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原発問題-川内原発、再稼働審査

 南日本新聞は、2014年7月16日、速報で、「川内原発合格へ 規制委、審査書案を了承」と、伝えた。
 南日本新聞の速報、以下引用。

 原子力規制委員会は16日の定例会合で、再稼働へ向けた審査を優先的に進めている九州電力川内原発1、2号機(薩摩川内市)について、事実上の合格証となる「審査書案」を了承した。昨年7月の新規制基準施行後、電力各社が申請した12原発19基のうち、初めて基準に適合する原発となる。
 今後、技術的な意見を1カ月間募集し、正式な審査書としてまとめる。ただ最終的な合格には、工事計画や保安規定の審査などの手続きが残る。地元の同意も必要なため、再稼働は秋以降になるとみられる。

 また、このことに関して、西日本新聞は、地元様子を「経済界からは『経済が活気づく』と期待の声が上がった。一方、脱原発の市民団体は『住民の不安と疑問に答えていない』と強く反発」と、報じた。
 以下、西日本新聞の引用。

 原子力規制委員会が16日、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の「審査書案」を決定した。再稼働の前提となる合格証の原案に相当するだけに、薩摩川内市の地元業者や経済界からは「経済が活気づく」と期待の声が上がった。一方、脱原発の市民団体は「住民の不安と疑問に答えていない」と強く反発した

■地元
 「こんなにうれしい日はない」。薩摩川内市で民宿経営の御幸(ごこう)博文さん(61)は笑顔を見せた。原発停止が長引き、経済が低迷した街を「死んでいる状態」と感じてきた。規制委の審査開始から約1年。再稼働の見通しが強まったことに「国が認めたのだから、スムーズに再稼働してほしい」と求める。

 一方、地元の脱原発団体「さよなら原発いのちの会」の堀切時子代表(66)は「福島に何も学ばず、川内原発の問題点も何も解決していない。どうしたら再稼働のゴーサインが出せるのか理解できない」と反発。会の市民アンケートでは、再稼働反対の声が多数寄せられたといい、「子どもたちのためにも再稼働を阻止したい」と力を込めた。
■規制委前
 東京都港区の規制委が入るビル前にはこの日、再稼働に慎重な市民約50人が集まり、規制委の判断に疑問の声を上げた。

 経済産業省前のテントで原発反対の座り込みを続けている市民団体代表、淵上太郎さん(71)も駆けつけ「原発の安全を担保するのは規制委なのか、政府なのか。それをあいまいにしたまま再稼働しようとしている」と批判。東京都小平市の主婦、山本恵子さん(81)は「原発も集団的自衛権も同じだが、安倍晋三首相はリスクを一切説明していない」と憤った。
■経済界
 九州の経済界は審査書案の決定を歓迎した。九州商工会議所連合会の末吉紀雄会長(福岡商工会議所会頭)は「残る審査や地元同意の手続きを速やかに進め、国の責任で早期に再稼働することを期待する」との談話を発表。「中小企業は一層の節電は難しく、電気料金の値上げ分も価格などに転嫁できない」と再稼働の必要性を強調した。九州経済同友会の石原進代表委員は「川内原発以外の原発も迅速に審査してほしい」と規制委に要望した。

 また、今後の見通しについて、西日本新聞は、「川内原発新基準「合格」、規制委が『審査書案』決定。再稼働は10月以降に」と、報じた。
 以下、西日本新聞の引用。

 原子力規制委員会は16日、再稼働の前提となる審査を優先している九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を決定した。30日間の意見公募を経て正式な審査書を完成させる。審査を申請している9電力会社の12原発(19基)の中で、新基準に適合するのは初めて。ただ、機器の耐震設計などを確認する審査が残っており、審査終了後には地元了解も必要になるため、再稼働は10月以降になる見通しだ。

 東京電力福島第1原発事故を教訓にした新規制基準が施行されて約1年。安倍晋三政権が「重要なベースロード電源」と位置付ける原発の再稼働問題は、新たな局面を迎える。

 九電は昨年7月8日の新規制基準施行当日に審査を申請。62回の審査を反映し、規制委が地震津波対策や火山対策などを約420ページにまとめた。それによると、九電が耐震設計の基になる基準地震動(最大規模の揺れの大きさ)を540ガルから620ガルに引き上げたのを「最新の科学的・技術的知見を踏まえている」と評価。約3・7メートルから約6メートルに修正した基準津波(最大規模の津波の高さ)は、海水ポンプを津波から守る防護壁(高さ10メートル)などの対策をすることで認めた。

 火山対策では、周辺のカルデラ火山で起きた過去の噴火間隔から「運転期間中の噴火の可能性は十分小さい」とする九電の説明を妥当と判断。16日の会合で地震津波対策を担当した島崎邦彦委員長代理は「火山(対策)に批判があるのは承知しているが、噴火の可能性が小さいということはいえる」と述べた。

 規制委は7月17日から8月15日まで技術的な意見を募集し、8月下旬に正式な審査書を策定。ただ、今後必要な工事計画などの書類提出の準備が遅れており、審査終了は9月以降にずれ込む公算が大きい。終了後の地元自治体の了解取り付けや原発の使用前検査にも1~2カ月かかるため、再稼働は10月以降になる。

 川内原発1号機は1984年7月、2号機は85年11月にそれぞれ運転を開始。出力はともに89万キロワット。

■「安全確保に万全を期す」 九電がコメント

 原子力規制委員会が川内原発1、2号機について新規制基準を満たしているとする「審査書案」を公表したのを受け、九州電力は「当社としては今後とも、原子力規制委員会の審査に真摯(しんし)かつ丁寧に対応するとともに、さらなる安全性・信頼性向上への取り組みを自主的かつ継続的に進め、原発の安全確保に万全を期していく」とのコメントを発表した。

【ワードBOX】審査書案

 原発の基本的な設計方針や安全対策を書いた「設置変更」の申請書が、新規制基準を満たしている根拠をまとめた文書。原子力規制委員会の審査を踏まえた審査終了証の原案になる。審査書が確定すれば、規制委が電力会社に設置変更許可を出す。東京電力福島第1原発事故の反省から策定された新規制基準は、原発から放射性物質が放出される過酷事故対策を義務付けたほか、地震や津波対策も厳格化し、火山の影響評価と対策も初めて盛り込んだ。再稼働には、機器の耐震設計を記した「工事計画認可」と、運転や事故時の対応手順を定める「保安規定認可」の二つの認可も必要。

 さらに、共同通信は、2014年7月16日、「 川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長」とも、報じている。
 以下、共同通信の引用。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は16日の記者会見で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働の前提となる審査に事実上合格したことについて「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない」と述べ、審査は必ずしも原発の安全性を担保したものではないとの認識を明らかにした。地元首長は安全と受け止めており、再稼働に向け地元が受け入れを判断する際に認識の差が課題となりそうだ。

 田中氏は会見で川内原発について「一定程度安全性は高まったことは評価するが、これはゴールではない。九電はますます努力する必要がある」と説明した。


by asyagi-df-2014 | 2014-07-16 21:24 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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