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沖縄から-辺野古工法変更

沖縄防衛局は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て工法の変更を沖縄県に申請した。
県は、わずか1カ月で審査を済ませ、10月上旬にも承認の予定だという。
 このことについて、沖縄タイムスは、この「変更申請は、名護市との協議などを避ける内容で、稲嶺進市長の権限を骨抜きにする狙いがあり、“名護外し”が鮮明になった。」と、断じている。
 また、10月承認とも伝えられる沖縄県の姿勢について、「申請からわずか1カ月での承認を予定する姿は国との共同歩調そのものだ。容認を通り越して推進派に等しい。『政府の仕事』どころか、県が先導役になっているではないか。世論調査で県民の8割が反対する移設工事を国と共に推進するのでは、沖縄の民意を代表する資格はない。」と、仲井真県政を糾弾している。

 いずれにしても、安部晋三政権の姑息なやり方は、際立っている。
 この間の安部晋三政権の手法は、琉球新報の「沖縄県自ら、沖縄の民意など聴く必要がないと言っているようなものだ。あきれるほかない。」という慨嘆にとどまらず、「すなわち植民地と言うに等しい。」という言葉の領域にすでにたどり着いてしまっている。
 忘れてはいけない、沖縄県議会は9月3日に新基地建設の即時中止を求める意見書を可決したばかりなのである。
 今、日本にとって本当に必要なものは、「沖縄の在り方を決めるのは沖縄の民意であるべきだ。」という地域の自己決定権の確立である。

 以下、沖縄タイムス及び琉球新報の引用。






沖縄タイムス-「名護市外し」鮮明 辺野古設計変更申請-2014年9月4日

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う設計概要の変更申請は、名護市との協議などを避ける内容で、稲嶺進市長の権限を骨抜きにする狙いがあり、“名護外し”が鮮明になった。沖縄県の審査期間は約1カ月半で、11月16日投開票の知事選への影響を念頭に提出時期を探ったとみられる。(政経部・福元大輔)

 防衛局は4月、移設に必要な市長許可や市との協議で計6件を申請。半年がたったものの、市は2件を回答、残り4件を「書類に不備がある」と指摘し、再提出や補正を求めているが、防衛局は応じていない。

 市長が移設に反対していることから、防衛局は早い段階で市の許可を得られなかった場合を想定し、対応を模索していた。

 美謝川の切り替えは、キャンプ・シュワブ内で全工事が済むよう飛行場用地の地下に水路を設置するルートに変更。辺野古ダムのベルトコンベヤー設置は、ダムを迂回(うかい)する既存道路を通行することで、いずれも市との協議が必要なくなる。

 一方で辺野古漁港の使用許可については、市との話し合いを続ける姿勢を見せる。工期通りに計画を進めるには、辺野古漁港を作業ヤードとして使用する必要があるためだ。

 ただ許可が降りない事態も想定し、変更申請では辺野古崎に新たに中仕切り護岸を追加。護岸東側の一部を先行して埋め立て、辺野古漁港の代わりの作業ヤードとして使用するとみられる。もともと埋め立てる予定の場所で、変更申請の手続きは必要なく、今回の申請には盛り込まれていない。

 「両にらみ」で対応することで市長の抵抗をかわす狙いもうかがえる。


琉球新報社説-辺野古工法変更 県は防衛局の出先機関か-2014年9月5日

 沖縄県自ら、沖縄の民意など聴く必要がないと言っているようなものだ。あきれるほかない。
 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て工法の変更を県に申請した。県はわずか1カ月で審査を済ませ、10月上旬にも承認の予定という。
 11月の知事選を待たずに承認するのは、知事選での争点化を避けるためなのは明らかだ。今の知事の任期中に承認を得て、さっさと埋め立てに着手しようとする国も姑息(こそく)だが、県民の民意を問わないように取り計らう県庁とは何なのか。これではまるで「防衛局泉崎出張所」だ。
 この変更は仮設道路建設や水路掘削も含む。環境への負荷を慎重に調査すべきなのは当然だろう。素早い承認は、予定地内の文化財をろくに調査しないままの工事着手を認めることにもなる。
 8月末の岩礁破砕許可も、県は防衛局と時期を調整した上で、政権の要望通りに出した。ひたすら国策に付き従うだけだ。県当局に職業的良心はあるのだろうか。
 仲井真弘多知事は当初、新基地建設は「政府の仕事だ」と述べてコメントを避けていた。だが多角的観点から慎重に審査していた昨年までと、今の県の姿勢の違いは歴然としている。申請からわずか1カ月での承認を予定する姿は国との共同歩調そのものだ。容認を通り越して推進派に等しい。「政府の仕事」どころか、県が先導役になっているではないか。世論調査で県民の8割が反対する移設工事を国と共に推進するのでは、沖縄の民意を代表する資格はない。
 戦後、沖縄の保守は基地の機能拡大には抑制を求めるのが常だった。基地建設を後押しする今の姿は、その伝統とも懸け離れている。
 くしくもこの日、県議会は新基地建設の即時中止を求める意見書を可決した。宛先は国だが、足元の県がそれを裏切っている。県議会の意思を正面から否定するのは、議会制民主主義の否定でもある。
 菅義偉官房長官は知事選の結果がどうであれ、移設を強行する考えを示す。沖縄は民意を聴く必要がない相手、すなわち植民地と言うに等しい。
 政府は知事選の前に作業を進め、「反対しても止められない」と県民に思わせたいのだろう。植民地に無力感を植え付けるのは宗主国の常だ。その思惑に乗せられてはならない。沖縄の在り方を決めるのは沖縄の民意であるべきだ。


by asyagi-df-2014 | 2014-09-07 05:59 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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