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原発問題-「脱原発をめざす首長会議」、四国電力伊方原発3号機をめぐり「避難計画に全く現実性がない」と厳しく批判し、再稼働に反対した。

 伊方原発の再稼働について、「脱原発をめざす首長会議」が再稼働に反対したこについて、東京新聞は2015年10月18日、「現職、元職の首長らでつくる『脱原発をめざす首長会議』は18日、福島県南相馬市で記者会見を開き、四国電力伊方原発3号機をめぐり『避難計画に全く現実性がない』と厳しく批判し、再稼働に反対した。」、と報じた。
 「脱原発をめざす首長会議」は、2015年10月18日、内閣総理大臣(原子力防災会議議長)安倍晋三及び愛媛県知事中村時広に向けて、四国電力伊方原発3号機再稼働について、「伊方原発3号機の再稼働には、中村知事による『地元同意』が前提条件となる。少なくともその判断は、11月の原子力総合防災訓練を経て、 上記(別紙内容)のような問題が完全に解決していることが確認されないかぎり、 なされてはならない』、という申し入れを行った。

 「脱原発をめざす首長会議」が指摘する避難に関する問題は、下記の4点である。


①伊方原発より西側には約5千人が住んでいるが、放射性物質が漏れた場合には原発の近くの道を通って東側へ避難することは困難。計画では、その際はフェリーを使って大分県側に避難するとしているが、住民を運ぶバスやフェリーの事業者との覚書はまだ締結されておらず、 基本的な輸送手段が確保されていない。
②原発事故と地震や津波が同時に起きる「複合災害」 に見舞われれば、道路が寸断され、 港が損壊するため、避難できずに、屋内に退避することになるが、原発より西側には、放射性物質を除去する換気設備付きのシェルター施設は四つしかない。収容人数はわずか470人であるという。
③伊方町に隣接している八幡浜市の防災担当者は、複合災害が起きた際には「道路がどれだけ渋滞するのかなど、詰められていない部分は多い」と話しているという。
④原発から20キロの老人介護施設には50人近いお年寄りが入所しており、その多くが自力で歩けないため、かりに船で避難するとすれば港までの輸送手段が必要だが、確保のめどはない。さらに、避難先となる大分県では、 お年寄りを受け入れる施設が決まっていない。


 「脱原発をめざす首長会議」は、あわせて、政府の原子力防災会議に対して、「政府の原子力防災会議は上記のような問題を認識しつつ、避難計画を了承したとすれば、住民の安全と生命をどのように考えているのか、 国の責務を本当に自覚しているのだろうかという疑問を持たざるを得ない。」、と指摘している。


 安倍晋三首相及び中村時広愛媛県知事は、この申し入れを、きちんと受けとめなくてはならない。

 以下、東京新聞の引用。






東京新聞-伊方の避難計画「現実性ない」 福島で脱原発首長会議-2015年10月18日


 現職、元職の首長らでつくる「脱原発をめざす首長会議」は18日、福島県南相馬市で記者会見を開き、四国電力伊方原発3号機をめぐり「避難計画に全く現実性がない」と厳しく批判し、再稼働に反対した。

 会議の世話人の一人、桜井勝延・南相馬市長は「住民の避難先が十分確保されているとは言えない」と指摘。東京電力福島第1原発事故による避難の長期化で、南相馬市では災害関連死と認定される住民が現在も増えており、桜井氏は「再稼働を許さないのが一番の避難計画だ」と述べた。

 茨城県東海村の村上達也元村長は「避難計画通りにできないことは、福島の事故で分かっているはず」と批判した。
(共同)



四国電力伊方原発3号機再稼働についての申し入れ-2015年10月18日


      2015年10月18日 内閣総理大臣(原子力防災会議議長) 安倍晋三 殿
愛媛県知事 中村時広 殿
脱原発をめざす首長会議        
                      世話人 桜井勝延 (福島県南相馬市長)
                       三上 元 (静岡県湖西市長) 
                       村上達也(元茨城県東海村長)
                     事務局長 上原公子 (元東京都国立市長)

           四国電力伊方原発3号機再稼働についての申し入れ

安倍晋三首相が議長を務める政府の原子力防災会議は2015年10月6日、 四国電力が再稼働を目指している伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の周辺住民の避難計画について「具体的かつ合理的だ」として了承した。安倍首相は「原発事故が起きた場合、 国民の生命や身体、財産を守るのは政府の重大な責務だ」と明言したという。

一方、 「日本一細長い」とされる佐田岬半島の付け根にあり、特異的地域環境に位置する伊方原発で過酷事故が起きた際の避難計画については以下のような問題が指摘されているのも事実である。

1)伊方原発より西側には約5千人が住んでいるが、放射性物質が漏れた場合には原発の近くの道を通って東側へ避難することは困難。計画では、その際はフェリーを使って大分県側に避難するとしているが、住民 を運ぶバスやフェリーの事業者との覚書はまだ締結されておらず、 基本的な輸送手段が確保されていない。

2)原発事故と地震や津波が同時に起きる「複合災害」 に見舞われれば、道路が寸断され、 港が損壊するため、避難できずに、屋内に退避することになるが、原発より西側には、放射性物質を除去する換気設備付きの シェルター施設は四つしかない。収容人数はわずか470人であるという。

3)伊方町に隣接している八幡浜市の防災担当者は、複合災害が起きた際には「道路がどれだけ渋滞するのかなど、詰められていない部分は多い」と話しているという。

4)原発から20キロの老人介護施設には50人近いお年寄りが入所しており、その多くが自力で歩けないため、かりに船で避難するとすれば港までの輸送手段が必要だが、確保のめどはない。さらに、避難先となる大分県では、 お年寄りを受け入れる施設が決まっていない。

政府の原子力防災会議は上記のような問題を認識しつつ、避難計画を了承したとすれば、住民の安全と生命をどのように考えているのか、 国の責務を本当に自覚しているのだろうかという疑問を持たざるを得ない。

原子力防災会議は原発事故を想定した国の原子力総合防災訓練を、11月に伊方原発周辺で実施することも決めている。

伊方原発3号機の再稼働には、中村知事による「地元同意」が前提条件となる。少なくともその判断は、11月の原子力総合防災訓練を経て、 上記のような問題が完全に解決していることが確認されないかぎり、 なされてはならないと考え、そのように強く申し入れる。


by asyagi-df-2014 | 2015-10-22 05:21 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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