原発問題-現在の状況にもかかわらず、原子力規制委員会は、新規制基準審査では、より大きい地震でも「原子炉の安全上は問題がないと評価されている」との見解。
2016年 04月 18日
標題について、朝日新聞は2016年4月18日、「熊本県を中心に相次いでいる地震を受け、原子力規制委員会は18日、臨時の会議を開き、国内で唯一稼働中の九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)など周辺の原子力施設について現段階で異常はないことを確認した。この日は、川内原発などの現状や、阿蘇山の噴火警戒レベルは変更されていないことなどが報告された。」、と報じた。
また、「委員からは、震源が南西に移動し、より川内原発の近くで地震が起きることへの心配について指摘された。これに対し、新規制基準審査では、より大きい地震でも『原子炉の安全上は問題がないと評価されている』との見解が示された。」、と伝えた。
原子力規制委員会の情報発信が不十分と批判が出ていることに関しては、「田中委員長は『率直に反省しないといけない』と陳謝した。」、と報じた。
「3.11」が安全神話を崩壊させた時、そこで日本人が確認したことは、より人の命に寄り添うことではなかったのか。
多くの人が、恐怖と不安に苛まれている以上、少しでもそれに配慮することが、人の命に寄り添うことであるはずだ。
以下、朝日新聞及び東京新聞の引用。
朝日新聞-川内原発、震源移動しても「問題ない」 規制委見解-2016年4月18日12時05分
熊本県を中心に相次いでいる地震を受け、原子力規制委員会は18日、臨時の会議を開き、国内で唯一稼働中の九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)など周辺の原子力施設について現段階で異常はないことを確認した。
この日は、川内原発などの現状や、阿蘇山の噴火警戒レベルは変更されていないことなどが報告された。
原発については、保安規定で定めた設定値以上の揺れを敷地内で観測すると緊急停止する運用を行っている。規制委の報告によると、川内原発では、緊急停止の設定値は水平方向で原子炉補助建屋の地下階で160ガルなどに設定されているが、14日以降の地震での最大値は8・6ガルで設定値を下回っていた。
委員からは、震源が南西に移動し、より川内原発の近くで地震が起きることへの心配について指摘された。これに対し、新規制基準審査では、より大きい地震でも「原子炉の安全上は問題がないと評価されている」との見解が示された。
停止中の玄海原発(佐賀県玄海町)、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、中国電力島根原発(松江市)でも緊急停止の設定値を下回り、使用済み核燃料の冷却が保たれていると確認された。
田中俊一委員長は、初期の情報提供が十分でなかったのを反省しなくてはいけないとして、「まだ地震が続いているのできめ細かに情報提供をしたい」と話した。(熊井洋美)
東京新聞- 規制委員長「川内原発停止不要」 地震で臨時会合-2016年4月18日 13時29分
原子力規制委員会の田中俊一委員長は18日、記者会見し、熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震を受け、全国で唯一稼働中の九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を予防的に停止させる可能性について「安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況で問題があるとは判断していない」と否定した。
規制委は同日、臨時会合を開き、九州、中四国地方の4原発に異常がないことを確認。揺れの大きさを示す最大加速度は、九電玄海原発(佐賀県玄海町)の20・3ガルが最も大きく、いずれの原発も原子炉が自動停止する設定値を下回っていたが、地震が続いていることから状況を注視する。
規制委の情報発信が不十分と批判が出ていることに関し田中委員長は「率直に反省しないといけない」と陳謝した。
会合では原子力規制庁が、今回活動した布田川・日奈久断層帯に関し、川内1、2号機の新規制基準への適合性審査で、断層の長さ92・7キロ、マグニチュード8・1と想定して地震動を評価したと説明。原発への距離が約90キロと遠く、影響は限定的とした。
薩摩川内市では14日以降、最大で震度4が観測されたが、原発に伝わった揺れはそれより小さく、九電は安全上影響がないとして発電を継続。政府も「運転を停止する理由はない」(菅義偉官房長官)としている。
玄海原発、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、中国電力島根原発(松江市)は、いずれも運転を停止中。核燃料は使用済み燃料プールに移されており、一連の地震で異常は確認されていない。
(共同)