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<高江逮捕の背景>を、沖縄タイムスで考える。

 沖縄県警は2016年10月17日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民の「リーダー」的存在である沖縄平和運動センターの山城博治議長を器物損壊容疑の現行犯で逮捕した。
 このことを、沖縄タイムスの記事で考える。
沖縄タイムスの見出しは、「<高江逮捕の背景>工事遅れ、いら立つ国 『狙い撃ち』で反対運動収束図る」、というものである。
沖縄タイムスは、この事件の背景について、「背景には、訓練場内に入る市民らに『手出しできない』ことへの国側のいら立ちがある。一方、工事を進める防衛省側からは、さらなる現場の混乱に拍車がかかるのでは、との懸念も上がる。」、と分析する。
 したがって、この間の事情について、次のように伝える。


 実際、この「狙い」は防衛省関係者の間で以前から語られていた。
 関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬「まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ」と周囲に語っていた。
 背景には、市民らが訓練場内に立ち入っても、米軍施設内のため逮捕や身柄が拘束できないことへの不満があった。「事実上の自由行動」(省関係者)を許し、結果、工事に遅れが出ていたという。
 関係者は「警察は山城氏の細かい行動を確認し、明確な違法性が確認できた時点で逮捕する方針だったのではないか」と指摘。別の関係者は、県道70号で車を斜めに駐車して抗議していた市民を往来妨害容疑で逮捕した後、同様の行為が減ったことに触れ、「北部訓練場内での行動でも逮捕されると認識し、自粛してくれたらいいのだが」と期待を寄せる。


 また「『リーダーである山城さんの狙い撃ちだ』。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。」、と沖縄県幹部の反応を伝えるとともに、一方では、次のようにも伝える。


 一方、防衛局関係者は「逮捕が吉と出るか凶と出るか、正直分からない」と表情を曇らせる。
 山城議長は、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前でも反対行動の「リーダー」として市民らを仕切ってきた。関係者は、仕切り役が不在となったことで「統率の取れた組織的な行動はできなくなる」と予測する。
 けが人や逮捕者を出さないように取り仕切ってきた山城議長がいなくなれば現場は混乱する、との懸念もある。逮捕に、市民らが怒りを増幅させ、さらに抗議行動を強めるのではとの声もある。


 この上で、沖縄タイムスは、この逮捕劇の背景として、安倍晋三政権の強い意志を示す。


 政府関係者は「『混乱』も想定の上だ」とする。菅義偉官房長官は8日に翁長雄志知事と会談し、年内のヘリパッド完成と返還合意を明言した。「政府が、12月の期限に向け本気度を示し始めたということだ」と述べた。


 辺野古・高江における一連の策動は、安倍晋三政権の生命線であるかのごとく、その意志が忠実に反映されている。
 確かに、本質は、日本全体の問題である。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-<高江逮捕の背景>工事遅れ、いら立つ国 「狙い撃ち」で反対運動収束図る【深掘り】-2016年10月18日 15:02



 沖縄県警は17日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民の「リーダー」的存在である沖縄平和運動センターの山城博治議長を器物損壊容疑の現行犯で逮捕した。背景には、訓練場内に入る市民らに「手出しできない」ことへの国側のいら立ちがある。一方、工事を進める防衛省側からは、さらなる現場の混乱に拍車がかかるのでは、との懸念も上がる。(政経部・大野亨恭、東京報道部・上地一姫)

 「リーダーである山城さんの狙い撃ちだ」。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。

 実際、この「狙い」は防衛省関係者の間で以前から語られていた。

 関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬「まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ」と周囲に語っていた。

 背景には、市民らが訓練場内に立ち入っても、米軍施設内のため逮捕や身柄が拘束できないことへの不満があった。「事実上の自由行動」(省関係者)を許し、結果、工事に遅れが出ていたという。

 関係者は「警察は山城氏の細かい行動を確認し、明確な違法性が確認できた時点で逮捕する方針だったのではないか」と指摘。別の関係者は、県道70号で車を斜めに駐車して抗議していた市民を往来妨害容疑で逮捕した後、同様の行為が減ったことに触れ、「北部訓練場内での行動でも逮捕されると認識し、自粛してくれたらいいのだが」と期待を寄せる。

 一方、防衛局関係者は「逮捕が吉と出るか凶と出るか、正直分からない」と表情を曇らせる。

 山城議長は、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前でも反対行動の「リーダー」として市民らを仕切ってきた。関係者は、仕切り役が不在となったことで「統率の取れた組織的な行動はできなくなる」と予測する。

 一方、けが人や逮捕者を出さないように取り仕切ってきた山城議長がいなくなれば現場は混乱する、との懸念もある。逮捕に、市民らが怒りを増幅させ、さらに抗議行動を強めるのではとの声もある。

 だが、政府関係者は「『混乱』も想定の上だ」とする。菅義偉官房長官は8日に翁長雄志知事と会談し、年内のヘリパッド完成と返還合意を明言した。「政府が、12月の期限に向け本気度を示し始めたということだ」と述べた。


by asyagi-df-2014 | 2016-10-19 10:38 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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