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原発問題-川内原発再稼働の動きを考える。(2)

川内原発再稼働を考える時、一つには、「3.11」福島原発事故からの声をどのように視点として置くことができるかということが重要である。
 河北新報は今の住民の思いを次のように伝える。

「『やめてほしいの一言。距離の離れた福島の痛みが伝わっていないのではないか』。福島県川内村から岡山市に避難する大工の大塚愛さん(41)が怒りをあらわにする。
 『事故から4年4カ月しかたっていない。再稼働は早過ぎる』と話すのは、福島県浪江町の自宅を追われ、いわき市に避難する会社役員新谷保基さん(60)。『コミュニティーを破壊されたわれわれの立場はどうなるのか。国や電力会社の『安全』は信頼できない』と突き放した。

「東北電力東通原発(青森県東通村)を抱える下北地域にとっては、原発停止の歳月が長く、重くのしかかる。むつ商工会議所の其田桂会頭は『ようやくここまで来たという感じだ。下北の経済は冷え込んでいるが、少しだけ明るい希望が出てきた』と歓迎する。
 東日本大震災の津波を受けた東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)は事故を免れたが、住民の思いは複雑だ。
 女川町の無職男性(82)は『地元の判断を尊重するしかない』と語る一方で『事故が起きた時のことを考えると怖く、人ごとではない』と危ぶむ。別の無職男性(73)は『「電力の安定供給のためにはやむを得ない』と話しつつも『川内原発の安全対策が本当に万全なのか』と疑う。」

 こうした声に真摯に向き合うことが求められている。もちろん、再稼働に反対する側もである。

 また、西日本新聞の「天草市の中村五木市長は報道陣に対し『市民の生命、財産を守る観点から、国や県に必要な情報提供を求めていく。県、水俣市、芦北、津奈木両町とつくる事故対策推進会議をもっと開催するよう(現在は年2回)要望したい』と語った。市によると、川内原発から半径50キロ圏内に、同市の牛深町や河浦町の一部などが入り、約1万4千人が居住している。」との記事は、「3.11」福島原発事故を経験した行政担当者としての当然の危惧である。
 こうした声に充分に応えきれていない中での川内原発再稼働の動きなのである。

 もう一つ大事なのは、「安全神話」が崩壊したなかでの政府や経済界の動向を見極める、きちっと検証するということである。
佐賀新聞は、「成長戦略推進へ 背後に経済界の意向」と、安倍晋三政権が原発再稼働に執念を見せる意味を説いてみせる。
 だから経済界のこんな声を載せる。

「待望の原発再稼働が近づき、経済界には明るいムードが広がった。経団連の榊原定征会長は6日の記者会見で『ようやく再稼働にこぎ着けたことを歓迎する』と喜んだ。
 原発停止による電気料金の上昇は、厳しい国際競争にさらされる企業にとって『致命的』(経済同友会の小林喜光代表幹事)。このため経済界は原発活用を訴えてきた。
 また原子力産業はプラントから関連機器まで裾野が広く、産業政策上も波及効果が大きい。ギリシャ危機で世界経済が不透明感を増しているだけに、経済界にとって原発再稼働は数少ない明るい材料といえる。
 同友会の小林氏は7日の記者会見で『(再稼働が)0と1では大違い』としながらも『(規制委の審査が)もう少し早くならないか」と欲張った。」

 この原発をめぐる政府や経済界の理念なき姿は、立憲主義を否定する現在の安保法制の状況と、何と似通っているか。
 まさしく、私たちは、命の問題の前に立たされている。

 また合わせて、気になるのは、「原発40年運転規制 再検討」と「新増設」をという動きである。
 この動きを、東京新聞は「自民党の原発推進派議員でつくる電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)は七日、原則四十年の原発運転期間が妥当かどうか再検討することなどを求める提言案をまとめた。東京電力福島第一原発事故を踏まえた規制強化策を否定する内容が多く、原子力規制委員会が、原発の型式に関わらず一律で四十年にする科学的根拠を明確化すべきだとしている。」と伝えた。
 佐賀新聞も、「再稼働に先立ち、政府は2030年の原発比率を20~22%と決定した。新規制基準で定められた40年の原発の『寿命』を厳格に適用すると、この数字には届かない。このため『政府は新増設を視野に入れている』との見方が電力業界に急速に広がっている。政府は『現時点で想定していない』(宮沢洋一経済産業相)と対応を明確にしていないものの、ある政府筋は『今後、再稼働が続いていけば、世の中の動きを見極めながら新規の原発増設の機運も出て来る可能性がある』と本音をのぞかせる。」と、報じている。
 こうした動きは、恥なき理念なき集団の取る行動としては、当然の帰結ではあるが。

 そして、大事なのは、東京新聞の次の指摘である。

「再稼働への最終局面に入った川内原発だが、国際原子力機関(IAEA)が求めている基準に達しているのかどうか疑問が残る。
 原発の新しい規制基準により、電源や原子炉の冷却機能の多重化など重大事故の対策は拡充された。
 しかし、原子力規制委員会は新基準でフィルター付きベント(排気)設備や緊急時の対策拠点などを求めながら、しばらくの間は代替策で十分としている。
 対策を講じても突破され、さらに深刻な事態になると想定するのがIAEA基準の基本的な考え方。
 規制委は『新基準を満たせば、事故は一定レベル内で収まる』とし、放射線量などにより現場で収束作業ができなくなるような事態は起きないと判断している。住民避難は最終的な事故対策だが、規制委を含めどの機関も避難計画をチェックしない。
 桜島を中心とした姶良(あいら)カルデラなど川内原発を取り囲む火山の巨大噴火リスクを多くの火山の専門家が指摘している。原発立地の可否から再検討されるべきだが、規制委は『運転期間中に巨大噴火はないだろう』とし、核燃料の緊急搬出策を九州電力に現時点では義務づけていない。」

 しかし、IAEAの基本の基準を待つまでもなく、「対策を講じても突破され、さらに深刻な事態になると想定する」という考え方は、「3.11」を経験した後では、基本中の基本ではないか。
 このことの解決なしに、次に進むことは許されない。

あらためて、繰り返すしかない。
 「私たちは、命の問題の前に立たされている。」と。

 以下、各新聞社社説の引用。






佐賀新聞-=表層深層= 政権、原発再稼働に執念- 2015年07月08日


◆成長戦略推進へ 背後に経済界の意向

 九州電力川内原発1号機に核燃料が入り始め、原発再稼働がいよいよ目前に迫った。東京電力福島第1原発事故から4年で日本は原発路線に戻る。アベノミクスに手詰まり感が強まる中、成長戦略の推進装置として原発活用に執念を見せる安倍政権。背後には経済界の意向が見え隠れする。

 「原子力規制委員会の規制基準を満たしていると認めれば再稼働を進めていく」。川内1号機の燃料装填(そうてん)開始を受け、菅義偉官房長官は7日の記者会見で政府の立場をあらためて強調した。

 政府は再稼働への世論の反発に神経をとがらせつつも、温室効果ガスの排出量削減と電力コスト抑制の両立を目指し、原発を活用し続ける方針。エネルギー基本計画でも基幹電源の位置付けを明確にした。

?首相のこだわり

 安倍政権が特に重視するのが電力コストだ。安倍晋三首相に近い政府関係者は「首相は電力コストに強いこだわりがある」と明かす。経済成長の持続には原発再稼働により電気料金を下げ、産業競争力を強化することが不可欠との考えからだ。与党内からは「原発を動かし電気料金を下げるのが一番の景気対策」との声が上がる。

 待望の原発再稼働が近づき、経済界には明るいムードが広がった。経団連の榊原定征会長は6日の記者会見で「ようやく再稼働にこぎ着けたことを歓迎する」と喜んだ。

 原発停止による電気料金の上昇は、厳しい国際競争にさらされる企業にとって「致命的」(経済同友会の小林喜光代表幹事)。このため経済界は原発活用を訴えてきた。

 また原子力産業はプラントから関連機器まで裾野が広く、産業政策上も波及効果が大きい。ギリシャ危機で世界経済が不透明感を増しているだけに、経済界にとって原発再稼働は数少ない明るい材料といえる。

 同友会の小林氏は7日の記者会見で「(再稼働が)0と1では大違い」としながらも「(規制委の審査が)もう少し早くならないか」と欲張った。

?新増設視野にも

 新規制基準が施行されて8日で2年。規制委の審査は当初、申請から半年程度で終わるとの見方もあったが、これまでのところ合格は川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機(福井県)の4基にとどまる。

 自民党内からは「規制委の組織理念にも効率性を盛り込むべきだ」との意見も飛び出す。一方、規制委の田中俊一委員長は「私の予測より随分時間がかかったが、(必要な)審査会合を積み重ねておりやむを得ない」と規制機関としての独立した立場を強調する。

 再稼働に先立ち、政府は2030年の原発比率を20~22%と決定した。新規制基準で定められた40年の原発の「寿命」を厳格に適用すると、この数字には届かない。このため「政府は新増設を視野に入れている」との見方が電力業界に急速に広がっている。

 政府は「現時点で想定していない」(宮沢洋一経済産業相)と対応を明確にしていないものの、ある政府筋は「今後、再稼働が続いていけば、世の中の動きを見極めながら新規の原発増設の機運も出て来る可能性がある」と本音をのぞかせる。

 経産省の有識者会議で委員を務めた東京理科大大学院の橘川武郎教授は「ほとぼりが冷めたころ新増設を議論するのは後出しじゃんけんだ」とけん制した。【共同】


西日本新聞-川内の核燃料装填、必要な情報提供を 天草市長 [熊本県]-2015年07月08日


 九州電力が川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)への核燃料装填(そうてん)を始めた7日、天草市の中村五木市長は報道陣に対し「市民の生命、財産を守る観点から、国や県に必要な情報提供を求めていく。県、水俣市、芦北、津奈木両町とつくる事故対策推進会議をもっと開催するよう(現在は年2回)要望したい」と語った。

 市によると、川内原発から半径50キロ圏内に、同市の牛深町や河浦町の一部などが入り、約1万4千人が居住している。


河北新報-<川内原発>燃料装填に「福島の痛み知って」-2015年7月8日

 九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)で7日、核燃料の装填(そうてん)が始まった。東京電力福島第1原発事故で福島では今なお11万人が避難し、青森では原発の長期停止で経済が疲弊する。最も遠く離れた原発で進む再稼働の動きに、廃炉が決まった福島第1原発のほか8基の原発を抱える東北は怒り、安堵(あんど)、不安など複雑な表情を見せた。

 「やめてほしいの一言。距離の離れた福島の痛みが伝わっていないのではないか」。福島県川内村から岡山市に避難する大工の大塚愛さん(41)が怒りをあらわにする。
 「事故から4年4カ月しかたっていない。再稼働は早過ぎる」と話すのは、福島県浪江町の自宅を追われ、いわき市に避難する会社役員新谷保基さん(60)。「コミュニティーを破壊されたわれわれの立場はどうなるのか。国や電力会社の『安全』は信頼できない」と突き放した。
 東北電力東通原発(青森県東通村)を抱える下北地域にとっては、原発停止の歳月が長く、重くのしかかる。むつ商工会議所の其田桂会頭は「ようやくここまで来たという感じだ。下北の経済は冷え込んでいるが、少しだけ明るい希望が出てきた」と歓迎する。
 東日本大震災の津波を受けた東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)は事故を免れたが、住民の思いは複雑だ。
 女川町の無職男性(82)は「地元の判断を尊重するしかない」と語る一方で「事故が起きた時のことを考えると怖く、人ごとではない」と危ぶむ。別の無職男性(73)は「電力の安定供給のためにはやむを得ない」と話しつつも「川内原発の安全対策が本当に万全なのか」と疑う。
 原発と無縁だった福島県飯舘村から、新潟県柏崎市に避難する無職斎藤力さん(67)は「住民が再稼働に反対するのは共感できる。ただ、対案を出さずに反対する風潮には疑問がある。単に賛成、反対ではなく冷静な議論をするべきだ」と訴えた。


東京新聞-川内原発 核燃料を装填 深刻事態を想定せず-2015年7月8日


 九州電力は七日、原子力規制委員会の審査に合格した川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉に核燃料を装填(そうてん)する作業を始めた。今後の検査で問題がなければ八月十日ごろに原子炉を起動し、同十三日前後に発電と送電を開始して再稼働する予定。2号機も十月中旬の再稼働を目指す。 

 再稼働に向けたプロセスは最終段階に入った。二〇一三年七月に施行された新規制基準に適合した原発として全国初の再稼働となる見込み。

 作業は原子炉建屋に隣接する使用済み核燃料プールからクレーンを使って燃料を一体ずつ原子炉に移す。午前七時すぎからクレーンの動作確認など燃料移送に向けた準備を開始。午後二時すぎ、一体目の燃料を原子炉に装填した。四日程度かけて百五十七体を入れる予定。九電は「安全確保を最優先に慎重かつ丁寧な作業に努める」とのコメントを発表。

 燃料装填完了後は、原子炉下部の水位計の検査や、重大事故を想定した訓練を実施し、原子炉の起動試験に移る。規制委は今後も使用前検査を続け、不備があれば九電に対策を求めることにしており、再稼働時期がずれ込む可能性もある。
     ◇
 再稼働への最終局面に入った川内原発だが、国際原子力機関(IAEA)が求めている基準に達しているのかどうか疑問が残る。

 原発の新しい規制基準により、電源や原子炉の冷却機能の多重化など重大事故の対策は拡充された。

 しかし、原子力規制委員会は新基準でフィルター付きベント(排気)設備や緊急時の対策拠点などを求めながら、しばらくの間は代替策で十分としている。

 対策を講じても突破され、さらに深刻な事態になると想定するのがIAEA基準の基本的な考え方。

 規制委は「新基準を満たせば、事故は一定レベル内で収まる」とし、放射線量などにより現場で収束作業ができなくなるような事態は起きないと判断している。住民避難は最終的な事故対策だが、規制委を含めどの機関も避難計画をチェックしない。

 桜島を中心とした姶良(あいら)カルデラなど川内原発を取り囲む火山の巨大噴火リスクを多くの火山の専門家が指摘している。原発立地の可否から再検討されるべきだが、規制委は「運転期間中に巨大噴火はないだろう」とし、核燃料の緊急搬出策を九州電力に現時点では義務づけていない。


東京新聞-原発40年運転規制 再検討を 自民議連が提言案-2015年7月8日


 自民党の原発推進派議員でつくる電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)は七日、原則四十年の原発運転期間が妥当かどうか再検討することなどを求める提言案をまとめた。東京電力福島第一原発事故を踏まえた規制強化策を否定する内容が多く、原子力規制委員会が、原発の型式に関わらず一律で四十年にする科学的根拠を明確化すべきだとしている。

 規制委は、発足から三年以内に組織見直しを検討すると規定されている。見直しに関する政府提言を策定中の党内プロジェクトチームに議連の提言を提出し、反映させるよう求める方針。

 提言は、原子炉直下に「活断層」があると判断された原発でも即廃炉にすべきではないと主張。地震の揺れや断層のずれは、設備補強などの工学的な対応で安全確保できるとし、新規制基準の考え方にも異議を唱えた。

 また地震や津波に関する審査では、五人の規制委員の中で専門性が高い委員一人の判断に頼らず、専門の審査会を新設し、規制委側と電力会社側で見解が分かれた場合の検討の場にするとした。

 規制委は独立性を高めるために環境省の外局にあるが、防災を担当する内閣府への移管も提案。原子力規制庁に専門家を確保するため、電力会社や原発メーカーOBの積極的な登用も促す。



毎日新聞-「川内」核燃料装着:福島県民「絶対安全ない」-2015年07月07日 


 東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さん(62)は「福島の事故で原発が安全ではないと分かったのに、なぜまた動かそうとするのか。(震災後の)新基準をクリアしたというが、絶対的な安全などない」と川内原発が再稼働に突き進むことに憤った。

 長谷川さんは4世代8人暮らしだったが、今は分散して避難し、仕事も奪われた。生活再建には慰謝料の増額が必要として村民の半数にあたる約3000人をまとめ、国の原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(原発ADR)を申し立てた。原発事故被害者でつくる全国組織の共同代表も務める。「いったん原発事故が起きれば、古里は元に戻らない。原発事故で苦しむのは私たちで最後にしてほしい」と訴える。

 福島県二本松市でスーパーを経営する服部浩幸さん(46)も「福島の事故の原因や責任もあいまいなまま、他の原発を再稼働させるのは理解できない」と疑問を投げかける。

 服部さんは原発事故後、国と東電に原状回復や慰謝料を求める集団訴訟に参加。約3900人の原告団の事務局長を務める。「原発事故は史上最悪の公害」と考えるようになり、全国の公害被害者団体の活動にも加わった。その一環として今年2月、川内原発のある鹿児島県を訪れ、福島の現状を知ってもらおうと街頭演説やビラ配りをした。「鹿児島市内ではビラを配っても足を止めてくれる人は少なかった。原発の事故や再稼働にもっと関心を持ってほしい」と話した。【土江洋範】


毎日新聞-川内原発:核燃料装着 「命が軽々しく扱われている」「元気ある市に戻ってほしい」 抗議と期待、声交錯 /鹿児島-2015年07月08日 


 九州電力が8月中旬の再稼働を目指している川内原発1号機(薩摩川内市)。原子炉に核燃料を入れる作業が7日から始まり、再稼働が秒読みの段階に入った。地元では抗議集会が開かれた一方、経済活性化への期待の声も聞かれた。【杣谷健太、宝満志郎】

 「福島の悲しみを無駄にはしないでください」。警備員や警察官が警戒する物々しい雰囲気の中、原発ゲート前で午前8時から行われた抗議集会には、福島県からの避難者が書いた横断幕も掲げられた。

 川内原発建設反対連絡協議会長の鳥原良子さん(66)は「福島のことを考えると再稼働を許してはならない。住民をないがしろにしている」と訴え、市内の元会社員、上原正利さん(67)は「民間企業が説明会も開かず、一方的に再稼働を進めていることが腹立たしい」と憤った。

 薩摩川内市に隣接するいちき串木野市でデイサービスを運営する「ふるさと共生福祉会理事会」代表の江藤卓朗さん(58)は、高齢者や障害者ら要援護者の避難計画に触れ「事故が起きれば逃げるのが難しい。命が軽々しく扱われている」と声を張り上げた。

 一方で、地元には停滞する地域経済への再稼働効果を期待する声も大きい。原発作業員らの宿泊が大きな収入源という薩摩川内市ホテル旅館組合の福山大作組合長(64)は「待ちに待った再稼働の日が近づいた。万全を期して一日でも早く再稼働してもらいたい」と歓迎した。

 飲食店を営む若松愛美さん(33)も「やっとここまで国の規制委員会に認めてもらった。再稼働して、元の活気ある薩摩川内市に戻ってほしい」と語った。

 この日は、昨年10月に再稼働を求める陳情を採択した市議会の川内原発対策調査特別委員会が、現地で安全対策などを視察。委員を含む市議16人が原発構内に入り、海水ポンプエリアの津波対策のための防水設備などを確認した。

 使用前検査がほぼ終わるのに合わせ、核燃料の装着とは関係なく計画していた視察だったが、森満晃・副委員長は終了後「津波や竜巻など最終的な安全対策を見た。細かいところまで対策がなされており、一安心した」と話した。


by asyagi-df-2014 | 2015-07-10 05:37 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人