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朝日新聞の「『一般に』って? 考えた」を考えた。

 朝日新聞は、2015年7月26日に記事で、「『一般に』って? 首相が安保審議で多用する背景は。」をこのように分析してみせた。

・5~7月の衆院での審議で、首相は「一般に」や「一般」といった語句を、この答弁と同じように80回以上使っている。
・どうやら、安倍の方法論は、「安倍首相も今国会で「一般に」を繰り返す。しかし、使い方は明らかに違い、「例外」とセットだ。たとえば、「一般というのは、完全に全部ではないわけで、ほとんどがそう、ほとんどがだいたい該当する。しかし例外を全く排除はしていない」(6月1日)という具合だ。」、らしい。
・このことは、「なぜ首相は、このように「一般」を使うのか。内閣法制局の関係者は、「霞が関用語で『一般』を使うのは、『例外』を想定している時」という。「鈴木内閣の答弁書も理論上は例外を想定している。しかし、実際には想定できないから『例外』について触れていなかった。一方、安倍首相は『例外』を具体的に想定している」。つまり、例外なき一般から、例外つき一般に変わったというのだ。」、らしい。
・このことを、専門家が分析すると、「『一般に』『例外』を多用すると、あいまいさが増す。例外の範囲が拡大解釈され、何でもありになってしまう可能性がある」、となるらしい。
・だから、こう言いたい、「法律に明示するのは「一般」だが、政策判断で「例外」が生まれてくる。だから、「一般」「例外」を多用すると、政策判断の度合いが増えていくというわけだ。」と。
・記者はう言う、「とはいえ法律の歯止めが弱く、政府の政策判断の余地が大きい仕組みは、何とも危うく見える。例外を前提にすれば、「海外派兵は一般に許されない」という言葉は何も言っていないのと同じではないだろうか。
 安倍首相は、今は控えめに映る。でも将来の首相はどうだろう。都合の良い「自分ルール」でどんどん例外を加える。そんなことができない仕組みが必要だと思う。」

 面白い記事ではあるが、なんとも危うく見えるどころでなないこの安保関連法案を止めるために、朝日新聞はどうするのだろうか。朝日新聞の決意を聞きたい。
 以下、朝日新聞の引用。






朝日新聞-「一般に」って? 首相が安保審議で多用する背景は2015年7月26日


 安全保障関連法案の国会審議で、安倍晋三首相は「一般に」という言葉を非常に多用する。多くの場合、「例外」と対だ。この二つの言葉は、今回の議論の象徴といえるかもしれない。「一般」「例外」について考えた。

 「一般に海外派兵は認められないというのは基本であります、基本。この基本の中において、これは『一般に』でありますから、例外的に(中東の)ホルムズ(海峡の機雷除去)の例を挙げさせていただいておりますが、それ以外は、なかなか今念頭にはない」

 首相は5月28日の衆院特別委員会でこう述べた。5~7月の衆院での審議で、首相は「一般に」や「一般」といった語句を、この答弁と同じように80回以上使っている。

 安全保障の議論での「一般に」をさかのぼると、1980年の鈴木善幸内閣の答弁書に突き当たる。政府が、武力行使の目的で他国の領域に武装部隊を派遣する「海外派兵」をしない方針を説明するため使った。海外派兵は「一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない」。

 そこには「例外」はない。その後のPKO法や有事法制などの安全保障の議論でも、この答弁書と同じように使われてきた。

 安倍首相も今国会で「一般に」を繰り返す。しかし、使い方は明らかに違い、「例外」とセットだ。たとえば、「一般というのは、完全に全部ではないわけで、ほとんどがそう、ほとんどがだいたい該当する。しかし例外を全く排除はしていない」(6月1日)という具合だ。

 なぜ首相は、このように「一般」を使うのか。内閣法制局の関係者は、「霞が関用語で『一般』を使うのは、『例外』を想定している時」という。「鈴木内閣の答弁書も理論上は例外を想定している。しかし、実際には想定できないから『例外』について触れていなかった。一方、安倍首相は『例外』を具体的に想定している」。つまり、例外なき一般から、例外つき一般に変わったというのだ。

 安全保障の議論とは別だが、「一般」「例外」は法律や条例の世界でよく使われている論理でもある。そこで、この二つの言葉の使い方について、法や条例の解釈や仕組みに詳しい石田省三郎弁護士に聞いてみた。

 石田氏は「『一般に』『例外』を多用すると、あいまいさが増す。例外の範囲が拡大解釈され、何でもありになってしまう可能性がある」と指摘する。たとえば石田氏は、法律や条例の文言を具体的に明示することであいまいさをなくし、解釈の幅を狭くしたケースとして、青少年に対する「みだらな性行為」を禁じた神奈川県青少年保護育成条例を挙げた。いわゆる淫行条例だ。

 この条例は、「一般」にあたる「みだらな性行為」を「健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいう」と厳密に定義する。ただ、このように定義をすること自体については異論もある。

 法律に明示するのは「一般」だが、政策判断で「例外」が生まれてくる。だから、「一般」「例外」を多用すると、政策判断の度合いが増えていくというわけだ。

■記者の視点

 安倍首相が「例外はホルムズ以外は今念頭にはない」と繰り返すのを聞くたび、「将来は変わるんじゃないの」と言いたくなる。

 具体的な事例を挙げにくい事情はわかる。国際情勢の予測は難しい。「仮想敵国」を名指しすれば外交関係に悪影響も出るだろう。

 とはいえ法律の歯止めが弱く、政府の政策判断の余地が大きい仕組みは、何とも危うく見える。例外を前提にすれば、「海外派兵は一般に許されない」という言葉は何も言っていないのと同じではないだろうか。

 安倍首相は、今は控えめに映る。でも将来の首相はどうだろう。都合の良い「自分ルール」でどんどん例外を加える。そんなことができない仕組みが必要だと思う。(竹山栄太郎)


by asyagi-df-2014 | 2015-07-26 13:35 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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