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原発問題-福井地方裁判所は、異議を認め、仮処分決定を取り消した。決定の効力はなくなり、法的に再稼働が可能となった。

 標題について、福井新聞は2015年12月24日、「関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた福井地方裁判所(地裁)の仮処分決定を不服とし、関電が申し立てた異議について、福井地裁(林潤裁判長)は24日、異議を認め、仮処分決定を取り消した。決定の効力はなくなり、法的に再稼働が可能となった。
 同地裁は同日、異議審と並行して審理を進めていた大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止め仮処分についても住民の主張を却下する決定を出した。」、と報じた。
 今後の関西電力の動きについて、「関電は25日にも3号機に燃料を装荷し、来年1月下旬に再稼働、4号機は来年1月下旬に燃料装荷、同2月下旬に再稼働の工程を示している。」、と伝えた。

 この地裁の判断について、福井新聞は12月25日、「権力に追随した」「新たな安全神話だ」とする次のような弁護団の怒りの声をを伝えた。


「福井県国際交流会館(福井市)で会見した河合弁護士は、今回の同地裁の決定を『関電の主張の“コピペ判決”』と断じた。特に核燃料の損傷や溶融で放射性物質が大量に漏れる危険性を『社会通念上、無視できる程度に管理されている』と結論付け、避難計画など重大事故後の対応を再稼働の是非の判断要件としない立場を示した点を問題視。『世界標準になっている多重防護の思想の否定であり許せない』と切り捨てた。今大地さんも、『』関電という一企業だけでなく、原子力村や国を相手にもっと頑張って運動を続ける』と強調した。
 弁護団の井戸謙一弁護士(61)は『行政や立法の横暴を止める司法の役割を果たしていない恥ずべき内容』と指摘。高浜3、4号機は、滋賀県民が大津地裁に申し立てた再稼働差し止め仮処分の決定が来春にも出る見通しで、『大津で勝てば関電は運転できない。期待してほしい』と呼び掛けた。」


 以下、福井新聞の引用。







福井新聞-福井地裁、高浜原発再稼働認める 差し止め仮処分を取り消し-2015年12月24日午後2時05分


 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた福井地方裁判所(地裁)の仮処分決定を不服とし、関電が申し立てた異議について、福井地裁(林潤裁判長)は24日、異議を認め、仮処分決定を取り消した。決定の効力はなくなり、法的に再稼働が可能となった。

 同地裁は同日、異議審と並行して審理を進めていた大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止め仮処分についても住民の主張を却下する決定を出した。

 高浜の2基をめぐっては、西川一誠知事が22日、再稼働に同意し、地元同意手続きは終了した。現在、再稼働前の最終手続きとなる使用前検査を受けている。関電は25日にも3号機に燃料を装荷し、来年1月下旬に再稼働、4号機は来年1月下旬に燃料装荷、同2月下旬に再稼働の工程を示している。

 仮処分は福井県や大阪府などの住民9人が昨年12月に申し立てた。高浜については4月14日、福井地裁(樋口英明裁判長=名古屋家裁に異動)は関電の安全対策の不備や規制委の新規制基準の不合理性を指摘し、再稼働差し止めを命じる決定を出した。関電は「事実誤認がある」として異議を申し立てていた。

 異議が認められたことで、住民側は対抗手段として、名古屋高裁金沢支部に保全抗告する可能性がある。同支部が同抗告を認める決定をした場合は仮処分の効力が復活するが、そうした決定が出ない限り稼働できる状態が続く。

 最大の争点とされた基準地震動について、仮処分決定は「過去の地震の平均像を基礎として策定することに合理性を見いだせない」と判断。関電は「さまざまな不確かさ(誤差)も考慮し、地盤の固さなど地域の特性を踏まえている」と妥当性を訴え、住民側は関電の計算式の不十分さを指摘し「基準地震動の想定を過小評価している」と反論していた。


福井新聞-「関電主張コピペ」弁護団ら怒り 高浜再稼働ストップへ決意-2015年12月25日午前7時00分



 「権力に追随した」「新たな安全神話だ」―。福井地裁が関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた4月の仮処分決定から約8カ月。同地裁は24日の関電の異議に対する決定で、今度は原子力規制委員会の新規制基準をクリアした原発の安全性に“お墨付き”を与えた。2基は再稼働へと進むが、申立人の住民や支援者は「新たな戦いのスタート」と気勢を上げ、憤りと決意をみなぎらせた。

 午後2時すぎ、申立人代表で同県敦賀市議の今大地晴美さん(65)らが「福島原発事故に学ばず」「司法の責任どこへ」と書かれた垂れ幕を掲げると、同地裁前に集まった約250人(主催者発表)は静まりかえった。弁護団共同代表の河合弘之弁護士(71)が保全抗告することを宣言すると、「再稼働反対」などとシュプレヒコールを繰り返し、同地裁に向け拳を突き上げた。

 福井県国際交流会館(福井市)で会見した河合弁護士は、今回の同地裁の決定を「関電の主張の“コピペ判決”」と断じた。特に核燃料の損傷や溶融で放射性物質が大量に漏れる危険性を「社会通念上、無視できる程度に管理されている」と結論付け、避難計画など重大事故後の対応を再稼働の是非の判断要件としない立場を示した点を問題視。「世界標準になっている多重防護の思想の否定であり許せない」と切り捨てた。今大地さんも、「関電という一企業だけでなく、原子力村や国を相手にもっと頑張って運動を続ける」と強調した。

 弁護団の井戸謙一弁護士(61)は「行政や立法の横暴を止める司法の役割を果たしていない恥ずべき内容」と指摘。高浜3、4号機は、滋賀県民が大津地裁に申し立てた再稼働差し止め仮処分の決定が来春にも出る見通しで、「大津で勝てば関電は運転できない。期待してほしい」と呼び掛けた。

 福井地裁の仮処分申し立てには関西の住民が申立人に名を連ね、再稼働反対の署名運動が広がっている。名古屋高裁金沢支部で係争中の大飯原発訴訟で原告団代表を務める中嶌哲演さん(73)=福井県小浜市=は、25日に高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉を求める訴訟を東京地裁に提起することに触れ、「核燃料サイクルや原発は全国民が当事者にならなければならない大問題で、関西の皆さんとも連携し運動を強める」と訴えた。


by asyagi-df-2014 | 2015-12-25 18:01 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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