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沖縄-辺野古- 高江-から-2017年7月30・31日

「午前8時50分ごろ、ゲート前では座り込んだ市民約30人を機動隊が強制的に 排除し、約35台の工事車両がゲート内に入った。」(沖縄タイムス)。
繰り返される見せしめの政策の一環の強行。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年7月30・31日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-普天間4ヘクタールが返還 沖縄は早期全面要求-2017年7月31日 00:27


 琉球新報は、「沖縄県宜野湾市中心部に位置し、日米両政府が全面返還に合意している米軍普天間飛行場(約481ヘクタール)の一部約4ヘクタールが31日、先行して返還された。政府には沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるが、早期の全面返還を求める県側との溝は大きい。名護市辺野古移設を巡り政府と県は激しく対立。全面返還の具体的見通しは立っていない。」、と報じた。
 また、「菅義偉官房長官と当時のケネディ駐日米大使が2015年12月、17年度中の先行返還を発表。返還地は普天間飛行場の東側に沿った約2キロの細長い区域で、全体の約0・8%。」、と報じた。


(2)沖縄タイムス-マングースは減ったが… 希少種保護策、ヤンバルクイナの新たな脅威は-2017年7月30日 06:34


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「国の天然記念物ヤンバルクイナなど多くの固有種が生息するやんばるの森。外来種の駆除対策の効果が表れ、マングースの捕獲数は年々減少し、ヤンバルクイナの個体数は回復傾向にある。一方、飼い主に捨てられ野生化した犬やネコがヤンバルクイナなど希少生物を捕食する新たな問題も起きている。」(北部報道部・山田優介)
②「環境省やんばる野生生物保護センターによると、本島北部に生息するヤンバルクイナの推定個体数は約1370羽(2016年度)。県は06年から大宜味村塩屋-東村福地ダムまで東西に横切る形でマングース北上防止柵を設置し、防止柵以北での捕獲や探索犬による駆除に取り組んできた。やんばるの森には、マングースを捕獲するわなを約2万個設置。筒状の中に豚の脂身を焼いたエサを仕掛け、マングースがくわえるとひもで縛られる仕組みだ。」
③「同センターは08年、マングースの駆除をする『やんばるマングースバスターズ』を結成した。作業員20人が日曜日を除く週6日、わなの点検やエサを取り換えるため森の中を歩いて回る。賀数清治さん(56)は、駆除歴10年のベテラン。予備のわなや無線機などの道具が入った重さ5キロのかばんを持って、50メートル間隔で置かれたわなを一つ一つ点検する。同センターによると、00年度からの17年間で5624匹のマングースを捕獲。最も多かった07年度は619匹だったが、昨年度は12月末までの集計で64匹に減った。」
④「賀数さんがことし捕獲したマングースは1匹。駆除が進むにつれ、マングースの個体数が減り、捕獲が難しくなっているという。賀数さんは『捕まらないのは駆除効果の表れ。次世代の子どもたちのために、やんばるの貴重な生物たちを保護したい』と話す。」
⑤「同センターの中田勝士・希少種保護増殖等専門員によると『マングースは生後半年で繁殖が可能。根絶しないとすぐに繁殖する』という。環境省は09年からマングースやふんを探す探索犬を導入。犬をマングースの臭いだけに反応するよう訓練し、痕跡を見つけた場所に定点カメラやわなを集中的に仕掛けて、27年度までに完全駆除を目指している。」
⑥「一方、飼い主に捨てられた犬やネコが野生化し、やんばるの希少生物を捕食する問題が起きている。野犬がヤンバルクイナを捕食する目撃情報が寄せられ、けがを負ったヤンバルクイナからは犬のDNAが見つかっている。同センターがやんばるの森で昨年捕まえた野ネコは4匹。国頭村と県動物愛護管理センターは国頭村で野犬3匹を捕獲した。県がことし、12年ぶりに改定した『レッドデータおきなわ』では、ヤンバルクイナの個体数は回復傾向にあるが野犬や野ネコなど「生存に関わる脅威」が取り除かれていないため、絶滅危惧IのB類から最も絶滅の恐れが高いA類にランクが上がった。野生生物保護センターの山本以智人自然保護官は『希少生物を守るため、関係機関と連携しながら野犬、野ネコの対策も強化していく必要がある』と話した。」


(3)琉球新報-普天間4ヘクタール先行返還 全体の0.8%、市道整備予定-2017年7月31日 09:58


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(約481ヘクタール)の一部約4ヘクタールが31日、先行して返還された。返還地は普天間飛行場の東側に沿った約2キロの細長い区域で、全481ヘクタールのうちの約0・8%。宜野湾市は『市道11号』の整備を予定している。」
②「政府は8月1日に宜野湾市で返還式典を開く。ただ、稲田朋美前防衛相の辞任など政治の混乱で、当初予定された菅義偉官房長官ら閣僚の出席は見送られた。政府には沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるが、早期の全面返還を求める県側との溝は大きい。名護市辺野古移設を巡り政府と県は激しく対立。全面返還の具体的見通しは立っていない。」
③「返還地については菅官房長官と当時のケネディ駐日米大使が2015年12月、17年度中の先行返還を発表した。菅氏は発表で『沖縄の皆さまに政府の取り組みを実感していただく』と強調。一方の翁長雄志知事は一定の評価を示した上で『飛行場の危険性除去に直接つながらない。除去の取り組みを早急に示してもらいたい』と訴えた。」
④「日米両政府は1990年6月に約4ヘクタールの返還に向けた調整で合意したが進展がなく、96年4月に全面返還に合意。時期は『2022年度またはその後』とされている。前提として政府が進める辺野古移設への反対は強く、県は今月24日に移設工事差し止め訴訟を起こした。」


(4)沖縄タイムス-【普天間4㌶返還】辺野古移設・那覇空港の米軍使用に課題 全面返還見通せず-2017年7月31日 07:50


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄が抱える最大級の米軍基地負担に位置付けられる普天間飛行場の一部約4ヘクタールが31日、返還される。県民が待ち望む全面返還は現行計画では早くて2022年度とされるが、前提条件となる名護市辺野古移設の工事が遅れ、ずれ込みは必至。米側が課した別の条件も最近になって障害として浮かび上がってきた。全面返還の時期や成否は依然として見通せない。」
②「1995年の米兵による暴行事件をきっかけに決まった普天間返還は当初、5~7年で実現させる構想だった。しかし、県内への移設を条件とされた沖縄の反発などで代替施設の具体化が進まず、返還予定時期は遅れを繰り返した。日米両政府が2013年に合意した現行計画は辺野古への移設完了までを9年と見積もっており、これが現在の目標時期の根拠となっている。だが、その後も辺野古代替施設の建設は計画通りに進んでいない。日本政府は15年10月に本体工事に着手したが、移設に反対する県との訴訟に伴い、昨年は約9カ月半にわたり中断した。今年4月に護岸の造成から始まった埋め立ての工程は完了までに5年、その後の施設整備などに3年の工期が見込まれており、順調に進んでも22年度には間に合わない。
③「なお阻止を目指す県は、工事差し止めを求めて今月24日に提訴。翁長雄志知事は『埋め立て承認の撤回』といった別の対抗策も講じる方針を示しており、工事が今後再び中断する展開も想定される。ハリス米太平洋軍司令官は昨年2月、移設は25年にずれ込むとの見通しを示した。さらに、日米両政府が13年に申し合わせた辺野古代替施設整備以外の7条件の中にも沖縄にとって容認し難いものが含まれていることが、ここにきてクローズアップされている。」
③「『緊急時の民間施設の使用改善』という項目で、緊急時に米軍機が那覇空港の滑走路も使えるよう米側が求めているとの観測が浮上。稲田朋美防衛相(当時)が6月の国会答弁で『米側と調整が調わなければ、普天間は返還されないことになる』と述べ、沖縄では波紋が広がった。翁長知事は『絶対に那覇空港は使わせない』と断言しており、新たな火種になりつつある。」


(5)沖縄タイムス-<イチから分かるニュース深掘り>那覇空港第2滑走路で発着回数は2倍になる?-2017年7月30日 12:38


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『国内にある滑走路1本の空港では、那覇空港は福岡空港に次いで2番目に発着回数が多いよ』 『ことしの夏ダイヤを見ると、国内線では31路線で1日当たり163往復、韓国や台湾をつなぐ国際線は14路線で1週間当たり202往復もの飛行機が飛んでいる。5年前に格安航空会社(LCC)も参入したから利用数はどんどん増加傾向にあるんだ』
②「1本しか滑走路がないと、1機でもトラブルが起こると多くの利用者に影響が出るね。:『そうなんだ。26日、那覇空港を離陸した自衛隊の戦闘機から部品が滑走路に落下して、約45分間も滑走路が閉鎖されたよ。少なくとも1万2700人以上の乗客に影響が出た。せっかく沖縄に遊びに来たのに、暑い機内に4時間以上閉じ込められた人もいるんだ』『15年には、那覇空港を離陸しようと走っていた旅客機の前を、航空自衛隊のヘリが横切って飛行したために、旅客機が急停止して離陸を中止したこともあった』」
③「あわや大惨事だね。解決策はないの?:『事故時の影響も問題だけど、増え続ける旅客数に対応することを目的に13年に、空港の沖合に2本目の滑走路を新しく造ることになったんだ。いま、国は20年3月末の完成、運用開始に向けて急ピッチで工事を進めている。7月時点で護岸工事は約96%、埋め立ては約32%完了しているよ』」
④「じゃあ、2本目の滑走路ができたら発着回数も2倍になるんだね。:『実はそうでもないんだ。沖縄総合事務局の試算によると、運用開始から10年たった30年度では、旅客機の発着回数は16年度の1・22倍の15万8千回だ。つまり、新しい滑走路が1本増えても発着回数は2割程度の増加にとどまるんだ』」
⑤「え~! どうしてそうなるの。:『滑走路北側の空域で嘉手納基地を使用する米軍機と進入経路が重なるため、順番を調整する必要があることも原因の一つ。あと、2本目の滑走路を使用する航空機がターミナルに向けて進む際、1本目の滑走路を横切ることになるけど、その時に1本目の滑走路の運用を停止しないといけないのも要因だね』『それと、日本の領空に入ってきそうな外国機に対応する航空自衛隊機の緊急発進(スクランブル)回数は、16年度で1168回。15年度から295回も増えて過去最多だった。自衛隊機のトラブルで滑走路が閉鎖されることもたびたび起きているから、今後の発着回数の妨げとなる可能性もある』」
⑥「せっかく新しい滑走路ができるのに困ったね。:『沖縄を訪れる観光客数はここ2、3年で900万人に迫る勢いで急増している。沖縄の経済界からは、2本目の滑走路を効率よく運用して発着回数や観光客の増加を目指そうという声が上がっているよ。二つの滑走路をつなぐ誘導路を増やしたり、旅客ターミナルビルの新設移転などを提言しようとしているんだ。それによって、滑走路増設の効果を高め、観光業や県経済の発展につなげたいと考えているんだ』『「那覇空港は経済活動や県民の生活を支える重要なインフラだ。沖縄のさらなる発展のためにも、みんなにとって利用しやすい施設になるといいね』」


(6)沖縄タイムス-辺野古新基地:「N5」と「K1」護岸建設予定地で作業進む-2017年7月31日 13:06


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ北側の『K9』護岸建設予定地付近で31日午前、クレーン車によって消波ブロックを設置する作業が進められた。辺野古崎西側の『N5』護岸建設予定地付近でも仮設道路整備とみられる作業が確認された。市民らはカヌー13艇、抗議船2隻を出し抗議した。午前8時50分ごろ、ゲート前では座り込んだ市民約30人を機動隊が強制的に排除し、約35台の工事車両がゲート内に入った。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-31 17:19 | 沖縄から | Comments(0)

【金平茂紀の新・ワジワジー通信(27)】(沖縄タイムス)を読む。

 金平茂紀(以下、金平)は、沖縄タイムスでの【金平茂紀の新・ワジワジー通信(27)】を、「驕(おご)れる人も久しからず。『平家物語』冒頭の文章に含まれるこのセンテンスの重みを僕らは今思い知らされている。」と始める。
 これだけで、誰のことを指しているのかは恐らくわかるだろう。もちろん、金平は、「『安倍一強』などと中世の貴族のごとく栄華を極めたかのように語られてきた政権のありように、国民は今醒(さ)めた視線を送り始めている。森友学園問題、加計学園問題、『「共謀罪』法の強引な可決成立のさせ方、政権内での身内・お友だちに対する度を越した庇(かば)いよう、そして忘れてはならないのは、沖縄県の声に対して聞く耳を持たない強圧的姿勢、それらに向けられた国民の視線である。驕れる人も久しからず。」、と続ける。
 話は、「『平家物語』に材をとって、平清盛の四男・知盛を主人公に描いた木下順二の戯曲に『子午線の祀り』がある。」、と続く。これまた、話の続きを予想させる。
 金平が語りかけた「そして忘れてはならないのは、沖縄県の声に対して聞く耳を持たない強圧的姿勢、それらに向けられた国民の視線である。驕れる人も久しからず。」の意味を、「平家物語」に語らせるのである。
 それは、「平家側にいた当時8歳の安徳天皇は海に身を投じ死に至る。天皇家の正統性を証明する『三種の神器』」とともに平家側の高位の者たちは次々に海に身を投げた。つまり集団入水自殺を遂げたのである。海上で展開された人間同士による戦争でも、月の軌道上の移動による潮流の変化という自然の摂理の前には人間など全くあらがうことができない。今から800年以上前にあったとされる海の上での人間の悲劇の根源にある冷徹な事実である。」。


 観念の人となっていた金平は地上に降り立ち、今度は、肉声で沖縄を語り始める。


(1)ダブルスタンダード(二重基準)を多用する指導者は信用できない。信頼されない。尊敬されない。驕れる人も久しからず。自国民に対しては「美しい日本の自然環境を守りましょう」と説きながら、他国民に対してなら「自然環境を壊すことも仕方がないだろう」と言えば、その指導者は人間としても失格だ。ところがそんな当たり前のことが、自国民である沖縄に限っては通じないのだ。ダブルスタンダード、問題ない。批判はあたらない。適切な処置が講ぜられているものと考えております。いけない、官房長官話法がうつったか。
(2)北部沖縄の大浦湾海域は豊かな自然に恵まれ、とりわけサンゴの群生地もあって、生物多様性の生きた教科書と言われている。海と近接して生態系で深くつながっている「やんばるの森」は環境省が国立公園に指定している自然の宝庫だ。そんな場所に軍事基地やヘリパッドをつくろうという発想自体がまず正気の沙汰ではないのだ。
(3)ごく普通のアメリカ人100人を大浦湾に招いて、彼ら彼女らに海の美しさを見せたらいい。ああ、何て美しい海なんだ。こんな豊かで美しい海をもつあなたたちがうらやましいと言うだろう。キャンプ・シュワブの兵士やその家族だってそのことを本能的にわかっているから、これまでも大浦湾で潜水や水泳を堂々とやっていた。そこを埋め立てて巨大なあなたたちアメリカ軍のための新基地をつくるというのだ。おかしいと思うでしょ? 北谷海岸に溢(あふ)れているアメリカ人ダイバーたちに聞いてみてもいい。大浦湾を埋め立てるなんて本当は馬鹿(ばか)げていると思うでしょう? 彼らは軽くウインクするだろう(イエス)。
(4)6月に僕は、大浦湾の通称チリビシという場所で潜ってみて群生するアオサンゴをみた。かなり大きなアオサンゴが垂直方向に成長していた。大浦湾にはアオサンゴやハマサンゴ、ミドリイシ、ユビエダハマサンゴなど多様なサンゴが生きている。直径5メートルくらいのハマサンゴは500年から1千年生きているそうだ。ミドリイシでさえ2メートルまでなるのには20年近くの歳月がかかると言われている。今月13日に、地元ダイバーたちが大浦湾に潜って、キャンプ・シュワブ内の「K9」護岸工事地点先端からわずか30メートルほどの海中にコブハマサンゴが生息していて、周囲をサカナたちが泳ぐ姿を確認したという。その護岸からは今も次々に砕石が海中に投入されている。
(5)沖縄防衛局、海上保安庁、沖縄県警および本土派遣の警察官、砕石をピストン輸送する建設業者は、彼らから見れば「全員一心一丸となって」、逆から見れば「まるで、ぐるになって」基地建設工事を推進している。今現在も彼らは時々刻々作業にまい進している。彼らの一人一人は、目の前に広がる美しい海が埋め立てられることを本当に望んでいるのか。
(6)「滅私」は僕ら日本人の得意技だ。反対派の人々が体を張って工事を止めようとしている。抗議船や手こぎのカヌーで海に繰り出す。圧倒的な物理的な力で排除される。美しい海の上を毎日のように防衛局や海保の警備艇が航行する。防衛局に借り上げられた漁船が海上をたゆたっている。それで決して少なくない日銭が銀行口座に振り込まれる。


 再び観念の人となった金平は、最後に、こう言い放つ。
 その姿は、般若の面を装っていた。


 「僕はその海上の実景をみながらもう一つの光景を幻視していた。平家が滅亡した壇ノ浦の海戦の頃からすでにこの大浦湾で生きていたサンゴを、800年以上の時を経て、今僕ら人間はそれを殺そうとしている。その『驕れる人たち』は、海を殺すばかりか、その海で代々生活を営んできた漁業者たちから漁を奪おうとしている。運用年数40年、耐用年数200年という設計仕様で巨大な軍事基地を、海を埋め立ててつくろうとしている。
 できてしまえばもっと長く使われるかもしれない。嘉手納基地も普天間基地もできてからもう70年以上がたっている。アオサンゴは100年単位で生きている。驕れる平家の時代から生きているのもいる。つくづく人間は愚かだと思う。それでいいはずはない。」




by asyagi-df-2014 | 2017-07-31 05:46 | 沖縄から | Comments(0)

政府は、「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場の候補地は、国土のうち沿岸部の約30%は「輸送面でも好ましい」、と。

 東京新聞は、標題に関して、「国民の理解 置き去り」、と次のように報じた。


(1)原発で使い終わった核燃料から出る『核のごみ(高レベル放射性廃棄物)』をめぐり経済産業省は二十八日、最終処分場を建設できそうな地域を色分けして示す地図『科学的特性マップ』をホームページ上で公開した。火山からの距離など自然条件を基に全国を四分類した結果、国土のうち沿岸部の約30%は『輸送面でも好ましい』とし適性が高い地域に分類。これらを含む約65%を建設できそうな地域と判断した。」 
(2)経産省は秋から全国で対話集会を開いて説明し、処分場の調査受け入れを複数の自治体に打診する方針。世耕弘成(ひろしげ)経済産業相は地図は処分場建設に向けた『重要な一歩』だと強調した。
(3)処分場は地下三百メートルより深い地中に建設。核のごみを数万年にわたり閉じ込める「地層処分」という手法を採る。自然環境に照らして設けた七つの基準に抵触する地域などを「好ましくない」などと実質的に除外した。調査のため処分場着工までに二十年程度をかける。福島県は東京電力福島第一原発事故からの復興途上にあり、政府から積極的な働きかけはしない。青森県は六ケ所村が再処理工場を受け入れた経緯があり、政府と最終処分場を建設しない約束を結んでいる。
(4)核のごみの行き場は決まっておらず、経済産業省は「現世代の責任」と強調する。しかし、現状でも原発を動かしてごみを出し続けている経産省自身の無責任な姿勢は相変わらず。国民からは批判が絶えず、「国民の理解」は置き去りにされたままだ。通常の工場は産業廃棄物の処分場が確保できていないと動かせないが、政府は原発を特別扱いしてきた。今年三月末時点で国内の使用済み核燃料は一万七千八百三十トン。既に保管できる容量の七割を超えた。中にはあと三年程度でためておけなくなる原発もある。それでも政府は原発を動かす方針を崩さない。経産省が地図づくりの途中で行った意見公募では、無責任な政策に国民から批判が多く寄せられた。耳を傾けない政府の姿勢が改まらなければ、国民の間に政府に協力しようという機運は生まれない。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-30 12:38 | 書くことから-原発 | Comments(0)

大阪地裁は、「国の不指定とした処分を取り消す」、と判決を出す。

 朝日新聞は2017年7月28日、標題について次のように報じた。


(1)朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した28日の大阪地裁判決。「国の不指定とした処分を取り消す」。裁判長が判決主文を読み上げると、一瞬間をあけて、生徒や学校関係者らで埋まった傍聴席から、歓声が上がった。
(2)大阪朝鮮高級学校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」が大阪地裁に提訴した時、中級学校3年だった金宏城(キムグァンソン)さん(19)は法廷で判決を聞いた。「どんな結果になるのか不安だったが、ほっと一安心。司法は公平な判断をしてくれた」と喜びをにじませた。
(3)在日4世である自分のルーツを知った上でどう生きていくかを考えたいと、日本の高校ではなく高級学校を選んだ。当時はなぜ朝鮮学校だけが除外されたのかよく理解できなかった。だが、朝鮮大学校(東京都)に進学し、歴史や政治を学ぶうちに「制度的な差別なのではないか」と考えるようになった。
(4)朝鮮学校の教員をしていたこともある母から、どんなにサッカーやラグビーが強くても、高校体育連盟に加盟できず、総体に出場できない時代があったと聞いた。同胞が一丸となって加盟を勝ち取ってきたと知った。無償化不適用も根っこは同じ。先輩たちが闘ってきたように、今度は自分たちが頑張る番じゃないかと思ってきた。
(5)月に一度は、東京・霞が関の文部科学省前で朝鮮学校の無償化適用を訴えるデモ「金曜行動」に参加する。同じ大学校に通う仲間や日本の友人らとともに、ビラを配り、署名を集める。「どんな子どもにも等しく学ぶ権利がある。無償化適用は自分たちの世代で解決したい」
(6)大阪朝鮮高級学校2年の女性(17)は朝鮮学校だけが無償化の対象にならないことで、アイデンティティーを否定され続けていると感じてきた。国側が拉致問題や朝鮮総連との関係を主張することに強い違和感があった。「政治と教育は関係ない。責任を罪のない子どもに押しつけないでほしい」という。いま中級学校2年の妹も高級学校への進学を希望している。妹が通う時には、無償化適用を受けていてほしいと願ってきた。


 広島地裁の判決時に、「『審査基準も合理的で、差別には該当しない。』、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。」、と批判した、
 今回は、「朝鮮学校を無償化の対象から外した国の政策の誤りを、厳しく指摘した」(朝日新聞)判決となった。
 日本の司法は、まだ自らの存在を示すことができる。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-30 06:17 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年7月29日

 全国知事会議の米軍基地負担に関する研究会で、「基地関連収入の比重は大幅に低下しており、『沖縄は基地の経済でもっている。基地とは離れられない』という話は誤解だと共通認識を持てるのではないか」、と。
 今更という感がないわけではないが、正しい認識は確かに必要だ。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年7月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-ヘリパッド運用停止を 高江 市民ら120人が抗議集会-2017年7月29日 05:00


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の運用停止を求め、オスプレイ・ヘリパッド建設阻止高江現地実行委員会は28日、「住民無視・高江ヘリパッド運用抗議集会」を開いた。約120人が北部訓練場のメインゲート前に座り込んで抗議した。」、と報じた。
 また、「北部訓練場には東村高江のN4(2ヵ所)、国頭村安波にN1(同)、H、Gの六つのヘリパッドが建設された。N4地区のヘリパッドは2015年2月、残りのヘリパッドは今月11日から運用が始まった。オスプレイをはじめとする米軍機が午後10時以降も集落上空を飛び交い、高江区民は『「夜中に起きてしまう』『旋回する音がとてもうるさいので集落上空を飛ばないでほしい』と騒音被害を訴えている。」、と報じた。


(2)琉球新報-「工事遅らせよう」 辺野古新基地建設で約70人が座り込み-2017年7月29日 10:29


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で29日午前9時半ごろ、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で約70人が座り込み『新基地阻止』『違法工事中止』などのプラカードを掲げて抗議した。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は『稲田朋美防衛相の辞任に伴い、8月に内閣改造があるかもしれない。それでも辺野古の工事が止まることはないと思う。今後も工事を遅らせるような行動を取り、一緒に頑張っていきたい』と呼び掛けた。一方、台風の接近に伴い、海上作業は確認できなかった。」、と報じた。


(3)琉球新報-「基地経済でもつ」は誤解 知事会研究会が「沖縄の現実」報告-2017年7月29日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「岩手県で開催された全国知事会議は最終日の28日、『米軍基地負担に関する研究会』の座長を務める上田清司埼玉県知事が在沖米軍基地の現状や跡地利用の経済効果などを報告し『基地関連収入の比重は大幅に低下しており、【沖縄は基地の経済でもっている。基地とは離れられない】という話は誤解だと共通認識を持てるのではないか』述べた。翁長雄志知事は『インターネットでは誤解に満ちた情報があふれている』と述べた。」
②「研究会は全国の在日米軍専用施設のうち70・4%が沖縄県に集中していることや、都道府県面積に占める米軍基地(自衛隊管理で米軍が使用する基地を含む)の面積の割合も沖縄県が8・25%と全国一高いことなどを調査結果として取りまとめた。」
③「上田知事は『在日米軍専用施設の数、面積とも沖縄県が他の都道府県を大きく引き離している』と報告した上で『在日米軍については外交、軍事上の極めてセンシティブ(敏感)な問題だが、知事会が総ざらいする動きを見せることで、政府が言いやすくなる部分もあるのではないか』と語った。」
④「全国知事会長の山田啓二京都府知事は『報告内容には、知っているようで知らない沖縄の現実が書き込まれている。報告書を見てもらい、(メンバー以外の知事も)研究会の会議に参加してほしい』と呼び掛けた。」
⑤「翁長雄志知事は『米軍専用施設は訓練の時間も含め日本の権限が全く及ばない。地方自治のあり方を考える上でも、今後研究会で議論される日米地位協定についても考えてほしい』と語った。」
⑥「研究会は10月後半から11月前半に日米地位協定をテーマに会議を開く。」


(4)沖縄タイムス-辺野古新基地の代替へ検討会議 モチヅキ教授、日米識者で発足方針-2017年7月29日 09:31


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「外交、安全保障を研究する米ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ教授は28日、米軍普天間飛行場返還問題を巡り、現行の辺野古新基地計画の代替案を提言するため、日米の有識者らで検討会議を立ち上げる考えを示した。早期に立ち上げ、来年夏ごろを目標に新たな案を示す方針だ。28日、沖縄タイムス社を訪れ、明らかにした。」
②「モチヅキ氏は、普天間返還の方策は『県民が納得できるものでなければならない』と指摘。反対が根強い辺野古新基地建設が強行されれば『問題は、しこりやとげとなって残る』と述べ、米軍の安定的駐留にも影響を及ぼすとの認識を示した。」
③「メンバーは日米と沖縄の安全保障や外交の専門家らを想定。沖縄の意見を取り入れつつ、軍事面でも米軍が受け入れ可能な案を、客観性を維持しながら研究する方針だ。モチヅキ氏は、現行計画に反対の意思を示した上で『新たな提案により、辺野古が唯一とする日米両政府に再検討を促したい』と意欲を示した。」
④「辺野古新基地建設の現状などを確認するために1年ぶりに来沖。この日、名護市瀬嵩も訪れ、新基地建設予定地の海上や工事の進捗(しんちょく)を確認した。『工事はまだ初期の段階。辺野古以外の案を考える余地があると思う』と述べた。『何回も来ているが、これほどきれいな海を埋め立てて新しい滑走路を造るのは残念だ』と話した。31日には翁長雄志知事とも会談し、検討会議の立ち上げ方針などを報告する。」


(5)沖縄タイムス-沖縄のパワースポット「備瀬のワルミ」 立ち入り禁止に 理由はやっぱり・・・観光客マナー-2017年7月27日 06:30


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「そり立つ岸壁とその割れ目の美しさからパワースポットとして人気を集めていた沖縄県本部町備瀬の『備瀬のワルミ』が、ごみ投棄や私有地への無断侵入など観光客のマナーの悪さを理由に立ち入り禁止となっている。14日に金網や有刺鉄線を張った地元住民は『最低限のマナーが守られ、一定のルールがつくられない限り解除はできない』と訴える。観光客からの問い合わせが相次いでいる町や備瀬区は対応に頭を悩ませている。」(北部報道部・城間陽介)
②「備瀬区によると、3~4年ほど前から観光客が押し寄せるようになった。テレビや旅行雑誌でパワースポットとして取り上げられ、会員制交流サイト(SNS)で急速に広まった。拝めば子宝に恵まれるという口コミもあったという。一方で、周辺には観光客が捨てたとみられるごみが散乱。多数のレンタカーが駐車され、個人の敷地へ無断侵入があるなどの問題が発生した。近くに住む男性(59)は『この2年間、毎週観光客が捨てたごみを拾ってきた』と不満を募らせる。玄関口にレンタカーが止まり、出入りに苦労した住民もいるという。『本当はしたくないが、立ち入りを禁止する以外に方法がなかった』と話した。」
③「陸側から『備瀬のワルミ』の海岸に至る唯一の小道が住民の私有地にかかっており、現在、金網が設置されている。フクギ並木道で有名な備瀬区には多くの観光客が訪れ、フォトウエディングスポットにもなっている。撮影が許可制になる前は区の許可無しに通行規制がされるなど住民の間で不満がたまっていた。ある男性住民は『観光客の8割は散歩や撮影するだけの素通り。お金も落ちない。撮影のために洗濯物もどけるよう言われもした』と漏らした。」
④「高良善久区長(69)によると、区の御願所のワルミは地元住民が普段立ち寄るところではなかった。立ち入り禁止に、高良区長は『気持ちとしては分かるが、もう少し長い目で見た話し合いが必要』と話し、入場料を取ることも含め対策を考えたいとしている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-07-29 18:26 | 沖縄から | Comments(0)

広島地裁は、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」、と言い放つ。(2)

 広島地方裁判所は2017年7月19日、高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した国の処分をめぐる裁判で、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」として、広島朝鮮高級学校側の訴えを退けた。
 「審査基準も合理的で、差別には該当しない。」、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。
 このことを、東京新聞(2017年7月21日)、朝日新聞(2017年7月21日)、毎日新聞(2017年7月20日)の社説で考える。
 この3社の社説の見出しは、順番に、「朝鮮学校訴訟 無償化の原点に戻れ」「朝鮮学校無償化 子の救済は大人の責任」「朝鮮学校の無償化で初判断 制度の理念に反しないか」、となる。
 3紙の主張の要約は次のようになる。


Ⅰ.主張


(朝日新聞)
(1)教育の機会を公平に保障するという制度の理念に立ち返って判断すべきなのに、あまりに粗雑な論理で導いた判決だ。
(2)問われているのは、子どもの学ぶ権利に関わる教育行政の公平性である。原告側は控訴する方針という。高裁は丁寧な審理を尽くしてほしい。


(東京新聞)
(1)いわば大人の都合で、子どもの学びの機会に格差が生じるのは残念でならない。広島地裁は、朝鮮学校を高校無償化の対象から外した国の処分を適法と判決した。大人の責任で実現せねばならない。
(2)高校に当たる高級部では、日本で生まれ育った千三百人余りが学んでいる。日本の大学の多くは、卒業生に受験資格を認めている。国側はこうした現実を踏まえ、就学支援金が確実に授業料に使われる仕組みを勘考できないものか。
(3)北朝鮮は核やミサイルを開発し、日本人拉致問題の解決には後ろ向きだ。朝鮮総連を含め、国民が注ぐまなざしは厳しい。本来、子どもの教育に政治的、外交的な問題を絡めるべきではない。だが、朝鮮学校の教育内容や財務、人事といった運営を巡る疑念が晴れない限り、税金投入に国民の理解は得られにくい。子どもの学ぶ権利の救済、機会の保障はもちろん、大人の責任である。


(毎日新聞)
(1)社会全体で子供の成長を支えようとする制度の理念に、例外が認められるかどうかが争われた。
(2)一方、学校側にも改善する点はあるだろう。判決は、無償化で生徒に支援金を支給しても授業料に充てられない恐れを指摘する国の主張を認めている。学校側も反論するのであれば、そうした懸念を拭う努力を重ねていくべきだ。肝心なのは、子供の学ぶ権利と機会を確保することである。教育内容や財務状況を広く社会に開示し、情報公開を進めていくことで、理解を深めていく必要がある。


Ⅱ.問題点
(朝日新聞)
(1)判決が焦点をあてたのは、学校と朝鮮総連との関係だ。国は、過去の新聞記事や公安調査庁の報告書をもとに、「朝鮮総連の『不当な支配』を受け、無償化のための支援金が授業料に使われない懸念がある」と主張。判決はこれを認めた。この先も資金流用がありうると、どんな証拠に基づいて判断できたのか。地裁が取りあげたのは、約10年前の別の民事訴訟の判決だ。「総連の指導で学園の名義や資産を流用した過去がある」と指摘し、「そのような事態は今後も起こりえると考えられた」と結論づけた。総連の支配の継続については「変更や見直しを示す報道が見当たらなかった」ことを理由にした。朝鮮学校が総連と関係があるとしても「不当な支配」とまでいえるのか。地裁が実態の把握に力を尽くしたとは言い難い。
(2)原告側は生徒や教員の証人尋問や学校での現場検証を求めた。だが、地裁は採用せず、代わりに授業内容などのビデオ映像が法廷で上映された。少なくとも朝鮮学校や総連の関係者を証人として法廷に呼び、財務資料を提出させるなどし、国の主張が正当かを具体的に確認すべきではなかったか。
(3)政治・外交問題に直接関係のない朝鮮学校の生徒に、まるで「制裁」を科すような施策には、国連の人種差別撤廃委員会も懸念を示している。中華学校やブラジル人学校など40余りの外国人学校が無償化の対象になっている。申請を国が認めなかったのは朝鮮学校だけ。制度の本来の目的に立ち返り、国は適用を検討すべきだ。多くの大学・短大が朝鮮高級学校生の受験資格を認めているのも、日本の高校に準じた教育水準とみなしているからだ。


(東京新聞)
(1)問題の根っこは、子どもに代わって学校側が就学支援金を受け取る代理受領の仕組みにあろう。朝鮮学校は、北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にあり、無償化の資金が授業料に充てられないことが懸念されると、国側は主張していた。
(2)とはいえ、無償化制度の理念は、学校運営そのものの支援ではない。すべての高校生が家庭の収入にかかわらず、学ぶ機会に等しくアクセスできるよう、社会全体で負担を分かち合うことである。
(3)その理念を重視し、責任のない卒業生らの救済に動こうとした形跡は、広島地裁の判断からは読み取れなかった。国側と学校側との相互不信の谷間に、個々の子どもが落ち込んでいるように見える。


(毎日新聞)
(1)今回の裁判所の判断は、無償化制度の趣旨に合っているのだろうか。無償化は、高校段階の個々の生徒に対し、国として学びの機会を経済的に支援するのが基本理念だ。学校自体への支援制度ではない。
(2)朝鮮学校は終戦直後、在日朝鮮人の子供に朝鮮語を教えるため、各地にできた「国語講習所」が前身だ。現在は66校(休校5校)ある。高校にあたる「高級部」は全国に10校あり、1300人余りが学んでいる。朝鮮語で授業し、朝鮮史など民族教育に特徴があるが、数学や化学などは日本の学習指導要領に沿った内容だ。日本の大学の大半は、卒業生に日本の高校生と同様、受験資格を認めている。インターナショナルスクールなどと同じ「各種学校」にあたるが、これらは無償化の対象になっている。
(3)生徒は日本で生まれ育ち、日本社会の中で生活している。子供に責任のない理由で、無償化の対象から外すのは制度の理念に整合しない。



 問われているのは、「社会全体で子供の成長を支えようとする制度の理念に、例外が認められるかどうかが争われた。」(毎日新聞)ということである。
 また、日本国憲法26条に規定された「子どもの学ぶ権利に関わる教育行政の公平性である。」(朝日新聞)、が試されたのである。
日本国憲法26条の教育の無償化とは、「高校段階の個々の生徒に対し、国として学びの機会を経済的に支援するのが基本理念だ。学校自体への支援制度ではない。」(毎日新聞)、ということの真実さへ、日本の司法は、手放さそうとしている。
 このままでは、日本の司法は、その意味を失ってしまう。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-29 12:16 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

広島地裁は、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」、と言い放つ。(1)

 広島地方裁判所は2017年7月19日、高校の授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した国の処分をめぐる裁判で、「国に裁量の逸脱はなく、適法だ」として、広島朝鮮高級学校側の訴えを退けた。
 「審査基準も合理的で、差別には該当しない。」、との地裁の判決は、歪んだ現状認識に寄り添い、日本国憲法による不断の努力を冷酷に切り捨てている。
 このことを、毎日新聞は2017年7月20日、次のように報じた。


(1)朝鮮学校を高校無償化の適用対象外にしたのは憲法違反だなどとして、広島朝鮮初中高級学校(広島市東区)を運営する「広島朝鮮学園」と元生徒ら約110人が対象外適用の取り消しや慰謝料など約6000万円を国に求めた訴訟で、広島地裁は19日、原告の訴えを全面的に退けた。小西洋裁判長は対象外とした文部科学相の判断について「裁量の範囲逸脱や乱用が認められるとはいえない」と述べた。原告側は近く控訴する方針。
(2)同種訴訟は大阪、東京、名古屋、福岡の4地裁で係争中で、今回が初の判決だった。 判決などによると、高校無償化は2010年4月に当時の民主党政権が導入。私立高校などの生徒には学校を通じて就学支援金が支給される。政府は同年11月の北朝鮮の韓国砲撃で、朝鮮学校の支給審査を停止した。さらに12年12月に発足した第2次安倍政権は、拉致問題の進展がないことなどを理由に支給対象外とする方針を発表。文科省は13年2月、支給基準を定めた省令を削除して朝鮮学校を対象外とした。
(3)原告側は他の外国人学校は対象となっているとし、「政治的、外交的な理由から差別的に扱われている」と主張。民族教育などを学ぶ権利や教育の機会均等を保障する憲法、国際人権法などに違反すると訴えていた。
(4)判決は、北朝鮮や朝鮮総連と朝鮮学校が密接な関係にあり、「不当な支配」を受けて教育基本法に違反する恐れがあるとする国側の主張を認め、「就学支援金が授業料に使われないことが懸念される」と指摘。「審査基準も合理的で、差別には該当しない。適用対象となった他の外国人学校には類似の事情は認められない」とした。文科省は「国の主張が認められたものと受け止めている」とのコメントを発表した。
(5)「権利を得られない悔しさと、やるせない思いでいっぱいです」。広島朝鮮初中高級学校を高校無償化の対象外とすることを認めた19日の広島地裁判決に、元生徒で原告の団体職員、黄希奈(ファンフィナ)さん(25)=広島市南区=は涙をこらえて話した。
 黄さんは出身の岡山県の初中級学校を卒業後、中四国で唯一、高級部がある広島朝鮮学校へ進んだ。無償化法は2年時に成立したが、国は朝鮮学校の支給審査を停止。黄さんは仲間と無償化適用を求める署名活動をしたが実現せず、進学を諦める同級生もいた。「無償化が適用されていれば、大学に進む費用の準備もできた。同じ思いをする後輩が増えると思うと悔しい」と唇をかんだ。
(6)高級学校を運営する広島朝鮮学園の金英雄(キムヨンウン)理事長(59)は記者会見で「多文化共生の歩みに逆行し、到底容認できない」と語気を強めた。高級部は70人が在籍。2012年度以降は広島県・市が合わせて年間約2000万円の補助金支給を凍結し、学校の年間予算は前年度から約2割減った。15年度は授業料を増額。一般校に進む生徒が増え、10年度より在校生は2割以上減った。
(7)弁護団長の足立修一弁護士は「朝鮮学校に対して差別をしていいと言っているに等しい判決」と批判した。



by asyagi-df-2014 | 2017-07-29 06:04 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年7月28日

 航空自衛隊は2017年7月27日、部品を落下させたF15戦闘機の同型機の飛行を再開した。「原因が解明されていない段階で、事前に連絡もなく飛行を再開」(沖縄タイムス)、という手法は、米軍のやり方そのものである。 


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年7月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「ヘリパッド使わせない」 北部訓練場ゲート前で抗議集会-2017年7月28日 11:32


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場で運用されているヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)運用に抗議する集会が28日午前11時、北部訓練場のメーンゲート前で開催された。ヘリパッドに反対する約70人がゲート前に座り込んで『このヘリパッドは使わせない』『オスプレイの運用をやめさせる』と抗議の声を上げた。東村平良に住む宮城勝己さん(64)は『昨日もオスプレイが飛んでいた。平良でもうるさかったので、高江の騒音はもっとひどいはずだ』と話した。六つのヘリパッドは今月から運用が始まった。午後10時以降にオスプレイが集落上空を飛び交っており、高江区の住民らは騒音被害を訴えている。」、と報じた。


(2)琉球新報-パラシュート降下訓練中止を決議 うるま市議会、全会一致-2017年7月28日 11:55


 琉球新報は、「うるま市議会(大屋政善議長)は28日午前10時、臨時会を開き、津堅島訓練場水域でのパラシュート降下訓練の中止と、日米合同委員会で同水域のパラシュート降下訓練を行わないとする決定と明記を求める抗議決議、意見書を全会一致で可決した。議案提出した基地対策特別委員会の喜屋武力委員長は、19日にもことし4度目となるパラシュート降下訓練が実施されたことに触れ『うるま市と県は訓練中止を強く求めたが、それを無視する形で強行されており、同訓練の常態化が強く懸念される』と述べた。
抗議決議と意見書は首相、防衛相、駐日米大使などに郵送する。」、と報じた。


(3)琉球新報-那覇市、控訴へ 自衛隊用地の税過大徴収判決で議会同意-2017年7月28日 12:24


 琉球新報は、「那覇市が2006年度から那覇空港や隣接する航空自衛隊、陸上自衛隊用地を3施設ごとに評価し固定資産税の過大徴収が生じたとして那覇地裁が市に2400万円の支払いを求めた件で、那覇市議会(翁長俊英議長)は28日、臨時会を開き、那覇市が控訴することについて賛成多数(出席議員31人中、賛成21、反対10)で同意した。市は8月1日に福岡高裁那覇支部に判決の取り消しを求めて控訴する。」、と報じた。
 また、「市は05年度までは3施設を一団の土地として算定する方法を採用していたが、06年度の評価替えで、別々に算定するよう見直した。その結果、陸自用地と空自用地の評価額が以前より高くなった。09年度には再び一団の土地として算定したが、19日に那覇地裁は市の対応が固定資産税額の決定に国家賠償法上違法性があるとして、市敗訴の判決を出した。」、と報じた。
 さらに、「市は判決に対して06年度の評価について『旧自治省の行政実例に基づき算定した』として『適正な評価課税をしており、違法性がない』と主張し、控訴する方針を議会に提案した。議会では『市の説明に説得力がない』などとして、自民会派4人、那覇の翼無所属Gのうち4人、市民クラブ2人が控訴に反対した。」、と伝えた。


(4)沖縄タイムス-稲田防衛相、沖縄の基地問題で薄い存在感 丁寧な説明ないまま退場-2017年7月28日 07:39


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「稲田朋美防衛相は名護市辺野古の新基地建設で、沖縄県が反発する中、護岸工事に着工した大臣となったが、実際には基地問題は官邸が主導しており、存在感は薄かった。」
②「護岸工事に着工した今年4月25日の記者会見で稲田氏は、県の反発に対し、『沖縄の負担軽減にかかる政府の取り組みについて、説明を尽くす努力を継続する』、『「しっかりと対話を進めたい』などと述べたが、その後、翁長雄志知事と辺野古の問題で意見を交わすことはなかった。」
③「昨年12月には北部訓練場返還にも立ち合った。返還条件だった新たなヘリパッド建設には反対運動を避けるため、陸上自衛隊のヘリコプターを投入して資機材を搬入するなど、工事を強行した。今年6月の参院外交防衛委員会で稲田氏は、米軍普天間飛行場の返還条件を巡り、『米側と協議、調整が整わないようなことがあれば、返還がなされないことになる』と防衛相として初めて答弁し波紋を広げたが、詳細な内容は明かさなかった。」
④「基地問題を巡り、丁寧な説明が尽くされぬまま、退場することになる。」


(5)沖縄タイムス-辺野古 再び法廷へ(3)名護市長選まで半年 裁判の影響注視する与野党-2017年7月28日 14:14


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『うーん、やっとという感じですね』。6月7日、翁長雄志知事の辺野古差し止め訴訟の提起表明に、稲嶺進名護市長はほっとした表情を見せた。4月に護岸工事が始まり、市議会では野党から新基地建設阻止の公約の実現性を問われていた。県が提訴した25日、稲嶺氏は市が直接裁判に関わることはないとしながらも『可能な限り知事を支えていく』と報道陣を前に決意を語った。」
②「辺野古新基地建設には、辺野古漁港周辺の作業ヤード整備、美謝川の出口を確保するための水路切り替えなど、市長の許可が必要な場面が今後出てくる。しかし、沖縄防衛局は当面の工事に許可は必要ないとして市への申請を先送りしている。市幹部は『できる部分から工事を進めて既成事実をつくり【いまさら権限行使してどうなるの?】という状況を狙っているのだろう』と推測する。」
③「目下、“可能な限り”の最大支援は来年1月の名護市長選で地元から反対の民意を政府に突きつけること。稲嶺氏は現時点で出馬を明言していないものの、知事を支える市の体制作りの重要性を繰り返し強調する。市長選まであと半年。与野党双方とも裁判所の判断が少なからず選挙に影響するとみている。稲嶺氏を支える与党市議団は反対の民意が持続するよう戦略を練る。ある市議は『本当に基地建設を止められるのかという疑問に応えるため、これまで以上に市長権限の有効性、実効性を分かりやすく発信する必要がある』と強調。別の市議も『まだ工事は始まったばかり。完成までの見通しが立っていない現状を広く知らせ、諦めないムードづくりが大事になる』と語った。」
④「一方、市政奪還を狙う野党市議は『棄却となれば【裁判所が言うなら、これ以上反対しても仕方ない】と折れる人も出てくる』と見込む。地元選出県議で候補者選考委委員長の末松文信氏はすでに『昨年末の最高裁判決で辺野古問題は決着している。争点にはならない』との認識で、別のテーマを軸に据え戦う考えだ。また、裁判の行方次第で選挙の勝敗を左右するとされる公明党の動向に影響する可能性もある。約2千票あるとされる公明票は与野党共に無視できない数。普天間飛行場の県外・国外移設を掲げる公明県本部に対し、与党側は4年前と同じ自主投票を期待し、野党側は辺野古移設に関する文言調整、その他の政策面で譲歩するなど協力を引き出したい考え。公明党市議は『辺野古に関しては状況をみながら県本と慎重に詰めたい』とし、自主投票か否かの判断は年末になる見通しを語った。」


(6)沖縄タイムス-那覇空港で部品落下の空自F15同型機、飛行再開-2017年7月28日 08:15


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「航空自衛隊第9航空団は27日、那覇空港で26日に部品を落下させたF15戦闘機の同型機の飛行を再開した。第9航空団が本紙の取材に通常訓練を再開したと明らかにした。県は27日、空自に対し早急な原因究明と再発防止を求めたばかりで、原因が解明されていない段階で、事前に連絡もなく飛行を再開した空自の対応に県は反発を強めている。」
②「富川盛武副知事は27日午後、県庁に第9航空団トップで那覇基地司令の川波清明空将補を呼び、原因究明などを申し入れた。このとき既に訓練を再開していたとみられるが川波氏から飛行再開の言及はなかった。また、川波氏は謝罪する一方、調査結果の公表に関しては『今回は事故調査とは異なり、一般的に公表していない。状況を確認して対応したい』と述べるにとどめ、公表するかは明言しなかった。」
③「富川氏は、26日の事故で欠航や遅延が相次いだことに触れ『沖縄の玄関口の空港で事故が発生したことは大変遺憾だ』と批判。観光客が多く訪れる時期の事故に『観光地としてのイメージが損なわれる』と懸念を示した。さらに、住民への説明がないまま飛行再開することは『県民の理解を得られない』と指摘したが、川波氏は飛行再開の有無には言及しなかった。『さらに安全を高めるべく努力したい』と安全対策に取り組む姿勢を示した。県によると、第9航空団は26日夕、『点検を終えた機体から順次、飛行を再開する』と県に説明したという。第9航空団は27日、所属するF15約40機を点検し『異常はなかった』としている。」
④「F15は26日、那覇空港を離陸する際に着陸灯の部品を落下させ、滑走路が午前9時45分ごろから約45分間、閉鎖された。本紙の航空各社への取材によると、同日は那覇発の旅客機計8便が欠航し、少なくとも102便が機材繰りなどで遅延。乗客計1万2700人以上に影響が出た。27日の発着便は通常通りだった。F15は今年1月にもタイヤが脱輪して機体が立ち往生し、滑走路が約2時間閉鎖された。」




by asyagi-df-2014 | 2017-07-28 17:30 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟に入る。(2)

 沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟を、那覇地方裁判所に提訴した。
このことについて、沖縄タイムスと琉球新報の社説で考える。
 まずは、要約する。


Ⅰ.主張


(琉球新報)
(1)翁長雄志知事は「あらゆる手段を使い、辺野古新基地建設を阻止する」と言明してきた。提訴は当然である。司法には公正な判断を求める。判決が出るまでの工事差し止めの仮処分も速やかに認めるべきである。
(2)漁業権放棄と岩礁破砕許可を巡る法的対立がある以上、国は少なくとも県が求める事前協議に応じるべきだった。
(3)知事が主張するように、国はなりふり構わず埋め立て工事の着手という既成事実を積み重ねようとしている。しかし、豊かな生物多様性を誇り、かけがえのない財産である辺野古・大浦湾の海を埋め立て、県民の手が届かない国有地に「耐用年数200年」ともいわれる新基地を建設することは到底容認できない。
(4)辺野古新基地建設を巡っては、2015年10月の翁長知事による埋め立て承認取り消しを受けて国が代執行訴訟を提起。その後和解が成立したが、改めて国が知事を相手に不作為の違法確認訴訟を起こし、昨年12月に最高裁で県敗訴の判決が確定した。
(5)最高裁判決は、日米安保条約、不平等な日米地位協定に基づく沖縄への基地集中をただす姿勢が見られず国策に追従するものだった。
(6)今回の訴訟を通じて、沖縄の民意に反する工事を強行する国の不当性に、司法はしっかり向き合うべきだ。


(沖縄タイムス)
(1)憲法と地方自治法が施行されて今年でちょうど70年になる。憲法と地方自治法がまっとうに運用され、政治が機能していれば、このような県と国の法廷闘争が繰り返されることはない。他府県とあまりにも異なる基地負担の押しつけは、公正・公平であるべき行政を大きく逸脱しており、正当化できない。政府は埋め立て工事を中断し、打開に向け県との話し合いを再開すべきだ。
(2)沖縄では復帰後も、安保・地位協定が優先され、憲法と地方自治法に基づく権利が制約を受けてきた。復帰の際、政府は未契約米軍用地を強制使用するため、沖縄だけに適用される公用地暫定使用法を制定した。だが、憲法でうたわれた住民投票は実施されなかった。米軍用地特措法が改正されたのは、県知事の権限を封じ、未契約米軍用地を継続使用するためだった。そして今また、新基地建設のための強権の乱発である。この異常な事態こそが裁かれるべきだ。


Ⅱ.訴訟の意味
(琉球新報)
(1)今回、県が申し立てた訴訟は直接的に工事の差し止めを求めるものではない。名護市漁業協同組合による漁業権の一部放棄後、漁業権の存在を確認するものだ。
(2)県は工事海域には漁業権が存在し、県による岩礁破砕許可が必要との立場を取る。県漁業調整規則は漁業権の設定されている漁場内で岩礁を破砕する際には知事の許可を受けるよう求めている。
(3)仲井真弘多前知事が国に出した岩礁破砕許可の期限は3月末で切れている。それにもかかわらず、国は工事を強行した。岩礁破砕を伴う違法行為が差し迫る中、裁判で国が漁業権の存在する海域で許可なしに岩礁破砕してはならないことを確認する。漁業権を変更する際は都道府県知事の免許を受けなければならないとする1985年の政府答弁も根拠とする。
(4)国の立場は、岩礁破砕許可の前提となる漁業権が消滅したため、再申請の必要はないというものだ。漁業法第31条などを根拠に、漁業権の変更免許を受けなくても漁業権は消滅すると主張する。71年の衆議院農林水産委員会での水産庁長官の「漁業協同組合の特別決議をもって漁業権の一部の消滅が可能である」という答弁も根拠に挙げる。88年の仙台高裁判決も論拠としているが、正反対の判決も出ており、判例は確定したとは言い難い。


(沖縄タイムス)
(1)裁判が決着するまで、工事を一時的に中断する仮処分も、合わせて申し立てた。
辺野古を巡る県と国の対立が裁判に持ち込まれるのはこれが5回目である。今回の裁判は、埋め立て承認取り消し処分を巡って争われた過去の辺野古訴訟とは、その性格が異なる。
(2)漁業権が設定された海域で埋め立て工事を実施する場合、県の岩礁破砕許可を得る必要があるが、国は許可期限が切れた後も、許可を得ずに工事を続けている。「このまま工事が進めば無許可のまま岩礁が破壊されるのは確実で、県漁業調整規則に反する」というのが県の主張だ。これに対し政府は、地元の名護漁協が埋め立て海域の漁業権を放棄したため、岩礁破砕許可は必要ない、と指摘する。
(3)裁判の争点ははっきりしているが、本来問われるべき点は別のところにある。他府県では起こり得ないことがなぜ、沖縄で繰り返されるのか。
(4)司法は最終的な解決の場ではない。県が好んで国と対立しているわけでもない。県が再び、司法の場に問題を持ち込んだのは、国が、県や地元名護市の主張に一切耳を貸さず、強引に工事を進めているからである。
(5)日米両政府は、合同委員会という「密室」で、臨時制限水域の設定に合意し、それを根拠に県の立ち入り調査を拒否してきた。環境影響評価(アセスメント)でも情報公開、住民参加の原則は生かされず、肝心のオスプレイ配備が、ある時期まで伏せられた。
(6)水産庁は漁業権に関する過去の見解を変え、岩礁破砕の許可は不要という沖縄防衛局の判断にお墨付きを与えた。
(7)翁長雄志知事が提訴後の記者会見で語った「不条理を感じている」という言葉は、重い。その言葉に真剣に向き合うことなしに問題を解決することはできない。


 確かに、両社の指摘を受けて、次のことは言える。


Ⅰ.辺野古を巡る県と国の対立が裁判に持ち込まれるのはこれが5回目である。今回の裁判は、埋め立て承認取り消し処分を巡って争われた過去の辺野古訴訟とは、その性格が異なっている。県が申し立てた訴訟は直接的に工事の差し止めを求めるものではない。名護市漁業協同組合による漁業権の一部放棄後、漁業権の存在を確認するものだ。
Ⅱ.沖縄県の主張は、「漁業権が設定された海域で埋め立て工事を実施する場合、県の岩礁破砕許可を得る必要があるが、国は許可期限が切れた後も、許可を得ずに工事を続けている。このまま工事が進めば無許可のまま岩礁が破壊されるのは確実で、県漁業調整規則に反する」。
Ⅲ.安倍晋三政権の主張は、「地元の名護漁協が埋め立て海域の漁業権を放棄したため、岩礁破砕許可は必要ない」。
Ⅳ.他府県では起こり得ないことがなぜか、沖縄県では繰り返される。結局、他府県とあまりにも異なる基地負担の押しつけは、公正・公平であるべき行政を大きく逸脱しており、正当化できないものになっている。


 やはり、沖縄タイムスの次の指摘を、押さえるしかない。


 「沖縄では復帰後も、安保・地位協定が優先され、憲法と地方自治法に基づく権利が制約を受けてきた。復帰の際、政府は未契約米軍用地を強制使用するため、沖縄だけに適用される公用地暫定使用法を制定した。だが、憲法でうたわれた住民投票は実施されなかった。米軍用地特措法が改正されたのは、県知事の権限を封じ、未契約米軍用地を継続使用するためだった。そして今また、新基地建設のための強権の乱発である。この異常な事態こそが裁かれるべきだ。」




by asyagi-df-2014 | 2017-07-28 05:51 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年7月27日

大田昌秀元知事の功績をたたえ、冥福を祈る県民葬が2017年4月26日行われた。 「今後とも県民に対するいかなる差別や犠牲の強要にも反対する」、との寂辞が沖縄を覆い尽くしている。
 『大田先生の遺言は、基地を造らせてはだめ、造れば沖縄がまた戦場になってしまう、というもの。かなえてください。よろしくお願いします』と会場から安倍首相に向けて発っせられたという。
 安倍晋三首相よ。心を空にしてこの声を聞け。
 日本人よ。『安保が大事なら全国で負担を』の声を胸に。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年7月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「平和と共生、受け継ぐ」 大田元知事県民葬、2000人が惜別-2017年7月27日 06:30


琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「6月12日に亡くなった大田昌秀元知事の功績をたたえ、冥福を祈る県民葬(実行委員長・翁長雄志知事)が26日午後、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで催された。約2千人が参列し、大田元知事との最後の別れを惜しんだ。翁長知事は式辞で『大田さんの理念を受け継ぐ』と決意を示した。鶴保庸介沖縄担当相と共に出席した安倍晋三首相は、追悼あいさつで『沖縄の明るい未来の構築にできるだけ貢献していく』と基地負担軽減と沖縄振興に取り組む姿勢を強調した。友人代表としてあいさつした比嘉幹郎元副知事が『今後とも県民に対するいかなる差別や犠牲の強要にも反対する』と述べると会場からは拍手が湧き起こった。」
②「翁長知事は式辞で、平和の礎(いしじ)建立や県公文書館開館、基地問題への対応などの大田氏の知事時代の功績を示し『沖縄の基地負担軽減が国政の場で取り上げられるようになったのは間違いなく大田さんの決断によるものだ』とたたえた。その上で『われわれ県民は、大田さんが終生貫かれた【平和を愛する共生の心】の理念を受け継ぎ、未来を担う子や孫が心穏やかに笑顔で暮らせる沖縄を築き上げるため努力を続けることを誓う』と述べた。」


(2)琉球新報-N5護岸関連工事に海から抗議 辺野古新基地-2017年7月27日 10:49


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設で27日、辺野古崎先端西側の『N5護岸』建設予定地付近に砕石を並べる作業が続けられた。工事に反対する人たちは抗議船2隻、カヌー10艇で抗議活動を展開した。」、と報じた。
 また、「米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、約80人が座り込んで『美ら海壊すな』『新基地反対』とシュプレヒコールを上げた。26日に催された大田昌秀元県知事の県民葬について話す人の姿が目立った。うるま市の伊波義安さん(75)は『大田さんの思いは平和な沖縄が続くことだ。参列した安倍晋三首相は、大田さんの言葉に反し県民にこれだけ負担を押し付けておいて、よく恥ずかしくないものだ』と憤った。」、と伝えた。


(3)琉球新報-沖縄戦戦没者、民間人遺骨も鑑定へ 厚労省対象広げる-2017年7月27日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「厚生労働省は民間人を含む沖縄戦戦没者の遺骨のDNA鑑定に向けた作業に着手する。26日から今月12日に集団申請した遺族らに対し、順次、DNA鑑定申請書を送付し、情報収集に努める。26日、厚労省事業課の担当者が沖縄戦遺骨収集ボランティア『ガマフヤー』の具志堅隆松代表に電話で伝えた。政府はこれまで鑑定の対象は軍人・軍属であることや死亡場所の地域条件を設けるなど限定的な対応をしていたが、今後は民間人の戦没者も鑑定の対象とし、国の責務として戦後処理問題の解決に乗り出す。」
②「具志堅さんは『涙が出るほどうれしい。一人でも多くが遺族のもとへ返ることを願っている。大きな一歩につなげたい』と期待した。」
③「厚労省はことし3月に死亡した場所が比較的特定しやすい旧日本軍の関係者の遺族だけでなく、民間人の犠牲者についてもDNA鑑定の対象を広げることを発表した。これを受け具志堅さんと遺族らは今月12日、東京都内で厚労省担当者と面談し、民間人を含む戦没者169人分の遺骨の身元を特定するためのDNA鑑定を望む遺族の名簿135人分を提出した。厚労省の担当者は本紙取材に『希望者全員の鑑定が必ず実現するかについては、現段階では分からない。柔軟に対応したい』との見解を示した。今回、鑑定を求めている戦没者の大半は民間人で、死亡場所も分からない例が多い。」
④「具志堅さんはこれまで限定的だった鑑定対象の裾野が広がったことについて一定の評価をするものの、鑑定実施の基準の不透明さに疑問を呈す。『戦争の犠牲になった全ての人々の遺骨を捜し、遺族に返すことは国の責務だ』と訴え、遺族の高齢化が進む中、迅速な対応を求めた。」
⑤「学徒兵として動員され、本島南部で亡くなったとみられる兄・榮徳さん(享年14)の遺骨を探すため集団申請に名を連ねた新里良彦さん(81)=那覇市=も、今回の政府の判断に『大変喜んでいる』と語った。ただ、戦後72年がたち個人レベルでの遺骨収集が極めて困難な状況であることを理由に『国や県の協力が不可欠だ』と強調し、民間人を含む全戦没者の鑑定を認めるよう懇願した。」
⑥「厚労省は今月中にも省のホームページ上でDNA鑑定の申請希望者を募る。」


(4)琉球新報-ヘリパッド騒音 初調査 防衛局 高江住民、被害訴え-2017年7月27日 10:38


 琉球新報は、「沖縄防衛局は26日、東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場で今月から運用が始まったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)に離発着する米軍機の飛行ルートや騒音の調査を初めて実施した。」、と報じた。
 また、「防衛局の職員は高江小学校の屋上から目視で米軍機の飛行ルートを確認した。東村高江のN4、国頭村安波のN1、H、G地区の六つのヘリパッドは垂直離着陸輸送機MV22オスプレイをはじめとする米軍機が離発着訓練を繰り返しており、ヘリパッドに囲まれた高江集落の住民は騒音被害を訴えている。高江区の仲嶺久美子区長によると25日は午後10時半以降もオスプレイが集落上空を飛んでいた。仲嶺区長は『夜中まで飛ぶと目が覚めてしまう。集落の上空を飛んでいるかどうかは、しっかり確認してほしい』と求めた。調査は午後5時ごろまで実施された。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-大田元知事県民葬:安倍首相へ拍手まばら 教え子「基地造るな」-2017年7月27日 11:16


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「安倍晋三首相は追悼の辞で、『基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くす』などと述べた。しかし、参列者からの拍手はまばらだった。あえて拍手をしなかった那覇市の外間永邦さん(68)は『大田先生が望むのは辺野古の新基地建設をやめること。言葉と行動が違う首相には来てほしくなかった』と厳しい目を向けた。」
②「安倍首相が祭壇を降りる途中、参列者の1人から懇願するような声も上がった。宜野湾市の高校教諭宮城千恵さん(58)。『大田先生の遺言は、基地を造らせてはだめ、造れば沖縄がまた戦場になってしまう、というもの。かなえてください。よろしくお願いします』と安倍首相に向けて発した。宮城さんは大田さんが琉球大学教授時代の教え子。宮城さんの亡き父親も鉄血勤皇隊として動員され、大田さんと親交が深かったという。宮城さんは大田さんが亡くなる前、沖縄国際平和研究所を訪ね、大田さんから『基地を造らせてしまったら戦争になる。絶対に基地を造らせてはいけない』と言われたという。」
③「宮城さんは献花後、取材に応じ『最後の言葉として胸に残った。大田先生と沖縄の多くの人の気持ちを伝えたかった』と話した。」


(6)沖縄タイムス-辺野古「N5護岸」で作業続く ゲート前では150人座り込み-2017年7月27日 12:52


 沖縄タイムスは、「新基地建設が進められている沖縄県名護市辺野古では27日午前、辺野古崎先端西側の『N5護岸』建設予定地で石材を浜辺に敷き詰める作業が続いている。仮設道路の整備とみられ、市民グループは船やカヌーを出して抗議している。一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では市民ら約150人が抗議の座り込みを続けた。午前11時半までに資材の搬入はなかった。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-辺野古 再び法廷へ(2)「想定内」勝訴に自信の政府 護岸工事、現状は停滞 -2017年7月27日 14:14


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県が提訴に踏み切った24日、辺野古問題を担当する和泉洋人首相補佐官や稲田朋美防衛相は、国会の閉会中審査に臨み、加計(かけ)学園問題や陸上自衛隊のPKO活動に関する日報問題で追及を受けていた。このところ、防衛省は次から次へと出てくる稲田氏の問題で対応に追われていた。そんな落ち着かない中での提訴。防衛省関係者は『前から言われていたこと。きちんと対応する』と、想定内といった様子で淡々と受け止めた。」
②「別の関係者は『今回の訴訟は気にしていない。強いて言えば、(工事を一時的に禁止する)仮処分が認められるかどうかだけだ』と話す。訴訟を起こしただけでは工事は止まらず、争点となる岩礁破砕許可の法解釈についても水産庁の“お墨付き”を得ているため、『負けることはない』と自信をみせる。」
③「実際に工事が止まるとすれば仮処分が認められた時だけだが、『本訴訟で国が負ける可能性は低いため、仮処分も認められないだろう』と、表情には余裕さえ浮かぶ。『どうしてこんな訴訟をするのか』『早く撤回してと市民に突き上げられる中で、何かやっているというポーズだろう』」
④「政府内には5回目となる訴訟に、嘆息交じりの声も広がる。『最後のカード』となる撤回を見据えると、今回の『ポーズ』が逆に県が自分自身を苦しめるとみる向きもある。『県は撤回するにしてもその理由を積み上げなければいけない。県からしてみれば、岩礁破砕許可はその理由の一つに成りうる。その“貯金”を自ら取り崩して先取りするとは』」
⑤「強気に映る政府だが、護岸工事の見通しは必ずしも良好ではない。現在、K9護岸を延ばす工事は事実上ストップしている。台風シーズンを迎えた上、護岸の延伸上に移植しなければならないサンゴがあるとみられるからだ。今後の工事は、辺野古崎西側に集中するが、資材の確保にも課題がある。」
⑦「サンゴ移植には知事権限の採補許可が必要になる。政府関係者は『知事選で翁長知事の対抗馬が勝てば、許可は得やすくなる』と話すなど、来年の名護市長選や知事選の状況をみながら申請を判断することになりそうだ。」
⑧「工事を急ぐ背景には、後戻りできないところまで進めたい思惑が透けるが、結局、工事は一朝一夕に進まないのが現状だ。」




by asyagi-df-2014 | 2017-07-27 20:31 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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