と謝罪した。県警警備部によると、不適切な発言をしたのは大阪府警の20代男性機動隊員。動画の確認や本人、当時現場にいた他の隊員への聞き取りで事実関係が確認された。隊員は抗議をする市民に対し『どこつかんどるんじゃ、ぼけ、土人が』などと発言していた。県警は発言を受けて、同訓練場周辺で警備に当たる機動隊員に対する注意を呼び掛けたという。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-沖縄県警が「土人」発言認める 「シナ人」発言は確認急ぐ-
2016年10月19日 12:20


 沖縄タイムスは、「米軍ヘリパッド建設工事で東村高江周辺を警備する機動隊員が、建設に反対する市民に向かって『触るな。土人』などと発言していた問題で、沖縄県警は19日午前、事実関係を認めた。県警の調べで、大阪府警の20代の男性機動隊員が発言を認めたという。県警は差別的用語で不適切な発言だったと説明し『今回の発言は極めて遺憾。以後そのようなことがないようあらためて指導する』とコメントした」、と報じた。
 また、「高江警備で別の機動隊員が、反対市民に対して『シナ人』と発言している動画が配信されているとして、県警警備2課が事実確認を急いでいる。」、と報じた。


(10)沖縄タイムス-嘉手納で深夜2時半に100デシベル超の騒音 戦闘機離陸で米軍と防衛局に抗議-2016年10月19日 12:27


 沖縄タイムスは、「米軍嘉手納基地で19日未明、米軍の戦闘機が相次いで離陸し、嘉手納町屋良で午前2時30分に100・2デシベルの騒音が測定された。町によると、同町屋良の測定機は2時29~31分に97・1デシベル以上の騒音を計6回測定。同町嘉手納の測定器でも同じ時間に93~96・4デシベルの騒音が5回あった。」、と報じた。
 また、「嘉手納基地には18日に米サウスカロライナ州空軍所属のF16戦闘機10機が飛来していた。19日午前9時すぎには、残り数機しか駐機していないため、F16戦闘機の離陸による騒音だった可能性がある。深夜・早朝で100デシベルを超える騒音が測定されるのは異例。町には午前2時半から正午までに住民から8件の苦情があった。『眠れない。睡眠妨害も甚だしい』『地割れがしたかと思うくらいすごい音で、夫婦そろって起こされた。胸がどきどきしている』などと反発する声が寄せられた。」、「當山宏町長は19日午前、嘉手納基地の第18航空団に電話し、『騒音防止協定に明らかに違反している。住民の安眠妨害は許されず、人権侵害だ』と抗議。沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、米軍に申し入れるよう求めた。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。







(1)琉球新報-機動隊員「土人」発言 激しい罵倒 その精神構造から見えるものは-2016年10月19日 06:30


 沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に抗議する市民に対し、現場で警備に当たる機動隊員が18日、「土人」と発言したことに対し、市民や識者からは「沖縄への差別だ」「公務中の侮辱発言はおかしい」などと指摘する声が上がった。

 「土人」という発言は18日午後、金網越しに抗議行動をする市民らが「基地やめろ」と金網を揺らすなどしたのに対し、機動隊員が「おい、早く、立ち去りなさい」「立ち去れ」などと激しい命令口調で繰り返した。さらに「触るなくそ」「どこつかんどんじゃ、ぼけ」などと罵倒した後、「土人が」と吐き捨てるように発言した。
 これを受け、市民は「おい、ヤクザ」などと反発した。暴言を吐いた同じ機動隊員に蹴られたとの証言も複数市民から上がっている。
 発言を動画で撮影していた作家の目取真俊さんは「見下しており、沖縄に対する侮蔑だ。(このような発言をしても)何とも思わないことが時代の風潮になると怖い。このような機動隊に県民の税金を使わせていいのか」と強く批判した。
 現場近くのフェンス沿いで抗議に参加した名護市の30代女性は「大阪府警の機動隊だと思うが、巻き舌気味で全て脅しに聞こえた。まるで暴力団のようだった」と語った。
 横田達弁護士は「発言が侮辱罪に当たるかどうかは公然性があるかないかによる」と説明した上で「罪になるかどうか以前に、発言をした精神構造に問題がある。抗議市民を個人として見ていない。そもそも公務中の公務員が侮辱的な発言をすること自体がおかしい」と指摘した。
 精神科医の香山リカ立教大教授は「市民を同じ人間として見ていないのだろう。発言した機動隊員だけの問題ではない。植民地のように扱ってきた沖縄への構造的差別が問題の根源にある」と分析した。


(2)沖縄タイムス-「どこつかんどんじゃ。土人が」 高江の機動隊員が発言 作家・目取真俊さんに-2016年10月19日 06:44


 沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内のヘリパッド建設で18日、N1地区ゲート前で抗議していた芥川賞作家の目取真俊さんに対し、機動隊員が「触るな。土人(どじん)」と発言したことが分かった。目取真さんは「あまりにもひどい。市民をばかにしている」と憤った。

 同日午前9時45分ごろ、目取真さんら市民数人がN1ゲートそばで、沖縄防衛局が市民の出入りを防ぐため設置したフェンス越しに工事用トラックの台数を確認していた。その際、機動隊員3人がフェンスから離れるよう指示した際、1人が「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」と発言した。市民側は発言者を大阪府警の機動隊員とみている。機動隊員の発言について、県警は本紙の取材に「現時点で把握していない」としている。

 午前11時半ごろには、工事用トラックの進入を防ごうとした目取真さんを、機動隊員4人が地面に押さえ付ける場面もあった。

 同日は市民70人がN1ゲート前で抗議活動を展開。工事用トラック36台が同ゲートから訓練場に入り、資材を搬入した。市民5人が北部訓練場内に入り、工事の進捗(しんちょく)を確認した。

 17日に器物損壊容疑で現行犯逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長の釈放を求め、市民らは名護署前で集会を開いた。


(3)琉球新報-北部訓練場返還計画、沖縄県が受理 引き渡し最短17年-2016年10月19日 10:41


 米軍北部訓練場の部分返還を巡り、沖縄防衛局は18日、返還実施計画案を県に提出した。返還から地権者への引き渡しまでの土壌汚染などに対する原状回復に向けた防衛局の説明を受けたとして、県は計画案を同日付で受理した。防衛局は返還時期を2016年12月、原状回復期間を「1年~1年半」と設定していることから、早ければ17年12月にも地権者に引き渡される。

 一方、県担当者は「支障除去を丁寧にやってもらう必要がある」と十分な原状回復ができたかを重視する考えを示していて、引き渡し時期が防衛局の申告通りになるかは不透明だ。

 県は計画案に対する知事意見を取りまとめ、提出期限となる11月16日までに防衛局に提出する。

 防衛局は知事意見を踏まえ、返還実施計画を改めて県に通知する。

 計画案で防衛局は原状回復期間について、過去の返還軍用地の見込み2~3年程度から大幅に短縮した。東村と国頭村が返還地をやんばる国立公園に早期に編入することを求めていることなどを理由としている。

 18日夕に沖縄防衛局職員が県庁を訪れ、県企画部や環境部、知事公室の担当職員が原状回復に向けた防衛局の説明を受けた。


(4)沖縄タイムス-「土人」発言は沖縄県外の機動隊員か 「県民見下している」と怒りの声-2016年10月19日 07:21


 沖縄県外から派遣されたとみられる機動隊員が、東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に反対する芥川賞作家の目取真俊さんに発した「土人発言」。市民らは「差別的な内容だ」「県外からの機動隊員は、普段から言動が荒い。県民を見下しているのでは」と憤った。

 映像を撮影した目取真さんは、これまでも暴言を受けたことがあるといい、「県外の機動隊員のやり方は厳しすぎる」と話した。

 目取真さんが押さえ付けられている場面を見た60代の女性は「県民を差別している」と憤慨。菅義偉官房長官が北部訓練場の年内の過半返還を明言したことで「機動隊員にもプレッシャーになっているのだろう。警備も過剰になってきている」と指摘した。

 毎日抗議活動に参加している宮城勝己さん(63)は「今日が初めてじゃない。毎日ひどい扱いをされている」と訴えた。

 一方、元裁判官でうるま市島ぐるみ会議の仲宗根勇共同代表は、沖縄平和運動センターの山城博治議長の器物損壊容疑での逮捕に関し、現場を目撃したという沖縄防衛局職員が山城議長を追尾していなかったとして、準現行犯逮捕の要件を満たさず、過去の高裁判例から今回の逮捕は「違法だ」とした。

復帰後も残る「植民地」意識

 沖縄近代史家の伊佐眞一さん(65)の話 「土人」という強烈な言葉は、沖縄の歴史や文化を全く知らない本土の機動隊員から発せられたものだろう。権力側の目線に立つ中で、米軍基地問題で国に従わない沖縄へのいら立ちや、本土と沖縄を区別しようという思いが感じられる。言葉の背景には、明治の琉球処分から続く沖縄戦、米軍統治時代、本土復帰を経ても依然としてある本土側の沖縄に対する「植民地」意識がある。


沖縄に対する暴挙表す発言

 むぬかちゃー(ライター)の知念ウシさん(50)の話 「土人」と呼びたければ、呼べばいい。植民地支配を合法化して維持するのが日米地位協定であり、刑事特別法であることは周知の事実だ。しかし、ウチナーンチュはそれを超える倫理観に基づき、行動している。「土人」という言葉は、植民者が被植民者に対して使う言葉だ。まさに、日米両国が沖縄に対して行っている暴挙を如実に表した発言だ。


(5)琉球新報-2日間で110デシベル超 宜野湾市、外来機飛来に抗議-2016年10月19日 12:12


 【中部】宜野湾市の松川正則副市長らが19日午前9時過ぎ、嘉手納町の沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、17、18日に米軍普天間飛行場に外来機FA18ホーネット戦闘攻撃機が飛来したことについて抗議した。同市上大謝名地区では両日とも110デシベル以上の騒音が測定され、18日午後4時57分には4月以降最大の116・1デシベルが測定されたことを受け、松川副市長は「市民に全く配慮がない。断じて容認できるものではない」と抗議した。

 中嶋局長は「騒音を軽減することは重要だ。ジェット戦闘機の飛来は減っていたが、米軍に早急に申し入れたい」と述べた。

 市基地政策部に対し、市民から「耳が破けそうなひどい音だった」「大きな音で初めて耳が痛くなった」などとする苦情が2日で18件、寄せられていた。110デシベルは間近での自動車のクラクションの音に相当するという。
【琉球新報電子版】


(6)琉球新報-山城議長逮捕 反対運動萎縮狙いか 国の「対話拒否」鮮明-2016年10月19日 10:53


 米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事を巡り、抗議運動で同訓練場内に入っていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が17日、フェンスの有刺鉄線を切ったとして器物損壊容疑で逮捕された。政府側には反対運動の“象徴”でもある山城氏の逮捕で市民らを萎縮させる狙いがうかがえる。

 米軍基地を巡る一連の抗議運動の場で政府は過去に、山城議長ら反対運動のリーダーとの折衝や交渉も試み、工事やオスプレイ配備などをできるだけ穏便に進めようとする場面もあった。だが今回の逮捕で“対話拒否”にかじを切ったことが鮮明になった。

 山城氏が逮捕されたことを受けて、政府の強引な工事手法を批判してきた県は「県が法律を破ってでも抗議しろとは言えない。リーダーなだけに慎重に行動した方が良かったのではないか。残念だ」(幹部)と言葉を選んだ。ただ「リーダーである山城氏の狙い撃ちだったのだろうな」とも続ける。

 実際、工事を進める政府の“焦点”は山城氏にあった。

 【当初から対象】
 北部訓練場内の工事現場では連日、数十人の市民が抗議運動を繰り広げる。これに対し政府は当初、米軍施設への立ち入りを禁じた刑事特別法を理由に逮捕を検討していたが、その場合、数十人を一気に逮捕することによる「混乱」が懸念された。

 そのため政府は威力業務妨害罪など刑特法以外の法律を適用し、現場にいる市民の中から特定の人物に絞って逮捕する方向で再検討した。その“対象”として浮上していたのが山城氏だった。

 山城氏の逮捕を受けて防衛省関係者は「これまで相当フェンスを破壊され、提供施設区域内で工事妨害されてきた」と述べ、警察が逮捕に踏み切ったことを“歓迎”する。

 ただ抗議の「現場」を知る沖縄防衛局職員の間では、今回の逮捕に不安も付きまとっている。山城氏はこれまで、平和運動センター議長として現場の仕切り役を担ってきた。市民の先頭で対峙(たいじ)する防衛省職員や機動隊員らに強い言葉を発する一方、現場のもみ合いなどが過熱気味になり、暴力を含む「衝突」に発展しそうになると、市民側に“引く”ことを促すなど、非暴力を抗議運動の柱に据えてきた。


建設に抗議する男性(中央)を強制的に排除する機動隊員ら=17日午前、沖縄県東村高江

 【話ができる人】
 沖縄防衛局の関係者は「山城氏はある意味のバランス感覚もあり、われわれにとって『話ができる人』ではあった。現場にいなくなれば、むしろ反対運動が混乱する事態も考えられる」と漏らす。一方、「だが最近はその山城氏も北部訓練場内に入り、刑特法違反の抗議を率先した。『一線を越えた』んだ」とも述べ、逮捕を正当化した。

 政府関係者は山城氏の逮捕について、既に得ている米側との合意で「基地内で逮捕できた」と明かす。ただ今回のケースのように「機微に触れる案件」は現場の県警から警察庁に相談があり、「斜面という現場の状況や山城さんということから、反対派がさらに反発する可能性がある」ために基地外での逮捕の判断が取られた。

 政府は7月にヘリパッド工事を2年ぶりに再開し、県外からの機動隊の大量派遣や自衛隊ヘリによる機材運搬など、強引な手法で工事を進めてきた。

 当初、抗議の市民らは訓練場内への立ち入りはしていなかった。しかし工事車両を止めるために行った路上の抗議活動で一般通行にも支障が出るといった課題が浮上した結果、抗議の場が訓練場内へと“追い詰められていった”側面もある。

 「年内完成」を目指して移設工事を強行する政府と、抗議運動の市民の対話打ち切りを象徴するような、山城氏の逮捕劇。現場の混乱がより不透明になってきた。(島袋良太、仲村良太)


(7)琉球新報-「どんな教育しているのか」 「土人」発言に反発 沖縄高江-2016年10月19日 13:18


 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で19日午前、市民約220人が北部訓練場メインゲート前で抗議集会を開いた。市民は午前7時ごろからメインゲートへの工事車両の進入を警戒しながら抗議を続けた。同日正午現在、ゲートへの工事車両の進入は確認されていない。

 集会で登壇したうるま市具志川九条の会共同代表の仲宗根勇さんは18日に機動隊員が、抗議する市民に「土人」と発言したことに触れ「警察上層部は隊員にどういった教育をしているのか。県公安委員会はこうした状態を放置してはいけない」と警察の姿勢を批判した。

 また、この日午前9時30分ごろ、県道70号を南下したトラック11台が、北部訓練場N1地区ゲートに入り、土砂を搬入して再び北上した。
【琉球新報電子版】


(8)琉球新報-県警、「土人」発言事実認める 大阪府警機動隊員と判明-2016年10月19日 13:54


 県警は19日午前、18日に東村高江の米軍北部訓練場周辺で行われていた警備活動中に、大阪府警の機動隊員が、工事に反対する人々に「土人」と発言した事を認め「発言は遺憾であり、今後そのようなことがないよう指導していきたい」と謝罪した。


 県警警備部によると、不適切な発言をしたのは大阪府警の20代男性機動隊員。動画の確認や本人、当時現場にいた他の隊員への聞き取りで事実関係が確認された。隊員は抗議をする市民に対し「どこつかんどるんじゃ、ぼけ、土人が」などと発言していた。県警は発言を受けて、同訓練場周辺で警備に当たる機動隊員に対する注意を呼び掛けたという。
【琉球新報電子版】


(9)沖縄タイムス-沖縄県警が「土人」発言認める 「シナ人」発言は確認急ぐ-
2016年10月19日 12:20


 米軍ヘリパッド建設工事で東村高江周辺を警備する機動隊員が、建設に反対する市民に向かって「触るな。土人」などと発言していた問題で、沖縄県警は19日午前、事実関係を認めた。県警の調べで、大阪府警の20代の男性機動隊員が発言を認めたという。県警は差別的用語で不適切な発言だったと説明し「今回の発言は極めて遺憾。以後そのようなことがないようあらためて指導する」とコメントした

 また、高江警備で別の機動隊員が、反対市民に対して「シナ人」と発言している動画が配信されているとして、県警警備2課が事実確認を急いでいる。


(10)沖縄タイムス-嘉手納で深夜2時半に100デシベル超の騒音 戦闘機離陸で米軍と防衛局に抗議-2016年10月19日 12:27


 【嘉手納】米軍嘉手納基地で19日未明、米軍の戦闘機が相次いで離陸し、嘉手納町屋良で午前2時30分に100・2デシベルの騒音が測定された。町によると、同町屋良の測定機は2時29~31分に97・1デシベル以上の騒音を計6回測定。同町嘉手納の測定器でも同じ時間に93~96・4デシベルの騒音が5回あった。

 嘉手納基地には18日に米サウスカロライナ州空軍所属のF16戦闘機10機が飛来していた。19日午前9時すぎには、残り数機しか駐機していないため、F16戦闘機の離陸による騒音だった可能性がある。深夜・早朝で100デシベルを超える騒音が測定されるのは異例。

 町には午前2時半から正午までに住民から8件の苦情があった。「眠れない。睡眠妨害も甚だしい」「地割れがしたかと思うくらいすごい音で、夫婦そろって起こされた。胸がどきどきしている」などと反発する声が寄せられた。

 當山宏町長は19日午前、嘉手納基地の第18航空団に電話し、「騒音防止協定に明らかに違反している。住民の安眠妨害は許されず、人権侵害だ」と抗議。沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、米軍に申し入れるよう求めた。


by asyagi-df-2014 | 2016-10-19 18:28 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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