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屋良 朝博の「沖縄から問う 基地問題の当事者は誰か? ペリー元米国防長官証言を読み解く」を読む。(1)

 沖縄タイムスは、屋良朝博さん(以下、屋良とする)の「衆院選2017~沖縄から問う 基地問題の当事者は誰か? ペリー元米国防長官証言を読み解く」(2017年9月26日付)を掲載した。
この屋良の提起について考える。
 屋良は、まず、「北朝鮮情勢が緊迫する最中の総選挙なんて、国防、安全保障の最前線といわれる沖縄にとっては首をかしげたくなる政治空白だ。『抑止力のため米軍基地は必要だ』と沖縄にだけ力んで見せるが、実は緊張感がないのでは…。そんな虚構の中で沖縄の基地問題は漂うのだろう。」、と沖縄から見える総選挙の姿を明快に示す。
続いて、本論の「ペリー元米国防長官証言」について、「沖縄基地問題の当事者はいったい誰なのかという真相に迫る決定的な発言だ。」、と次のように指摘する。


「興味深いインタビュー記事が9月14日付沖縄タイムス、琉球新報の両紙に掲載された。普天間返還の日米合意に米国防長官として関与したウィリアム・ペリー氏がNHK番組の収録で沖縄を訪れていた。ペリー氏は、米軍基地の配置について『米国がここに移設しなさいと決定する権利はない』と断言。基地移転先を決めるのは安全保障の観点でも軍事的な理由でもないとして、米軍基地の配置を決めるのは日本政府の政治判断だと言い切った。」


 まさしく、この証言は、これまでの日本政府の見解とは異なるものである。
このことを、屋良は、「日本政府は沖縄の地理的優位性が海兵隊の運用にとって不可欠な要素であるため、海兵隊の航空部隊(普天間飛行場)を沖縄に配置する必要があると説明する。一般的に米国のアジア戦略と日米同盟の目的を掛け合わせ、その運用を最適化するために沖縄に基地を集中させていると思われている。あたかも海兵隊が沖縄の基地を必要としているかのように政府は説明してきたが、ペリー元国防長官の証言は真逆だ。基地をどこに置くかは受け入れ国の政治判断に過ぎないのだ。」、と指摘する。
 


 屋良は、こう続ける。


(1)まぁ、常識的に考えれば、米軍運用のため沖縄を差し出しなさい、と米国が日本に指図するわけがない。日米同盟は賛成、でも基地負担は嫌よ、という破廉恥な安保政策が沖縄問題の真相なのだろう。政府の説明はそれをカモフラージュするために「地理的優位性」「抑止力」といった検証不可能な用語を操っているに過ぎないことが、ペリー証言から浮かび上がる。
(3)正しい情報かあるいはフェイク(偽)、デマなのかを見分けるには、「主語」が明確かをチェックすることだといわれる。沖縄に基地を集中させるのが米政府の意向なのかを確認する必要があるが、実は日本政府はこの問いから逃げている。
(4)仲里利信衆院議員は今年6月に提出した質問主意書で、まさにその真相に迫ろうとした。「政府は、海兵隊は沖縄に駐留すべきだと主張している。この主張は海兵隊を運用する米政府の考えに基づくものなのか、それとも日本政府独自の判断や見解に基づくものなのか明らかにされたい」と問うた。沖縄に基地が必要だと主張するのはいったい誰なのかを明確にせよという質問だ。ところが、同月20日付の政府答弁書にその答えは一切なかった。やや長いが「海兵隊の沖縄配置を決めるのは誰か」に対する回答を引用する。
 “「沖縄は、米国本土、ハワイ等と比較して、東アジアの各地域に近い位置にあると同時に、我が国の周辺諸国との間に一定の距離をおいているという利点を有している。また、南西諸島のほぼ中央にあり、我が国のシーレーンに近いなど、安全保障上極めて重要な位置にある。こうした地理上の利点を有する沖縄に、司令部、陸上部隊、航空部隊及び後方支援部隊を統合した組織構造を有し、優れた機動性及び即応性により、幅広い任務に対応可能な米海兵隊が駐留することにより、種々の事態への迅速な対応が可能となっており、在沖縄米海兵隊は、抑止力の重要な要素の一つとして機能していると認識している」”
(5)この文書には「主語」がない。誰の判断かを問うているのに、沖縄の地理的位置を説明し、海兵隊の組織と任務を大雑把に説明しただけだ。しかもわざわざ米本国やハワイと比べて沖縄は東アジアに近い優位性があると主張する。普通なら例えば鹿児島や熊本など近隣県と比べてどれほどの優位性があるかを明らかにするなら理解できよう。米本国やハワイと比べるなら、日本のどこでも地理的優位性があることになる。


 つまり、沖縄の地理的優位性とは、日本の地理的優位性の大きなくくりの中にある一地域の問題なのである。


 屋良の提起は、「仲里氏の質問主意書は、県外移転の可能性を質している。」、と「抑止力」の問題から「県外移転」の問題へと展開される。
屋良は、続ける。


(1)政府答弁書は「在沖縄米海兵隊の沖縄県外への一括移転については、一般的には、沖縄ほどの地理的優位性が認められない、広大な土地の確保に多大な時間を要するといった問題点があるものと認識している」としている。
(2)一般的な地理的優位性とは、太平洋の向こう側と比較するほどいい加減なのだから、まるで説得力がない。さらに「広大な土地の確保に時間がかかる」というが、広大とはいったいどれほどの面積なのか不明だし、国土面積のわずか0.6%の沖縄で確保できて、本土で確保できないなんてありえない。また、本土移転に「時間がかかる」というが、普天間飛行場の返還に合意した1996年から20年以上が経過している。
(3)かつて政府系シンクタンク、総合開発研究機構(NIRA)が北海道苫小牧東部の産業開発地区を海兵隊基地として整備し、沖縄の大規模な負担軽減につなげようという計画書をまとめたことがある。結局、日の目を見ることなくこの構想は握りつぶされる。安全保障の負担を分かち合おうという発想がこの国にはないばかりか、基地配置が政治判断であるにもかかわらず、沖縄の過重負担を「地理」のせいにする。


 ここで、「北海道苫小牧東部の産業開発地区を海兵隊基地として整備し、沖縄の大規模な負担軽減につなげようという計画書をまとめたことがある。」、と言う指摘を初めて知る。
屋良の「安全保障の負担を分かち合おうという発想がこの国にはないばかりか、基地配置が政治判断であるにもかかわらず、沖縄の過重負担を『地理』のせいにする。」、との批判が臍を突く。


 また、屋良は、今回の「ペリー元米国防長官証言」と同様な発言をした日本政府高官の話を紹介する。


(1)ペリー氏が述べた真実と同じことを日本の元防衛大臣も証言したことがある。民主党政権で民間人として防衛大臣に登用された森本敏氏は2012年暮れの離任会見で、沖縄の海兵隊配置は軍事的な理由ではなく、政治的な判断であることを明言した(森本氏はその後、沖縄が軍事的にも最適だと自らの発言を修正している)。
(2)日本政府の当局者として地理的優位性ではない本当の理由を明かしたのは森本氏が初だった。筆者は当時、この発言に触れたとき、ついに沖縄基地問題の真相が明かされると興奮したのだが、その考えは甘かった。国内メディアは森本発言にほとんど関心を示さず、政治家も沖縄問題そのものに関心がなかった。沖縄の基地問題はこの国にとって所与のものであり、既成事実をひっくり返すのが面倒なのだろう。


 屋良は、今回の「ペリー元米国防長官証言」について、次のように押さえる。


(1)今回のペリー発言も本来なら政府の説明がデマであることを立証する内容なのだが、この情報は決して本土へ伝播しないため、政治的なインパクトを持ち得ない。真実よりも為政者が積み上げる既成事実が優先される。
(2)おそらく今回の衆院選もあっという間に過ぎ去り、基地問題の真実が議論されることはないだろう。辺野古埋め立ての賛否は問われるだろうが、新滑走路を使う海兵隊の駐留をめぐる是非は議論されない。海兵隊が駐留するから普天間の代替施設として辺野古埋め立てが必要で、那覇軍港の浦添移転、高江ヘリパッド、倉庫群の沖縄市・読谷村への移転が必要になる。
(3)特定の基地を狭い沖縄で並行移動する旧来の負担軽減策ではなく、施設を使う部隊そのものを動かせないかどうかを議論する方がよっぽど合理的なはずだが、それが選挙の争点にはならない。その理由は政治家が避けているか、あるいは議論を収斂(しゅうれん)できていないかのいずれかだろう。


屋良は、この上で、次のように訴える。


(1)沖縄タイムス9月24日付2面の連載「始動短期決戦2017衆院選」第5回は、政府与党の思惑を分析している。辺野古埋め立て承認の取り消し請求訴訟で翁長県政が敗訴したことで、政府は埋め立てもやむなしとする世論を広げたいところだ。自民党本部サイドは「仕方なく辺野古を認める県民に、自民党候補が現状をしっかり説明せず曖昧なことを言うほど見放され、票は減る」と発破をかけている。
(2)政府答弁書のような内容を「しっかり説明」するならば、自公の与党候補は米本国やハワイより沖縄が東アジアに近いのだから辺野古埋め立てもやむを得ない、と有権者に訴えることになる。そんなまやかしの選挙を何度繰り返すのだろうか。ペリー氏が証言した真実を正面から受け止める覚悟が政治家にあるかどうかが問われるべきだ。
(3)米軍に基地を提供するために、美しい辺野古の海を埋め立てる政策が唯一の選択肢であるはずがない。将来を見据えた解決策を政治の責任で提示し、有権者の信を問うてほしい。


 確かに、次のことを確認できる。


Ⅰ.基地をどこに置くかは受け入れ国の政治判断に過ぎない。
Ⅱ.日米同盟は賛成、でも基地負担は嫌よ、という破廉恥な安保政策が沖縄問題の真相。
Ⅲ.政府の説明はそれをカモフラージュするために「地理的優位性」「抑止力」といった検証不可能な用語を操っているに過ぎない。
Ⅳ.安全保障の負担を分かち合おうという発想がこの国にはない。また、真実よりも為政者が積み上げる既成事実が優先されるように日本の民意度は低い。
Ⅴ.米軍に基地を提供するために、美しい辺野古の海を埋め立てる政策が唯一の選択肢ではない。


 そして、今回の総選挙に必要なのは、ペリー氏が証言した真実を、市民の一人ひとりが受け止め、逆に政治家へその真実を正面から受け止める覚悟があるかどうかを問うことである。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-30 06:00 | 米軍再編 | Comments(0)

オスプレイ、新石垣空港に緊急着陸。(1)

 オスプレイの新石垣空港への緊急着陸について、沖縄タイムスは2017年9月29日、「石垣空港管理事務所によると、米軍のMV22オスプレイ1機が29日午後4時57分に新石垣空港に緊急着陸した。その後、もう1機も着陸し現在、2機が滑走路に駐機しているという。防衛省が所属などを確認している。県議会中に報告を受けた翁長雄志知事は『「けしからんとしか言えない。調査してお話ししたい』」と述べた。県議会で記者団に語った。」、と報じた。
また、琉球新報は同日、次のように報じた。


(1)県空港課に入った連絡によると、29日午後5時前、南ぬ島石垣空港に米軍普天間飛行場所属の米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ2機が相次いで着陸した。県によると、29日午後4時50分ごろ、石垣空港事務所から「オスプレイは石垣島周辺で訓練を行っていたが、機体の調子が悪くなり、石垣空港に着陸するかもしれない」という連絡があった。」
(2)石垣空港事務所によると、午後4時50分ごろ、米軍から「トラブルが発生し緊急着陸する」という連絡があったという。オスプレイ2機は午後4時57分と午後4時59分に着陸した。
(3)原因の詳細は明らかになっていないが、沖縄防衛局には米軍から「警告灯が点灯したため、通常の手順に従い予防着陸をした」という報告があったという。
(4)県によると、県職員が現場で確認したところによると、故障した1機の右エンジンからオイルが漏れているように見えるという報告があったという。
(5)この影響で石垣空港の滑走路は29日午後5時11分から47分まで30分余りにわたって閉鎖された。このため、羽田空港発石垣行きの日本トランスオーシャン航空(JTA)の1便が宮古空港に目的地変更(ダイバート)した。同便は宮古空港で給油後、1時間半遅れで石垣空港に着陸した。
(6)翁長雄志沖縄県知事は県議会中に報告を受け、議会終了後記者団に「詳細がまだわからないが、普通に考えれば、けしからん。今から詳細を確認したい」と語った。さらに29日夕方、翁長知事は会見し、「一つ一つ繰り返されることがほんとうに憤慨に堪えない。こればっかりは絶対に撤回してもらわないといけない」と語気を強めた。また「100回、200回ではきかないのではないかと思うくらい、原因究明とその報告などとを申し入れるがこのような状況が続いている。そういう意味からすると、大変残念で憤りと、もう本当にどうしようかな、という思いを持ちつつも、これからまたしっかり強く抗議なり、要請なりをしていきたいと思っている」と週明けにも上京による抗議を含めて検討する意向を示した。
(7)一方、宜野湾市の佐喜真淳市長は「我々は1日も早い普天間飛行場の返還を望んでいる。事故や緊急着陸が起こったことは、原因究明はもとより絶対に起こしてはならないことなので、市民に不安を与えるようなことは絶対にやめてほしい」と話した。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-29 21:47 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野 高江-から-2017年9月29日

 「沖縄戦の『集団自決』(強制集団死)での日本軍による強制を示す記述を削除した検定意見の撤回を求める沖縄県民大会が2007年9月に開かれてから、29日で10年となる。」、と琉球新報。
 しかし、「『日本軍の強制』を示す記述は復活してない。」。
 端的に、日本という国の劣化を示す。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年9月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「軍が強制」の記述は復活せず 沖縄戦の「集団自決」 教科書検定の県民大会から10年-2017年9月29日 07:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「高校の歴史教科書から、沖縄戦の『集団自決』(強制集団死)での日本軍による強制を示す記述を削除した検定意見の撤回を求める沖縄県民大会が2007年9月に開かれてから、29日で10年となる。『歴史の改ざんだ』と県民から抗議の声が上がり、文部科学省は07年12月に記述を『日本軍の関与』として部分的に認めたが、『日本軍の強制』を示す記述は復活してない。」
②「文科省が06年度検定で『「集団自決』の強制の記述を削除した背景には、慶良間諸島に駐留していた元日本兵や遺族らが『沖縄ノート』の著者・大江健三郎さんと版元の岩波書店を訴え『集団自決』の軍命の有無などを争った『大江・岩波』裁判があった。元日本兵らが『軍命はなかった』と裁判で陳述した。この裁判は『新しい歴史教科書をつくる会』の活動に代表される、従軍慰安婦や南京大虐殺などアジア太平洋戦争での日本の加害性を薄める歴史修正主義の流れに位置付けられる。高嶋伸欣琉球大名誉教授は『南京大虐殺などに続き、歴史修正主義の矛先が【集団自決】に向いた』と指摘する。」
③「文科省と検定審議会は、裁判でのこの陳述を参考に『沖縄戦の実態を誤解する恐れがある』との検定意見を付け、高校歴史教科書の5社7冊から『集団自決』での『日本軍の強制』を示す記述を一斉に削除させた。県内で抗議が広がり、県民大会には11万6千人が結集し、検定意見撤回と記述回復を求めた。」
③「県民大会後の同年10月、渡海紀三朗文科相(当時)は再修正を認める考えを示し、各教科書会社も再修正作業に入った。しかし文科省は『強制』の明示を認めず、各社は文案を何度も練り直す。ある社の編集者は『文科省は具体的に【こう直せ】とは言わないが、意図する記述に誘導するように修正を求めてきた』と調整の厳しさを語った。」
④「結局、07年12月に多くの社が、日本軍が住民に教育や宣伝をしていたことや手りゅう弾を配ったことに触れ、住民が『集団自決』に『追い込まれた』という記述で検定に合格した。検定意見の撤回はなされず、07年12月に文科省は『軍の命令によって行われたことを示す根拠は、現時点で確認できていない』とする『検定審議会の基本的なとらえ方』を出す。現在も『集団自決』を巡る記述はこの基準を基に判断されている。」
⑤「10年を迎えた今、実教出版教科書の執筆に携わった石山久男さんは『文科省の決めた枠内でしか記述できない。根本的解決には検定意見の撤回しかない』と語気を強めた。」


(2)琉球新報-チビチリガマ荒らしで特別決議 読谷村議会「戦争犠牲者への冒涜」-2017年9月28日 18:25


 琉球新報は、「沖縄戦で住民が『集団自決』(強制集団死)に追い込まれた沖縄県読谷村波平の自然壕チビチリガマが荒らされた事件で、読谷村議会(伊波篤議長)は28日午後、『チビチリガマ損壊事件に対する特別決議』を賛成多数(賛成13人、反対5人)で可決した。」、と報じた。
 また、「特別決議では、チビチリガマ損壊について『戦争犠牲者に対する冒涜(ぼうとく)である』と批判した上で、『戦争の悲惨さ、チビチリガマの悲劇を語り継ぎ、一切の暴力を拒否し、【平和に勝る福祉なし】を目標に御万人とともに奮闘することを宣言する』としている。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-鳩山元首相、辺野古初座り込み 「米国の意のまま目の当たりに」-2017年9月29日 14:53


 沖縄タイムスは、「29日午前8時45分、米軍キャンプ・シュワブゲート前で新基地建設に反対する市民ら約10人が機動隊に強制排除された。午前8時54分から40分間、ゲート内に工事車両約75台が入り、約55台が出た。正午から約20分間は約40人が機動隊に強制排除され、ゲート内に資材が搬入された。座り込みには、たびせん・つなぐ(東京都・大西健一代表)が企画した旅行でゲート前を訪れたメンバーと、ツアーに同行した元首相の鳩山友紀夫さんも参加。初めて座り込んだという鳩山さんは『米国の意のままに動かされている政治を目の当たりにした』と話した。」、と報じた。
 また、「シュワブ沿岸の『N5』護岸予定地では午前、石材の入った網袋をクレーンで積み上げる作業やダンプカーが運んできた砂利を重機で地ならしする作業が確認された。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-防衛局の報告遅れを批判 翁長知事、辺野古のサンゴ死滅で-2017年9月29日 09:37


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設の埋め立て予定地で希少なサンゴ14群体が見つかったことに、翁長雄志知事は28日の県議会9月定例会代表質問で、沖縄防衛局から県への報告が、13群体の死滅後だったことから『大変遺憾だ』と批判した。比嘉瑞己氏(共産)に答えた。」
②「大浜浩志環境部長は、サンゴを確認した時点で県へ報告があれば『専門家の助言を受け、何らかの保全策を検討できた可能性がある』と問題視。謝花喜一郎知事公室長は今後、防衛局へ対応が遅れた理由などを照会する考えを示した。」
③「防衛局は27日の環境監視等委員会で、環境省レッドリスト掲載のオキナワハマサンゴ2群体とヒメサンゴ12群体を7月に発見したが、大方が白化しており、9月1日までに13群体が死滅、消失したと報告した。」
防衛局、協議要請へ
④「名護市辺野古の埋め立て予定地で発見された希少サンゴについて、沖縄防衛局は28日、県へ移植のための特別採捕許可を申請する方針を伝えた。29日に県庁を訪れ、申請に向けた協議を開始したい意向だが、県は話し合う環境が整っていないとして応じない構えだ。」
⑤「県は、防衛局の報告がサンゴの発見から2カ月近くかかり、その間に14群体のうち13群体が死滅したことを問題視。早急に環境や法律の専門家と対応を協議する考えだ。県水産課によると、防衛局は今回見つかったうち、環境省の「海洋生物レッドリスト」で絶滅危惧2類に分類された『オキナワハマサンゴ』だけの移植許可申請を予定しており、他のサンゴへの言及はなかったという。特別採捕許可の可否は、県漁業調整規則に基づき翁長雄志知事が判断する。県は採捕許可を、工事を止める『知事権限』の一つに上げている。」


(5)琉球新報-米軍機が低空飛行繰り返す 名護市辺野古 ゲート前、鳩山元首相が訪問-2017年9月29日 14:04


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【辺野古問題取材班】名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ付近上空で29日午前9時ごろ、米軍ヘリが低空飛行を繰り返すのが確認された。シュワブゲート前で新基地建設に反対し座り込んでいた市民らは『なぜこんな飛び方をするのか』『近すぎる』などと怒りの声を上げた。」
②「29日午前9時ごろ、シュワブ内から低空飛行してきた米軍ヘリはシュワブゲート付近の国道329号を沿うように飛行し、シュワブ内へ向け旋回した。米軍ヘリの旋回は沖縄工業高等専門学校付近のシュワブ内にあるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)でも確認された。高専の校舎を中心に複数回にわたって旋回し、付近のヘリパッドで離着陸を繰り返した。」
③「ゲート前では市民ら約50人が座り込んで抗議した。午後0時40分までに砕石を積んだ大型トラックなどの工事車両132台が2回にわたってシュワブ内に入った。その際、機動隊が市民らを排除した。」
④「ゲート前には鳩山由紀夫元首相が駆け付け、市民らと共に座り込み、機動隊が市民を強制的に移動する様子を確認した。鳩山元首相は『日本という国がガタガタ崩れていく現場をゲート前で見ることができた。米国の言うままに動かされる、まさに現在の日本の政治の姿だ』」と指摘した。続けて『軍事基地は日本から撤去しなければならないのに、新基地建設を進める日本政府はおかしい』と新基地建設を強行する日本政府のやり方を批判した。」
⑤「シュワブ沿岸部の『N5護岸』建設予定地付近の仮設道路では、作業員が袋詰めされた砕石を投下する作業が確認された。新基地建設に反対する市民らは抗議船2隻と少なくともカヌー8艇で抗議を実施した。」


(6)琉球新報-「できる限りの移植努める」 小野寺防衛相 辺野古絶滅危惧種サンゴ対策で-2017年9月29日 12:20


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】小野寺五典防衛相は29日の閣議後会見で、名護市辺野古の新基地建設を巡り、防衛省が従来は移植対象ではなかったサンゴを移植する手続きを進めていることについて『現行の移植基準にかかわらず、できる限り移植するよう努めることとした』と、条件を緩和したことを説明した。」
②「防衛省は27日、環境省が海洋生物レッドリストに指定した絶滅危惧種のサンゴ『オキナワハマサンゴ』が辺野古の埋め立て予定地から見つかったと発表した。これまで埋め立て予定地のサンゴの移植対象条件は『被度5パーセント以上で0・2ヘクタール以上の分布域内の長径10センチ以上のもの』と定めていた。今回見つかったサンゴのうち生存するオキナワハマサンゴ1群体は長径6・5センチで、従来は対象外だった。防衛省は移植に向けて県知事から特別採捕許可を得るため調整を始めている。」
③「サンゴの特別採捕許可は工事を止める知事権限の一つとされている。小野寺氏は工事への影響について『移植をする形で適切に対処したい』と述べるにとどめた。」


(7)琉球新報-うるま市議会、与野党抗議決議それぞれ可決 オスプレイ豪墜落 与党「安全性確保までの飛行停止」 野党「配備撤回」-2017年9月29日 13:41


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【うるま】米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV―22オスプレイのオーストラリア沖墜落を受け、うるま市議会(大屋政善議長)は29日の定例会で、市政与野党からそれぞれ提出された意見書と抗議決議をいずれも賛成多数で可決した。文書は各関係機関へ郵送されたほか、今後沖縄防衛局への手交も予定されている。」
②「いずれの意見書と抗議決議も事故原因の徹底究明と関連情報の速やかな公開、日米地位協定の抜本的な改定を求めた。」
③「市政与党の文書では『オスプレイの安全性が確保されるまで、同機種全機の飛行を停止』『普天間基地の1日も早い閉鎖返還と閣議決定された【5年以内運用停止を実現】』と盛り込んだ。一方、市政野党は『普天間基地所属MV―22オスプレイの飛行を一切中止し、直ちに配備を撤回すること』とした。」




by asyagi-df-2014 | 2017-09-29 18:26 | 沖縄から | Comments(0)

社説、論説から。~東京新聞20170922~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。



 今回は、東京新聞2017年9月22日付の社説。
東京新聞は(以下、東京とする)、「消費税の使途 安倍さん、自己否定だよ」、と安倍晋三政権への批判を明確にする。
安倍晋三政権については、「否」の気持ちが非常に強く、その割にはその実態を精査する気持ちを失いがちである。
東京は、「アベノミクスの自己否定」、と安倍晋三政権の本丸を次のように攻める。


(1)首相は二十八日に召集する臨時国会の冒頭で衆院を解散する意向といわれる。併せて二〇一九年十月に消費税率を8%から10%へ予定通り引き上げること、増収分の使い道について財政再建に充てる分を減らして教育無償化などに財源を回す考えを明らかにする方針だ。
(2)財政健全化目標の国際公約である「基礎的財政収支(プライマリー・バランス=PB)の二〇年度黒字化」についても、達成時期の先送りを表明する見込みだ。
(3)アベノミクスは、成長によって税収を伸ばし、その果実で経済を再生して、世界最悪の財政も再建させるとしてきた。当初は税収が増え、日銀の超低金利政策もあり、消費税増税を二度延期するといった財政規律のなさでも何とか財政運営は回ってきた。
(4)しかし、昨年度は税収が減少に転じた。異次元の金融緩和も物価上昇目標を達成できず、アベノミクスの行き詰まりは明らかだった。首相はこれまで「道半ば」と繰り返すばかりだったが、もはや通用しない状況だと自覚すべきだ。
(5)PB黒字化達成時期の先送りに追い込まれたことは国債の格下げリスクや異次元緩和の出口戦略をさらに困難にする恐れがある。
(6)問題はほかにもある。消費税の使途変更は民進党の前原誠司代表が訴えてきたものだ。首相が同じような公約を唐突に言い出したのは衆院選の争点つぶしが狙いだろう。与党で議論したこともなく、自民党内から「思いつきでいわれても、そうですかとはいかない」と不快感を表す声さえ上がった。


 確かに、次のことが言える。


(1)「消費税の使途変更は民進党の前原誠司代表が訴えてきたものだ。首相が同じような公約を唐突に言い出したのは衆院選の争点つぶしが狙い」であること。
(2)「PB黒字化達成時期の先送りに追い込まれたことは国債の格下げリスクや異次元緩和の出口戦略をさらに困難にする恐れがある」こと。
(3)側近が書いた通りの「思いつき」発言であるらしいこと。


 そして、東京の次の指摘が重たい。


「百歩譲って、野党の政策でも国民が望むなら政権党として実現を目指すというならまだしも、問題なのは看板は同じでも中身は国民が求めるのとは違うものに都合よく変えてしまうことだ。」



by asyagi-df-2014 | 2017-09-29 07:51 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野 高江-から-2017年9月28日

 名護市辺野古の埋め立て予定地に、絶滅危惧種のオキナワハマサンゴなど14群体が見つかった。  
「全14群体のうちオキナワハマサンゴ1群体を除く13群体が死滅、消失していた。」、と琉球新報。また、「防衛省は今後、移植のために特別採捕許可の申請を知事に行う。」、と。
「委員からは工事との因果関係について質問があったが、防衛省は影響を否定した。同省は今後も工事を継続する」、とのこと。
 日本政府は、工事との因果関係をまず説明しなければならない。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年9月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-辺野古で絶滅危惧サンゴ発見 防衛省、県に特別採捕許可申請へ-2017年9月27日 14:21


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て予定地に絶滅危惧種のオキナワハマサンゴなど14群体が見つかったことが27日、分かった。全14群体のうちオキナワハマサンゴ1群体を除く13群体が死滅、消失していた。防衛省は周辺では陸上工事のみ実施しているとして工事の影響による死滅を否定した。防衛省の調査で絶滅危惧種のサンゴが発見されたのは初めて。防衛省は今後、移植のために特別採捕許可の申請を知事に行う。」
②「護岸工事はサンゴに影響しないとして続行する方針。だが埋め立て予定地に絶滅危惧種のサンゴが見つかったことで、工事の進展に影響が出る可能性もある。」
③「沖縄防衛局が27日、防衛省で開いた環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)で委員に説明した。発見場所は防衛省が今後施工するK1護岸とN5護岸の間の海域で、サンゴの保護のために詳細は明らかにしていない。防衛省は環境省が3月に海洋生物レッドリストを公表したことを受け、6月からK1護岸とN5護岸の間の海域で調査を実施した。7月に絶滅危惧Ⅱ類のオキナワハマサンゴ2群体、準絶滅危惧のヒメサンゴ12群体を発見し、この海域内の調査を終えたため27日の同委員会で委員に説明した。」
④「委員からは工事との因果関係について質問があったが、防衛省は影響を否定した。同省は今後も工事を継続するとしており、委員からはサンゴへの影響がないよう留意して工事を進めるよう要望があった。」


(2)琉球新報-衆院解散に批判も 辺野古新基地、80人が抗議-2017年9月28日 15:34


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設で28日、米軍キャンプ・シュワブ沿岸では『N5』護岸建設予定地付近で、仮設建設道路のため袋に入った採石を積む作業が続いた。『K1』護岸建設予定地付近では、作業員がコンクリートブロックの上にH鋼を設置する作業を続けた。建設に反対する市民は、抗議船2隻とカヌー10艇を出し、抗議した。午前11時ごろまでに、カヌー延べ8艇が拘束された。」、と報じた。
 また、「シュワブゲート前では、約80人が座り込み抗議の声を上げた。衆院が正午すぎに解散となったのを受け、安倍晋三首相の政権運営に批判の声が相次いだ。読谷村の60代男性は『なぜ解散するのか。いつまでも首相(の座)にすがりたい。ただそれだけだ』と否定的な立場を示した。」、と報じた。


(3)琉球新報-サンゴ、ジュゴン影響を議論 辺野古環境監視等委員会-2017年9月27日 11:09


 琉球新報は、「【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に関し、沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)が27日午前、防衛省で開かれた。工事による移植が検討されるサンゴ類、国の天然記念物ジュゴンへの工事の影響などが議論されている。防衛局はサンゴやジュゴンなどの調査について、県や関係自治体と協議を続けているとした。」、と報じた。


(4)琉球新報-AAアワード2017、山城知佳子さん大賞 基地問題映像に-2017年9月28日 07:30


 琉球新報は、「国際的な活躍が期待される若手アーティストに贈られる『Asian Art Award(アジアン・アート・アワード)2017』の選考結果が27日発表され、映像作家・美術家の山城知佳子さん(41)=那覇市=が、ファイナリスト5組の中から初代大賞に選ばれた。受賞したのは16年に発表した『土の人』を三面スクリーンから一面スクリーンに再構成した作品。韓国・済州島と沖縄を舞台に、軍事基地を抱える地域の苦悩を寓話(ぐうわ)性を盛り込んで描いた。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-不発弾103発 きょう爆破処理 那覇空港沖-2017年9月28日 08:00


 沖縄タイムスは、「ことし4~5月に那覇港湾内で見つかった81ミリ迫撃砲弾など不発弾103発の水中爆破処理作業が28日午前8時から、那覇空港沖である。正午に終了予定。処理現場から半径3キロは遊泳などで海に入ることが禁止され、半径300メートルは船舶の航行も禁止される。住民や事業者の避難はなく、航空機の運用にも影響はない。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-長寿と新基地建設の中止願う 辺野古ゲート前で、島袋文子さんの米寿祝い-2017年9月27日 13:35


 沖縄タイムスは、「旧暦8月8日の27日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で、辺野古新基地建設に対する抗議行動に連日参加している名護市辺野古住民の島袋文子さん(88)のトーカチ(米寿)祝いが開かれた。400人以上が集まり、歌や踊りで島袋さんの長寿と基地建設の中止を願った。歌手の古謝美佐子さんもサプライズで登場。島袋さんは『これからも頑張ります』と笑顔で語った。」、と報じた。  
 また、「海上では、シュワブ内の辺野古崎西側の『N5』護岸、『K1』護岸付近で仮設道路の工事が進められたほか、北側の『K9』護岸沖合の台船からオイルフェンスを降ろす作業が確認された。新基地建設に反対する市民が船3隻、カヌー8艇で抗議。カヌー隊は一時拘束された。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-「撤回は国の動き勘案」 辺野古埋め立てで、沖縄県が答弁-2017年9月27日 14:50


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県議会(新里米吉議長)9月定例会の代表質問が27日、始まった。謝花喜一郎知事公室長は、名護市辺野古の新基地建設を阻止するための埋め立て承認撤回の時期に関し、撤回の根拠を検討していることを明かした上で『国の動きなど、全体的な流れを勘案しながらしっかりと対応したい』と述べた。」
②「また、国を相手に工事の差し止めを求めている訴訟で、県が追加請求として国には岩礁破砕許可を得る義務があることの確認を求めたことに関し、『請求追加により漁業権の存否など、本質的な争点の審理可能性を高めることができる』と意義を説明した。いずれも末松文信氏(沖縄・自民)への答弁。」
③「県は冒頭、衆院解散に伴う総選挙関連で、歳入歳出に総額約7億3400万円を追加する一般会計補正予算案を提出した。」


(8)沖縄タイムス-ペリー元米長官が見た沖縄 米政府に何を伝えるか-2017年9月27日 11:19


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「クリントン政権時代の1994年から97年まで国防長官を務めたペリー氏は、沖縄では米軍普天間飛行場の移設問題に深く関わった人物として知られている。米国では、2007年に『「核兵器のない世界』を提唱した核戦略の専門家として広く知られており、今も米主要テレビ局の番組によく出演する米市民にはなじみの『顔』だ。」
②「現政権に対しても影響力のあるペリー氏は、現在、国防総省が進めている核戦略態勢の見直し(NPR)においても、マティス国防長官のアドバイザーとして活躍。マティス氏は、上院歳出委員会が6月に開いた公聴会で、ペリー氏から米軍の核兵器部隊の歴史や役割を学び、核兵器が決して使用されることがない抑止の在り方についても検討しているなどと証言した。」
③「オバマ前大統領は2010年の核戦略態勢の見直しで、東アジアに危機が訪れた際、必要に応じて再配備できる態勢を維持すると明記。トランプ政権は、威力ある小型核兵器などで核戦力態勢の増強を検討しているとの見方もある。」
④「ペリー氏を沖縄に招いたNHKは、10日に放映したドキュメンタリー番組『沖縄と核』の中で、1959年6月に米軍統治下時代の米軍那覇サイト(現・那覇空港)に配備されていた核ミサイル『ナイキ・ハーキュリーズ』が、核弾頭を搭載したまま誤発射されたとみられる事故が起きていたことを明らかにした。」
⑤「当時、核弾頭を含むミサイルの整備を担当していた元陸軍兵は番組の中で『もし核爆発を起こしていたら那覇の街が吹き飛んでいただろう』と証言している。秘密裏に迎えた当時の危機は回避されたが、沖縄の核兵器は62年のキューバ危機後も増え続け、67年には1300発に達した。」
⑥「極めて重大な緊急事態が生じた際に沖縄に核の再配備を認めた密約『佐藤・ニクソン合意議事録』(69年11月)は、『嘉手納、那覇、辺野古ならびにナイキ・ハーキュリーズ基地』を『いつでも使用できる状態に維持』するよう指示している。『辺野古』とはキャンプ・シュワブに隣接する辺野古弾薬庫だ。」
⑦「日本は日米安全保障条約で『核の傘』を手にしたが、核が配備されることで標的となるリスクは沖縄に押し付け、米軍基地は沖縄に集中していった。米国の核戦略のために沖縄に米軍基地が集中していった歴史を熟知するペリー氏は、米軍が国益という名の下に闇に葬っていた史実をマティス氏にどう語ったのか。そして自分の目で見た沖縄や『辺野古』について何を伝えるのか。」
⑧「闇の深さは、光に照らされなければわからない。果たして沖縄に核が再配備される可能性はあるのかとトランプ政権高官に聞くと、肯定も否定もしないまま笑顔を浮かべた。」(米国特約記者・平安名純代)




by asyagi-df-2014 | 2017-09-28 20:57 | 沖縄から | Comments(0)

社説、論説から。~琉球新報20170921~

全国の新聞社の気になる社説、論説を不定期に取り上げて考える。
多くの内容は、「社説・論説-47NEWS」からの紹介となる。




 今回は、琉球新報2017年9月21日付の社説。
新報は、まず、沖縄県が負わされている実態を次のように示す。


「嘉手納基地では7月までの4カ月間で、1万8799回の離着陸(タッチ・アンド・ゴーや通過、旋回を含む)があった。そのうち騒音防止協定で飛行が制限されている午後10時から午前6時までの夜間・早朝は647回だった。普天間飛行場では5084回の離着陸があり、夜間・早朝は224回だった。」


 新報は、この事実を基に、「沖縄防衛局が米軍嘉手納基地と普天間飛行場で、今年4月から実施している24時間の航空機離着陸調査の結果からも、騒音規制措置(騒音防止協定)が有名無実化していることがはっきりした。」、と結論づける。
 この上で、「住民生活への重大な影響を一顧だにしない米軍の姿が改めて浮き彫りになった。夜間・早朝の爆音放置は許されない。安倍政権は自ら約束した『沖縄の負担軽減』を県民が望む形で実現する責任を自覚し、改善すべきだ。」、と安倍晋三政権に要求する。


 新報は、米軍に対して、「県民生活よりも、訓練を優先する米軍に強く抗議する。」、とする。
 しかし、これだけに留まらず、沖縄の基地負担軽減が達成できない原因を次のように指摘する。


(1)騒音防止協定には規制除外のただし書きがあり、何ら実効性がない。抜け道だらけの騒音防止協定に照らせば、米軍は協定を守っていることになる。
(2)夜間訓練飛行は「必要な最小限に制限される」などとし「部隊司令官は、できる限り早く夜間の飛行を終了させるよう最大限の努力を払う」としているだけで、米軍は「運用上必要」「努力した」とすれば協定破りにはならないのである。とても「騒音規制」とか「騒音防止」と呼べる協定ではない。
(3)看過できないのは、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが普天間飛行場の夜間・早朝の離着陸回数に占める割合の高さである。224回のうち43%に当たる97回はオスプレイである。昨年12月以降、普天間飛行場所属の2機が墜落するなど、オスプレイは住民にとって脅威でもある。即時撤去を強く求める。
(4)嘉手納基地では、離着陸総数の35%、3分の1が外来機だったことも許し難い。
日米両政府は2011年、周辺地域の負担軽減を名目に、嘉手納基地所属機の訓練移転に合意した。だが訓練移転以上に、嘉手納基地を拠点に訓練する外来機の方が圧倒的に多いのではないか。それが県民の実感である。負担は軽減されることなく、増大しているのは明らかである。


 この社説の最後に、新報は、沖縄からの譲れない「声」を安倍晋三政権に突きつける。


「今年の沖縄全戦没者追悼式で、安倍晋三首相は『沖縄の方々には長きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいており、この現状は到底是認できるものではない。政府として基地負担軽減のため、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ』と述べた。この言葉が本心なら直ちに実行すべきだ。夜間・早朝の米軍機飛行の全面禁止だけでは不十分である。オスプレイの配備撤回、名護市辺野古への新基地建設断念など、県民の重しとなる全ての『基地負担』を軽減ではなく、排除する責任が安倍首相にはある。」


 日本国は、この沖縄からの譲れない「声」を、肝に銘じなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-28 05:44 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野 高江-から-2017年9月27日

今帰仁村運天の百按司(むむじゃな)墓から戦前、人類学者らによって遺骨が持ち出され、返還されていない問題。
 [大義」を振りかざす人たちには、その愚かさがわからない。何故なら、その人たちは、「植民者」だから。 




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年9月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-百按司墓からの遺骨「返還すべき」 目取真氏、研究者を批判-2017年9月27日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「今帰仁村運天の百按司(むむじゃな)墓から戦前、人類学者らによって遺骨が持ち出され、返還されていない問題で、同村出身の芥川賞作家・目取真俊さんが26日、琉球新報の取材に対し『(遺骨を保管している京都大学などは)返還要求がなくても自主的に返すべきだ』と述べた。」
②「目取真さんは欧米各国が旧植民地から収奪した遺骨を返還していることを挙げて『日本だけがその流れから自由というのではおかしい』と批判。遺族や地域の合意を得ずに遺骨が持ち出されたとみられる経緯について『当時の研究者が地域を一段低く見ていたことの表れだ』と指摘した。」
③「沖縄の研究者らが返還を求めていることに関して『現在も(沖縄を)低く見ているのか、京都大学などの対応が問われている』と語った。さらに、発掘調査が禁止されている天皇陵を挙げて『古代史を解明するのであれば天皇陵も発掘すべきだろうが、触れられてこなかった。その対極に自由に発掘でき、研究できる(琉球人などの)墓がある』と強調。その上で『沖縄やアイヌ、朝鮮人やアジアの国々に対して一段低い扱いをしてきたことは明らかな誤りで、是正していく義務が研究者にはある』と述べた。」



(2)琉球新報-在沖基地の核配備、調査求める 県民共闘会議が発足-2017年9月27日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「在沖基地に核兵器が配備されているか否かを明らかにする必要があるとして、平和運動などに取り組む六つの市民団体がこのほど『核兵器から命を守る沖縄県民共闘会議』を設立した。26日、県と県議会を訪ね、米軍基地内の核の有無を調査するよう陳情した。共闘会議は、山内徳信・元参院議員など4人が共同代表を務める。」
②「共闘会議は、10日のNKH番組『NHKスペシャル 核と沖縄』をきっかけに24日に設立した。約20人のメンバーらは26日、県の吉田勝広政策調整監、新里米吉県議会議長を訪ね『復帰前に配備された約1300発の核が撤去された記録がない』などと指摘し、県と県議会、専門家による米軍基地内の調査が必要だと訴えた。」
③「メンバーからは『政府は核兵器の有無を明確にしないことこそが抑止力だと主張するかもしれないが、そんな曖昧な態度なら全基地撤去の動きになる』などの声が上がった。吉田調整監は『番組が報じた新事実に衝撃を受けた。外務省に質問を出しており、回答を待ちながら対応を検討したい』と答えた。」
④「『学び・行動するうるま市民ネットワーク』、『カデナピースアクション』、『核兵器から命を守る読谷共闘会議』、『うるま市具志川9条の会』、『命どぅ宝!琉球の自己決定権の会』、『信州沖縄塾』の6団体で発足し、参加団体を増やす考えだ。」


(3)琉球新報-オスプレイで不眠5割 低周波音が影響 普天間 本紙調査-2017年9月27日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場への配備から10月1日で5年となる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関し、琉球新報は9月20、21の両日、周辺住民に対し低周波音の影響についてアンケートを実施した。同飛行場滑走路の延長線上に位置し、離着陸ルートとなっている宜野湾市の普天間や大謝名などに住む住民127人から回答を得た。オスプレイ飛行時に『気分がいらいらする』など心理的な影響は約6割、『眠れない』など睡眠妨害は約5割、『頭痛』『耳鳴り』など生理的な影響は約3割が感じると答えた。『戸や窓が振動する』など物的な影響を感じている人は約7割に上った。低周波音による物的な振動に加え、心理的・生理的な不快感や圧迫感を住民が感じている状況が浮かび上がった。」
②「アンケートは、オスプレイの低周波音が心身に及ぼす影響を明らかにすることが目的。2000年10月当時の環境庁大気保全局が低周波音の影響を調べる際のチェックリストの例を参考に、渡嘉敷健琉球大准教授の監修を得て質問を作成した。」
③「回答を得た住民の中で『気分がいらいらする』『胸や腹が圧迫されるような感じがする』などの心理的影響を感じている人は63%(80人)で、感じていない人の37%(47人)を上回った。」
④「『頭痛』『耳鳴り』など生理的な影響(126人が回答)は感じない人が72・2%(91人)を占め、感じる人は27・8%(35人)だった。『眠れない』『目が覚める』などの睡眠妨害は感じない人が52%(66人)と過半数を超えたが、感じると答えた人も48・1%(61人)いた。」
⑤「オスプレイが配備された2012年以降の米軍機の騒音の変化(123人が回答)は『変わらない』が46・3%(57人)で最も多く、『悪化した』が43・9%(54人)、『改善した』は6・5%(8人)にとどまった。『変わらない』と回答した人の中には『以前はうるさいと感じたが、今は慣れた』『変わらずうるさい』などと感じる人が多く、恒常的に騒音が続いている状況が示された。」
⑥「渡嘉敷琉球大准教授は『(窓や戸が振動するなどの)物的な影響だけでなく、心理的、生理的な影響も示されている。県は心理的、生理的な影響にまで踏み込んだ調査を実施する必要がある』と強調した。」
⑦「低周波音は1秒間に100ヘルツ以下の空気振動で起こる音で、建具のがたつきなどを起こす。オスプレイに特有で従来の防音工事では防ぐことができない。」


(4)沖縄タイムス-児童ら115人体調不良 クーラー設置率8%、気温34度の教室も 沖縄・南風原町-2017年9月27日 05:00


 沖縄タイムスは、「沖縄県南風原町の町立小中学校計6校で4~7月、体調不良を訴えた児童・生徒が115人いたことが26日、分かった。小中の普通教室130のうち、空調設置は11教室の8・5%にとどまり、校内の気温が34度を記録した学校が複数校あった。町教育委員会は『体調不良の原因は不明だが、冷房があれば少なくなった可能性はある』と話している。」、と報じた。
 また、「町教委は設置率が低い理由として『町内に米軍や自衛隊基地がなく、防衛省予算が活用できない』『壁を取り払うオープン教室が評価された時期に学校が建設され、空調整備に検討を要した』『耐震化基準を満たす工事が優先された』などを挙げている。同日の町議会一般質問で、宮城寛諄、赤嶺奈津江の3氏に答えた。3氏は『子どもたちの授業環境を整備してほしい』と要望。町教委は『教室環境の整備には鋭意努力したい」と答弁した。』、と報じた。


(5)沖縄タイムス-「ニュース女子」沖縄再取材番組、30日に放送-2017年9月26日 19:42


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「東京MXテレビの番組『ニュース女子』が米軍ヘリパッド建設への抗議行動について事実と異なる放送をした問題で、同社は26日、基地問題などを再取材した番組を30日午後7時半から放送すると発表した。」
②「番組は『沖縄からのメッセージ~基地・ウチナンチュの想い~』で75分間。見解で『基地の存続に反対するのか、しばらくは存在を容認するのか、大きく揺れる沖縄県民の心を伝える』との見解を出している。ジャーナリストの吉岡攻さんが統括ディレクターを務めるドキュメンタリー制作会社『オルタスジャパン』が制作に協力した。」
③「地上波放送は東京と周辺地域に限られるが、インターネットの番組配信サービス『エムキャス』で同時視聴できるという。」
④「問題となったニュース女子の番組について、同局は2月に示した見解で内容に捏造(ねつぞう)や虚偽があったことは否定する一方、再取材した番組を制作し放送する方針を示していた。番組については放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会と放送人権委員会がそれぞれ審議、審理を続けている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-09-27 22:42 | 沖縄から | Comments(0)

安倍首相は衆院解散表明。その意味は何なのか。

 安倍晋三首相が2017年9月28日に召集する臨時国会の冒頭で衆院を解散する方針を正式に表明した。
 このことについて、これまでも取り上げてきた琉球新報:「首相、衆院解散表明 さっぱり理解できない」、沖縄タイムス:「[首相 衆院解散表明]結局は政権の都合だけ」、信濃毎日新聞:、高知新聞:「【首相の解散会見】「大義なし」の名は消えぬ」の地方新聞四社と、朝日新聞:「衆院選 大義なき解散 「首相の姿勢」こそ争点だ」、毎日新聞:「日本の岐路 首相が冒頭解散を表明 説得力欠く勝手な理屈だ」、東京新聞:「衆院28日解散 「安倍政治」への審判だ」、読売新聞;「衆院解散表明 問われる安倍政治の総合評価」の四社のあわせて八社の社説で考える。
 今回もまた、読売のみが異色の主張ということになっている。
 例えば、「記者会見を聞いてもさっぱり分からない」「納得できる説明は何一つなかった」、というのが大方の捉え方であるが、読売は、あくまで、「首相は記者会見で、今回は『国難突破解散だ』と語った。『仕事人内閣』の発足から、わずか2か月足らずでの解散だ。首相の戦略変更は間違いない」、とする。始め読んだ段階では、批判的なのかと思ったくらいだ。
さて、各紙の主張は、次のものである。


Ⅰ.安倍首相の記者会見の印象


[琉球新報]
 なぜ解散するのか。安倍晋三首相の記者会見を聞いてもさっぱり分からない。


[沖縄タイムス]
 なぜ今、解散なのか。代表質問も予算委員会質疑もせず、なぜ臨時国会の冒頭に解散するのか。安倍首相からは、納得できる説明は何一つなかった。


[信濃毎日新聞」
 唐突な提案である。具体的にどう使うのか、財政再建はどうするのか。詳しい中身が分からないのでは有権者として判断しようがない。なぜ今、衆院選なのか。記者会見を聞いても疑問が消えない。14年の解散時を思い起こさせる会見である。前回は消費税率の再引き上げの延期について判断を仰ぎたいと解散に打って出た。争点が曖昧な選挙戦は、最後まで盛り上がりを欠いた。説明の分かりにくさは今回も共通する。初めに解散ありき、消費税の使途変更が後付けの理由なのは明らかだ。


[高知新聞」
 そもそも今、何のための解散かという大義は見えない。安倍首相はこれらの疑問に、まさに「丁寧な説明」で答える必要があった。しかしその中身は具体性に乏しく、説得力を欠いていたと言わざるを得ない。


「朝日新聞」
(1)民主主義の根幹である国会の議論を軽んじ、憲法と立憲主義をないがしろにする。そんな首相の政治姿勢にほかならない。


「毎日新聞」
 これが衆院を解散し、総選挙をするに足る理由なのだろうか。かえって疑問が深まる記者会見だった。


「東京新聞」
(1)首相はきのうの記者会見で、衆院解散の理由に、消費税率10%への引き上げで増えた税収の使い道を見直すことを挙げ、「国民との約束を変更し、重い決断を行う以上、速やかに国民の信を問わねばならない」と述べた。また、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に毅然(きぜん)と対応するため「選挙で信任を得て、力強い外交を進める」と強調した。首相自ら「国難突破解散」と名付けた。それらは重要な問題ではある。特に、議会制民主主義の成り立ちにかかわる税金の使い道は、選挙で信を問うべきものではある。
(2)とはいえ、任期を一年以上残す段階で、急いで解散する大義としては、根拠薄弱の感は否めない。むしろ、民進党の混乱や小池百合子東京都知事が関与する国政新党の準備が整わないうちに解散に踏み切った方が自民党に有利との判断があるのではないか。


「読売新聞」
 日本経済の再生や新たな社会保障制度の構築、北朝鮮危機への対応、憲法改正――。こうした困難な課題に取り組み、政治を前に進めるのが、国民に信を問い直す意義だろう。


Ⅱ.衆議院解散表明における内容への意見


ⅰ.憲法問題、全体
[琉球新報]
 消費税率を8%から10%へ引き上げる際、使途を国の借金返済から子育て支援策に変更する点や北朝鮮対応について信を問うという。安倍首相は「国民と国難を乗り越えるため、国民の声を聞かなければならない。国難突破解散だ」と述べた。
 「国難」と言うなら選挙によって政治の空白をつくらず、消費税も北朝鮮問題も国会で議論すればよい。


[高知新聞」
 憲法改正について、ひと言の言及もなかったのはどうしたことか。自民党の公約骨子案では、具体的な改憲案の国会提出を目指す方針ではなかったのか。

「朝日新聞」
(1)首相は28日に召集される臨時国会の冒頭、所信表明演説にも代表質問にも応じずに、解散に踏み切る意向だ。6月に野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会召集の要求を、3カ月余りも放置した揚げ句、審議自体を葬り去る。憲法無視というほかない。
(2)その象徴は、一昨年に成立させた安全保障関連法だ。憲法のもとで集団的自衛権の行使は許されない。歴代の自民党内閣が堅持してきた憲法解釈を閣議決定で覆し、十分な議論を求める民意を無視して採決を強行した。今年前半の国会でも数の力を振り回す政治が繰り返された。森友問題では昭恵氏の国会招致を拒み続ける一方で、加計問題では「総理のご意向」文書の真実性を証言した前文部科学次官に対して、露骨な人格攻撃もためらわない。


「毎日新聞」
 一方、記者会見では憲法改正に触れることさえなかった。元々、首相は来年の通常国会で改憲を発議することを衆院選よりも優先して検討していたはずだ。しかし自ら不信を招いた加計問題などにより、与党内でも求心力が低下し、9条改憲には公明党が強く異論を唱え始めた。このため今のままでは発議は難しいと考え、それを打開するために解散に打って出たと思われる。


「東京新聞」
(1)七条解散は慣例化しているとはいえ、政権与党の都合による衆院解散には「解散権の乱用」との批判がこれまでもあった。解散はやはり、政府提出の予算案や重要法案が否決された場合や国論を二分する問題が生じたときに限るべきではないか。解散権の制限が法律で可能かどうか、まず検討すべきであろう。
(2)むしろ問題は、冒頭解散だ。臨時国会の召集は「森友」「加計」両学校法人をめぐる問題と安倍首相らとの関わりを解明するため、野党側が憲法五三条に基づいて求めていたものだ。安倍内閣は閉会中審査に応じたとはいえ、召集要求を三カ月も放置した上での冒頭解散である。首相は会見で「憲法上問題はない」と強調したが、憲法軽視との誹(そし)りは免れまい。解散するにしても、せめて首相の所信表明演説や各党代表質問、委員会質疑などの審議後にすべきではなかったか。
(3)首相が会見で憲法改正に言及しなかったことが気掛かりだ。断念したのなら一つの判断だが、公約には明確に掲げず、選挙後に強引に進めるのは国民を欺く行為だ。引き続き改憲を目指すのなら明確に語り、判断を仰ぐべきである。


「読売新聞」
 憲法改正について安倍首相は、自衛隊の根拠規定の追加や大災害時の緊急事態条項の創設などを目指す考えを強調している。戦後日本の平和維持に積極的に貢献してきた自衛隊に違憲の疑いがある、と多くの憲法学者が唱えるような異常な状況はできるだけ解消せねばならない。首相が5月に提起した憲法改正案は一定の支持を集めるが、公明党は慎重姿勢を崩さず、やや膠着こうちゃく状態にある。今回の解散は、この局面を打開する狙いもあろう。


ⅱ.加計・森友問題


[琉球新報]
(1)野党4党は森友学園、加計学園を巡る政府の説明が不十分として6月、憲法53条の規定に基づいて臨時国会召集の要求書を衆参両院に提出していた。冒頭解散となると、疑惑を解明する国会の責任を放棄することになる。憲法にも抵触するのではないか。
(2)首相は森友学園、加計学園問題に関し「丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後もその考えに変わりない」と強調した。だが「丁寧に説明した」と理解を示す国民はいるだろうか。7月に安倍首相が出席して加計問題に関する閉会中審査を開いた。議論がかみ合わず疑念は払拭(ふっしょく)されるどころか、さらに募った。「総理の意向」で行政がゆがめられたのかどうか、疑惑の解明は止まったままだ。
(3)共同通信社が衆院選を前に実施した全国電話世論調査(第1回トレンド調査)によると、森友、加計学園問題を巡る政府の説明に納得できるかどうかについては「できない」が78・8%で、「できる」は13・8%にすぎない。


[沖縄タイムス]
 共同通信社が23、24両日に行った全国電話世論調査で、森友学園、加計(かけ)学園問題を巡る政府の説明に78・8%が納得できないと答えている。


[信濃毎日新聞」
(1)今回の解散には森友学園、加計学園を巡る疑惑の追及を避けたい思惑もあるだろう。
(2)国有地が破格の安値で払い下げられ、国家戦略特区制度を利用して半世紀ぶりの獣医学部新設計画が進められた。行政の在り方がゆがめられなかったか、首相側の意向が決定に影響しなかったか。疑惑は残ったままだ。
(3)6月の会見では、通常国会での自身の答弁姿勢について「深く反省する」と述べ、「指摘があればその都度、真摯(しんし)に説明責任を果たしていく」と表明していた。きのうも「丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後もその考えに変わりはない」としている。
(4)森友の国有地問題で会計検査院の調査報告、加計の獣医学部については文部科学省の審議会の新設認可判断が控えている。この時期に解散しながら「丁寧な説明」を口にしても説得力はない。


「朝日新聞」
(1)いま国会で腰を落ち着けて論ずべき課題は多い。首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われる森友・加計学園をめぐる疑惑もそのひとつだ。首相は会見で「丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後ともその考えに変わりはない」と語ったが、解散によって国会での真相究明は再び先送りされる。
(2)国会を軽視し、憲法をあなどる政治姿勢は、安倍政権の体質と言える。


「毎日新聞」
 首相は先月内閣を改造した際の記者会見で、森友学園や加計学園の問題について「国民に大きな不信を招いた」と頭を下げた。 ところが臨時国会では質疑に応じないと言う。再び国民の関心が高まるのを恐れたからだろう。疑惑隠しと言われても仕方がない。しかも首相は「選挙は民主主義における最大の論戦の場」と語り、国会など開かなくてもいいと言わんばかりだった。その論理のすり替えに驚く。


ⅲ.消費税、教育費


[沖縄タイムス]
(1)2019年10月に消費税率を8%から10%に引き上げる際、その使い道を変更し、国の借金返済から幼児教育の無償化などに振り向ける-。
 首相は「消費税の使い道を見直す以上、国民に信を問わなければならない」と解散の理由を説明した。高齢者への給付が中心だった社会保障制度を「全世代型」に転換する、との考えも示した。それ自体、突っ込んだ議論が必要な大きな改革だ。
 ここには、政策転換の善しあし以前に、重大な問題がある。
 消費増税分の使い道変更について自民党はこれまで、ほとんど党内議論をしていない。自民党の竹下亘総務会長でさえ記者団に「党で1回も議論していない。公約は総務会で了承してから出すもの」だと語ったほどだ。本来であれば、臨時国会で政府の考えを丁寧に説明し、野党との論戦を通して国民に分かりやすい形で論点を提示するのが筋だ。だが、首相は「今なら(多少議席は減らしても)勝てる」との判断を優先し、議会政治にとって最も大切な手続きを割愛した。有権者を置き去りにした究極の自己都合解散というしかない。
(2)「消費税率引き上げの際に使途を拡大し、教育目的にも使えるようにする」という考えは民進党の前原誠司代表が以前から掲げていた政策である。首相が打ち出した使い道の見直し案と大きな違いはない。そうであればなおさらのこと、臨時国会で議論し、内容を詰めていくべきであった。1カ月足らずの短期決戦の選挙戦で、果たして有権者に判断材料を示せるかどうか疑問である。


[信濃毎日新聞」
(1)消費税の使途変更が重大な政策転換であることは確かだ。旧民主党と自民、公明両党による12年の合意は増収分全てを社会保障に充てるのが柱だった。約2割を社会保障の充実、約8割を国の借金減らしなど社会保障の安定化に充てる。この方針から大きく外れることになる。だからといって解散を正当化することはできない。大転換であればなおさら、国民が政策の中身を理解し、是非を判断できるようにすべきだ。まず国会で掘り下げるのが本来の姿ではないか。野党は憲法に基づき臨時国会の早期召集を求めてきた。これに応じなかった上、議論のないまま冒頭に衆院を解散する。筋の通らない話である。
(2)首相が新たな看板政策として掲げる「人づくり革命」は、6月の通常国会閉会後の記者会見で打ち出された。どんな取り組みを進めようというのか、柱の一つである教育無償化を含め、具体的な政策は分からない。
(3)消費税の使い道を変えることには、自民党内でも「思い付きでやられては困る」などと異論が出ている。議論が不十分なまま、急ごしらえの公約を示されても判断材料にはならない。
(4)国会では記録がない、記憶がないと繰り返す政府側の答弁で堂々巡りが続いた。閣僚や自民党議員の相次ぐ問題発言と合わせ、「1強」政治のゆがみ、おごりを感じさせる問題である。解散ではぐらかされるわけにはいかない。


[高知新聞」
(1)安倍首相は解散理由について、再来年10月に消費税率を8%から10%に引き上げる際、従来の消費税の使途を大幅に変更することを掲げて信を問うとした。現在の計画では、見込まれる年5兆8千億円程度の増収分のうち約4兆円は社会保障を賄っている借金の返済、残りは社会保障の充実に充てることになっている。首相はこの税収の使途を、「国の借金返済から幼児教育・保育の無償化などに変更する」とした。急ごしらえで、唐突な話だ。これまで自民党では教育無償化に伴う財源について、「子ども保険」などが検討されてきた。消費税の使途変更が議論になった形跡はない。
 民進党の前原代表は党代表選で、消費税増税による教育無償化を訴えていた。方向性が同じでは選挙の争点にもなりにくく、有権者も困惑するのではないか。民進党は「争点はずし」と批判している。


「朝日新聞」
 少子高齢化をめぐっては、消費税率の10%への引き上げを予定通り2019年10月に行い、借金返済にあてることになっている分から、新たに教育無償化などに回す。その是非を問いたいという。だが、この使途変更は政府・与党内でまともに議論されていない。そればかりか、民進党の前原誠司代表が以前から似た政策を主張してきた。争点にすると言うより、争点からはずす狙いすらうかがえる。国民に問う前に、まずは国会で十分な議論をすべきテーマだ。


「毎日新聞」
 首相の説明は、再来年秋に消費税を8%から10%に引き上げる際、増税分の一部を教育無償化に充てるなど使い道を見直すからだという一点に尽きた。税に関する政策変更は国民の信を問うべきだというわけだ。消費増税延期を言い出した2014年の衆院選と全く同じである。だが、前回の消費増税延期が与野党の争点にならなかったように、使い道の見直しは民進党が既に打ち出している課題だ。解散して信を問うテーマと言うには説得力を欠く。

「東京新聞」
(1)首相はきのうの記者会見で、衆院解散の理由に、消費税率10%への引き上げで増えた税収の使い道を見直すことを挙げ、「国民との約束を変更し、重い決断を行う以上、速やかに国民の信を問わねばならない」と述べた。また、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に毅然(きぜん)と対応するため「選挙で信任を得て、力強い外交を進める」と強調した。首相自ら「国難突破解散」と名付けた。それらは重要な問題ではある。特に、議会制民主主義の成り立ちにかかわる税金の使い道は、選挙で信を問うべきものではある。
(2)とはいえ、任期を一年以上残す段階で、急いで解散する大義としては、根拠薄弱の感は否めない。むしろ、民進党の混乱や小池百合子東京都知事が関与する国政新党の準備が整わないうちに解散に踏み切った方が自民党に有利との判断があるのではないか。


「読売新聞」
(1)首相は、解散の理由として、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げに伴う増収の使途変更を挙げた。国の借金返済を減らし、子育て支援や教育無償化などの財源約2兆円を確保するという。首相は「国民の信任なしで、国論を二分するような大改革を進めることはできない」と語った。「高齢者偏重」と指摘されてきた社会保障制度について、若い世代も含めた「全世代型」への転換を進めることは理解できる。高齢者向け給付の一層の効率化も避けるべきではあるまい。一方、高等教育の無償化は、巨額の財源を要し、負担と給付の不公平性の拡大、大学の質の低下も懸念される。本当に必要な学生に限定し、慎重に検討したい。
(2)アベノミクスを補強・拡充し、2度も延期した消費増税を19年には確実に実施できる経済状況を作り出すことも欠かせない。


ⅳ.北朝鮮問題


[高知新聞」
 首相は北朝鮮の危機を強調することに時間を割いた。それを日本の少子高齢化と並べて、この解散を「国難突破解散」と名付けてみせた。大仰な言葉に驚く。


「朝日新聞」
 核・ミサイル開発をやめない北朝鮮にどう向き合うか。首相は会見で「選挙で信任を得て力強い外交を進めていく」と強調したが、衆院議員を不在にする解散より、与野党による国会審議こそ必要ではないのか。


「毎日新聞」
 北朝鮮情勢が緊張する中での解散・総選挙となる点に対しては「北朝鮮の脅かしによって(選挙日程が)左右されてはいけない」と述べるだけで、危機を利用している印象さえ受けた。「信がなければ大胆な改革も外交も進められない」とも強調した。だが、まず必要なのは加計問題などで招いた不信を丁寧な説明によって解消することだ。選挙で勝ちさえすれば信任を得られるというのは、順番が逆である。


「読売新聞」
(1)北朝鮮の問題について、首相は「北朝鮮の脅かしに屈せず、力強い外交を進める」と述べ、圧力路線を堅持する考えを表明した。日本の安全保障にとって目下、最大の懸案だ。北朝鮮は、6回目の核実験や2度の日本上空を通過する弾道ミサイル発射を強行するなど、問題は深刻化している。北朝鮮に核放棄を迫るには、国連安全保障理事会決議の厳格な履行で圧力を強めつつ、対話の糸口を探るしかあるまい。危機を煽あおりすぎないことにも配慮が要る。
(2)15年に制定した安全保障関連法は、北朝鮮に対する日米同盟の抑止力を支える重要な法的基盤だ。安倍政権は、その意義をきちんと訴えることが大切である。


ⅴ.財政問題


[沖縄タイムス]
 20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという財政健全化目標について首相は「困難になる」との見通しを明らかにした。安倍政権は財政健全化にどう取り組むつもりなのか。その説明が不十分だ。


[信濃毎日新聞」
 加えて見過ごせないのは、財政再建との兼ね合いだ。20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという政府の目標について首相は達成困難との認識を示している。もともと絶望視されていたのに堅持すると繰り返してきた。消費増税分を予定通り使っても、赤字が残ると試算されている。使途変更と合わせての表明は目くらましのようなやり方だ。財政再建の旗は降ろさないと述べたものの、具体策は今後定めるとするにとどまる。財政規律が緩み、借金はますます膨らみかねない。子育て支援、教育無償化と聞こえのいい言葉を連ねながら、将来世代への付け回しを続けるのは矛盾している。


[高知新聞」
 国の借金返済が減ることで、基礎的財政収支を2020年度に黒字化する財政健全化目標の達成は「困難になった」(首相)との認識を示した。しかし首相はその困難克服の具体的目標や手順を示さず、「先送り」という言葉も使わなかった。
 それこそ国会で議論すべきことだろう。だが首相が取った手段は、臨時国会で所信表明演説や質疑を行わず、冒頭でいきなり解散する乱暴なやり方だ。国会軽視の姿勢は、国民の解散反対論の根拠でもあろう。


「毎日新聞」
 使途の変更で財政再建は遠のく。首相も20年度に「基礎的財政収支」を黒字化するという政府の目標達成は困難になると認めた。同時に「財政再建の旗は降ろさない」とも語ったが、どう再建するのかは今後検討するという。やはり最初に解散ありきで、そのための理由を探してきたと言わざるを得ない。


「東京新聞」
 国の借金返済が減ることで、基礎的財政収支を2020年度に黒字化する財政健全化目標の達成は「困難になった」(首相)との認識を示した。しかし首相はその困難克服の具体的目標や手順を示さず、「先送り」という言葉も使わなかった。
 それこそ国会で議論すべきことだろう。だが首相が取った手段は、臨時国会で所信表明演説や質疑を行わず、冒頭でいきなり解散する乱暴なやり方だ。国会軽視の姿勢は、国民の解散反対論の根拠でもあろう。


「読売新聞」
 忘れてならないのは、財政再建の旗を掲げ続けることである。首相は、借金返済を減らすことで、20年度の基礎的財政収支を黒字化する目標の実現は困難になる、との認識を示した。新たな財政健全化目標を早期に提示し、国民の理解を得ねばなるまい。


ⅵ.その他

[琉球新報]
(1)河野洋平元衆院議長は日本記者クラブで会見し「一度も丁寧な説明をしないで解散するのは理解できない」と述べた。同時に「権力者の側が都合の良い時に解散する。過去になかったことではないか」と指摘した。自民党の重鎮から見ても、疑惑隠しの大義なき解散なのである。
(2)第1回トレンド調査によると、現時点で比例代表の投票先は自民党が27・0%で、民進党8・0%の3倍以上となった。小池百合子東京都知事の側近らが結成する新党は6・2%だった。安倍内閣の支持率は45・0%、不支持率は41・3%。望ましい選挙結果に関しては「与党と野党の勢力が伯仲する」が49・3%。


「朝日新聞」
(1)その象徴は、一昨年に成立させた安全保障関連法だ。憲法のもとで集団的自衛権の行使は許されない。歴代の自民党内閣が堅持してきた憲法解釈を閣議決定で覆し、十分な議論を求める民意を無視して採決を強行した。
(2)今年前半の国会でも数の力を振り回す政治が繰り返された。
(3)森友問題では昭恵氏の国会招致を拒み続ける一方で、加計問題では「総理のご意向」文書の真実性を証言した前文部科学次官に対して、露骨な人格攻撃もためらわない。


Ⅲ.主張
[琉球新報]
 首相は内閣支持率が回復しているこのタイミングで解散に踏み切ったのだろう。しかし、内閣改造からまだ2カ月。首相が「仕事人内閣」と名付けた新内閣は、国会で演説も質問も受けずに解散する。このような国会と有権者を軽視するやり方は許されない。
 解散により森友、加計学園の疑惑解明をはじめ、北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る国会論議も、「残業代ゼロ」制度導入の是非など働き方改革関連法案も先送りになる。
 今回の衆院選は解散の在り方と、問題先送りの政治手法が問われるべきだろう。


[沖縄タイムス]
 憲法に基づく野党の臨時国会召集要求をずるずる引き延ばし、挙げ句に、何の議論もせずに冒頭解散である。北朝鮮の核・ミサイル開発については、あらためて「対話より圧力」との考えを強調した。国民の中には選挙による政治的空白を懸念する声が多い。「民主主義の原点である選挙が北朝鮮の脅しによって左右されることがあってはならない」との首相の説明は、解散を正当化するためのこじつけにしか聞こえず、「なぜ今、解散が必要なのか」の説明にはなっていない。


[信濃毎日新聞」
 衆院議員の任期満了を来年12月に控えている。時期を逃せば「追い込まれ解散」を余儀なくされかねない。野党第1党の民進党は離党者が相次ぎ、小池百合子東京都知事の側近議員らによる新党も準備が整っていない。今なら有利と判断したのだろう。解散を巡り内閣に一定の裁量が認められるとしても、行使には信を問うべき十分な理由がなければならない。政権の一方的な都合で踏み切るのは解散権の乱用だ。国民不在、党利党略の解散表明が、当たり前のように繰り返された。首相のやり方は大義も節度も欠いている。


[高知新聞」
(1)先の世論調査で、森友・加計(かけ)問題を巡る政府の対応について聞いたところ、「納得できない」が78・8%を占めた。内閣支持率は今、北朝鮮の核・ミサイルによる挑発でじわりと持ち直している。
(2)民進党は離党者が続出し、他党も準備が整っていない。このタイミングで衆院を解散し、森友・加計問題のリセットを図る。そんな「疑惑隠し」の思惑があるのなら、国民を見くびっているに等しい。
(3)このままでは「大義なき解散」の呼び名が消えることはない。 


「朝日新聞」
(1)首相にとって今回の解散の眼目は、むしろ国会での議論の機会を奪うことにある。
(2)極め付きは、「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切る「中間報告」を繰り出しての採決強行である。都合の悪い議論から逃げる政権の姿勢は、今回の解散にも重なる。
(3)森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図は明らかだ。もはや党利党略を通り越し、首相の個利個略による解散といっても過言ではない。
森友・加計問題については、自民党の二階幹事長から信じられない発言が飛び出した。「我々はそんな小さな、小さなというか、そういうものを、問題を隠したりなどは考えていない」。だがふたつの問題が問うているのは、行政手続きが公平・公正に行われているのかという、法治国家の根幹だ。真相究明を求める国民の声は、安倍政権に届いているようには見えない。
(4)きのうの会見で首相は、持論の憲法9条の改正に触れなかったが、選挙結果次第では実現に動き出すだろう。今回の衆院選の最大の「争点」は何か。少数派の声に耳を傾けず、数におごった5年間の安倍政権の政治を、このまま続けるのかどうか。民主主義と立憲主義を軽んじる首相の姿勢が問われている。
(5)北朝鮮の脅威などで地域情勢が緊迫化すれば、政権与党への支持が広がりやすい。選挙準備が整っていない野党の隙もつける。7月の東京都議選の大敗後、与党内から異論が公然と出始めた首相主導の憲法改正論議の局面も、立て直せるかもしれない。タイミングを逃し、内閣支持率が再び低下に転じ、「選挙の顔」の役割を果たせなくなれば、来秋の自民党総裁選での3選がおぼつかなくなる……。そんな政略が透けて見える。森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図は明らかだ。
(6)もはや党利党略を通り越し、首相の個利個略による解散といっても過言ではない。


「毎日新聞」
(1)「北朝鮮と少子高齢化という国難突破の解散だ」とも首相は語った。しかし、本音は4年後の21年秋まで首相を続け、宿願の憲法改正を実現するための解散なのではなかろうか。むしろ自らを取り巻く現状を突破する解散と言っていい。
(2)野党が準備不足の今なら勝てると見たのだろう。だが、もちろんこれも有権者次第である。
(3)首相は従来、選挙では経済をアピールし、勝てば全ての政策が信任されたとばかりに、安全保障関連法など選挙でさして触れなかった法律を数の力で成立させてきた。
 今回も憲法改正よりも、「人づくり革命」や「生産性革命」といったキャッチフレーズを強調していくはずだ。その手法も含めて改めて問われるのは「安倍政治」である。
(4)首相が再登板してから5年近く。「安倍1強」のおごりやひずみが見えてきた中で、さらに4年続くことの是非が問われる衆院選だ。憲法や安保、経済・財政と社会保障など、さまざまな重要課題をどうしていくのか、日本の大きな岐路となる。


「東京新聞」
(1)安倍晋三首相が臨時国会冒頭の衆院解散を表明した。総裁として率いる自民党の政権復帰から五年近く。「安倍政治」に国民が審判を下す機会としたい。
(2)首相は会見で「憲法上問題はない」と強調したが、憲法軽視との誹(そし)りは免れまい。解散するにしても、せめて首相の所信表明演説や各党代表質問、委員会質疑などの審議後にすべきではなかったか。首相自身、選挙戦での厳しい追及を覚悟しているようだ。選挙を経たといっても帳消しになるわけではない。政治と行政との関係の根幹に関わる問題だ。衆院選後も引き続き国会で真相解明に努めるべきは当然だろう。
(3)衆院選は各党・候補者が政策を競うと同時に、政権与党にとっては実績評価の選挙でもある。安倍政権は六月閉会の通常国会終盤、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法の成立を強行した。二〇一四年十二月の第三次内閣発足後に限っても集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の成立強行など、強硬な政権、国会運営が目立つ。
(4)今回の衆院選では、消費税の使途変更などの政権公約と同時に、安倍内閣の政治姿勢全般、いわゆる「安倍政治」についても、その是非が問われるべきであろう。
(5)しがらみのない政治や徹底した情報公開、女性活躍政策などを掲げるが、急造新党が国政を託すに足るかどうかや、安倍自民党との距離をどう保つのかなどを、慎重に見極める必要がある。政権選択選挙とされる衆院選である。多少手間がかかっても、各党・候補者の公約を比較し、貴重な一票を投じたい。自分の考えに合致する投票先が見当たらなかったら、「よりまし」と考える政党や候補者に託すのも一手だろう。
(6)棄権や浅慮の「お任せ民主主義」ではなく、自らの意思を示すことだけが政権の在り方を決める。私たち有権者の責任でもある。


「読売新聞」
(1)首相は記者会見で、今回は「国難突破解散だ」と語った。「仕事人内閣」の発足から、わずか2か月足らずでの解散だ。首相の戦略変更は間違いない。
(2)首相は、「解散は森友・加計学園の疑惑隠し」などとする野党の批判を踏まえ、「厳しい選挙になると覚悟している」と語った。臨時国会の実質審議がなくなっても、一連の疑惑に関する首相や政府の説明責任は残る。丁寧な説明を続けることが重要である。
(3)衆院解散は長年、「首相の専権事項」とされ、定着している。自らが目指す政治や政策の実現のため、最も適切な時期に総選挙を実施するのは宰相として当然だ。衆院議員の来年12月の任期切れまで1年余しかない。既に「常在戦場」で選挙準備をしておくべき時期だ。「解散の大義がない」との野党の批判は筋違いである。
(4)首相も、自らの政治姿勢や政策すべてが国民の審判の対象となることを肝に銘じ、解散の意義と狙いを重ねて訴えるべきだろう。


 安倍首相の衆議院解散表明は、実にわかりやすい構図である。
 それは、読売以外の各紙が、おおよそ語ってくれている。
 果たして、これを民意としてどのように判断するのか。
 最後に、アベノミクス-成長戦略はもう忘れられたのか。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-27 07:00 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野 高江-から-2017年9月26日

 「お花畑に住む平和ボケ」と配備反対の市民を市議会で野鄙。 
実は、全面戦争の恐怖感のなかでの動きである。
 むしろ、『抑止力の欺瞞』をしたり顔で説く愚かさが際立つ。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年9月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「花畑に住む平和ボケ」 石垣市議が発言 陸自配備巡り-2017年9月26日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備を巡り、市議会9月定例会で与党の石垣亨市議が配備反対の市民を『お花畑に住む平和ボケ』と表現したことが分かり、反対市民が反発している。25日、約1万4千筆の配備反対署名を中山義隆市長に提出した『石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会』は同会事務所で会見を開き、『署名した市民を侮辱している』と発言を批判した。石垣市議は取材に『侮辱する意図は全くない』とした。」
②石垣市議は20日の9月定例会一般質問で、配備反対の市民を『お花畑に住む平和ボケ』と表現。中山市長に『ミサイルが頭上を飛びJアラートが鳴り響いても、【話し合いで解決しよう】【9条があるから大丈夫】と、現実を直視しないお花畑の住民が理解するのを待つのか』として、配備受け入れの最終判断を迫った。」
③「署名についても『知り合いの娘さんは夏祭りに来ただけなのに【署名お願いします】と言われ、断るのが面倒くさいので書いた』などの事例を聞いたとして、疑問を呈した。」
④「会見で、陸自配備予定地に近い川原地区の具志堅正公民館長は『戦争体験者も、気持ちを込めて署名した。議員でも言ってはいけない言葉だ』と批判。仕方なく署名したとの事例の報告に、連絡会事務局の藤井幸子さんは『たとえ事実であったとしても、ごく一部を取り上げて信ぴょう性に欠けるとするのは本質を外している』とした。連絡会は25日付で、石垣市議に抗議文を発送した。」
⑤「石垣市議は『(配備反対の住民には)危機感が全くなく、現実を直視してほしいとの思いから発言した』とした。事例を報告したことには『生の声を紹介した。署名数がそのまま住民の意思(を反映している)というのは無理があると思う』と述べた。」


(2)琉球新報-地権者大半、提供に同意 来月にも正式契約 宮古島の陸自配備 千代田ゴルフ場-2017年9月26日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、駐屯地建設が計画される市上野野原のゴルフ場『千代田カントリークラブ』(下地藤康社長)の地権者の大半が、土地の提供を認める文書を防衛省と交わしていたことが25日までに、各地権者への取材で分かった。ただ一部の地権者は意向を明かしていない。同省は土地取得費を公表していないが、地権者らの話を総合すると用地購入費の総額は8億円前後とみられる。地権者の一人は売買ではなく借地契約を結ぶ方針。同省は10月にも正式な売買・借地契約を結ぶとみられる。」
②「『千代田-』の面積は約22ヘクタール。土地の約9割は県外に住む下地社長の親戚が所有する。同ゴルフ場は資金繰りが悪化したため2014年5月に銀行と宮古島税務署に土地が差し押さえられた。その際に親戚が債権を肩代わりし、担保として土地所有権を取得したとみられる。同社は今年8月末に土地の国有化に同意する文書を防衛省と交わした。ゴルフ場は今月24日に閉場した。」
③「周辺に住む他の地権者らは『本来は静かな環境が望ましいけど、うちだけ反対してもしようがない』などと消極的ながらも土地の提供に同意した。ただある地権者の関係者は親族間で意見が割れているとして『ノーコメント』とした。」
④「一方、地権者らによると防衛省が提示した土地取得費は一坪1万2千円台。地権者の1人は『安すぎる』として売買ではなく借地契約を国と交わすことで合意した。国土交通省が公表した今年1月1日時点の公示地価では、近隣の市上野野原の住宅地は一坪1万5千円台の評価だった。」
⑤「千代田への候補地選定を巡っては下地敏彦市長が、防衛省に対し千代田の活用について意見したことを市議会で答弁している。同省の宮古関連の18年度概算要求は計260億円で、千代田への駐屯地整備に93億2千万円、宿舎整備に49億8千万円、場所未定の弾薬庫整備費に117億円を計上している。」


(3)沖縄タイムス-「ブロック積み上げは表現の自由」 山城議長ら公判 弁護側が意見書提出-2017年9月26日 05:01


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「昨年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前で、コンクリートブロックを積み上げたとして、威力業務妨害の罪に問われている沖縄平和運動センターの山城博治議長(65)ら2人の公判が25日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)であった。弁護側が、ブロック積み上げ行為の処罰は、表現の自由を侵害し違憲とする関西大の高作正博教授(憲法)の意見書を提出した。」
②「意見書で高作教授は、積み上げ行為は、『ゲート前で長年続いている座り込みの代わりに、基地建設反対の意思をより効果的に示すために用いられている』と指摘。『建設に反対する意思を示すが故に警察は逮捕しており、自由な表現の抑圧が目的と見るべきだ』と分析した。その上で『積み上げ行為は、表現活動に一定の自由が認められる公道上で行われている』と指摘。一般の通行を妨げる程度の行為ではなく、処罰は違憲だとした。」
③「辺野古や東村高江での米軍基地建設を巡る、山城議長ら3人の公判は今回で11回目。柴田裁判長は22日付で、弁護側が求めていた国際人権法学者の証人尋問の請求を却下した。」


(4)沖縄タイムス-辺野古埋め立て作業進む 市民ら陸と海で抗議-2017年9月26日 14:08


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブで26日、新基地建設に反対する市民ら約40人が工事車両用ゲート前で座り込んで抗議を続けた。午前9時ごろにはダンプカーやトラック計57台が基地内に入った。」、と報じた。
 また、「海上では午前9時からカヌー艇11隻と抗議船3隻が『違法工事は止めろ』と訴えた。シュワブ沿岸『N5』地区では沖縄防衛局が仮設道路の建設に伴い、採石が入った網袋をクレーンで積み上げる作業が続いた。」、と報じた。





by asyagi-df-2014 | 2017-09-26 17:27 | 沖縄から | Comments(0)

不当労働行為の二件。

 毎日新聞は2017年9月21日、表題について次のように報じた。
まずは、長時間労働のセコム。


(1)警備員に指令を出す「管制員」の社員数人に労使協定の上限を超える長時間残業をさせたとして、警備業最大手のセコム(東京都)が、東京労働局渋谷労働基準監督署から労働基準法違反(労働時間)で是正勧告を受けたことが分かった。
(2)勧告は7月5日付。同社によると、労働組合と変形労働時間制の労使協定を結び、残業の上限を3カ月で120時間以内、繁忙期(合計半年間)は同230時間以内と定めていた。しかし、2016年度に東京都世田谷区内の同社施設に勤務する管制員数人に対し、繁忙期以外にも3カ月で120時間を超える残業をさせたと指摘された。
(3)同社は今月5日、労基署に「離職や人事異動、(天災などの)突発的な業務量の増大が原因」と報告。人員を増やし、今月末までに違法状態は解消される見通しだとしている。変形労働時間制は時期や季節によって仕事量の差が大きい場合に、期間中(セコムの場合3カ月間)の労働が平均で週40時間以内なら、特定の日や週に法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えても残業代を払わなくてよい制度。
(4)同社コーポレート広報部は「是正勧告を受け止め、全国の職場で再発防止に取り組んでいる」と話している。
【早川健人】


 次に、残業代未払いのヤマト。


(1)福岡労働局は20日、宅配最大手のヤマト運輸が博多北支店(福岡市)の配達員に残業代の一部を支払っていなかったとして、同社と同支店の幹部2人を労働基準法違反容疑で福岡地検に書類送検した。労働局側は複数回是正勧告したが改善がみられず、刑事事件化に踏み切った。サービス残業を巡って同社が書類送検されるのは全国初。
(2)送検容疑は、昨年6月16日~7月15日の間、配達員2人に残業代の一部計約15万円を支払わなかったなどとしている。ヤマト運輸は「送検された内容は事実」としている。
(3)福岡労働局によると、ここ数年間に福岡地区でサービス残業が数回発覚し、是正勧告。その後、改めて昨年9月に同支店などを立ち入り調査したところ、積み込みや伝票整理などが労働時間に含まれていないなど改善されていないことが確認された。【遠山和宏】


 確かに、日本が行ってきた『民営化』『規制緩和路線』の実像である。
もたらされたのは、労働者の過酷な日常。
 今後用意されているのは、『働き方改革』というより一層の悲惨。




by asyagi-df-2014 | 2017-09-26 08:55 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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