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原発問題-伊方原発再稼働は「あまりに危険」

 大分合同新聞は2015年7月15日、規制委員会の審査合格について、「『極めて不安な決定だ』。1985年から別府湾などで断層を調査してきた高知大学総合研究センターの岡村真特任教授(地震地質学)は、伊方原発が活動性の高い『中央構造線』から6~8キロしか離れておらず、四国電力が想定している地震の揺れも過小で『あまりに危険だ』と訴える。」と、報じた。

 「四国電は『過去1万年間は動いた形跡がない』と3号機を建設した。どんな調査をしたのかと、強い不信感を持った。ここに造ったこと自体が間違いだ」とする岡村真特任教は、「『脆弱(ぜいじゃく)に造ったものにいくら突っかい棒をしても限度がある』とする。650ガルは『他の原発に比べても小さすぎる。1千ガルでも十分とはいえない』。断層帯から近いため揺れがすぐに到達し、原子炉を緊急停止するための制御棒の操作が困難になる恐れがあるとも指摘する。」と、結論結論づける。

 また、大分合同新聞は、地元住民の不安の声を続ける。
 「『もし事故が起きれば避難できず、あきらめるしかない。』元町職員の蓮池通政さん(65)が不安を明かす。伊方原発は佐田岬半島の付け根にある。半島は長さ約40キロで幅は最も狭い場所で約800メートルしかない。原発から半島の奥側に住む約5千人にとって、半島の中央を走る国道197号線が『命の道』(地元住民)だが、原子炉建屋から最も近いところでは約1キロしか離れていない。蓮池さんは『事故の際、原発方面へ避難しようと考える住民はいない』と話すが、原発と反対方向に逃げても半島の先端で海に突き当たる。・・・特別養護老人ホーム『三崎つわぶき荘』の渡辺太志施設長(37)は『入所者の大半は自力で歩くのも困難。車の数も十分でない』と表情を雲させる。」

 『もし事故が起きれば避難できず、あきらめるしかない。』という声に、だれがきちっと答えるのか。
 『脆弱(ぜいじゃく)に造ったものにいくら突っかい棒をしても限度がある』ことを、もういいかげん気づくべきではないか。

 以下、大分合同新聞の引用。







大分合同新聞-判断「あまりに危険」 近くに活動性高い断層-2015年7月15日

 
 伊方原発をめぐっては、日本最大級の断層帯「中央構造線」が走り、専門家が大地震による重大事故の危険性を指摘する中での審査合格となった。大分県佐賀関半島から45キロ。福島第1原発の事故は周辺自治体にも深刻な被害が広がっただけに、松山地裁で係争中の伊方原発差し止め訴訟には大分から106人が原告に加わるなど、県内でも安全性を不安視する声は根強い。

 「極めて不安な決定だ」。1985年から別府湾などで断層を調査してきた高知大学総合研究センターの岡村真特任教授(地震地質学)は、伊方原発が活動性の高い「中央構造線」から6~8キロしか離れておらず、四国電力が想定している地震の揺れも過小で「あまりに危険だ」と訴える。
 中央構造線は、紀伊半島中部から豊予海峡、大分、熊本へと続く断層帯。長さは、はっきりしている範囲で約600キロという。
 「ショッキングだった。まさかこんなものが出てくるとは」。88年ごろ、岡村特任教授らが愛媛県伊予市沖で実施した断層調査。10メートルくらいの「ずれ」が見つかった。大きな地震が繰り返し起きたことを示す決定的な証拠だった。
 その後、別府湾でも調査し、この7300年間に少なくとも4回、大地震が起きたことが判明。最も新しいのが1596年の「慶長豊後地震」。大分では島が沈んだ瓜生島伝説も残る。
 「四国電は『過去1万年間は動いた形跡がない』と3号機を建設した。どんな調査をしたのかと、強い不信感を持った。ここに造ったこと自体が間違いだ」
 四国電は、想定される最大規模の揺れを示す「基準地震動」を、2013年7月の審査申請時は570ガルとしていた。徐々に引き上げ、現在は650ガルに設定。愛媛県は独自に「おおむね1千ガルに耐えられるように」と求めている。
 岡村特任教授は「脆弱(ぜいじゃく)に造ったものにいくら突っかい棒をしても限度がある」とする。650ガルは「他の原発に比べても小さすぎる。1千ガルでも十分とはいえない」。断層帯から近いため揺れがすぐに到達し、原子炉を緊急停止するための制御棒の操作が困難になる恐れがあるとも指摘する。
 再稼働には今後、地元同意などの手続きが必要になる。「私たちの生存権に関わる問題。もし再稼働に賛成するなら、ここに住めなくなるかもしれないというリスクを十分理解しなければならない。大分にとっても人ごとではないだろう」


by asyagi-df-2014 | 2015-07-17 05:41 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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