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沖縄-沖縄タイムス特集【誤解だらけの沖縄基地】を読む(34)。

 沖縄タイムスの特集、「誤解だらけの沖縄基地」(34)を考える。
 第34回目は、「沖縄は基地で食べているから基地を置くのは当たり前というのは大きな誤解だ」、ということについて。
  今回の沖縄タイムスは、この誤解について、「沖縄戦で壊滅的な被害を受け、生産設備は何もないから、基地のそばで生きるしかすべがなかった。県民総所得に占める基地関連収入は50%のころもあったが、復帰する時は15%、今は5%と低下している。沖縄は基地で食べているから基地を置くのは当たり前というのは大きな誤解だ」、との翁長雄志知事の反論から始める。
  この反論について、「翁長雄志知事は基地依存という『誤解』に対し、こう反論してきた。強いられた「基地経済」を脱した自負と、基地の集中がいまだに発展の阻害要因になっていることへの無関心に向けた憤りが見える。」、と続ける。
 沖縄タイムスは、この「誤解」に対して、まず最初に、「基地経済」の成り立ちから説明を加える。



(1)「沖縄戦で住宅や学校、役所、病院などを破壊された住民は、米軍の収容所で配給物資に頼り、命をつないだ。朝鮮戦争を背景に米軍は『銃剣とブルドーザー』で農地や宅地を奪い、沖縄の基地を拡張。住民は土地を奪われながらも、飛行場や訓練場の建設、整備に働き場所を求めた。ピーク時の1952年には6万7千人が基地で働いていた。奪われた土地に、軍用地料が支払われるようになる。」
(2)「ベトナム戦争などに従事した米軍人、軍属は手に入れた金を基地の外でも惜しみなく使い、『基地城下町』はにぎわった。」
(3)「日本に施政権が返還された後も、基地の建設、整備以外に住宅への防音対策工事や基地所在市町村に対する周辺対策事業など、建設業を中心に『基地経済』は姿を色濃くし、『基地か経済か』と政争の具になることも多かった。」


 そして、「『基地経済』の成り立ちを振り返ると、県民が自ら望んで足を踏み入れたわけではないことがはっきりと分かる。その歴史を知らずに、もしくは知りながらも『基地で食べている』といった言葉が使われてきた。」、と「誤解」の 成り立ちを解き明かす。
 しかし、沖縄県の経済状況は、「観光産業や情報関連産業は飛躍的に伸び、基地関連収入をはるかにしのいでいる。」、という変化を作りだしてきた。その中で、「『もはや依存とは呼べない』と経済の専門家は口をそろえる。」、という状況になってきている。
 「県参与を務める富川盛武沖縄国際大名誉教授(経済学)は外資系の参入に注目、『アジアからの観光客が呼びやすく、すでに実績を重ねている。市場が沖縄の可能性を認めている』と目を輝かせる。」、ということにもなっている。
 つまり、沖縄の米軍基地の価値は、「沖縄の米軍基地は、軍事占領などで奪った土地に必要な施設や訓練場を整備したため、『経済の視点がまったく抜け落ち、マイナス効果が大きい』という指摘がある。戦後71年を経て、状況も大きく変化した。」、というものになった。
 沖縄タイムスは、沖縄県の将来構想について、富川盛武沖縄国際大名誉教授の言葉をもちいて次のように指摘する。



「沖縄の発展が日本経済の再生に役立つと政府も認めていることから『有効な土地利用、海外展開を考えると、経済の視点からも、(米軍基地の)返還、再編を考えるべきだ。」



 以下、沖縄タイムスの引用。






沖縄タイムス-基地依存経済から脱却 外資参入に実績【誤解だらけの沖縄基地・34】-2016年7月24日 10:10



 「沖縄戦で壊滅的な被害を受け、生産設備は何もないから、基地のそばで生きるしかすべがなかった。県民総所得に占める基地関連収入は50%のころもあったが、復帰する時は15%、今は5%と低下している。沖縄は基地で食べているから基地を置くのは当たり前というのは大きな誤解だ」 

 翁長雄志知事は基地依存という「誤解」に対し、こう反論してきた。強いられた「基地経済」を脱した自負と、基地の集中がいまだに発展の阻害要因になっていることへの無関心に向けた憤りが見える。

 沖縄戦で住宅や学校、役所、病院などを破壊された住民は、米軍の収容所で配給物資に頼り、命をつないだ。朝鮮戦争を背景に米軍は「銃剣とブルドーザー」で農地や宅地を奪い、沖縄の基地を拡張。住民は土地を奪われながらも、飛行場や訓練場の建設、整備に働き場所を求めた。ピーク時の1952年には6万7千人が基地で働いていた。奪われた土地に、軍用地料が支払われるようになる。

 ベトナム戦争などに従事した米軍人、軍属は手に入れた金を基地の外でも惜しみなく使い、「基地城下町」はにぎわった。

 日本に施政権が返還された後も、基地の建設、整備以外に住宅への防音対策工事や基地所在市町村に対する周辺対策事業など、建設業を中心に「基地経済」は姿を色濃くし、「基地か経済か」と政争の具になることも多かった。

 「基地経済」の成り立ちを振り返ると、県民が自ら望んで足を踏み入れたわけではないことがはっきりと分かる。その歴史を知らずに、もしくは知りながらも「基地で食べている」といった言葉が使われてきた。

 一方で、観光産業や情報関連産業は飛躍的に伸び、基地関連収入をはるかにしのいでいる。「もはや依存とは呼べない」と経済の専門家は口をそろえる。

 県参与を務める富川盛武沖縄国際大名誉教授(経済学)は外資系の参入に注目、「アジアからの観光客が呼びやすく、すでに実績を重ねている。市場が沖縄の可能性を認めている」と目を輝かせる。

 沖縄の米軍基地は、軍事占領などで奪った土地に必要な施設や訓練場を整備したため、「経済の視点がまったく抜け落ち、マイナス効果が大きい」という指摘がある。戦後71年を経て、状況も大きく変化した。

 富川氏は、沖縄の発展が日本経済の再生に役立つと政府も認めていることから「有効な土地利用、海外展開を考えると、経済の視点からも、(米軍基地の)返還、再編を考えるべきだ」と語った。(「沖縄基地」取材班)

by asyagi-df-2014 | 2016-08-02 05:39 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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