原発問題-福島県の甲状腺検査で1月から3月の間に、新たに15人ががんと診断され、計131人になったと発表した。うち1人は事故当時5歳だった。
2016年 06月 08日
標題について、朝日新聞は2016年6月6日、「福島県は6日、東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の約38万人を対象にした甲状腺検査で、1月から3月の間に新たに15人ががんと診断され、計131人になったと発表した。うち1人は事故当時5歳だった。」、と報じた、
また、このことについて、福島県の見解について「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」、と伝えた。
さらに、「県の検討委員会はこれまで、チェルノブイリ原発事故に比べて福島県民の甲状腺被曝が少ないことや、チェルノブイリでがんが多発した5歳以下にがんが発生していないことなどから『いま見つかっているがんは原発事故の影響とは考えにくい』としてきた。今回、事故当時5歳の男子ががんと診断されたが、検討委は『チェルノブイリでは0~5歳の年齢層でがんが多発した。福島ではまだ1人。すぐに放射線の影響が出たとなるわけではない』と説明している。」、と報じた。
これまで、「チェルノブイリでがんが多発した5歳以下にがんが発生していないことなどから、いま見つかっているがんは原発事故の影響とは考えにくい」、としてきた論拠が、今回初めて事故当時5歳の男子がんと診断されたにのかかわらず、「福島ではまだ1人」という論にすり替えられている。
あまりにも、都合のよい理屈である。
「原発事故の影響にしてはいけない」という結論だけが、従前通りまかり通っている。
大事なことは、真実に謙虚でなければならないということだ。
以下、朝日新聞の引用。
朝日新聞-小児甲状腺がん131人 被曝影響「考えにくい」 福島-2016年6月6日21時43分
福島県は6日、東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の約38万人を対象にした甲状腺検査で、1月から3月の間に新たに15人ががんと診断され、計131人になったと発表した。うち1人は事故当時5歳だった。県の検討委員会は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」としている。
甲状腺検査は2011年秋から13年度までの1巡目検査(先行検査)と14年度~15年度までの2巡目検査(本格検査)に分けて集計している。3月末現在で、がんが確定したか疑いがあるとされたのは計173人。うち116人は11年秋から13年度までの1巡目検査で、57人は14~15年度までの2巡目検査でわかった。1巡目では102人が手術を受け、1人が良性、101人ががんと確定。2巡目では、30人が手術を受け、がんが確定した。
県の検討委員会はこれまで、チェルノブイリ原発事故に比べて福島県民の甲状腺被曝が少ないことや、チェルノブイリでがんが多発した5歳以下にがんが発生していないことなどから「いま見つかっているがんは原発事故の影響とは考えにくい」としてきた。
今回、事故当時5歳の男子ががんと診断されたが、検討委は「チェルノブイリでは0~5歳の年齢層でがんが多発した。福島ではまだ1人。すぐに放射線の影響が出たとなるわけではない」と説明している。(大岩ゆり)