人気ブログランキング | 話題のタグを見る

四国電力伊方原発の運転差し止め訴訟(2)

 大分地裁に起こされた四国電力伊方原発2、3号機の運転差し止めを求める訴訟について、大分合同新聞は2016年9月29日その1面で、次のように報じた。


(1)大分県内の住民264人が28日、大分県から豊後水道を挟んで最短45キロ先にある四国電力伊方原発2、3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める訴訟を大分地裁に起こした。住民側は、伊方原発が熊本・大分地震を引き起こした日本最長の断層帯「中央構造線」のそばに位置するなど特別なリスクがあり、地震による重大事故が起きる可能性が高いと主張。大分県内も放射性物質で汚染される恐れがあり、個人の生命、身体や生活の平穏を保障する「人格権」を侵害するため、運転は許されないとしている。
(2)大分地裁での原発訴訟は初めて。原告の一部は6~7月に伊方3号機の運転差し止めを求める仮処分を申し立てており、仮処分と訴訟の審理が並行して進む。第1回口頭弁論は11月17日。伊方原発を巡っては、松山、広島両地裁でも差し止め訴訟や仮処分の審理中で、司法判断が注目される。
(3)住民側は訴状で、伊方原発で東京電力福島第1原発並みの重大事故が起きれば、風向き次第で大分県も人が住めない汚染地域を抱える可能性があり、住民の暮らしや温泉地は半永久的に失われると指摘。熊本・大分地震は中央構造線に沿って発生しており、今後、伊方原発近くの断層による地震が誘発される危険性がある―としている。
(4)四国電の設定する基準地震動(耐震設計の目安となる揺れの強さ)は最大650ガルで、他の原発と比べて過小だと主張。紀伊半島から大分まで約480キロの断層全体が動いた場合の四国電の想定も、政府の地震調査研究推進本部が約370キロの長さで評価した規模を下回っているとし、「新規制基準の適合性審査をパスしたからといって安全性が保障されたとは到底言えない」とした。
(5)訴訟は7月に発足した市民団体「伊方原発をとめる大分裁判の会」が呼び掛けた。県内在住者に絞って原告を募り、3カ月弱で玖珠、姫島を除く16市町から260人以上が集まった。
(6)伊方3号機は8月12日に再稼働、9月7日に営業運転に移行した。大分県は重大事故時に伊方町民がフェリーなどで避難する先の一つになっている。四国電によると、老朽化した1号機は廃炉が決定、2号機は「有効活用」する前提で検討するとしている。
 四国電原子力本部の滝川重理登(えりと)・原子力部副部長は「提訴に関しては訴状が届いていないのでコメントできないが、仮処分と同様に原発の安全性を丁寧に主張、立証していく」と述べた。


 以下、大分合同新聞の引用








 大分合同新聞-運転差し止め求め 大分地裁で初の訴訟-2016年9月29日



 大分県内の住民264人が28日、大分県から豊後水道を挟んで最短45キロ先にある四国電力伊方原発2、3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める訴訟を大分地裁に起こした。住民側は、伊方原発が熊本・大分地震を引き起こした日本最長の断層帯「中央構造線」のそばに位置するなど特別なリスクがあり、地震による重大事故が起きる可能性が高いと主張。大分県内も放射性物質で汚染される恐れがあり、個人の生命、身体や生活の平穏を保障する「人格権」を侵害するため、運転は許されないとしている。
 大分地裁での原発訴訟は初めて。原告の一部は6~7月に伊方3号機の運転差し止めを求める仮処分を申し立てており、仮処分と訴訟の審理が並行して進む。第1回口頭弁論は11月17日。伊方原発を巡っては、松山、広島両地裁でも差し止め訴訟や仮処分の審理中で、司法判断が注目される。
 住民側は訴状で、伊方原発で東京電力福島第1原発並みの重大事故が起きれば、風向き次第で大分県も人が住めない汚染地域を抱える可能性があり、住民の暮らしや温泉地は半永久的に失われると指摘。熊本・大分地震は中央構造線に沿って発生しており、今後、伊方原発近くの断層による地震が誘発される危険性がある―としている。
 四国電の設定する基準地震動(耐震設計の目安となる揺れの強さ)は最大650ガルで、他の原発と比べて過小だと主張。紀伊半島から大分まで約480キロの断層全体が動いた場合の四国電の想定も、政府の地震調査研究推進本部が約370キロの長さで評価した規模を下回っているとし、「新規制基準の適合性審査をパスしたからといって安全性が保障されたとは到底言えない」とした。
 訴訟は7月に発足した市民団体「伊方原発をとめる大分裁判の会」が呼び掛けた。県内在住者に絞って原告を募り、3カ月弱で玖珠、姫島を除く16市町から260人以上が集まった。
 伊方3号機は8月12日に再稼働、9月7日に営業運転に移行した。大分県は重大事故時に伊方町民がフェリーなどで避難する先の一つになっている。四国電によると、老朽化した1号機は廃炉が決定、2号機は「有効活用」する前提で検討するとしている。
 四国電原子力本部の滝川重理登(えりと)・原子力部副部長は「提訴に関しては訴状が届いていないのでコメントできないが、仮処分と同様に原発の安全性を丁寧に主張、立証していく」と述べた。

伊方原発

 大分県の対岸・愛媛県伊方町にある四国電力の原発。計3基ある。3号機(出力89万キロワット)は昨年7月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格。同10月に伊方町長、愛媛県知事が再稼働に同意し、今年8月に原子炉を再起動した。3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電。同原発は国内最大級の活断層に近く、「日本一細長い」といわれる佐田岬半島の付け根に立地しているため、事故や避難に対する周辺住民の不安も根強い。


by asyagi-df-2014 | 2016-09-29 12:11 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人