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原発問題-大分合同新聞は論説で、「熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ」、と掲げる。

 大分合同新聞は2016年5月16日、その論説で、「熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ」、と主張した。
 まずは、その要約である。

(1)大分合同新聞の主張
①建物、道路などに大きな被害が出た。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、半島住民は原発事故が起きれば、大分県側に避難する計画。今回のような惨状になれば、逃げようがない。
②原発は安全最優先であるべきだ。今回の地震が中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性が否定できない以上、7月下旬にも予定されている伊方原発の再稼働はやめるべきである。
(2)危惧感
①4月中旬、熊本県で地震が起きた後、震源域が大分県にも拡大した。このまま国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」に連動した場合、愛媛県の伊方原発に影響が及ぶことを心配する大分県民も多く、運転差し止めを求める仮処分を大分地裁に申し立てる動きも出た。地震や活断層の怖さ、原発への不安を思い知らされた1カ月だった。
②熊本・大分地震について、古村孝志東京大学地震研究所副所長は「怖いのは伊方原発。今回の地震が別府湾を越えて中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性は否定できない」と見ている。九州から四国へ、地震が連動したこともあったらしい。
③寒川旭氏(地震考古学者)著「地震の日本史」によると、「断層活動の歴史を振り返ると、活断層にも連動が見られる。1596年に別府湾で大地震、4日後には京阪神・淡路地域で伏見地震が発生し、この間に四国を縦断する中央構造線断層帯も活動したと考えられる。1662年に滋賀県の断層が活動した。九州の北東端から四国と京阪神地域を経由して、若狭湾に至るコースを地震が駆け抜けたことになる」と考察している。
④熊本・大分地震は原発に対する警鐘かもしれない。伊方原発の基準地震動を上回る揺れがあった。地震が大分を越えて、四国まで連動していたらどんな事態になっていたのだろうか。
(3)伊方原発再稼働への疑問
①熊本地震では熊本県益城町で4月14日の前震の際に最大加速度1580ガルを、16日の本震で1362ガルをそれぞれ記録した。四国電力は伊方原発の再稼働に向け、基準地震動を650ガルに引き上げた後、愛媛県の要請で施設がおおむね千ガルにも耐えられるよう工事をしたが、それらを大幅に上回る揺れだった。
②今回の地震で活断層が注目されている。原発の活断層対策は心もとないものだ。
③鈴木康弘名古屋大学教授(変動地形学)は著書「原発と活断層」で、原発を建設する際、活断層調査に問題点が多いことを指摘する。調査は電力会社側が実施し、決定的な証拠を突き付けられるまで、活断層とは認めない。その結果、建設後に敷地内や建物の真下から活断層が見つかるケースもあった。
 鈴木氏は「立地場所決定後に活断層を調査するので、活断層の存在を否定しがちだった。調査は国か第三者機関が実施すべきだ」「調査ですべて分かるとは限らない。可能性を否定できないものは、活断層として対処すべきだ。安全性に妥協があってはならない」と主張する。


 この大分合同新聞の指摘は、こう訴えている。


「原発は安全最優先であるべきだ。」。しかし、現状は、「今回の地震で活断層が注目されている。原発の活断層対策は心もとないものだ。」。そのため、「今回の地震が中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性が否定できない」。したがって、「7月下旬にも予定されている伊方原発の再稼働はやめるべきである。」


 これは、住民とともにあろうとする新聞社が、伊方原発に隣接する地域に住む住民の確かな不安感・恐怖感を受け止め、その「思い」を表明したものである。
 熊本・大分地震で、気象庁の「一週間程度は5強の地震に備える必要がある」との説明を、怯えの中でそれでも重く受け止めてもきた住民の一人として、「地震の活性期になっている」現代への「思い」を、国も規制委員会も、まして、地方公共団体は、きちっと正確に理解しなけねばならない。


 伊方原発の再稼働は、認められない。


 以下、大分合同新聞論説の引用。






大分合同新聞論説-熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ-2016年5月16日


熊本・大分地震と伊方原発 再稼働はやめるべきだ


 4月中旬、熊本県で地震が起きた後、震源域が大分県にも拡大した。このまま国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」に連動した場合、愛媛県の伊方原発に影響が及ぶことを心配する大分県民も多く、運転差し止めを求める仮処分を大分地裁に申し立てる動きも出た。地震や活断層の怖さ、原発への不安を思い知らされた1カ月だった。
 熊本・大分地震について、古村孝志東京大学地震研究所副所長は「怖いのは伊方原発。今回の地震が別府湾を越えて中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性は否定できない」と見ている。
 九州から四国へ、地震が連動したこともあったらしい。
 寒川旭氏(地震考古学者)著「地震の日本史」によると、「断層活動の歴史を振り返ると、活断層にも連動が見られる。1596年に別府湾で大地震、4日後には京阪神・淡路地域で伏見地震が発生し、この間に四国を縦断する中央構造線断層帯も活動したと考えられる。1662年に滋賀県の断層が活動した。九州の北東端から四国と京阪神地域を経由して、若狭湾に至るコースを地震が駆け抜けたことになる」と考察している。
 熊本地震では熊本県益城町で4月14日の前震の際に最大加速度1580ガルを、16日の本震で1362ガルをそれぞれ記録した。四国電力は伊方原発の再稼働に向け、基準地震動を650ガルに引き上げた後、愛媛県の要請で施設がおおむね千ガルにも耐えられるよう工事をしたが、それらを大幅に上回る揺れだった。
 今回の地震で活断層が注目されている。原発の活断層対策は心もとないものだ。
 鈴木康弘名古屋大学教授(変動地形学)は著書「原発と活断層」で、原発を建設する際、活断層調査に問題点が多いことを指摘する。調査は電力会社側が実施し、決定的な証拠を突き付けられるまで、活断層とは認めない。その結果、建設後に敷地内や建物の真下から活断層が見つかるケースもあった。
 鈴木氏は「立地場所決定後に活断層を調査するので、活断層の存在を否定しがちだった。調査は国か第三者機関が実施すべきだ」「調査ですべて分かるとは限らない。可能性を否定できないものは、活断層として対処すべきだ。安全性に妥協があってはならない」と主張する。
 熊本・大分地震は原発に対する警鐘かもしれない。伊方原発の基準地震動を上回る揺れがあった。地震が大分を越えて、四国まで連動していたらどんな事態になっていたのだろうか。
 建物、道路などに大きな被害が出た。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあり、半島住民は原発事故が起きれば、大分県側に避難する計画。今回のような惨状になれば、逃げようがない。
 原発は安全最優先であるべきだ。今回の地震が中央構造線に影響し、四国でも大きな地震が起きる可能性が否定できない以上、7月下旬にも予定されている伊方原発の再稼働はやめるべきである。


by asyagi-df-2014 | 2016-05-20 05:55 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人