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沖縄-辺野古・高江から-2016年9月23日

 2016年9月23日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 辺戸岬から東に約153キロ付近の海上に米軍所属航空機が墜落した。
 これが、沖縄の基地の過重負担という実態。
 米軍基地があるがゆえの事故、事件。
 人の命を左右する事故、事件。


(1)琉球新報-米ハリアー戦闘攻撃機が墜落 沖縄本島東沖 乗組員は無事-2016年9月22日 15:09


 琉球新報は、このことについて次のように報じた。


(1)「22日午後、米空軍嘉手納基地を飛び立ったAV8Bハリアー戦闘攻撃機1機が沖縄本島東沖合に墜落した。関係者によると乗組員は無事で中城海上保安部などが救助に向かっているという。午後2時58分ごろ、嘉手納基地からHH60救難ヘリが離陸するのが確認された。海保などが情報収集を進めている。」
(2)「米空軍嘉手納基地を飛び立ったAV8Bハリアー戦闘攻撃機が22日午後、沖縄本島東沖合で墜落した事故について、第11管区海上保安本部は午後2時10分ごろに那覇空港事務所から『辺戸岬から東に約153キロ付近の海上に米軍所属航空機が墜落した模様』との連絡があったと発表した。米軍は午後2時40分ごろ、11管に対し救助を要請した。11管は巡視艇1隻と航空機1機を現場海域に派遣し、救助に向かっている。
 関係者によると乗組員は墜落前にパラシュートで離脱し無事だという。墜落したハリアーは米本国の基地所属で今年8月に岩国基地から嘉手納基地へと飛来し、県内で訓練などを実施していた。嘉手納基地からは午後2時58分ごろにHH60救難ヘリが離陸するのが確認された。」


(2)琉球新報-米ハリアー墜落 沖縄本島東150キロ沖 嘉手納離陸の外来機-2016年9月23日 05:04


 琉球新報は、次のように報じた。


①「22日午後1時55分ごろ、辺戸岬から東約153キロの海上で、米海兵隊のAV8ハリアー戦闘攻撃機が墜落した。同2時35分ごろ、操縦士は米空軍の救難飛行部隊に救助された。在沖米海兵隊は同日午後5時25分、『航空機は第31海兵遠征部隊(31MEU)の所属で、事故原因は現在調査中だ』と発表した。米海兵隊を巡っては、普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を巡り県と日米両政府が対立する中、再び起きた航空機の墜落事故で、過重な基地負担に対する県民の反発が強まりそうだ。」
②「関係者によると、事故機は米ノースカロライナ州チェリーポイント海兵隊基地に籍を置き、7月に山口県岩国基地に飛来。8月から嘉手納基地にとどまり、沖縄に拠点を置く31MEUの指揮下に入っていた。第542海兵攻撃飛行中隊の隊長機とみられる。事故機は午後1時10分に2機編隊で嘉手納基地を飛び立ったのが目撃された。その後、辺戸岬から東約153キロの米軍訓練水域『ホテル・ホテル』に墜落した。操縦士は墜落前にパラシュートで機体を脱出した。機体は発見されていない。」
③「第11管区海上保安本部や県によると、米軍は操縦士救助後の午後2時40分ごろに11管に救難を要請した。11管は巡視艇1隻と航空機1機を現場海域に派遣した。午後3時57分ごろに航空自衛隊から11管に『米軍ヘリが操縦し1人を救助した』と連絡があり、同4時27分ごろ、嘉手納基地から11管への救助要請が取り下げられた。11管の航空機が上空から現場を確認したところ、漂流物は見つからなかった。海面には長さ約2千メートル、幅約50メートルの薄い浮流油が確認された。」


(3)沖縄タイムス-沖縄本島沖で米軍機墜落 翁長知事、飛行中止要求-2016年9月23日 00:48


 沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事は事故を受け『県民に大きな不安を与えるもので、大変遺憾だ』とコメントし、原因が明らかになるまで同機種の飛行を中止するよう求めた。県は23日にも、日米両政府に対し原因究明と再発防止を要請する。』、と報じた。


(4)琉球新報-辺野古訴訟で県が上告 年度内には確定判決-2016年9月23日 13:33


 琉球新報は、「翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、県は23日午後1時半ごろ、承認取り消しを違法だとした福岡高裁那覇支部判決を不服として上告した。最高裁が上告理由を認めて審理に入れば、年度内には確定判決が出る見通し。」、と報じた。
 なお、「県の上告理由書などの提出期限は10月3日に設定される。」。
 また、「最高裁で県が勝訴した場合、県は承認取り消しを取り消すよう求めた国の『是正の指示』に従う必要はなくなり、承認取り消しの効力はそのまま維持される。県が敗訴した場合、県は是正の指示に従って、承認取り消しを取り消すことになる。一方、敗訴して埋め立て承認の効力が復活した場合でも、『あらゆる手法』で辺野古新基地建設を阻止する姿勢は変わらないとしており、移設問題の行方は不透明だ。」、と報じた。


(5)琉球新報-ハリア-事故


 琉球新報のハリア-事故については、見出しのみ掲載する。資料をご覧下さい。


1.<ハリアー事故>嘉手納基地 4つのゲート前で抗議
2.<ハリアー事故>沖縄での米軍機墜落 復帰後の件数は
3.<ハリアー事故>安慶田副知事が外務省、防衛局に抗議
4.沖縄県、関係市町村などの反応は ハリアー墜落まとめ読み


(6)琉球新報-<ハリアー事故>「遺憾」菅官房長官 稲田防衛相「安全管理の徹底求める」-2016年9月23日 14:07


 琉球新報は、「AV8Bハリアー攻撃機の墜落事故について、菅義偉官房長官は23日午前の会見で『墜落事故の発生は極めて遺憾。地元(の声)に真摯(しんし)に耳を傾けながら、米側に対して要求すべきことは要求して対応を是正してもらうように進めていきたい』と述べた。午後に就任後初めて沖縄を訪問する稲田朋美防衛相は、原因が判明するまで同機種の飛行停止を県が求めていることについて『航空機の運用に関して、住民やわが国への影響に最大限の配慮し、安全管理の徹底をしっかりと求めていきたい』と答えた。
米側からは現時点で、原因の説明はない。情報が得られ次第、県や関係自治体などに情報提供するという。」、と報じた。


 以下、沖縄タイムス、琉球新報の引用。








(1)琉球新報-米ハリアー戦闘攻撃機が墜落 沖縄本島東沖 乗組員は無事-2016年9月22日 15:09


 22日午後、米空軍嘉手納基地を飛び立ったAV8Bハリアー戦闘攻撃機1機が沖縄本島東沖合に墜落した。関係者によると乗組員は無事で中城海上保安部などが救助に向かっているという。午後2時58分ごろ、嘉手納基地からHH60救難ヘリが離陸するのが確認された。海保などが情報収集を進めている。
【琉球新報電子版】

 米空軍嘉手納基地を飛び立ったAV8Bハリアー戦闘攻撃機が22日午後、沖縄本島東沖合で墜落した事故について、第11管区海上保安本部は午後2時10分ごろに那覇空港事務所から「辺戸岬から東に約153キロ付近の海上に米軍所属航空機が墜落した模様」との連絡があったと発表した。米軍は午後2時40分ごろ、11管に対し救助を要請した。11管は巡視艇1隻と航空機1機を現場海域に派遣し、救助に向かっている。
 関係者によると乗組員は墜落前にパラシュートで離脱し無事だという。墜落したハリアーは米本国の基地所属で今年8月に岩国基地から嘉手納基地へと飛来し、県内で訓練などを実施していた。
 嘉手納基地からは午後2時58分ごろにHH60救難ヘリが離陸するのが確認された。【琉球新報電子版】


(2)琉球新報-米ハリアー墜落 沖縄本島東150キロ沖 嘉手納離陸の外来機-2016年9月23日 05:04


 22日午後1時55分ごろ、辺戸岬から東約153キロの海上で、米海兵隊のAV8ハリアー戦闘攻撃機が墜落した。同2時35分ごろ、操縦士は米空軍の救難飛行部隊に救助された。在沖米海兵隊は同日午後5時25分、「航空機は第31海兵遠征部隊(31MEU)の所属で、事故原因は現在調査中だ」と発表した。米海兵隊を巡っては、普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を巡り県と日米両政府が対立する中、再び起きた航空機の墜落事故で、過重な基地負担に対する県民の反発が強まりそうだ。

 関係者によると、事故機は米ノースカロライナ州チェリーポイント海兵隊基地に籍を置き、7月に山口県岩国基地に飛来。8月から嘉手納基地にとどまり、沖縄に拠点を置く31MEUの指揮下に入っていた。第542海兵攻撃飛行中隊の隊長機とみられる。
 事故機は午後1時10分に2機編隊で嘉手納基地を飛び立ったのが目撃された。その後、辺戸岬から東約153キロの米軍訓練水域「ホテル・ホテル」に墜落した。操縦士は墜落前にパラシュートで機体を脱出した。機体は発見されていない。
 第11管区海上保安本部や県によると、米軍は操縦士救助後の午後2時40分ごろに11管に救難を要請した。11管は巡視艇1隻と航空機1機を現場海域に派遣した。午後3時57分ごろに航空自衛隊から11管に「米軍ヘリが操縦し1人を救助した」と連絡があり、同4時27分ごろ、嘉手納基地から11管への救助要請が取り下げられた。
 11管の航空機が上空から現場を確認したところ、漂流物は見つからなかった。海面には長さ約2千メートル、幅約50メートルの薄い浮流油が確認された。



(3)沖縄タイムス-沖縄本島沖で米軍機墜落 翁長知事、飛行中止要求-2016年9月23日 00:48


 22日午後1時55分ごろ、沖縄本島北端の辺戸岬から東約150キロの海上で、在沖縄米海兵隊に所属する米攻撃機AV8ハリアー1機が墜落した。パイロットは約40分後、米空軍救難飛行隊に救助された。在沖縄米軍が22日発表した。これまでも米軍機による墜落事故が繰り返し起きており、普天間飛行場移設問題に揺れる沖縄で基地反対の声が強まりそうだ。

 沖縄県の翁長雄志知事は事故を受け「県民に大きな不安を与えるもので、大変遺憾だ」とコメントし、原因が明らかになるまで同機種の飛行を中止するよう求めた。県は23日にも、日米両政府に対し原因究明と再発防止を要請する。(共同通信)


(4)琉球新報-辺野古訴訟で県が上告 年度内には確定判決-2016年9月23日 13:33


 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、県は23日午後1時半ごろ、承認取り消しを違法だとした福岡高裁那覇支部判決を不服として上告した。最高裁が上告理由を認めて審理に入れば、年度内には確定判決が出る見通し。

 県の上告理由書などの提出期限は10月3日に設定される。

 最高裁で県が勝訴した場合、県は承認取り消しを取り消すよう求めた国の「是正の指示」に従う必要はなくなり、承認取り消しの効力はそのまま維持される。県が敗訴した場合、県は是正の指示に従って、承認取り消しを取り消すことになる。

 一方、敗訴して埋め立て承認の効力が復活した場合でも、「あらゆる手法」で辺野古新基地建設を阻止する姿勢は変わらないとしており、移設問題の行方は不透明だ。
【琉球新報電子版】


(5)琉球新報-ハリア-事故


1.<ハリアー事故>嘉手納基地 4つのゲート前で抗議-2016年9月23日 12:07


 【中部】米軍嘉手納基地のゲート前で23日早朝、同基地を含む沖縄県内のすべての米軍基地撤去を求める抗議行動があり、参加者は前日に同基地を離陸したAV8Bハリアー墜落したことに抗議した。

 沖縄市山内の第5ゲート前には約30人が集まり、ゲートを出入りする車両に「NO BASE」などと書かれたプラカードを掲げた。「ハリアー攻撃機の墜落にみられるように嘉手納基地は事件・事故の諸悪の根源。撤去するまでガンバロー」と声を上げた。

 嘉手納基地のゲート前で毎週金曜日早朝の抗議行動は4月に始まり、この日は27回目。日常的に使われる4つの全ゲート前に合計で約110人が参加した。


2.<ハリアー事故>沖縄での米軍機墜落 復帰後の件数は-2016年9月23日 13:35


 沖縄県のまとめでは、1972年の本土復帰後の44年間に、県内で発生した米軍機墜落事故は今回を含め46件。単純計算すると、年1回を超える頻度で墜落が起きていることになる。

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 復帰前の59年6月には石川市(現うるま市)の宮森小学校にF100ジェット戦闘機が墜落し、児童ら18人が死亡した。

 復帰後では99年4月に、国頭村沖にCH53ヘリが落ち、乗員4人が犠牲となった。2004年8月には沖国大にも米軍ヘリが墜落。民間人に被害はなかったが、機体の破片などが大学周辺の住宅地に散乱した。

 「墜落」にはカウントされていないが、昨年8月には、うるま市沖でMH60ヘリが米海軍輸送艦に「着艦失敗」する事故もあった。

■ハリアーの事故 70年代多かった

 航空評論家の青木謙知さんの話 AV8ハリアーは実用化された1970年代中ごろ、オスプレイと同じように事故が多かった。垂直離着陸の特殊な飛行機で、パイロットが操縦をマスターするのに時間がかかる機種でもあった。今では、事故率はほかの航空機と変わらないが、機数自体が減っており、最新鋭のF35戦闘機への交換が進められている。最近では2014年、嘉手納基地に緊急着陸した際に出火する事故があった。ハリアーのこれまでの事故は、ほとんどが離着陸の時であり、飛行中の事故は記憶にない。


3.<ハリアー事故>安慶田副知事が外務省、防衛局に抗議-2016年9月23日 10:28


 米海兵隊の戦闘攻撃機AV8Bハリアーが国頭村辺戸岬の沖合で墜落した事故を受け、安慶田光男副知事は23日午前、沖縄県庁に外務省の川田司沖縄担当大使と沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を呼び抗議した。事故原因が究明されるまでの同機種の飛行中止を求めた。

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 安慶田氏は事故に関し、「現在の再発防止策や安全管理が十分であるとは言いがたく怒りを禁じ得ない」と非難。昨年8月のうるま市沖での米軍ヘリ着艦失敗事故の原因すら究明されていないとし、「県民の米軍基地の負担がいかに過重か、一目瞭然だ」と述べ、米軍の安全管理の徹底や早急な基地負担軽減を求めた。

 川田氏は「あってはならない事故で大変遺憾だ」と述べ、米側に再発防止と原因究明を求める考えを示した。

 県は23日午後にもニコルソン米四軍調整官へ抗議する方向で調整している。


4.沖縄県、関係市町村などの反応は ハリアー墜落まとめ読み-2016年9月23日 10:27


 AV8Bハリアー攻撃機の墜落事故に、県や嘉手納基地を抱える中部の自治体からは不安の訴えや、怒りの声が上がった。県や関係市町村は23日にも米側へ事故原因究明までの飛行停止を申し入れたり、幹部会議を開いたりするなど早急な対応を検討している。同日には稲田朋美防衛相が就任後初来県する予定で、市町村長との会談の場で国側に毅然(きぜん)とした対応を求める声が上がりそうだ。

<沖縄県>米軍から詳細なし

 翁長雄志知事は、24日に県庁で会談する稲田朋美防衛相へ、事故原因究明までの飛行中止や安全管理の徹底などを政府として米側に要求するよう申し入れる方針だ。県幹部は「繰り返し要請しても事件事故が繰り返される現状を、防衛大臣に直接伝えないといけない」と語る。

 県には午後3時ごろ、外務省から事故の一報が入った。ただ、米側や外務省から機体の所属先や事故の詳細な情報が入らず、「県民の不安が募るだけだ」といら立ちをあらわにした。

 県は、早急に対応する必要があるとして、23日に米側へ訓練中止などを申し入れる方針だ。ただ、2013年5月にF15戦闘機が沖縄近海で墜落した際も、県側の訓練中止申し入れを無視する形で米側は事故の2日後に訓練を再開した。

 幹部の一人は「事件でも事故でも米側は申し入れに耳を貸さない。日本政府が米側へ毅然(きぜん)とした対応をとるなど、要請の在り方を含め根本的に見直さないといけない」と指摘した。

 事故機は米軍嘉手納基地から離陸した。県関係者は「間違えば、沖縄市や北谷町などの市街地や民家の上に落ちていたかもしれない。考えるだけでぞっとする」と事故の再発防止を強く求める必要性を強調した。

<関係市町村>訓練中止と撤退求める

 【中部・北部】米海兵隊のハリアー攻撃機の墜落に、事故機が離陸した米軍嘉手納基地周辺の自治体の首長からは「住民を巻き込みかねない」と怒りの声が上がった。

 嘉手納町の當山宏町長は「墜落場所はたまたま洋上だが、住宅地だったら住民を巻き込む重大な事故になった。考えただけでもぞっとする」と憤った。早急な原因究明と公表に加え、嘉手納基地でハリアーによる訓練の即時中止と撤退を求める考えだ。

 墜落という最悪の事態を招かないよう、これまでも部品落下などのトラブルや事故には逐一抗議してきた。それだけに「最も懸念していた事故が起きた」と批判した。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)会長で北谷町の野国昌春町長は、同基地所属ではない外来機の墜落に「嘉手納周辺は米軍の使い勝手がいい飛行場になっている。訓練移転しても、外来機が増えまったく負担軽減になっていない」と非難した。「いつか大事故が起きるのではないか」と強く懸念し、外来機の早期撤退を求めた。

 23日に予定される稲田防衛相との会談について「危険な現状をしっかり伝えないといけない」とした。

 東京出張中に米軍機墜落を知った沖縄市の桑江朝千夫市長は「驚いている。嘉手納基地を抱えている市として、早急な原因究明と情報公開を米軍に求めたい」と要望。「市民が犠牲になっていたら恐ろしい」と話した。

 三連協は23日午前、事故への対応を協議するため、緊急の幹事会を開く。

 一方、墜落現場に最も近いとみられる国頭村の宮城久和村長は22日、「幸いけが人はなかったが、周辺の漁船に影響が出る可能性もあり心配だ。訓練には十分気を付けてほしい」と話した。

<県内政党>与野党反発 遺憾相次ぐ

 ハリアー攻撃機の墜落事故を受け、県内政党は与野党ともに反発した。外来機による事故に、県政野党の自民からも外来機の規制などを含めた使用協定の必要性を訴える声が上がった。

 自民党県連の中川京貴幹事長は「嘉手納基地は外来機による訓練が常態化し、米軍の使いたい放題だ。翁長雄志知事は基地問題で政府と対立するのではなく、使用協定の制定を働き掛けてほしい」と訴えた。

 社民党県連の仲村未央書記長は「米軍機の事故は断じて許せない。外来機の訓練は騒音だけでなく今回のような事故の危険性も増加する。外来機飛来にものを言わない日本政府の責任でもある」と指摘した。

 共産党県委の鶴渕賢次委員長代理は「ハリアーは沖縄周辺で訓練を繰り返している。これまでも機体からの出火や墜落、緊急着陸など重大な事故を起こしている。ハリアーの飛来、訓練を直ちに中止するべきだ」と要求した。

 公明党県本の金城勉幹事長は「基地負担の軽減のために訓練を県外に分散したはずが、外来機が飛来している。あってはならない事故で、漁業の安全が脅かされることも懸念している」と事故を問題視した。

 社大党の平良識子書記長は「基地がある故の事故だ。米軍基地が海も山も暮らしも、沖縄の命を危険にさらし壊している。政府は沖縄に基地を集中させている不正義と人権侵害を是正するべきだ」と憤った。

 維新県総支部の下地幹郎顧問は「事故の原因究明と対策が大事だ。乗員が無事だったのが不幸中の幸いだ。米軍基地が集中する県民の不安に対し、透明性をもって真摯(しんし)に応えていく必要がある」と注文を付けた。

 生活の党県連の宮城浩副幹事長は「基地あるが故の事故を遺憾に思う。ハリアーは欠陥が指摘される米軍機であり、安全性の確保を含めた運用の在り方を改めて検討するべきだ」と主張した。

 民進党県連の花城正樹代表は「住宅地に墜落していたらと思うと、ぞっとする。米軍基地を抱え、危険と隣り合わせの県民の負担は大きい。原因究明とともに、負担軽減を求める」とコメントした。

<政府>防衛相来県直前で困惑

 ハリアー攻撃機の墜落事故を受け、防衛省も情報収集に追われた。事故は、稲田朋美防衛相が就任後、初めて沖縄を訪問する前日に起きた。23日には、ハリアーが飛び立った米軍嘉手納基地が所在する中部の市町村長との懇談を予定する。

 防衛省関係者は「防衛相になり初めて会う市町村長もいるだろう。それぞれの市町村には基地から派生する問題はある。だが、まずは穏やかに前向きな話ができればと思っていたが、そうもいかなくなった」と頭を悩ませた。

 航空自衛隊は午後2時前に、墜落の情報を受信した。那覇救難隊のUH-60とU-125それぞれ1機が、救難捜索活動のため那覇基地を離陸。自衛隊が墜落した場合に準じて、航空救難を発令して自主派遣した。3時25分にU-125がパイロットを発見し、米側に連絡した。

 防衛省関係者は「漁船など民間への被害は聞いていない」と胸をなで下ろした。

【解説】危険な訓練常態化 海・空域の返還進まず

 沖縄やその周辺での米軍航空機の墜落は、1972年の本土復帰後、44年間で46件目だ。昨年末までに航空機からの部品落下63件、着陸失敗18件、不時着493件が発生し、県民の命や暮らしを脅かす事故が相次いでいる。国土面積の0・6%の沖縄に在日米軍専用施設面積の74%が集中することから、陸域の過重負担に目が向きがちだが、広大な訓練水域・空域が危険性や負担を固定化する温床になっている。

 県によると、沖縄周辺に米軍の訓練や保安のための水域が28カ所、約5万5千平方キロメートル、空域が20カ所、約9万5千平方キロメートルと、広範囲に設定されている。

 沖縄防衛局の午前6時から午後6時までの目視調査では、嘉手納基地での航空機の離着陸回数は、2014年度が4万2446回で、うち嘉手納常駐機以外の「外来機」1万627回、15年度が4万3467回で、うち「外来機」1万3170回となっている。「外来機」が25~30%を占める。

 06年の米軍再編に基づく日米ロードマップで嘉手納所属機の県外自衛隊基地への訓練移転に合意したが、周辺自治体からは「訓練移転期間中の外来機の飛来で離着陸回数や騒音件数は、逆に増加している」という指摘が出ている。

 外来機の飛来が常態化しているほか、米国防総省は嘉手納基地内に海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35の関連施設を建設する費用を予算計上した。潜在的紛争地域と位置づける中国や北朝鮮の動向をにらみ、嘉手納の任務が多様化し、沖縄の訓練水域、空域の重要性が増している証左だ。

 さらに日米共同使用が進めば、ますます訓練が激化するのではないか、という懸念が払拭(ふっしょく)できない。

 16日の辺野古訴訟での判決では、普天間飛行場を名護市辺野古へ移設すれば、面積は3分の1になるため、「負担軽減に資する」と結論づけたが、負担の実態を理解しているとは思えない内容だ。

 事故原因や再発防止策の公表がないままに、同型機の訓練が再開されるなど、米軍の運用が優先される状況にも、県民の不信は大きい。事故や騒音被害を減らすには、基地や施設だけではなく、訓練水域と空域の見直し、返還を求める声が高まりそうだ。(特別報道チーム・福元大輔)

■墜落事故、米メディアが速報 沖国大ヘリ事故にも言及

 【平安名純代・米国特約記者】米メディアは22日、米海兵隊の戦闘攻撃機AV8Bハリアーが沖縄本島東側の近海で墜落した事故について一斉に報じた。

 米主要テレビ局CNNは、事実関係を速報した後、深夜のニュース番組では米海兵隊の情報として、操縦士は墜落前に脱出し、米空軍に救助され、原因は現在調査が進められているなどと報じた。

 米主要テレビ局ABCニュースは、米太平洋軍司令部の情報として、嘉手納基地所属の第33救助飛行隊が墜落地点近くで操縦士1人を救助したと報じた。

 AP通信は、2004年に起きた沖縄国際大学でのヘリ墜落事故について言及し、沖縄県民が軍用機による事故や騒音、米兵による犯罪などの影響を訴えているなどと報じた。

 【ことば】AV8Bハリアー 1985年に運用を開始した戦闘攻撃機。垂直離着陸が可能なため滑走路が短い飛行場や規模の小さな空母などでの運用ができることが特徴で、米軍は湾岸戦争やイラク戦争でも使用している。日本でも一時導入を検討したが見送られている。米軍は、最新鋭ステルス戦闘機F35をハリアーの後継機としており、来年1~8月にかけ、ハリアーとF35を入れ替える方針を固めている。


(6)琉球新報-<ハリアー事故>「遺憾」菅官房長官 稲田防衛相「安全管理の徹底求める」-2016年9月23日 14:07


 【東京】AV8Bハリアー攻撃機の墜落事故について、菅義偉官房長官は23日午前の会見で「墜落事故の発生は極めて遺憾。地元(の声)に真摯(しんし)に耳を傾けながら、米側に対して要求すべきことは要求して対応を是正してもらうように進めていきたい」と述べた。

 午後に就任後初めて沖縄を訪問する稲田朋美防衛相は、原因が判明するまで同機種の飛行停止を県が求めていることについて「航空機の運用に関して、住民やわが国への影響に最大限の配慮し、安全管理の徹底をしっかりと求めていきたい」と答えた。

 米側からは現時点で、原因の説明はない。情報が得られ次第、県や関係自治体などに情報提供するという。


by asyagi-df-2014 | 2016-09-23 16:12 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人