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沖縄-繰り返されるフレア(照明弾)発射事故。嘉手納基地のF15戦闘機がフレア(照明弾)3発を発射する。

 繰り返されるフレア発射事故。
 このことについて、琉球新報は2016年7月14日、「13日午前10時20分ごろ、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が同基地上空で誤ってフレア(照明弾)を発射した。民間地への被害は確認されていない。嘉手納基地は同日夕、『パイロットの不注意でフレアを発射した』と誤射を認めた。同基地所属の米軍機は直近で2006年3月と8月、11年3月にもフレアを誤射しており、近隣住民からは『基地がある限り、事故はなくならない』などと反発する声が上がった。目撃者によると、機体は沖縄市方面から嘉手納基地に着陸しようと上空を旋回し、機体を水平にした後、着陸のため車輪を出した際に3発のフレアが発射されたという。」、と報じた。

 このことを、琉球新報は2016年7月15日の社説で、「フレア発射事故 『操作ミス』では済まされぬ」、と批判した。
 この社説の要約は次のものである。


(1)事故の経過
①「嘉手納基地のF15戦闘機がまたもフレア(照明弾)3発を発射する事故を起こした。『またも』と強調せざるを得ないのは、それほどフレアの事故が相次ぐからだ。」
②「2000年以降に限っても、02年にF15戦闘機がフレアを落下、空中で燃焼させた。03年にも離陸直後のF15戦闘機がフレア6個を滑走路に落下、燃焼させた。06年は3月にF15戦闘機が空中でフレアを発射。米軍は基地上空と言い逃れたが、民間地上空との目撃証言が複数あった。同年8月にもF15戦闘機がフレアを発射。この時は米陸軍貯油施設内の芝生を焦がした。貯油施設への引火や、国道58号沿いのフェンスから20メートルの至近であり、通行車両を巻き込む大惨事の恐れすらあった。11年にはAVハリアー機が離陸後にフレアを発射し燃焼させた。そして今回の発射事故だ。多発する事故を列挙するだけで紙幅が尽きそうになるほどだ。
③「発射事故のたびに米軍は『パイロットの不注意』と事故原因をパイロットのミスに転嫁し、『基地周辺に危険はなかった』と事故を軽視する態度を示している。」


(2)問題点
①「これほどの事故多発を、不注意や操作ミスで片付けるわけにはいかない。パイロットの指先が触れるだけでフレアが発射される構造上の問題がありはしないか。誤射を防ぐ安全装置はないのか。あっても機能しないのか。」
②「操作ミスだとしても、これほどの頻度で多発するのは、練度の低さや、未熟なパイロットに訓練をさせていることに問題がある。事故がこれだけ続くと、もはや人為ミスの言い逃れは通用しない。戦闘機訓練そのものを見直すべきだ。」
③「『基地の周辺に危険はない』という釈明も通用しない。国道から間近い貯油施設での事故を忘れてはならない。」


(3)琉球新報の主張
「米軍は納得いく原因究明と対処策を示す責任がある。事故多発を放置する日本政府の責任も大きい。米軍任せにせず、民間航空機事故の際の事故調査委員会を差し向けるくらいの気概を示すべきだ。
 三沢基地から29機ものF16戦闘機が飛来する異常事態の中でのフレア発射事故である。したい放題、無責任の対応は許されない。」


 こうしたフレアの事故が、「多発する事故を列挙するだけで紙幅が尽きそうになるほど」にも起きていたことに気づかなかった。
 まさしく、「日本政府の責任も大きい。米軍任せにせず、民間航空機事故の際の事故調査委員会を差し向けるくらいの気概を示すべきだ。」、との指摘は、ごく当たり前の要求だ。
 安倍晋三政権は、まずは、このことからきちっと対応すべきではないか。


以下、琉球新報の引用。








琉球新報-嘉手納F15照明弾誤射 基地上空で3発 「操縦士の不注意」-2016年7月14日 05:04


 【嘉手納】13日午前10時20分ごろ、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が同基地上空で誤ってフレア(照明弾)を発射した。民間地への被害は確認されていない。嘉手納基地は同日夕、「パイロットの不注意でフレアを発射した」と誤射を認めた。同基地所属の米軍機は直近で2006年3月と8月、11年3月にもフレアを誤射しており、近隣住民からは「基地がある限り、事故はなくならない」などと反発する声が上がった。

 目撃者によると、機体は沖縄市方面から嘉手納基地に着陸しようと上空を旋回し、機体を水平にした後、着陸のため車輪を出した際に3発のフレアが発射されたという。

 滑走路が一望できる「道の駅かでな」に修学旅行生を案内していたバスガイドの比嘉明須香さん(35)も誤射を目撃し、「花火のような光が3発見えた。びっくりした」と話した。

 軍事評論家の前田哲男氏はフレアについて「自分の機体に対する攻撃を回避する装置なので、なぜ着陸前に上空で用いられたのか」と疑問を呈した。

 嘉手納基地では同日午後からはF15戦闘機による通常の訓練は確認されなかった。同基地は取材に対し「フレアは嘉手納基地内で発射され、地上に到達する前に焼失した。地域への影響はない」と回答した。

 県は13日、防衛局に対し再発防止を要請した。




琉球新報社説-フレア発射事故 「操作ミス」では済まされぬ-2016年7月15日 06:01



 「誤射」では済まされない。これほど多発すると、機器の欠陥をも疑わざるを得ない。米軍は直ちに戦闘機の飛行を中止し、原因を究明して公表すべきだ。

 嘉手納基地のF15戦闘機がまたもフレア(照明弾)3発を発射する事故を起こした。「またも」と強調せざるを得ないのは、それほどフレアの事故が相次ぐからだ。
 2000年以降に限っても、02年にF15戦闘機がフレアを落下、空中で燃焼させた。03年にも離陸直後のF15戦闘機がフレア6個を滑走路に落下、燃焼させた。
 06年は3月にF15戦闘機が空中でフレアを発射。米軍は基地上空と言い逃れたが、民間地上空との目撃証言が複数あった。同年8月にもF15戦闘機がフレアを発射。この時は米陸軍貯油施設内の芝生を焦がした。貯油施設への引火や、国道58号沿いのフェンスから20メートルの至近であり、通行車両を巻き込む大惨事の恐れすらあった。
 11年にはAVハリアー機が離陸後にフレアを発射し燃焼させた。そして今回の発射事故だ。多発する事故を列挙するだけで紙幅が尽きそうになるほどだ。
 発射事故のたびに米軍は「パイロットの不注意」と事故原因をパイロットのミスに転嫁し、「基地周辺に危険はなかった」と事故を軽視する態度を示している。
 しかしこれほどの事故多発を、不注意や操作ミスで片付けるわけにはいかない。パイロットの指先が触れるだけでフレアが発射される構造上の問題がありはしないか。誤射を防ぐ安全装置はないのか。あっても機能しないのか。
 操作ミスだとしても、これほどの頻度で多発するのは、練度の低さや、未熟なパイロットに訓練をさせていることに問題がある。事故がこれだけ続くと、もはや人為ミスの言い逃れは通用しない。戦闘機訓練そのものを見直すべきだ。
 「基地の周辺に危険はない」という釈明も通用しない。国道から間近い貯油施設での事故を忘れてはならない。
 米軍は納得いく原因究明と対処策を示す責任がある。事故多発を放置する日本政府の責任も大きい。米軍任せにせず、民間航空機事故の際の事故調査委員会を差し向けるくらいの気概を示すべきだ。
 三沢基地から29機ものF16戦闘機が飛来する異常事態の中でのフレア発射事故である。したい放題、無責任の対応は許されない。


by asyagi-df-2014 | 2016-07-18 12:20 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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