集団的自衛権を考える-01



集団的自衛権を考える-01

 集団的自衛権の問題を書かずに来ました。
 そうしているうちに、事が進められています。
時事通信社は2014年6月8日に、「 集団自衛権、安倍首相が作業加速指示=高村氏「今国会中」決着へ意欲」と次のように報じています。


 安倍晋三首相は8日、首相公邸に谷内正太郎国家安全保障局長らを呼び、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更に関し、22日に会期末を迎える今国会中の閣議決定に向け検討を加速するよう指示した。政府は10日の安全保障法制整備に関する協議会で自民、公明両党に原案を提示し、速やかな合意形成を促す構えだ。
 与党協議会で座長を務める自民党の高村正彦副総裁は8日のNHKの番組で、「会期中にまとめたい。まとまるかどうかは公明党の了解を得なければならない」と述べ、早期の合意に意欲を表明。この後、記者団に「今ぎりぎり、不可能を可能にする努力をしているということだ」と語った。
 一方、公明党の北側一雄副代表は同じ番組で、年末の日米防衛協力の指針(ガイドライン)再改定を「当面の政治課題で一番大きい」と位置付けた上で、「ガイドラインに直結する話は、早く結論を出さなければならない」と語った。
 ただ、集団的自衛権をめぐるこれまでの与党協議に関し、「『国の存立を全うするため』とか、『わが国の安全保障に重大な影響を与える』とか、言い換えるとセルフディフェンスだ」と指摘。「他国防衛ではなく、自国防衛だ」と語り、行使容認のための憲法解釈変更には慎重な立場を重ねて示した。


 この動きに対して、朝日新聞は2014年6月8日付けの社説「集団的自衛権―乱暴極まる首相の指示」で批判を次のように展開しています。


 集団的自衛権の行使を認める閣議決定を今国会中にする。そのための公明党との協議を急ぐように――。安倍首相が自民党幹部にこう指示した。会期末は22日。首相は、延長は考えていないと言っている。
 政府の憲法解釈の変更によって集団的自衛権を認めることはそもそも、法治国家が当然踏むべき憲法上の手続きをないがしろにするものだ。
 それを、たった2週間のうちに行うのだという。認めるわけにはいかない。
 首相の指示を受けて自民党は、行使容認に難色を示す公明党との協議を強引に押し切ろうとしている。
 おとといの協議では、自民党側が終了間際になって、それまで議論されていなかった集団的自衛権にからむ「事例」をいきなり持ち出した。さらに、閣議決定の文案を用意するよう政府側に求めた。
 政府が示した15事例に、どれほどの必然性があるのか、判然としない。公明党を容認論議に誘い込むための「呼び水」という意味合いが強いのに、その検討ですら駆け足ですませようとしている。
 自民党と公明党は、党としての成り立ちも、支持基盤も、重視する政策も異なる。そこから生じる意見の違いを埋めてきたものは何か。
 選挙協力や政策決定への関与といった打算も互いにあるだろう。ただ、少なくとも表向きはていねいな政策協議があってこそだったのではないか。
 自民党は、10年以上にわたって培われてきた公党間の信義をかなぐり捨ててでも、強行するというのだろうか。
 公明党は、それでも与党であり続けることを優先し、渋面を浮かべながらも受け入れるのだろうか。
 安倍首相は、集団的自衛権容認に向けての検討を表明した先月の記者会見で語った。
 「私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきか」
 「今後のスケジュールは、期限ありきではない」
 その後、与党協議や首相の国会答弁で、ペルシャ湾での機雷掃海や、国連決議に基づく多国籍軍への後方支援の大幅拡大などが次々と示された。
 あげくの果てが、いまの国会中に閣議決定するという自民党への指示である。
 与党間の信義という内輪の問題にとどまらない。国民に対してもまた不誠実な態度だ。
 
 このように謀略的政策が着ちゃくと進行させられている中なのですが、ここでは、日弁連の2014年5月30日の「重ねて集団的自衛権の行使容認に反対し、立憲主義の意義を確認する決議」を、まずは集団的自衛権に関する諸問題を捉えるために掲載します。

当連合会は、2013年5月31日の第64回定期総会における「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」において、政府が、従来の確立した集団的自衛権の行使に関する政府解釈を閣議決定あるいは法律の制定によって変更しようとしていることに強く反対を表明した。
 これまで政府は、一貫して、憲法第9条の下における自衛権の行使は、我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)があり、これを排除するために他の適当な手段がない場合に、必要最小限度の範囲のものに限って許容されるものであって、我が国が直接武力攻撃を受けていない場合に問題になる集団的自衛権の行使は、その範囲を超えるものとして憲法上許されないとしてきた。
 ところが、政府は集団的自衛権の行使容認等に向けて、2013年12月に国家安全保障会議(日本版NSC)を設置した上、自衛隊を質・量共に強化し、その活動範囲を広げる等、実力による国際紛争への対処の方向性を強く打ち出し、従来の政府解釈の自衛権行使要件の緩和につながりかねない「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」を閣議決定した。
 そして、自衛隊法や周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(周辺事態法)、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO協力法)等の個別法を改正しようとしている。また、政府は、集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更を閣議決定等によって行う方針を示した。
 さらに現在、政府は、安倍晋三首相の私的懇談会である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告を受け、憲法解釈を変更する閣議決定を行おうとしている。
 このような憲法の基本原理に関わる変更を国民の意思を直接問う手続を経ることもなく、内閣の判断で行うことは、仮に集団的自衛権の行使に「限定」を付して認めるものだとしても、憲法を最高法規とし、国務大臣等の公務員に憲法尊重擁護義務を課して(憲法第98条第1項及び第99条)、権力に縛りをかけた立憲主義という近代憲法の存在理由を根本から否定するものである。立憲主義は、全ての人々が個人として尊重されるために憲法が国家権力を制限して人権を保障するというものであり、近代自由主義国家が共有するものであって、その趣旨は、個人尊重と人権保障にある。したがって、立憲主義の否定は、これらの価値を否定することにつながり、到底容認することができない。
 憲法前文は、全世界の人々の平和に生きる権利を実現するための具体的規範たる平和的生存権を定め、憲法第9条は一切の武力による威嚇・武力の行使を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定して、軍事力によらない徹底した恒久平和主義を実現しようとするものであって、これらは世界に誇りうる先駆的意義を有する。
 憲法の徹底した恒久平和主義の下における外交・防衛政策は、軍事力によるのではなく、あくまでも平和的方法による国際的な安全保障の実現でなければならない。世界各国が相互に密接な経済的依存関係を有する今日、軍事力に頼るのではなく、平和的方法による地域的な共通の安全保障を追求することこそが現実的である。そのとき、世界に先駆けてあらゆる戦争を排した日本国憲法の先駆的意義こそが指針とされなければならない。
 当連合会はここに重ねて、政府が憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることに対し、立憲主義及び徹底した恒久平和主義に反するものとして、強く反対する。
 以上のとおり決議する。
               2014年(平成26年)5月30日
                            日本弁護士連合会


現在の安倍政権による集団的自衛権を憲法解釈で合憲化しようとするやり方は、立憲主義を破壊するものであり、到底許されるものではありません。


# by asyagi-df-2014 | 2014-06-09 06:14 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

第10回竜一忌 「松下竜一の文学」に参加して

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第10回竜一忌 「松下竜一の文学」に参加して

 
 2014年6月7日、中津市の市立図書館で、第10回竜一忌が、開催されました。
 主催者の草根の会は、「竜一忌を今回で最後にする」としていましたので、事前申込者が274名との報告があったように、一抹の寂しさはどこかに漂ってはいたのですが、会場は満員状態で、熱い集会となりました。
 この集会の雰囲気は、8日付の朝日新聞朝刊の次のような記事が、多くの人が実感として感じたものでした。


「梶原さんにご苦労様といいたい。一方で、日本が大事な時に,立ち上がるエネルギーを持っている集まりがなくなるのは寂しい。残念だ」


 また、竜一忌を10年間開催してきた梶原さんと草の根の会の皆さんに、感謝を顕したいという想いも、会場参加者が共有しているものでした。

 梶原さんは、松下竜一という人と同時代を、まさに一緒に闘ってきた人です。
 梶原さんは、自分自身の今ということについて、今回のプログラムとして上映された、『松下竜一・いのちきの思想~同時代を生きた証』(西山正啓監督製作)のなかで、次のようにインタビューに答えていました。

「松下さんが居なくなってからの人生は心許ないが、いつも見られていることを意識しながら、人として失っていけないものを失わないようにしている」(かなりの意訳です)

 竜一忌のこの10年間は、松下竜一の思想とその運動とともにあったことは確かです。
ただ、竜一忌のあったこの10年間は、私達にとっては、梶原さんとともに同時代を生きた期間でもあったとも思っています。

 
 この集会を通した松下さんからの強いメーセージは、『弱者からの視点』ということと『自分の立場をはっきり表明しなければいけない』ということだったと思います。
 現在の置かれている状況のなかで、改めて、このことを問うていかなければならないと受け止めています。
 この「弱者からの視点」ということにかかわって、山家悠紀夫(やんべきくお)さんのリレートークのなかでの「暗闇の思想とアベノミクス」の話は、実に心に響く物でした。        勝手に要約しますと、「安倍政権(アベノミクス)は、成長戦略として第3の矢を振りかざすが、『実態は、企業は天国、99%は地獄へ』という毒矢でしかない」、という明確な分析でした。「成長」よりも「分配」を。そして、松下さんが提唱した「暗闇の思想」に学ぶことだと。
 さらに、「自分の立場をはっきり表明しなければいけない」ということに関しては、渡辺ひろこさんの「『2の日』300回を超えて・・・」のなかの次のような文章がどすんと打ちました。


「87年2月です。4月に松下さんの講演会をしました。その講演の最後を松下さんは、『自分の中の絶望との闘いだと覚悟することです』という言葉で締めくくりました。その日以来、崩れそうな気持ちになるとこの言葉を思い出して、『覚悟はあるか?』と自分を叱咤します」

 どうやら、大切なことは「自分の中の絶望との闘いだと覚悟すること」にあるということのようです。


# by asyagi-df-2014 | 2014-06-08 23:00 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

沖縄で起こっていること-辺野古から2014.06.08


沖縄で起こっていること-辺野古から2014.06.08

 今、沖縄で起こっていること。
 私たちが知らなければならないこと。辺野古から。

 
琉球新報は、2014年6月5日、社説で「海保辺野古警備 民意の圧殺は許されない」と、次のように報じた。


 沖縄県民の民意と行動を何が何でも圧殺しようというのか。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で、防衛省が7月に実施する予定の海底ボーリング調査に向け、海上保安庁は全国から船舶や人員を沖縄に派遣し、周辺海域の警備に当たる方針という。
 普天間の辺野古移設には県民の7割以上が反対している。この民意を踏みにじるように、強権的に物事を進めるのは民主主義国家としてあるまじき姿だ。武断政治的な発想とやり方は断じて容認できない。
 ボーリング調査に向け、政府はキャンプ・シュワブ内にある海保拠点の機能強化に係る経費も2014年度予算の予備費から拠出するほか、刑事特別法も適用して抗議行動を封じ込める方針だ。
 辺野古移設を遮二無二進めようという政府の姿勢が一層鮮明になっている。憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認の動きに象徴される安倍政権の暴走の一端がここにも表れている。
 海保は見張りなどの哨戒活動を行う大型船舶の巡視船を派遣するほか、シュワブ内の拠点施設にゴムボートなどの小型船舶を増やして警備を強化するという。
 日米合意文書「5・15メモ」で米軍活動を妨げない限りは立ち入りを制限しないとしている水域内についても、立ち入りを制限する「継続的活動」に住民らの抗議行動が当たると拡大解釈し、抗議行動を取り締まる構えだ。
 しかし、調査強行は流血の事態に発展する恐れもある。県内外の移設反対の世論を背景に抗議行動する住民らに対し、海保職員らは大義を感じ、誇りを持って警備に当たれるのか。そうは思えない。
 民主的な民意を弾圧するような警備、取り締まりは多くの国民はもとより国際社会の理解も到底得られない。これでは中国の天安門事件も非難できないだろう。
 04~05年に実施されたボーリング調査は抗議行動で長期化し、防衛省は超過料金22億円を業者に支払わざるを得なくなり、会計検査院から経理の不適切さを指摘された。また同じ過ちを犯そうというのか。
 辺野古移設は環境破壊や人心の疲弊と対立、経費面など、あらゆる角度から見て無謀な計画だ。
 政府は辺野古移設の非実現性を悟り、これ以上時間と労力の無駄を重ねるべきではない。普天間県内移設を根本から見直すときだ。


 現在の辺野古の様子を、沖縄タイムスは、2014年6月6日付で「辺野古沿岸で作業『ボーリングとは無関係』」と次のように報じている。


 【名護】新基地建設が予定されている名護市辺野古の沿岸で連日、調査船や警戒船およそ10隻が作業を実施している。5日は11隻の船が確認された。本紙の取材に対し、沖縄防衛局は「測量調査と水域生物調査の船で、ボーリング調査とは関係ない」としている。
 同海域では、防衛局が7月にもボーリング調査を始めるほか、同調査を前にブイの設置も予定されており、今後、調査船や警戒船の数がさらに増える可能性がある。
 5日は埋め立て予定地の東側付近に当たる長島近くの海で、「調査船」や「警戒船」と書かれた横幕が張られた船が作業。一直線に浮かべたブイ3個の周囲などを、ダイバーが潜って調査したとみられる。これまでに少なくとも2日と4日にも、10隻ほどの船による作業が確認されている。
 防衛局によると、水域生物調査の履行期間は11月30日まで、測量調査の履行期間は来年3月31日までで、具体的な調査日は明確にできないという。


 当局は、「抗議行動を取り締まる構え」への強い意思を示している。しかし、このままでは「調査強行は流血の事態に発展する恐れ」も確かにある。
 まずは、状況を知ることから始めなければ。 


# by asyagi-df-2014 | 2014-06-08 10:00 | 沖縄から | Comments(0)

ブラック企業を考える。


ブラック企業を考える。

 沖縄タイムスの6月3日の過労死にかかる社説の「中高年だけの問題ではない。若者を過酷な条件下で働かせ、使い捨てにする『ブラック企業』だ。県内でも沖縄労働局が昨年9月、27事業所を抜き打ち調査。過労死のリスクが極めて高い月80時間超の時間外労働は5事業所、100時間超も3事業所あった」という内容に、はたと気づかされた。
 過労死は、すでに、若者の問題であった。今、取りざたされているブラック企業問題の行き着く場所は、過労死問題でもあったのだ。
 そこで、「過労死」で検索をかけてみた。
 
気になるbusiness journalの次の記事を見つけた。

ブラック企業大賞2013」授賞式の模様
 労働問題に取り組む弁護士や大学教授、労働組合(労組)関係者らが主催し、日本におけるブラック企業の“頂点”を決める「ブラック企業大賞 2013」。昨年に続いて第2回の開催となった同賞の授賞式が8月11日に開催され、ワタミフードサービスが大賞と一般投票賞を受賞した。
 主催者発表によれば、投票総数はウェブ投票と会場投票を会わせて3万501票。ワタミフードサービスがこのうちの72%を占める2万1921票を獲得した。同社代表者は授賞式に姿を見せず、賞状とトロフィー、副賞の労働六法は、主催者の一人が“代理”で受け取った。

●起訴されていないノミネート企業経営者
 ジャーナリストでブラック企業大賞実行委員・竹信三恵子さんは、授賞式の後半で「何をもってブラック企業とするか?」という定義の問題について、「労働者の生存権を脅かす」ことが共通しているとして、次のように説明する。

「法律または法律の趣旨に反した労務管理によって、労働者の生存権を脅かすような人権侵害をしたり、労働者の使い捨てによって利益を上げることがビジネスモデルになっているような企業」

 また、人権をペスト菌にたとえて敵視する企業もあるという。

「基本的人権、人権尊重、人権蹂躙、人権擁護。これは、1度抜けば魔剣の切れ味で相手を黙らせることができる言葉である。この魔剣を振り回す人権教の狂信者が増えている。経営やビジネスといった最も遠い領域にまで、人権というペスト菌が蔓延しはじめている」


 実行委員の1人でルポライターの古川琢也さんの説明によると、これは王将の新人研修などを手がけている企業・アイウィルの社長が、同社の会報誌に書いた内容。古川さんは「(フランス人権宣言以降の)過去300年ほどの人類の歴史を否定している」と言う。

 ワタミも、会社の方針をまとめた「理念集」というタイトルの教典で、「365日24時間死ぬまで働け」という一節を収録している。娘を過労自殺で亡くした遺族は、これを「未必の故意」「殺意」と非難している。

●刑事事件に問えないか?
 だが、違法な労働条件などにより社員が過労死しても、その企業の経営者が刑事事件で起訴されたり、有罪になったという話は聞かない。

 授賞式のあと、今回ノミネートされた企業と同じようなケースで代表者が起訴されたという報道がないかどうか、筆者が新聞記事データベースを使って調べると、1つもヒットしなかった。

 従業員を過労死させたというだけでは、違法にならないからだ。

 労働時間には1日8時間、週40時間までという上限が労働基準法で定められているが、労使が協定を結ぶことで、これを超えて労働(残業)させることができる。ところが、残業時間には法的な上限がないため、過労死基準を超える協定を締結すれば、従業員を過労死させただけでは罪に問えない。

「ブラック企業大賞」実行委員会の佐々木亮弁護士は、会場から「過労死を出したノミネート企業の経営者を、業務上過失致死など刑事事件に問えないのか?」との質問に、次のように答えている。

「『刑事責任の問うほどの過失があったとするのは難しい』と検察官が判断することもあり得る。仮に告訴・告発しても、不起訴になる可能性は高いと思う。(起訴されても)無罪になり、(経営者は)悪くなかったと考えられてしまう懸念もある」

 ではブラック企業に入社してしまったら、どうすればよいのか?

 授賞式の最後で、実行委員の1人で東京東部労組の須田光照書記長は、「こうした企業経営者に対して、1ミリたりとも幻想を持ってはいけない」とした上で、とにかく横のつながりを持てと訴える。

「ブラック企業に入ってしまったらどうするかが問われている。ブラック企業の被害者は自分が悪いと思い込んでいる」

「ブラック企業で働いていても、『緩やかな紐帯』や『連帯』などいろいろな言い方があるが、団結する、つながっていくことだと思う」

「ひどい事例が先行するマスコミにはなかなか載らないが、労働条件を改善させている組合はあちこちにある。展望があると強調したい」

 もし自分がブラック企業の被害者になってしまったら、まずは社外の労働組合や支援組織などに相談することから、突破口が開けるかもしれない。
(文=佐藤裕一/回答する記者団)

 ブラック企業とは、「労働者の生存権を脅かす」ことが共通しており、「法律または法律の趣旨に反した労務管理によって、労働者の生存権を脅かすような人権侵害をしたり、労働者の使い捨てによって利益を上げることがビジネスモデルになっているような企業」であることがわかった。
 
 娘を過労自殺で亡くした遺族の「未必の故意」「殺意」という訴え(叫び)を、どのようにして活かしていくかということが問われている。 また、「自分がブラック企業の被害者になってしまったら、まずは社外の労働組合や支援組織などに相談することから、突破口が開けるかもしれない」ということを、当時者へ働きかける仕組みをどのようにして作っていくのかということでもある。
 


# by asyagi-df-2014 | 2014-06-06 18:00 | 書くことから-労働 | Comments(0)

過労死等防止対策推進法案とは。


過労死等防止対策推進法案とは。



 沖縄タイムスの2014年6月3日の記事を読んでいたら、この日の3日付の社説の「『過労死防止法案』「『国の責務』に実効性を」が目に飛び込んできた。
 以下がその社説である。

 長時間労働によって心身がむしばまれ、過労死や過労自殺に至る悲劇をこれ以上繰り返してはならない。

 遺族らの思いを受け止め、超党派の国会議員連盟の「過労死等防止対策推進法案」が衆院本会議で可決された。参院に送られ、今国会で成立する公算が大きくなった。

 法案では過労死を「業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や精神障害を原因とする死亡や自殺」と定義。防止対策は「国の責務」と明記したのが特徴だ。

 厚生労働省によると、2012年度に過労死と労災認定されたのは123人で3年連続増加、過労自殺(未遂を含む)は過去最多の93人だった。だが、遺族が立証するには限界があり、泣き寝入りがほとんどといわれる。数字は氷山の一角にすぎない。

 過労死の実態は十分把握されておらず、法案では国による調査研究は定義外のケースを含め幅広く取り扱う。遺族らが求めていたことでもある。「勤労感謝の日」を含む毎年11月を啓発月間とし、調査研究結果や対策の実施状況を毎年、国会へ提出する。

 法案は長時間労働などに対する規制や罰則を定めていない。国は具体的な防止策を盛り込んだ大綱の作成を義務づけられている。長時間労働を抑えるための具体策が提示できるかどうかがポイントだ。遺族や労使代表をメンバーとする「防止対策推進協議会」が意見を出すことになっており、遺族の願いに応える内容を取り入れ、実効性あるものにしてもらいたい。
    ■    ■
 衆院厚生労働委員会で採決があった日、「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表が意見陳述した。

 夫は1996年に自殺した。飲食店の店長だった。不況の中、会社の生き残りのため、年間4千時間に及ぶ過重労働を強いられた。会社の業績は回復したが、ノルマには達しなかった。連日パワハラを受け、意に沿わぬ異動を命じられた。うつ病を発症し、投身自殺を図った。

 寺西代表は遺族を代表して「真面目で責任感が強い優秀な人が長時間、過重労働で心身の健康を損ない、命を奪われている」と訴えた。

 中高年だけの問題ではない。若者を過酷な条件下で働かせ、使い捨てにする「ブラック企業」だ。県内でも沖縄労働局が昨年9月、27事業所を抜き打ち調査。過労死のリスクが極めて高い月80時間超の時間外労働は5事業所、100時間超も3事業所あった。
    ■    ■
 日本語の「karoshi」がそのまま英語化していることが象徴するように、日本の労働環境は国際社会から見て人間らしい働き方とかけ離れている。政府は昨年5月、国連社会権規約委員会から過労死や過労自殺への防止策を取るよう勧告を受けている。

 法案の理念と逆行する動きがある。労働時間規制の適用除外とし、残業代を支払わない「ホワイトカラー・エグゼンプション」である。安倍晋三首相が6月の成長戦略の目玉の一つにしようとしている。過労死、過労自殺を生まない長時間労働の是正こそが先でなければならない。

 早速、朝日新聞を検索してみると、2014年5月24日付で、次のような記事がありました。

 働き過ぎで命を失う人をなくそうと、「過労死等防止対策推進法案」が23日、衆議院厚生労働委員会で全会一致により可決された。27日に衆議院を通過し、今国会中に成立する見通しだ。過労死対策は、国に責任があることを初めて法律に明記した。

 超党派による議員立法で、国に対して、過労死の実態や防止策の研究のほか、対策を進めることを求めている。地方公共団体や事業主も協力するように促している。

 具体的には、過労死の実態や対策について報告書(白書)を毎年つくるほか、国や自治体に過労状態の人や家族の相談窓口を設け、過労死問題に取り組む民間団体を支援することなどが盛り込まれている。

 具体策をまとめて過労死防止策の大綱もつくる。労使の代表や専門家だけでなく、過労死遺族の代表が加わる協議会をもうけて、大綱をチェックするようにもする。

 過労死防止法は、過労死遺族や支援する弁護士が2010年から成立を求めてきた。13年6月には超党派の議員連盟が発足し、12月に野党が先行して法案を提出。その後、自民党が修正案を詰めていた。

 23日の委員会には、法制定を求めてきた「全国過労死を考える家族の会」の代表、寺西笑子さん(65)が出席。「過労死は今も増え続けており、相談者は絶えない」などとして、過労死対策の必要性を訴えた。(編集委員・沢路毅彦)

■過労死防止法案の主な内容
・国には過労死防止策を効果的に進める責任がある
・11月を過労死防止啓発月間にする
・過労死の状況や対策をまとめた報告書(白書)を毎年つくる
・具体的な防止策を盛り込んだ過労死防止大綱をつくる
・過労死の実態を調査し、効果的な防止策を研究する
・過労死の恐れがある人や家族が相談できる体制を国や地方自治体が整える
・過労死問題に取り組む民間団体を支援する
・労働者や経営者の代表、専門家、過労死遺族でつくる過労死等防止対策推進協議会をもうける
・必要があるときは、過労死防止のための法制上・財政上の対策をとる

 続いて、毎日新聞は2014年5月27日、「過労死防止法案:衆院で可決、成立へ…傍聴の遺族、喜び」と次のように伝えている。

 過労死や過労自殺の防止対策を国の責務で実施する「過労死等防止対策推進法案」が27日、衆院本会議で可決された。法案は今国会中に成立する見込み。

 法案は超党派の議員連盟が提出。同日の衆院本会議には、家族の遺影を抱いた被害者の遺族ら約30人が傍聴。法案が可決されると抱き合って涙を流した。

 記者会見した過労死防止基本法制定実行委員会の委員長、森岡孝二関西大名誉教授は「法制定で過労死は社会問題であるという意識が生まれる。法制定は極限まで広がっている過労死防止の出発点だ」と訴えた。【東海林智】

 先日の残業代ゼロ問題とからめて、追いかけてみます。


# by asyagi-df-2014 | 2014-06-04 18:00 | 書くことから-労働 | Comments(0)

『月の家』サウンドトラックCDを聞く。

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『月の家』サウンドトラックCDを聞く。

パギヤン(趙博)のホームページのふぁんとつうしん(黄土通信)を覗いたら、『歴史と時代に翻弄されながらも哀しみを抱いたまま大地と共に生き抜く一人の女新宿梁山泊が李麗仙を迎えて描いた忘れてはいけない東アジアの物語サウンド・トラックCDでお届けします。』とのこと、早速購入申し込みをしました。
 6月1日に、CDが届きました。
 どうも、音楽を体で感じるというよりも、活字を拾って頭の中で理解するタイプな者ですから、CDの説明書とパンフレットのイ・ジナさんの文字を追いながら、CDを聞きました。
 それにしても、李麗仙さんの「身世打鈴」をこの目で見たいという思いが募ります。

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# by asyagi-df-2014 | 2014-06-03 18:00 | 新たな経験 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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