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原発問題-旧国土庁は、東京電力福島第一原を高さ八メートルの津波が襲った場合、1~4号機の建屋が浸水するとの予測図作製。

 東京新聞は、2015年6月25日、「福島県の沖合で巨大地震が発生し東京電力福島第一原発を高さ八メートルの津波が襲った場合、1~4号機の建屋が浸水するとの予測図を一九九九年に旧国土庁が作製していたことが分かった。国は自治体が津波防災対策を検討する「基礎資料」として作った」と、報じた。
 また。あわせて、「原発事故を防ぐための電力会社の対策強化には生かされなかった。」と、続けた。
 さらに、「予測図は福島県に提供されたが『その後どのように活用されたかは把握していない』としている。」と、報じた。

 このことの問題点については、「原発と大津波」の著者でサイエンスライターの添田孝史さんの話として、次のように指摘している。 

「津波で浸水被害が出ることが想定外ではなかったことが明白になった。内閣府は『雑な推計だった』と言うが、5、6号機は浸水を免れるなど東日本大震災での被害傾向とも合致する。使いようがあったはずの予測図なのに、全く生かされなかった。東京電力も浸水予測の根拠となった国の津波試算を把握しながら、被害を減らす対策を取らず、試算をつぶそうとする逆方向の努力をしていた。予備バッテリーの購入や非常用発電機の移動など、できる対策はいくらでもあったはずだ。」

 「雑な推計だった」という政府の回答は、いかにも無答責のの体質を証明している。何も対応をしなかった東京電力の責任と政府の責任は、このことによって証明されている。
  
 以下、東京新聞の引用。






東京新聞-8メートル津波で原発浸水予測 福島第一99年に国が作図-2015年6月25日


 福島県の沖合で巨大地震が発生し東京電力福島第一原発を高さ八メートルの津波が襲った場合、1~4号機の建屋が浸水するとの予測図を一九九九年に旧国土庁が作製していたことが分かった。国は自治体が津波防災対策を検討する「基礎資料」として作ったが、原発事故を防ぐための電力会社の対策強化には生かされなかった。

 津波防災の関係省庁が九八年、全国の自治体に「津波防災対策の手引き」を通知。国土庁は九九年、この手引きにのっとった試算方法を用いて、各地の津波浸水予測図を作製した。「津波による浸水域をあらかじめ把握しておくこと」を目的に掲げていた。

 福島県沿岸の予測図では八メートルの津波が来た場合、第一原発1~4号機の建屋周辺まで津波が到達し、海側のタービン建屋周辺で四~五メートル、山側の原子炉建屋周辺でもゼロ~一メートル浸水する状況が示されていた。

 現在、防災対策を所管する内閣府の担当者は「当時の推計では沿岸部の詳細な地形や高低差を加味できず、予測図の通りに浸水するわけではない。自治体に防災対策の基礎資料にしてもらう意図だった」と説明。

 予測図は福島県に提供されたが「その後どのように活用されたかは把握していない」としている。

 二〇一一年三月十一日の東日本大震災では、第一原発を推定約一三メートルの津波が襲い、1~4号機の建屋や地下にあった非常用発電機などが浸水。全電源を失って核燃料の冷却が長時間できず、過酷事故へとつながった。
◆浸水防止策は施した
 東京電力広報部の話 二〇〇二年に津波の想定を従来の三・五メートルから五・七メートルへと自主的に見直し、6号機の非常用海水ポンプ電動機の設置場所を二十センチかさ上げしたり、建屋貫通部の浸水防止対策を施したりするなど、必要な対策を取ってきた。津波浸水予測図の基になった国の試算は把握していたが、より高精度なシミュレーションを実施し、発電所の安全性に影響がないことは確認していた。結果として津波への備えが不十分で、事故を招いたことについては大変申し訳ないが、何もしていなかったわけではなく、当時の知見でできることはやっていたと考えている。
◆「被害想定外ではなかった」
 「原発と大津波」の著者でサイエンスライターの添田孝史さんの話 津波で浸水被害が出ることが想定外ではなかったことが明白になった。内閣府は「雑な推計だった」と言うが、5、6号機は浸水を免れるなど東日本大震災での被害傾向とも合致する。使いようがあったはずの予測図なのに、全く生かされなかった。東京電力も浸水予測の根拠となった国の津波試算を把握しながら、被害を減らす対策を取らず、試算をつぶそうとする逆方向の努力をしていた。予備バッテリーの購入や非常用発電機の移動など、できる対策はいくらでもあったはずだ。



by asyagi-df-2014 | 2015-06-26 07:22 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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