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論理・理屈でものを考える人達に政治を託したい。

 明日の自由を守る若手弁護士の会は、そのブログで、「論理・理屈でものを考える人達に政治を託したい。そんなことも叶わないこの国に未来はあるのでしょうか。」と、言います。 

安倍晋三政権の非論理性は、際立っている。

 以下、明日の自由を守る若手弁護士の会のブログの引用。




砂川判決はすがれる藁ではない。でもすがっちゃう政府はもう支離滅裂…の図


<キホンの整理>

 ジメジメして不快指数が高まっている季節。
政治もなんかごちゃごちゃして、脳内不快指数が高まっていくので、 一度、キホンを整理しましょう(整理できていれば読み飛ばしましょう)。

 憲法9条は戦争を放棄して、戦力の不保持を宣言しています。でも国民の命を預かる国家として、外国が侵略してきたときには、いくらなんでも反撃はしていいはず。
 だから、憲法9条も(個別的)自衛権は認めています。
 でもそれだけです。
 同盟国の戦争に参加すること(集団的自衛権)など、到底許されません。
 これが、これまでの政府解釈でした。
 
 ですがこれを安倍政権は突然壊しました。
 かなり、めちゃくちゃに壊しました。

 これからは「憲法9条は、同盟国の戦争への参戦(集団的自衛権)を、許している。」と考えることにしますっ! …と、宣言したのです。
 
 いやいやいやいや…戦争放棄してる条文が、なぜ戦争を許すんだい(-_-;)。
 許されるわけないだろう。許されるわけがない、って政府 自身が言ってきたくせに。  と、当然批判沸騰、です。

 ですが、安倍政権はそういう批判は何処吹く風。なんと、国民に特に何も説明せずに海を渡ってアメリカまで行き、「日本はこれから集団的自衛権行使できる国になりますんで」と 約束してきました。
 (おおおおぅい、ユーはどこの国のプライムミニスターなんだミスターアベ…)

 そして日本の国会で、国民に丁寧に説明どころか。誠実な議論どころか。質問を無視。そしてヤジで妨害。
 9割以上の学者が声を揃えて「憲法違反だ」と批判しても、無視。
 
 理屈も理論もない政府には、もう頼れるものがない。
だから無視という戦法しかない…というのは、考えてみれば素直な発想かもしれません。

<砂川事件は、すがれる藁なのかしら?>

 そして,ここへ来て砂川事件の最高裁判決です。安倍首相や高村副総裁、つまり政府与党は、砂川事件の最高裁判決を引っ張り出して、「最高裁の判決法理によると、憲法上、集団 的自衛権は認められてるんだよっ!」と壊れたレコードみたいに繰り返しています。
 
 でも、それ、全然違う。まるで見当違いであることは、すでにお話しました。
 http://www.asuno-jiyuu.com/2015/06/blog-post_11.html
(一部引用)
 そもそも砂川事件最高裁判決は、在日アメリカ軍の駐留が憲法に反するかどうかを判断したものです。日本がどのような戦力(具体的には自衛隊ですね)を持っていいか、どのような武力行使をしてもいいかということについて判断したものではありません。
 さらに、最高裁判決は、9条2項が「いわゆる自衛のための戦力の保持をも禁じたものであるか否かは別として」、在日米軍は憲法9条2項で保持を禁止されている戦力ではない、と言っています。
 この「別として」という部分からも、この判決が、日本がどのような戦力を持っていいか、そして「集団的自衛権の行使」、つまり日本が攻撃されていないときに日本が武力行使をしてもいいか、という場面について何も言っていないことがわかります。
 この最高裁判決から「必要最小限の集団的自衛権は認めているんだ」と解釈することは、明らかに無理があるんです。(引用終わり)
  
 学者は勿論、元判事も、元内閣法制局長官も、かつて砂川事件をたたかった弁護士達も、新聞社説も、「いや、砂川事件判決は根拠になら ないでしょう」といいます。

 とっくのとうに論破されているのに、聞こえていないふりをして いるのか、本当に理解できていないのか(どっちにしろ悲劇ですが)、政府はひたすら「砂川事件判決が根拠だ」と言い続けています。

 でも、さらに支離滅裂なのは、中谷防衛大臣は、「砂川事件判決は根拠ではない」と答弁なさったのです。
http://mainichi.jp/select/news/20150616k0000m010093000c.html
 いわく「(根拠は)あくまでも72年の政府見解の基本的論理だ。砂川判決を直接の根拠としているわけではないが、砂川判決はこの基本的な論理と軌を一にするものだ」。
 !Σ( ̄口 ̄;;
 圧倒的に議論で負けている政府の中で、首相と防衛大臣が まるで正反対のことを言っている。
 ご自分達が、自身の発言の意味を理解できていない。
 これが遠い外国の話なら、まだ笑って済む話かもしれませんが、 私たちの住む国のリーダー達の話なのですから、背筋が凍ります。

 早稲田大学の長谷部恭男教授は、砂川判決を持ち出す政府を「藁にもすがる思いで持ち出したのかもしれないが、しょせん藁だ。」とおっしゃいました。
 座布団を差し上げたくなりました。

 論理・理屈でものを考える人達に政治を託したい。
 そんなことも叶わないこの国に未来はあるのでしょうか。


by asyagi-df-2014 | 2015-06-28 11:48 | 書くことから-憲法

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人